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2009年度予算特別委員会産業労働部審査 星原さちよ
2009年3月9日

非正規労働者の大量解雇の規制について

■星原さちよ■ 昨今、派遣切りなどが昨年からふえている。ことし3月末までにさらに大量の解雇が予想されている。内需拡大のためには何より県内労働者の雇用を守るこ と、雇用破壊をストップさせることが第一である。内部留保を雇用に回せということは世論になっている。企業の体力は十分にある。大企業で株主への配当や役 員手当はふえているが、2007年末の全産業全規模の内部留保は、約403兆2,000億円にも上っている。このわずか4.11%、16兆5,700億円 は、これを取り崩すだけで453万人も雇用ができる。これでヨーロッパ並みに週38時間労働、サービス残業なし、年休の完全取得ができると言われている。 企業が、今こそ雇用も労働条件の向上も行い真の内需拡大をするべきであると思う。
 GDPの55%は国民消費、輸出は16%しかない。消費を1%拡大すれば輸出を3%ふやすよりも効果があると言われている。解雇は、企業にとっても消費 を縮小させる自殺行為である。
 県としても、県下の企業に対し、解雇でなく、今こそ安定した雇用を行うことをしっかりと求めるべきではないか。特に、今、契約中途での解雇や、派遣期間 3年を過ぎて直接雇用の責任を果たすべき時期がとっくに来ているのに果たしていない企業もある。違法な非正規切りが横行している。こういう違法状態を野放 しにすべきではないと思うが、いかがお考えか。

■藤原しごと支援課長■ 労働者派遣法、労働基準法あるいは労働契約法、仮に違法な状態があれば、当然のことながら野放しというか、是正されるべきも のだと考えている。ただ、労働者派遣法にしても、県としては指導の権限というものが法的にない。
 したがって、県としてできる限り、例えば、昨年12月に、県内の主要経済団体に対し期間工や派遣労働者等の非正規労働者の雇用の維持・安定、さらには製 造業の派遣にかかわる、いわゆる2009年問題について、派遣可能期間満了後も労働者の直接雇用化などについて強く要請したところである。
 なお、3月期末を控えてさらに同様の要請を近々行いたいと考えている。今後とも、非正規労働者等の雇用の維持・安定について適時企業への働きかけを行っ てまいりたいと考える。

■星原さちよ■ 大阪の商工会議所の前副会頭の小池俊二さんが、こういう状態に対して、第一に株式配当は減らすかやめること、第二に経営者の報 酬を下げる、また第三には内部留保を取り崩していく、そこまでやらずに、最初に労働者を犠牲にするのは順序が逆ですよと言われている。こういう論説という のは、各新聞社説でも取り上げられてきているが、例えば神戸新聞、昨年末の社説で、ここ数年の業績で自動車など大手製造業は、空前の規模という内部留保を 蓄えている。それを雇用の維持へなぜ回さないのか、こういうことを主張している。当然のことだと思う。こういう中で先ほども強く企業に要請をしているとい うご答弁があったが、本当に県民の雇用を守る、そういう立場に立って、真にもっと強く企業に対して物を言ってもらいたいと思う。このことを強く要望して次 の質問に移る。

緊急雇用対策での十分な調査を

■星原さちよ■ 緊急雇用対策についてである。
 我が党の一般質問で、雇用を守ってほしいという要求に対し、知事は大規模な緊急経済雇用調査を行うと約束された。
 総務省統計局の2006年調査では、県下の事業所数は23万1,719、労働者数は210万7,000人、正社員や正職員以外の割合は41.6%で、人 数は75万6,000人となっている。2月18日時点の兵庫労働局の調査では、52事務所で、合計3,088人が解雇になっているが、労働局やハローワー クの通常業務での入手と任意の聞き取りで行ったものであるので、極めて不十分だと思う。
 したがって、緊急経済雇用調査を充実してもらいたいと思うが、予定されている調査をお聞きすると、調査対象が、商工会議所・商工会に加入のうち、2万 3,000事業所数と全事業所数の1割でしかない。
 また調査項目は、景況感や人員の過不足感、雇用調整実施状況などとなっているが、違法な解雇がどのくらいあるかなど不安定雇用の実態も明らかにし、直接 雇用に結びつけ、解雇を防ぐために役立つ内容とすることが必要である。
 また、我が党の国会質問で明らかになったように、派遣労働期間などを通算すれば、十分3年を超えて働かされ、企業の直接雇用義務が生じている労働者が圧 倒的だと思われる。
 そこで、緊急経済雇用調査を派遣の受け入れ実態も含めたものにしてはどうか。そのため、労働条件実態調査事業、仕事と生活のバランス実態調査事業、こう いうことも集約する。こういうことで工夫して、事業費や人員調査対象企業を抜本的にふやして実施すべきではないかと思うが、いかがか。

