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2010年度予算特別委員会教育委員会 新町みちよ
2010年3月11日

特別支援教育の施設・人員の拡充を

■新町みちよ■ 特別支援学校についてお尋ねする。
 特別支援学校の児童生徒数が大幅にふえている。障害別では、視聴覚や肢体不自由児は微増で、また減となっているが、知的障害が増大をしている。私も特別支援学校に行かせていただき、本当に驚いたが、知的障害の、例えば県立神戸特別支援学校などは、敷地にそれこそいっぱいに仮設住宅の建設はもとより、特別教室をつぶして教室を確保されている。陶芸とか美術それから木工教室、相談室などの特別教室は、障害児にとってはとりわけ必要不可欠な教室で、障害児教育の命だと現場の先生は言われているものである。このため、教育に大きく支障が出ている。重複障害で車いすの生徒でも、音楽教室へは階段しかないというふうに、バリアフリーにもなっていない。狭い教室、老朽化も問題である。来年度はさらに3クラスふえる予定だということである。何とかしてほしいと、学校現場からも保護者からも悲鳴が上がっている。県立神戸特別支援学校の過密解消のために、まず整備計画をつくることを求めるが、いかがか。

■特別支援教育課長(紅山 修)■ 全国的に知的障害特別支援学校へ就学及び進学する児童生徒が増加している現状は十分認識している。その原因等について現在、国において調査研究を行っているが、疫学的に増加しているという確実な証拠はないと言われている。特別支援教育の充実により、この教育の理解が広がり、保護者の障害受容の高まりや専門的な教育を求める傾向が強まってきたことにより増加してきたと考えられている。本県では、その対応として、県立特別支援学校の整備推進や教職員の専門性の向上などを柱とする「特別支援教育推進計画」を平成19年に策定し、それに基づき、知的障害特別支援学校3校を新設することとしている。また、複数障害種別に対応する再編整備を行い、教育課程の編成の工夫等により、それぞれの障害種別に対応した教育内容の充実に向け、取り組んでいるところである。
 今後も、社会状況の変化に対応しながら、保護者の願いや期待にこたえていくために、特別支援学校の一層の充実に取り組んでまいりたいと考えている。

■新町みちよ■ 具体的なお答えはなかったが、本当に知的障害児がふえることによって、特別支援学校に入学を希望する生徒がふえることによって、本当に過密状態、これ以上子供を受け入れることができないというような状況になっている。早急に整備計画をつくって対応していただきたいというふうに思う。
 もう一つ、上野ケ原特別支援学校と高等特別支援学校、これはもともと病弱の上野ケ原特別支援学校に、知的障害の中でも職業の自立をめざせるという高等特別支援学校が、つまり全く役割の違う学校が同居した。大変な矛盾が起こっている。運動場も体育館も1校分しかない。だから雨のときなんかは本当に大変になっている。園芸をする場所も校舎の下に設けられている。畑の確保もなかなかできない。本当に課題が山積みである。このままではまともに、やはり障害教育ができない。高低差の多い校舎であり、廊下も坂になっている。大変滑りやすい。ところが上野ケ原のこの特別支援学校の隣接に、国立三田中央病院の跡地がある。一部は利用されているが、本当に広い空き地があるわけで、だれが見てもここを使えばというふうに言われる。借地や購入などすれば解決をするというふうに思う。ぜひ検討いただきたいと思うが、いかがか。

■特別支援教育課長(紅山 修)■ 本県では、平成19年に策定した「特別支援教育推進計画」に基づき、県立特別支援学校の再編整備を5ヵ年で推進している。複数障害種別に対応した特別支援学校として、知的障害部門を新たに設置する特別支援学校の再編整備において、淡路聴覚特別支援学校、和田山特別支援学校では既存校舎のトイレ改修、普通教室の内装改修等を実施している。また、のじぎく特別支援学校では、隣接していたのじぎく療育センターの跡地を活用し、知的障害児童生徒を受け入れることで必要となる普通教室や特別教室、自校給食を行うための厨房を整備した校舎等を増築することとしている。また、平成22年度には上野ケ原特別支援学校においても、教室棟の増築に向けた実施設計を行うこととしている。
 なお、複数障害種別に対応した特別支援学校への再編に当たっては、これまで培ってきたそれぞれの障害に対応した教育理念や使命を尊重し、複数の障害に対応できる組織として専門性を有する学校体制づくりを行うこととしている。

