2010年度兵庫県予算案の組み替えについての記者発表
県民のくらし・福祉を守る県予算へ
「新行革プラン」撤回の県予算を
2010年度兵庫県予算案について
井戸県政3期目のはじめてとなる予算は、昨年の知事選挙でも大きな批判の声を受けた県民の福祉と医療を削る「新行革プラン」を継続し、大企業への誘致補助金等に相変わらず37億円もの予算を組んでいます。
「デフレ脱却のため」と称して国の臨時特例費等を活用して公共事業による景気対策を優先。ダムや道路の公共事業も、「選択と集中」としてすすめる姿勢はかわっていません。
総選挙で下された国民の審判によって政権交代がおき、高校無償化、障害者負担の軽減などの政策が実行されていますが、私学の授業料軽減のように、国の施策によって、県単独制度が後退する事態もあり、より県民のための施策になるよう、兵庫県として独自の取り組みが求められている。
10年連続となる日本共産党の予算組み替え
日本共産党兵庫県会議員団は、県民の立場にたって県政をチェックすることと同時に、具体的な提案型の活動として、今年で10回目となる予算組替えを行った。
これまで、少人数学級やこども医療費の充実、ムダな事業の削減など、県政の方向、あり方をめぐって、積極的な役割を果たしてきた。
特に、こども医療費は、来年、中学校までの入院(一部補助)まで到達したが、通院も含めた完全無料化にむけて、いっそう取り組みを強化する。
予算組み替えのフレーム
無駄・不急の事業、105項目・約654億円(一般会計の2.96%程度)を減らし、そこから生み出された一般財源・約126億円を、県民の要求の強い、くらし、福祉、教育などの分野に振り向けている。その他、特定財源である、宝くじ益金約7億円を、住宅のバリアフリー・耐震化・民間住宅リフォーム助成や、県立高校や私立高校の耐震化、太陽光発電施設の普及促進などに振り向け。
さらに、借金(県債発行)を約388億円減らし、財政の健全化を図っている。
予算組み替えの主な内容
- 民主党政権の施策を、より前にすすめるための予算
・後期高齢者医療制度の次期保険料を据え置く(500,000千円)
・私立高校生徒の授業料軽減の補助(592,732千円)
- 「新行革プラン」で削減された、福祉・医療とくらしの予算を充実
- 福祉医療の改悪をストップする
・老人医療費公費助成を「新行革」前にもどす(1,098,000千円)
・重度障害者(児)医療費助成を「新行革」前にもどす(116,000千円)
・母子家庭等医療給付事業(33,000千円)
- 高齢者・障害者向けの施策の削減をやめる
・在宅老人介護手当の復活(8,310千円)
・被災高齢者見守り体制の充実(10,000千円)
・障害者介護手当を昨年並みに(299,156千円)
・重症心身障害児の指導交付金(37,992千円)
・障害者の地域生活の支援(3,000千円)
- 教育・保育など
・スクールアシスタント(92,400千円)
・私立学校経常費補助を新行革前に(400,000千円)
・特別支援学校のバス介助員の民間委託をやめる(18,000千円)
・保育所など民間社会福祉施設の交付金(59,903千円)
・「児童クラブ」補助の加算分の復活(50,000千円)
・交番相談員を昨年並みに(56,040千円)
・バス対策費補助(90,000千円)
・離島航路の支援費(2,801千円)
・健康福祉事務所の職員費を昨年並みに(75,001千円)
・農業改良普及センター運営費(21,625千円)
- 大企業優遇をあらため、中小企業と正規社員をふやす施策に重点
・パナソニック等への企業立地補助を削減(△3,719,012千円)
・「多様就業」ワーク・ライフ・バランス促進(△62,621千円)
・「働く若者のハンドブック」(冊子)の発行(2,000千円)
・職業訓練時の生活保障制度(200,000千円)
・民間住宅耐震化、リフォーム、住宅バリアフリー事業の拡充(350,000千円)
- 深刻な医療問題の解決のために
・国民健康保険の保険料の軽減(604,826千円)
・2次救急病院や周産期医療の充実(59,263千円)
・医師不足の解消のための研修医師の県採用を増やす(22,730千円)
・看護師学生就学資金貸付金の復活(21,552千円)
- 子育て、教育への支援を強める
・こどもの医療費を、中学校卒業まで、一部負担と所得制限をなくし、
入院給食を含めて完全無料化する(5,715,000千円)
・35人学級を小学校5・6年生で実施(1,504,000千円)
・私立学校の施設の耐震化支援・促進(150,000千円)
・高等学校の耐震化(100,000千円)
・県民合意のない「高校教育改革」と阪神多部制単位高校設置(△517,795千円)
・ごはん給食推進事業の復活(△10,721千円)
- 地球温暖化対策の促進や自然環境保護
・まちなか太陽光発電促進事業を創設(95,911千円)
・ひょうごCO2削減推進を企業まかせでなく実効あるものに(10,000千円)
・イヌワシ、クマタカなど希少動植物の保護と保全の充実(4,708千円)
・林業振興のための予算(8,000千円)
- 不要・不急の公共事業の見直し、県民合意のない事業を見直す
- 不要・不急の公共事業の削減
・神戸空港、関空2期、但馬空港など空港関連(△1,171,883,千円)
・道路関連の事業(△21,319,873千円)
・無駄、環境破壊のダム事業(△2,508,936千円)
・六甲グリーンベルト事業等(△1,069,500千円)
・環境問題や必要性に疑問のある林道・農道(△709,488千円)
・国が負担すべき国直轄の公共事業(△18,011,547千円)
・情報ハイウェイ保守運営費(△310,359千円)
・協議会や期成同盟などの分担金(△43,254千円)
- 県民合意のない事業など
・「道州制」につながりかねない関西広域機構の分担金等(△3,592千円)
・不公正な同和行政が残っている事業を削除(△549,198千円)
・国民保護計画と自衛隊との人事交流(△6,171千円)
・警察の報償費の削減(△46,000千円)
・住民基本台帳ネットワーク関連(△840,058千円)
- 議員の海外渡航費の見直し
・友好都市訪問の公式行事のみとし、人数も限定するなど簡素化する(△7,500千円)
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