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2010年度予算特別委員会財政状況 新町みちよ
2010年3月3日

財政再建は、社会保障の充実、中小業者の支援でこそ

■新町みちよ■ 日本共産党の新町みちよである。よろしくお願いする。
 政権交代後、国の方は初めての予算の編成になるし、世界的な経済危機の中で日本だけは2番底の心配がされる深刻な経済状況のもとでの予算の編成となった。
 県民の暮らしをいかに応援をするかという観点で、財政状況を点検する立場で質問をさせていただく。
この間、小泉内閣の三位一体の改革は、三位一体と言いながら、結局は国庫負担金や地方交付税など地方財政の削減が押しつけられたというふうに思う。この路 線が厳しい批判を浴びて、新政権のもとで一定程度の回復が図られた形で、マスコミでも地方交付税1.1兆円の増額などと報じられた。兵庫県でも県税収入の 大幅減が見込まれるもとで、地方交付税が670億円の増額となっている。ただ、住民の願いを実現する上で、十分な地方財源の確保かと言えば、まだ途上だと いうふうに考える。地財計画上の地方交付税の上積みの措置は、地域活性化・雇用等臨時特例債9850億円がある一方で、昨年の地域雇用創出推進費 5000億円が廃止となったので、新たな上積みは4850億円だけだというふうに考える。
兵庫県にとって、この地方交付税増額、どのように見ておられるのか、まずお尋ねをしたいと思う。

■財政課長(西上三鶴)■ 22年度の地方財政対策で、今回、地方交付税1.1兆円増額されたし、いわゆる実質的な交付税である臨時財政対策債を含める と、3.6兆円で過去最高額の措置がされたところであるので、一定厳しい地方の財政状況に配慮された措置と考えているところである。

■新町みちよ■ 県の地方交付税増額要因の計算でも、実質的な地方交付税の増というのは、県税収入などの減に対する補てんが496億円、行政需要 増への対応が315億円となっている。行政需要増の中には、臨時財政対策債の償還など、義務的な経費も多いわけである。一層、国に対して、地方財源の確保 を求めていく必要があるというふうに思う。その際に注意をしていただきたいのは、政権がおっしゃっている地域主権の確立という名前で、地方財源の一括交付 金化、例えば保育所の整備基準の緩和などが行われつつあるということである。一見、いかにも地方の自由度が上がるように見えるが、これはやはりナショナル ミニマム保障に対する国の責任の放棄になりかねないというふうに思う。ここはやはり、憲法に保障された生活水準を、どこに住んでいても、だれにも平等に保 障するという見地で、国に対し必要なものは国庫負担金として維持するよう、地方財源の確保を求めていっていただきたいというふうに思う。
 次に県債の問題である。新たな起債発行額は減り、県債残高は一般会計で4兆1226億円となっている。借金残高初の4兆円というふうにもマスコミに報 道されているが、私たちはかねてより県の借金の大幅増は、県が90年代の国の経済対策に乗って、不要不急な公共事業、公共投資を80年代の倍の4兆 5000億円にふやしたこと、そして震災からのいわゆる創造的復興によるものだと指摘をしてきた。震災関連の県債残高は、7136億円となっている が、その起債の種類ごとの内訳をお答えいただきたいと思う。

■財政課長(西上三鶴)■ 震災関連県債の主な内訳であるが、まず直接的な災害復旧のために発行した県債が、現在残っている残高は230億円である。また、公共事業とか単独事業などに充てたもので、現在4852億、その他の起債で2000億である。