■新町みちよ■ 上野ケ原のところでは、多目的ホールをつくるという計画だけで、これでは抜本的な解消にはならない。真剣に考えてこられないというのは、計画の中で、この特別支援学校の入学者のピークを平成24年、25年というところに置いて、その後は生徒が減少するというふうに見ておられるからではないかと思うが、その根拠は平成18年の入学率を基準にしておられるが、子供の数というのはもう何年も前から減少をしているわけである。今おっしゃった、兵庫県特別支援教育推進計画では、県立特別支援学校の知的障害部門の生徒の増える見込み、増減の見込み、平成17年度と21年度をこれで見ると、平成17年度は1989人が、平成21年度は2115人という見込みになっているが、実際は平成21年度では3218人、1.6倍に増え、人数も1100人以上増えている。少子化は進んでいるが、特別支援学校への進学率は伸びている。これは見込みが違うのではないかと思う。違っている見込みで、減っていくということで施設整備を怠る、これを理由にしてはならないと思うが、いかがか。

■特別支援教育課長(紅山 修)■ 先ほども申し上げたように、全国的な知的障害特別支援学校へ就学及び進学する児童生徒の増加傾向は大きなものとなっている。平成18年に現計画を策定したときに、委員ご指摘のとおり、平成18年当時の児童生徒の入学率や進学率等をもとにした推計をしたところである。なお、ここ一、二年の知的障害特別支援学校への児童生徒数の増加については、それまでの入学率や進学者数の動向では把握できなかった、先ほど述べた保護者の障害受容の高まりや専門的な教育を求める傾向の強まり等が大きな要因ではないかというふうに考えている。今後は、これらのことを勘案しながら、特別支援学校教育の充実に努めてまいりたいというふうに考えている。

■新町みちよ■ 特別支援学校への入学希望者が増えるその原因を、やはりしっかりと考えていくべきだと思うが、やはり保護者が望んでいるというふうに思う。これは、背景にはやはり兵庫県の競争と管理の教育、この中で不登校とか引きこもりとか、本当は知的障害にならなくても済むというような子供たち、また発達障害、こういった子供たちが普通の学校に行けない、普通科の学校に行けないという中で増えてきた。個に応じて一人一人を大切に考えてくれる、こういう特別な支援を求めてくる子供たちや保護者が増えているのではないか。これは兵庫の教育そのものが問われているのではないかというふうに思う。
 次は、人的配置の問題である。
 兵庫県の教員の本定数内臨時教員の割合は、本当に高い。中でも特別支援学校の率は全国5位と異常に多くなっている。1654人の教師のうちで423人、平均で25.57%、学校によっては過半数が非常勤の教諭だというところもある。県の臨時教員の任用は、同一校で1年とされている。最長で2年の任用となっている。2年を限度として、他校へ転校しなければならないとしている。しかし子供たちにとっては、とりわけ障害児教育は、専門性や継続性が必要とされると思う。本来は当然正規で採用されるべきが臨時の教員のままになっているのが問題である。総務省の見解では、臨時教員はあくまで臨時的、一時的であって、臨時的任用の職が長期にわたって存在していることが問題としている。地方公務員法第22条では、6カ月を勤務して良好な成績で遂行したときには、正式採用になるものとしている。そこで、希望する臨時職員を全員正規の職員として採用すること、今後も、臨時的、一時的以外は正規の教員として採用するように求めるが、いかがか。

■教職員課長(小南克己)■ 本県教員採用試験においては、平成17年度から特別支援教育に係る採用区分を設け、10名の募集を行った。その後現在まで、この区分による募集を継続・増加をさせ、今年度実施した来年度採用は24名を募集したところである。また、県立特別支援学校の正規教員を確保するため、人事交流により県立高等学校や市町立学校からも多くの教員を異動させている。また、このような教員や、特別支援学校の臨時講師等の専門性を高めるため、教育職員免許法認定講習を実施しているが、今年度は、正規教員・臨時講師を合わせて延べ約1000名の方が受講している。一方、県立特別支援学校への児童生徒数が急増する中で、教員定数はこの3年間で1490名から約1692名へ200人の急増となったため、そのすべてを正規職員の配置で対応することができなかった。今後、県立高等学校や市町立学校からの異動の一層の促進を図りながら、特に臨時講師の比率の高い学校については、早急に正規教員の充実に努めてまいりたいと考えている。