■菅原企画参事■ 緊急経済雇用調査については、現在、世界規模で景気が後退する中で県内企業では好調な企業がある一方で、個人消費の低迷などで生産 縮小に追い込まれている企業が見られるなど、本県の企業の状況はさまざまである。
 そこで、本県の経済・雇用対策の実施に当たって、経営状況とか雇用情勢などを、地域別、業種別、規模別等きめ細かく把握するために実施したいと考えてい る。
 委員のご指摘があったように、調査対象は、商工会議所、商工会会員企業のうちの一定規模5人以上の従業員を有する約2万3,000社を対象にして、アン ケート調査で実施したいと考えている。この中には受注の状況とか、生産面・雇用面の調整、また派遣社員の状況、期限の到来状況、雇用人員の過不足感、ある いは採用予定の状況、資金繰りの状況などをきめ細かく聞いていきたいと考えている。
 また、緊急雇用就業機会創出事業の中で、同じく地域の企業への情報を提供したり、把握する事業を考えているが、これは経営振興課の方であるが、そちらの 事業とも連携して、実情などを訪問調査、ヒアリングなどで聞き取りも含めて充実をさせていきたいと考えている。

■星原さちよ■ 52事業所でこれからも行うということであるが、それでは不十分ではないかとお聞きしているが、その点はいかがか。

■菅原企画参事■ この調査事業については、先ほどお話ししたようにかなり神経質な調査内容でもあり、調査をしても調査票を配るだけでなかなか回収が できないとか分析できないということもあるので、回答率を上げるということも、ちょっと考慮した上で、商工会議所や商工会とかの協力を得ながら、できるだ けたくさんの回収をめざしたいと考えている。

■星原さちよ■ 事業所数の1割ではとても実態はつかめないと思う。今ご答弁されたようにもっとほかの事業所にも手を伸ばしていただきたいと思 う。
 この調査は、緊急雇用対策事業は半年間、ふるさと雇用再生事業でも1年間の雇用である。雇用される人数も県関係で1,500人、先ほどのご答弁では 1,800人という数字も聞こえたが、実際には募集してもこれでは本当につなぎでしかないので、応募者がないという事業もあるのではないかと推測される。 県の雇用対策としても、新行革プランでの県職員2,700名の削減をやめる方がよっぽど効果があるのではないかと思う。緊急雇用対策は必要であっても、 もっと常用の雇用創出を考えるべきだと思うが、いかがか。

■藤原しごと支援課長■ 二つの国からの交付金に基づく基金事業について、委員ご指摘のとおり、緊急雇用創出事業については6ヵ月、最大1年という制 約がある。ふるさとの方は1年から3年、それでなおかつ継続的に委託先で雇用される、あるいはスキルを身につけて別の場所で正社員として雇用されるという 想定をしている事業であるが、我々も全国知事会等を通じて、地方がなるべく柔軟に対応できるように、雇用要件等は柔軟に対応できるような形をつくってほし いということで、国に対して要望してきたところである。そのすべてが実現したわけではないが、例えば、当初、緊急雇用創出事業については、6ヵ月で更新が 基本的に認められないという要件だったが、例えば就職困難者については、一定の限度で、1回だけであるが、さらに6ヵ月延長するということも、若干柔軟な ことも実現したところである。

■星原さちよ■ 細切れの雇用では、一たん解雇されるとまたホームレスというふうに直結していく人たちが多く出てくるのではないかと非常に危惧 されるところである。セーフティーネットもほとんど働いていない。若い人たちだけでなく、40代、50代で家族を養っている人たちも多いわけである。低賃 金のため蓄えがあるわけではなく、首になったらまたすぐ翌日から困ることになるわけである。ハローワークに行っても仕事がない、雇用保険を受給できない人 もかなりの割合であるので、生活保護をなかなか受けられないという状況もある。こういう中で県としても安定した雇用を求めていくという立場にしっかりと 立っていただきたいと思う。要望をしておく。

離職者の就職・生活支援について

■星原さちよ■ 次に、離職者の就職・生活支援についてである。
 離職者の緊急雇用対策特別訓練として、これまでの県実施の640名に加え、介護福祉士養成コースなど1,000名ふやすものである。緊急として2年間の 限定となっているが、これ以降は、もうそれっきりなのかどうなのか。