■新町みちよ■ 今のお答えのとおり、災害復旧は230億円、たった3.2%で、まさに県が震災からの復興による借金というふうにこれまでも説明 をしてこられたが、実は、被災者支援とは直接関係のない公共事業による借金だということを示す数字ではないかというふうに思う。一般質問でも述べさせてい ただいたが、私たちは創造的復興の名前で、空港とか高速道路、被災者支援とは関係のない公共事業を膨らませてきた、このことが原因だと再三指摘をしてき た。震災15年のことしの震災に関するマスコミの報道でも、インフラ優先8.3兆円、これは産経新聞である。16兆円のうち、被災者支援でなくインフラ整 備につぎ込まれたという批判的な記事があったり、神戸新聞でも創造的復興に疑問、こういった報道がされた。県の復興施策に対する批判とか疑問を取り上げて いた。
私たちは、当初から被災者の生活と営業の再建こそ優先をすべきだというふうに述べてきた。今度こそ、創造的復興の誤りを認めるべきだというふうに思う。震 災復興で財政が苦しくなったというのは全くのごまかしの説明であって、このことを理由に行革で福祉の削減を県民に押しつける、これは言語道断だというふう に思う。
 次に、県税収入について伺う。
前年比で522億円下回る91.2%、地方法人特別譲与税を加えても、322億円の減というふうに見込まれている。背景には、国の法人税の減税施策がある けれども、法人関係税は前年比74%となっている。地方法人特別税の創設で、法人事業税の一部を国税として一たん納めることになったので、その分減収には なるけれども、地方譲与税として再配分される。その影響を考慮してもやはり減っている。景気悪化の影響が見て取れるというふうに思う。体力がある大企業は ともかく、中小・零細業者は、後で述べるが、大変な状況である。また、個人県民税は前年比92%落ち込んでいるが、個人県民税の減収の原因を県はどう見て おられるのかお答えいただきたい。

■税務課長(松田直人)■ 個人県民税の減収157億の大半は、所得割の減収148億である。主な要因は昨年来からの景気低迷の影響による雇用情勢の悪 化、それに伴う所得水準の低下ではないかと考えているところである。特に、特別徴収の算定に用いる毎月勤労統計の現金給与総額の伸び率等からも、景気低迷 による減というのが見込まれるというふうに認識しているところである。

■新町みちよ■ 県民の暮らしは本当に大変になっているというあらわれだというふうに思う。安定した県税の収入を得るためにも、暮らしを応援する ということが大切だというふうに思う。問題は、県民はこれまでたくさんの控除や定率減税の廃止などが行われて、この間、たび重なる増税で苦しめられてき た。今後新たな増税、負担増が予想されていることも大きな問題である。新年度の政府予算の目玉となっている子ども手当であるが、この財源の問題で、政府内 の合意文書で所得税、住民税の扶養控除の廃止及び特定扶養控除の縮減に伴う地方財政の増収分を子ども手当の財源として活用するということになっている。つ まり、子ども手当実施に当たっては、地方税の増税が行われるというわけであるが、県民への影響、年間ベースでどのように見込まれているか。

■税務課長(松田直人)■ 平成22年度の税制改正における扶養控除の見直しであるが、15歳以下の年少扶養親族に係る扶養控除の廃止、それから、いわゆ る特定扶養親族のうち、16歳以上19歳未満の方に対する扶養控除の上乗せ部分12万円の廃止という2点が行われることになっている。この改正は、平成 24年度分以後の個人住民税について適用され、本県における影響額については地方財政計画をもとに試算すると、約82億円の増収と見込んでいるところであ る。

