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2009年度兵庫県予算案の組み替えについての記者発表
内需重視、不況から県民のくらし・福祉を守る
「新行革プラン」撤回の県予算を
2009年度兵庫県予算案について
不況が県民の雇用やくらしを直撃している。日本が極端に外需に依存した経済となっており、大企業を優遇した施策では、国民が豊かにならないことが浮き彫りになっている。
しかし、2009年度県予算は、「経済雇用対策を最優先」と言いながら、「新行革プランの枠組みを着実にすすめる」と、今年7月からの福祉医療の削減などを強行し、大企業向けの補助金はそのままとなっている。
9年連続となる日本共産党の予算組み替え
日本共産党県議団は、県民の立場にたって県政をチェックすることと同時に、具体的な提案型の活動として、今年で9回目となる予算組替えを行ってきた。
少人数学級、こども医療費の充実、ムダな事業の削減など、その後の県予算にすくなからぬ影響をあたえてきた。
今後、「外需から内需重視」「大企業優遇から県民のくらし優先」の兵庫県政へ、今回の提案を行った。
予算組み替えのフレーム
無駄・不急の事業、123項目・約828億円を減らし、そこから生み出された一般財源・約119億円を、県民の要求の強い、くらし、福祉、教育などの分野にまわしています。
その他に、宝くじ益金約10.6億円を、住宅のバリアフリー・耐震化・リフォーム助成や、県立高校や私立高校の耐震化、太陽光発電施設の普及促進などに振り向け。
さらに、借金(県債発行)を約508億円減らし、財政の健全化を図っています。
予算組み替えの主な内容
2009年度の兵庫県予算案に対して、以下の6つの柱にもとづいて組み替えることを提案します。
- 「新行革プラン」で削減された、福祉・医療とくらしの予算を充実
- 老人医療費公費助成を新行革プラン前にもどす(953,000千円)
- 重度障害者(児)医療費助成を新行革前にもどす(1,278,000千円)
- 母子家庭等医療給付事業(34,000千円)
- 高齢者・障害者向けの施策の削減をやめる
- 在宅老人介護手当の復活(8,310千円)
- 被災高齢者見守り体制の充実 (10,000千円)
- 障害者介護手当を昨年並みに (257,374千円)
- 重症心身障害児の指導交付金(46,344千円)
- 低所得者の、通所サービス利用料を無料に(12,000千円)
- 障害者の地域生活の支援(3,000千円)
- 教育・保育など
- スクールアシスタント(92,400千円)
- 私立高校の授業料軽減の補助 (120,000千円)
- 私立学校経常費補助を新行革前に(85,738千円)
- 特別支援学校のバス介助員の民間委託をやめる(9,000千円)
- 民間社会福祉施設の交付金(56,668千円)
- 「児童クラブ」補助の加算分の復活(50,000千円)
- 交番相談員を昨年並みに(37,559千円)
- バス対策費補助(90,000千円)
- 離島航路の支援費(2,569千円)
- 農業改良普及センター運営費(14,334千円)
- 大企業優遇をあらため、中小企業と正規社員をふやす施策に重点
- パナソニック等への企業立地補助を削減(△3,571,777千円)
- 「多様就業」ワーク・ライフ・バランス促進(△55,184千円)
- 「働く若者のハンドブック」(冊子)の発行(2,000千円)
- 職業訓練時の生活保障制度(200,000千円)
- 民間住宅耐震化、リフォーム、住宅バリアフリー事業の拡充(400,000千円)
- 深刻な医療問題の解決のために
- 国民健康保険や後期高齢者医療の保険料の軽減(1,343,186千円)
- 救命救急センターの運営費補助の増額(11,960千円)
- 2次救急病院や周産期医療の充実(59,263千円)
- 医師不足の解消のための研修医師の県採用を増やす(22,730千円)
- 子育て、教育への支援を強める
- こどもの医療費を、中学校卒業まで、一部負担と所得制限をなくし、入院給食を含めて完全無料化する(6,337,000千円)
- 35人学級を小学校5年生で実施(740,000千円)
- 私立学校の施設の耐震化支援・促進(150,000千円)
- 高等学校の耐震化 (100,000千円)
- 県民合意のない「高校教育改革」と阪神多部制単位高校設置 (△46,092千円)
- 学力テストなど、競争教育を助長する事業の見直し(△672,996千円)
- 地球温暖化対策の促進や自然環境保護
- まちなか太陽光発電促進事業を創設(418,117千円)
- ひょうごCO2削減推進を企業まかせでなく実効あるものに(10,000千円)
- イヌワシ、クマタカなど希少動植物の保護と保全の充実(5,000千円)
- 林業振興の抜本的な基本計画を策定する予算(6,000千円)
- 不要・不急の公共事業の見直し、県民合意のない事業を見直す
- 不要・不急の公共事業の削減
- 新名神や播磨臨海など、採算性や必要性に問題のある高速道路(△4,453,170千円)
- 神戸空港、関空2期、但馬空港など空港関連(△881,498千円)
- 無駄、環境破壊のダム事業 (△1,352,100千円)