■秋吉能力開発課長■ 今、委員がご質問いただいた内容については、国の方の制度との関連もあるので、現時点ではいつまでと確定したことは申し上げら れないが、その時々の雇用情勢に応じて、この制度自体が雇用のセーフティーネットの一つの策となっているので、そのときの状況を見きわめて延長するかどう か判断されることになると思う。

■星原さちよ■ 国の方にもそういう要望をしっかりとやっていただきたいと思う。
 離職者訓練の計画2008年度は、県内での国実施の分、県実施の分合わせると4,120人となっている。2009年度の合計は、人数的にどのくらいにな るのか。

■秋吉能力開発課長■ 21年度の計画人員は、県と国――これはポリテクが実施している訓練であるが――合わせて3,810名ということになってい る。ただし、20年度の実績が今現在のところ3,600名程度になっているので、トータルで県全体としては200名の増という形になる。

■星原さちよ■ 国実施の分は、雇用・能力開発機構兵庫センターの訓練を実績で見ると、2006年3,563人と、2007年度は3,289 人、2008年度は3,480人の実施予定となっている。一般離職者向けが1,453人、若年者向けが1,621人の合計3,074人、これまで見ている とどんどん減ってきている。2009年度には、合計で2,170人の予定となっている。2006年実績で比べると、およそ1,400名も減っている計算に なる。
 先ほどご答弁あったように、国、県を合計すると、2009年3,810人となっており、今年度の計画では200人ふえるとおっしゃったが、この計画で言 うと4,120名と比較しても、310名減となる。これだけでも後退だと思うが、緊急雇用対策特別訓練の1,000名が仮に2年で終了になると、訓練を受 ける人数が半減することにもなりかねない。これで拡充と言えるのかどうか。先ほどの200名という数字、これがちょっとわからないが、ご答弁お願いする。

■秋吉能力開発課長■ 我々がお聞きしているデータによると、一応、県の方が1,640名、それと独立行政法人の雇用・能力開発機構――ポリテクが 2,170名ということで聞いている。合わせて3,810名である。いずれにしても、この計画は国の方との調整もあるので、毎年度、計画数を、県の方、そ れから国の方と調整をして総定員が決まっていくことになるので、現時点はこれであるが、またその年々で計画を策定していくので、ずっとこの数字でいくとい うことではない。今後ふえる可能性もある。

■星原さちよ■ 何度も申し上げているようにしっかり頑張っていただきたいと思う。
 離職者の生活支援についてである。
 雇用保険を受けられる方たちはまだいいとしても、受給できない方たちの住居や生活を支援していく必要がある。特に、次に就職するための職業訓練を受ける 間の生活費の問題は、蓄えのない離職者にとっては非常に深刻である。貸付制度を利用するようにとのことであるが、次の就職のめども立たないうちに、新たな 借金を背負うということを求めるのは非常に酷ではないか。県として補助制度をつくってもらいたいと思うが、この点いかがか。

■丸山労政福祉課長■ 委員ご指摘のように、離・転職者の職業訓練については各般の支援策があるが、職業訓練手当の対象外の方に対する直接的な生活保 障制度というのは、今はない。
 このような中で県としては、ご指摘もあったが、離職者の生活の安定を図って求職活動にご専念いただく機会を確保することを目的に制度を設けている離職者 生活安定資金融資制度について、このたび、上限50万円で連帯保証人なしという緊急特別資金を創設した。
 また、あわせて現行の一般生活資金と臨時生活資金、さらには離職者の能力開発に必要な資金を融資する再就職支援資金、これらについても融資利率を 1.6%から1.0%に大幅に引き下げをしたところである。
 いずれもこの2月23日から既に適用しており、県としては、この制度の活用を通じて、離職者が復職され、職業訓練を受けておられる方々が一日も早く就職 されるようにご支援申し上げていきたいと考える。

■星原さちよ■ 今ご答弁にはなかったが、国の制度で解雇や雇いどめとなった人は、返還免除の制度がつくられている。これを周知徹底していただ きたいと思う。さらに、県としても上乗せ支援をしてもらいたいと思うが、兵庫県の最低賃金でも13万6,704円である。県がせめて5万円以上上乗せを図 るべきではないかと思う。
 また、新聞報道で、国が生活保障に10万円、扶養家族のある人には12万円の支給があるということで、夏ごろからの実施となっているようである。
 自分と家族の暮らしがかかっている人たちの心情というのはいかばかりかと思われる。そういう人たちの立場をしっかりとお考えいただいて、こういう国の施 策を待たず、県としての独自の補助とか支援などを実施していただくよう本当に強く要望して、私の質問を終わる。ありがとうございました。

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