■新町みちよ■ 県民にとって82億円の増税になるということである。子ども手当が支給される世帯であっても、増税によって目減りしてしまうとい うことにもなる。これまであった児童手当は子ども手当支給に伴って、子ども手当に含まれるので、たとえ児童手当を月額1万円は受けていた世帯だとしても、 子ども手当が半額の支給のままだと、1ヵ月3000円しか収入増にしかならない。こうした世帯は増税が始まる来年2011年の1月以降負担増となってし まう。増税後、子ども手当が全額支給になるかどうかは財源等の問題でまだ不透明のままである。加えて、税額に連動する国保税、それから保育料、公営住宅の 家賃、こういったもの、主なものでも21種類にもなるというふうに言われているが、こういった負担増がある。雪だるま式に大幅な負担増になるということが 言われているわけである。児童手当の増額というのを私たちも要求をしてきたが、この子ども手当には、このような問題がある。税制改正大綱では負担の基準の 見直し、それから経過措置の導入など適正に講じることとなっているが、県としても、国に増税、負担増にならないように求めていただきたいというふうに考え る。
 次の質問に移らせていただく。大きな転換をしていかなければならないということで、主な転換点をそれぞれ質問させていただきたいというふうに思う。
 知事は、来年度予算の提案説明の中で、安全・安心、それから元気の源を育てる地域の活力の再生と増進をめざすというふうに発言をされた。地域経済を活性 化して、国民の暮らしを応援する予算かどうかということであるが、総務省が2日発表した1月の完全失業率は4.9%、近畿の完全失業率は、さらに上回って 6%、昨年よりも1.3ポイント高く、15ヵ月連続で上昇しているという状況である。兵庫県の有効求人倍率は0.43であるし、高校、大学卒業の就職も大 変困難になっている、中小企業業者の倒産もふえているということである。国内総生産――GDPが落ち込んでいるのが大きな問題だというふうに思う。兵庫県 の経済雇用状況によると、平成21年の7月から9月期の国内のGDPは、前年同月比で5.2%減となっているが、兵庫県はさらに減っており、前年同月比で 8.5%減である。
 景気回復を妨げているのは、先ほどの答弁にもあったように、雇用の問題だというふうに考える。国民所得が減っているということであるが、雇用者報酬は、 97年の280兆円から昨年の253兆円へ27兆円も減少している。これでは、消費購買力も減少する。GDPの6割は個人消費であるから、雇用者報酬を上 げないと景気が回復しないというふうに考える。雇用者報酬が大幅に減ったのは、労働分野の規制緩和で、派遣などの非正規雇用がふやされた、これが大きな原 因である。県民経済計算で経年的に見ると、2007年の県民所得を2000年と比べて、これは会社の役員の報酬も入っているが、雇用者報酬では95.9% と下がっている。県民所得は94.4%となっている。その一方で、民間の企業所得、これは240.5%となっている。大企業は内部留保、ため込み利益であ るが、この10年間で142兆円から229兆円へ87兆円もふやしている。かつては、大企業を応援すれば、トリプルダウンと言われて、その恩恵が庶民にも したたり落ちるというふうに言われたが、そうはなっていないと思う。鳩山首相も我が党の志位委員長との党首会談で、大企業の内部留保を還元させる具体的な 方法を検討してみたいというふうに答えておられる。
そこで、県税収入をふやすためにも、県民の懐を暖めるということ、そして巨額の内部留保を社会的に還元させ、雇用は正社員が当たり前、こうして県民の懐を暖める必要があるというふうに考えるが、いかがか。

■税務課長(松田直人)■ 法人の内部留保に関する課税であるが、法人の内部留保は、企業の存続、長期的な発展、また中・長期的な雇用の創出という点で、 非常に重要なものであるというふうに認識をしている。現行税制においては、既に個人所得税の累進税率を回避するため、会社の利益を恣意的に留保する傾向が ある。特定同族会社に限り、一定額を超えて留保を行った場合に、留保金に対して特別税率の上乗せ課税をする制度が設けられており、一定の手だてが講じられ ているというふうに考えているところである。
 いずれにしても、法人に対する税制については、個人とのバランスなどを考慮の上、国において議論が尽くされ、今後検討が進められていくものと認識をしているところである。

■新町みちよ■ 内部留保に課税をというふうには質問をしていない。やはり社会的に還元をするべきだ、先ほど来の討論でも支払能力のあるところに というふうにあった。私たちも能力が十分ある大企業に応分の負担をということを主張している。景気の調整弁として労働者が今使われているわけで、80年前 の蟹工船が今ブームになっているというのは、本当に異常な状況で、これは正していかなければならないというふうに思う。本当に内部留保をいっぱい持ってい る大企業に国際競争力をつけるということで優遇をしていくということに、兵庫県もやっているというふうに思うが、今、行革が進んでいるが、まるで聖域のよ うに兵庫県も毎年30数億円、企業立地補助金を出し続けている。来年度も37億円、この金額は行革で削減をされた年間の福祉医療制度の費用に相当する。パ ナソニックには合計で218億円補助金を提供するということになっているが、パナソニックは尼崎でも姫路でも不安定雇用を今でも募集をしているわけであ る。これは、地域経済に貢献しないやり方を続けているというふうに言わなければならないが、パナソニックの内部留保は2兆6400億円にもなっている。 こんなに国際競争力を持っているところを本当に応援する必要があるのか。
県下では事業数で9割、雇用では7割を占めるのが中小企業であるが、まさに主役だという中小企業の予算は、融資を除けば一般会計のわずか0.3%でしかな い。強気を助け弱気をくじくやり方だというふうに思う。応援する相手が間違っているのではないか。大企業優遇のやり方を改めるべきではないか。大企業への 企業立地の補助金はやめて、中小企業予算こそ大幅にふやすべきだと考えるが、いかがか。

