2011年度兵庫県予算案の組み替えについての記者発表
県民のくらし・福祉を守り、ムダ削減、中小企業応援の県予算へ
2011年度兵庫県予算案について
「民主党政権になっても、政治がよくならない」「くらしが苦しい」という県民の悲痛な声を受けとめ、切実な県民の願いの実現がもとめられています。
しかし、「第二次行革プラン」初年度の県予算は、「財政のきびしさ」「収支不足」などを理由に、県民の福祉医療助成等の削減を継続する一方で、主に大企業向けの企業立地補助金に相変わらず37億円もの予算を組んでいます。
また、「選択と集中」で、ダムや高速道路等の大型公共事業も、すすめる姿勢はかわっていません。
11年連続となる日本共産党の予算組み替え
日本共産党兵庫県会議員団は、県民の立場にたって県政をチェックすると同時に、具体的な提案型の活動として、今年で11回目となる予算組替えを行いました。
国政や県政で、住民とともに取り組みをすすめ、議会の質問にもとりあげ、少人数学級や子どもの医療費助成、武庫川ダムの実質中止などにも努力してきましたが、県政の方向、あり方を問うと同時に、県民のくらしの痛みにわかり、県民の願いが届く県議会のための、具体的・建設的な提案として、積極的な議論を呼びかけます。
予算組み替えのフレーム
無駄・不急の事業、103項目・約627億円(一般会計・特別会計の2%程度)を減らし、そこから生み出された一般財源、約122億円を、県民の要求の強い、くらし、福祉、教育などの分野に振り向けている。その他、特定財源である、宝くじ益金約5.4億円を、住宅のバリアフリー・耐震化・民間住宅リフォーム助成や、私立高校の耐震化、太陽光発電施設の普及促進などに振り向ける。
さらに、借金(県債発行)を約311億円減らし、財政の健全化を図っている。
予算組み替えの主な内容
- 「県行革」で削減された、福祉・医療とくらしの予算を充実
- 福祉医療の改悪をストップする
- 老人医療費公費助成を「新行革」前にもどす(1,570,000千円)
- 重度障害者(児)医療費助成を「新行革」前にもどす(160,000千円)
- 母子家庭等医療給付事業(574,000千円)
- 高齢者・障害者向けの施策の削減をやめる
- 在宅老人介護手当の復活(8,310千円)
- LSA配置促進事業の増額(10,000千円)
- 重症心身障害児の指導交付金(40,386千円)
- 障害者の地域生活の支援(3,000千円)
- 県単の小規模作業所補助(15,978千円)
- 教育・保育など
- 保育所など民間社会福祉施設の交付金(71,338千円)
- 私立学校経常費補助を新行革前に(140,000千円)
- 特別支援学校のバス介助員の民間委託をやめる(18,000千円)
- 「児童クラブ」補助の加算分の復活(50,000千円)
- 交番相談員を昨年並みに(48,430千円)
- バス対策費補助(90,000千円)
- 離島航路の支援費(3,449千円)
- 健康福祉事務所の職員費を09年並みに(222,775千円)
- 農業改良普及センター運営費の予算増(31,000千円)
- 大企業優遇をあらため、中小企業と正規社員をふやす施策に重点
- パナソニック等への企業立地補助を削減(△3,752,660千円)
- 「多様就業」ワーク・ライフ・バランス促進(△66,089千円)
- 「働く若者のハンドブック」(冊子)の発行(2,000千円)
- 民間住宅リフォーム、耐震化、バリアフリー事業の拡充(300,000千円)
- 深刻な医療問題の解決のために
- 国民健康保険の保険料の軽減(451,145千円)
- 後期高齢者医療制度の保険料軽減(360,000千円)
- 2次救急病院や周産期医療の充実(59,263千円)
- 医師不足の解消のための研修医師の県採用を増やす(22,858千円)
- 看護師学生就学資金貸付金の復活(21,552千円)
- 子育て、教育への支援を強める
- こどもの医療費を、中学校卒業まで、一部負担と所得制限をなくし、入院給食を含めて完全無料化する(5,574,000千円)
- 35人学級を小学校5・6年生で実施(1,476,000千円)
- 私立学校の施設の耐震化支援・促進(100,000千円)
- 私立高校生徒の授業料軽減(563,533千円)
- ごはん給食推進事業の復活(10,721千円)
- 地球温暖化対策の促進や自然環境保護
- まちなか太陽光発電促進事業を創設(146,664千円)
- ひょうごCO2削減推進を企業まかせでなく実効あるものに(10,000千円)
- 不要・不急の公共事業の見直し、県民合意のない事業を見直す
- 不要・不急の公共事業の削減
- 神戸空港、関空2期、但馬空港など空港関連(△954,221千円)
- 道路関連の事業(△17,091,846千円)
- 無駄、環境破壊のダム事業(△4,151,643千円)
- 六甲グリーンベルト事業(△1,300,000千円)
- 環境問題や必要性に疑問のある大規模林道(△451,470千円)
- 国が負担すべき国直轄の公共事業(△13,125,115千円)
- 過大な情報ハイウェイ事業(△317,860千円)
- 協議会や期成同盟などの分担金(△25,643千円)
- 県民合意のない事業など
- 関西広域連合の分担金(△115,922千円)
- 不公正な同和行政が残っている事業を削除(△454,779千円)
- 国民保護計画と自衛隊との人事交流(△11,359千円)
- 警察の報償費の削減(△46,000千円)
- 住民基本台帳ネットワーク関連(△856,911千円)
- 議員の海外渡航費の見直し
- 友好都市訪問の公式行事のみとし、人数も限定するなど簡素化する(△11,500千円)
|