スクールバスの民間委託の撤回を

■新町みちよ■ ぜひ正規の職員として、現在勤めておられる臨時の講師も採用いただき、そして今後も正規職員をふやしていただきたいというふうに思う。
 次に、特別支援学校のスクールバスの民間委託について質問する。
 新設校のスクールバスの民間委託が進み、そして既設の学校にも導入が行われ、現在8校で導入がされようとしている。これに対して、障害児の安全・安心が脅かされる、介助員の人たちだけでなく、保護者からも心配の声が上がっている。特別支援学校のスクールバスの介助員の人たちは、スクールバスの添乗と同時に、教室での介助の両方を受け持っている。しかし、すべて非常勤である。中には40年間働いていると言われる、長年勤めてこられて、そして豊かな経験を持っている、こういう人たちもいる。言ったように、スクールバスの介助は単なるバスの添乗ではない。数十名の障害のある子供たちの送迎であるが、バスの中では発作やパニック、それから暴力行為、飛び出してしまうという子供たち、そして排せつも日常的にあって、朝のバスの中での子供たちのその日の状況を、介助員の人たちは教師に伝えている。そして昼間はみずから教室介助を行っている。そしてその上で、帰りのバスに乗る子供たちの状況をそれぞれ教師から聞き、送っていくわけである。一人一人の状況を熟知し、そしていざというときにも教師との連携もスムーズにとれるから、今の状況がうまくいっているわけである。スクールバスの民間委託は、この一連の流れを絶ち切ってしまう。本来、学校と切り離せない業務を切り離し、そして民間に丸投げすれば、学校との教育連携ができない、これはもう明らかではないか。安全の確保が危ぶまれるわけである。これに問題はないのかどうか、お答えをいただきたいと思う。

■特別支援教育課長(紅山 修)■ スクールバスについては、運行時間を守り安全に運行するとともに、添乗業務についても適切な児童生徒への介助が行われることが重要であると考えている。
 特に、新たにスクールバスを配置する学校においては、バス配置当初から安全な運行及び適切な介助を行うことが求められるため、新たに介助員を採用するよりも、添乗業務を民間委託し、専門的な経験を生かした実績のある業者から業務提供を受ける方が、児童生徒の通学における安心・安全がより確保できるものであると考えている。
 また、添乗業務を民間委託することで、介助員を校内介助業務に専念させることができ、校内における介助業務の充実や介助員の活用を柔軟に図ることができると考えている。
 これらのことに加え、添乗業務も含めた委託を実施してきた学校においては特段に問題も生じていないことから、引き続き添乗業務を含めた委託を行うこととしている。今後も学校と受託会社が連携し、障害のある児童生徒や保護者から通学時の安全確保について信頼が得られるよう努めてまいりたいと考えている。

■新町みちよ■ 和歌山県が、特別支援学校のスクールバスの添乗業務が偽装請負になっているとの労働局からの指摘を受けて、この4月から県立高の添乗員を直接雇用するというふうにした。民間委託では、指揮命令権のない学校側が生徒の対応依頼をすれば偽装請負となる。民間委託は違法である。教育的観点からも、労働条件も悪いものである。県下の実際の募集例で見ると、特別支援学校の通学バスの介助業務では、給与は1時間1000円のパート労働で、雇用期間は4カ月未満となっている。これでは単なる添乗員にすぎないし、4カ月の短期間では経験も積むことができない。障害児のことを本当に考えているとは思えないやり方である。安全・安心の確保はできないと言わざるを得ない。現在、スクールバスの民間委託が行われている西播磨特別支援学校や東播磨特別支援学校では、他の既設校と比べて介助員は4人また1人など、極端に少なくなっている。教育介助がなくなっていると思うが、これは大きなマイナスと考える。
 そこで、特別支援学校のスクールバス民間委託を、現在実施しているところは直接雇用とすること、また新しく導入はしない、民間委託しないことを求めたいと思うが、いかがか。

■特別支援教育課長(紅山 修)■ スクールバス業務を民間委託するに当たって、児童生徒の安心・安全を第一に考え、学校と密に連絡がとれる業務責任者の配置や、緊急時の対応マニュアル等を活用した緊急時の適切な対応と連絡体制の構築、研修等による、児童生徒、個々の障害の状況や行動の特徴等に関する学校・受託会社の共通理解の推進等に努めているところである。また、制度的にも適切な委託契約となるよう、学校と受託会社との連絡体制等については、関係機関への相談を行い、特段の指導を受けているところではない。今後とも、連絡体制については常に検証を行い、適切な運営となるよう努めてまいりたいと考えているところである。

■新町みちよ■ 民間委託では子供たちの安全は守れないというふうに思う。行革を推進して、そして結局は子供たちや職員に大きな犠牲がかかっている。改めて撤回を求めて、質問を終わる。

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