- 六甲グリーンベルト事業等(△625,000千円)
- 環境問題や必要性に疑問のある林道 (△590,087千円)
- 国が負担すべき国直轄の公共事業 (△26,894,981千円)
- 情報ハイウェイ保守運営費(△187,443千円)
- 協議会や期成同盟などの分担金(△46,384千円)
- その他の土木関係費用は、災害関連や中小河川改良の予算には配慮しながら3割〜5割事業費をカット。
- 県民合意のない事業など
- 「道州制」につながりかねない関西広域機構の分担金等(△6,115千円)
- 不公正な同和行政が残っている事業を削除(△561,589千円)
- 国民保護計画(△5,034千円)
- 人と防災未来センターの改修(△133,540千円)
- 警察の捜査費の削減(△23,000千円)
- 住民基本台帳ネットワーク関連 (△839,656千円)
- 現職自衛官の県職員への人事交流経費(△6,000千円)
- 知事の退職金や議員の海外渡航費の見直し
- 知事の退職金(4,264万円)を大幅に減額する(△36,998千円)
- 友好都市訪問の公式行事のみとし、人数も限定するなど簡素化する(△10,000千円)
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組み替え予算のフレーム
一般会計(単位:千円)
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項目 |
額 |
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額 |
県債 |
額 |
歳出の減額 |
123項目 |
-
82,874,127
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生み出された一般財源 |
-11,930,697
|
県債の削減額 |
-47,876,000
|
歳出の増額 |
46項目 |
13,020,884
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必要となる一般財源 |
11,930,697
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県債の発行額 |
0
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差し引き |
|
-69,853,243
|
差し引き |
0
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増減額 |
-47,876,000
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特別会計(単位:千円)
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項目 |
額 |
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額 |
県債 |
額 |
歳出の減額 |
4項目 |
-6,858,628
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生み出された財源 |
0
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県債の削減額 |
-3,000,000
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歳出の増額 |
|
0 |
必要となる財源 |
0 |
県債の発行額 |
0 |
差し引き |
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-6,858,628 |
|
0 |
増減額 |
-3,000,000 |
全体の会計規模
区分 |
予算額 |
増減合計 |
減額の計 |
増額の計 |
編成替え後の予算規模 |
一般会計 |
2兆1,173億円 |
△698億円 |
△828億円 |
130億円 |
2兆475億円 |
特別会計 |
1兆477億円 |
△69億円 |
△69億円 |
0円 |
1兆408億円 |
企業会計 |
1,788億円 |
0円 |
0円 |
0円 |
1,788億円 |
合 計 |
3兆3,438億円 |
△767億円 |
△897億円 |
130億円 |
3兆2,671億円 |
ムダや不要不急の公共投資を削り、「新行革プラン」での削減分をふくめ福祉・医療や教育などへ重点配分し、あわせて借金を大幅に減らし、健全な財政運営をおこなうため新年度予算の組み替えを求める。
■より詳しい資料
- 組み替え案の具体的内容(テキストファイル17KB)>>ここを右クリックでダウンロードできます。
- 歳入・歳出の増減一覧表(エクセルファイル189KB)>>ここを右クリックでダウンロードできます。
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