■産業労働部総務課長(大久保博章)■ まず、産業集積条例に基づく補助の関係であるが、産業集積条例が施行された14年から20年までの7年間で、合計 562件の立地、総投資が1兆3000億円、従業員で3万人の雇用が予定をされているということで、企業活動が誘発されて、本県経済に大いに貢献をして いるというところである。県としては、産業集積促進補助を活用しながら企業立地を促進していきたい、企業立地を促進し、本県経済の活性化も努めてまいりた いと思っている。
 また、雇用情勢の関係であるが、現下の厳しい雇用情勢に対して、本県では県下の主要経済団体を通じて、県内企業に対して非正規労働者の正社員への登用な ど、正社員雇用の拡大についての要請を行っている。また産業集積条例に基づいた支援を行う企業に対しても、正社員雇用の一層の拡大に対する積極的な対応も 要請をしているところである。
 また、労働者の派遣制度のあり方についても、日雇い派遣の原則禁止など抜本的改正を国に要請をしているところであるし、今後も必要に応じて要請、普及啓発を行ってまいりたいと思っている。
 なお、雇用確保のためには、県内の中小企業の経営安定が必要不可欠であるということから、中小企業の資金繰りを支援するため、中小企業融資制度の融資目 標額5000億円を今年度、来年度引き続き確保して、経営円滑化貸付や借りかえ貸付などの拡充措置を継続しているほか、専門性を備えた総合相談、処理体 制の整備による中小企業の経営安定支援、下請のあっせん、相談、商談会の開催など中小企業の受注機会拡大の対策も講じているところである。
 さまざまな施策を通じて、中小企業の経営基盤の強化を支援するとともに、安定した雇用就業機会の確保に向けて、きめ細かな対策に努めてまいりたいと思っている。よろしくお願いする。

■新町みちよ■ 企業立地を進めていくのは本当に大事だと思うが、やはり中小企業に予算を大幅に配分を改めていくべきではないかというふうに思う。
 次に、投資的事業であるが、先ほどからもお話があるように選択と集中というふうにして、やはり高速道路、地域の高規格道路、ダムなどの大規模な公共事業 優先のやり方が続けられてきた。これも、私たちが常に主張してきたが、生活密着の公共事業への転換が必要であるというふうに考える。中小企業、とりあえず 建設業に仕事を回せば、地域循環型で経済が地域経済を潤していくというふうに考える。そして、大企業では、本社が東京に集中するというふうになるので、や はり地域経済を潤すためにも小規模、分離・分割発注、それから生活密着の公共事業を進めるべきだというふうに思う。
 次に移るが、この間、行革で福祉が大幅に削減をされてきた。そして、兵庫県でも本来は福祉を充実をするということを第一義的にやらねばならないが、老人 医療費、重度心身障害者・児童の介護手当、また高齢者大学の授業料などもふえている。教育でも国が予算をふやしてくれて、私学助成でも国が予算をふやせれ ば、その分県が削減をするというふうに行ってきた。私立の高校の授業料軽減補助は、国の就学支援金の創設に伴って、県が今年度、新行革後であっても、12 億円のお金を出していたものを半減をさせた。せめて、今年度なみに来年度も出していただければ、公私間格差を一層縮めるというふうにもなると思う。地方自 治法でも明記をしているように、福祉・教育のための予算は削減ではなく充実をすべきだと考えるが、いかがか。

■財政課長(西上三鶴)■ 新行革プランに基づく取り組みは、震災の復興過程で悪化した本県の財政の改善を図ろうと、そのため、それに伴って県民の要請に 的確に対応できる持続可能な行財政構造改革を確立するために取り組んでいるところである。あわせて、そのときどきの課題に対しては、十分配慮しながら施策 に取り組んでいるところである。来年度についても、元気で安全・安心な兵庫をめざした各般の施策に取り組んでいるところである。
 ご質問にあった福祉医療についても、国の制度の状況、他府県の動向を踏まえての見直しであるし、また、私学の助成についても、今回、国が新たに制度を入 れた支援金に県独自の上乗せをすることに伴って、結果として低所得者には十分配慮したものとなっているところである。引き続き、新行革プランにしっかりと 取り組み、県民の負託にこたえることのできる財政構造に転換していきたいと思っている。

■新町みちよ■ 国も福祉・教育・医療を本当に削減してきているので、その分、同じように削減をするというのは間違っているというふうに思う。県 民の負担を減らしていく、応援していくことが今、本当に大事だと思う。新行革で、県の職員の定数、給与などが削減をされているが、前倒しで今、さらに進め られている。20年から22年で1.5割削減をするとして、平成19年と比べると、知事部局だけでも1560人の削減がされるということで、その中で本 庁とか地方機関で統廃合が進んで、身近な地方の事務所が大幅に減らされて、県民の暮らしに大きな影響を与えている。
給料で見ても、職員の平均では人勧分16万円と行革分32万円、合わせて年間で48万円もの削減になっている。人件費全体を見ても給与改定で125億円、 人員減で23億円、退職者と新規の差額で52億円で、合わせて200億円もの年間の減額となる。それから非正規雇用で見たら、非常勤嘱託、日々雇用などは 約1500名いらっしゃるわけで、本来は正規で雇用すべきだと、これは官製ワーキングプアそのものであると思う。地域に大きなマイナスであるというふう に思う。県民の懐を暖める、地域を元気にするというのとは逆行するというふうに考えるが、行革で職員の削減と給与削減をやめるべきだと思うが、いかがか。

■人事課長(片山安孝)■ 新行革プランに基づいて、職員の定数については一般行政部門等において、平成30年度までにおおむね3割の定員削減に取り組ん でおり、給与についても減額措置を来年度も継続することとしている。このような厳しい財政状況を踏まえると、定員・給与の見直しについても引き続き取り組 んでいく必要があると考えているところである。

■新町みちよ■ 給与も人員も減らして、士気だけ高揚せよというのは本当に酷なことだというふうに思うし、県民のサービス低下にもなると思う。
 試験研究機関の基礎研究について、最後にお尋ねしたいと思う。
 国の方では事業仕分けということでやられたが、評価基準を効率性を重視するということでやられた。これには各界から批判が上がったところである。すぐに効 果が得られない基礎的な研究などに対して、兵庫県の試験研究機関でも、また県立大学の研究などでも削減がされてきたというふうに思う。私の地元の県立水産 技術センターもお尋ねすると、漁業振興それから豊かな海、漁業振興のための健康な海、このためにも研究をされているが、これは数十年かかってやっと結果が 出ると、実るというようなものもあるので、大学でも競争的な資金を導入するということでは本当に県民に奉仕をする、こういう研究ができるのか問われるとこ ろである。試験研究機関など基礎的な研究費、運営費、人件費も含めて、これは拡充すべきだと考えるが、最後にお答えいただきたい。

■新行政課長(田中基康)■ 試験研究機関である。この改革はもちろん県民ニーズや行政課題に的確に対応できることを基本とする中で、体質を強化して、効 率的・効果的な体制を整備しようとするものである。そうした考え方の中で、例えば、ご指摘にもあったがテーマをやはり県民であるとか、農家に直結するニー ズに、ニーズのあるテーマに重点化する、あるいは県民の暮らしの安全・安心あるいは技術開発・高度化といったことに対応する組織化・再編、それからご指摘 にもあった試験研究費をまさに充実確保するためにも、国等の資金や、あるいは企業等の共同研究によって、外部資金の獲得にも努めている。こうしたことを通 じて、体質強化を図りながら、効率化に取り組んでいるということである。

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