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2008年予算特別委員会県土整備部 ねりき恵子
2008年3月12日

新名神高速道路とスマートインターチェンジ計画について

■ねりき恵子■ 新名神高速道路について質問する。
 国は、この間、事業の見直しを行って、事業主体は西日本高速道路株式会社――NEXCO西日本に、構造も片側暫定2車線へ、事業費も箕面―神戸間の兵庫県域21キロで3830億円となったところである。
 県は、新名神高速道路は中国縦貫自動車道の渋滞解消のために重要な道路だと言われてきた。この中国縦貫自動車道は、名神高速より絶対交通量は少ないのに渋滞するのは、二つの宝塚トンネル付近が微妙な上り坂からきつい下り坂になる独特な形状とトンネルの暗さなど、道路構造に問題があることが指摘されている。実際には、渋滞の傾向を見てみると、年々減少している。中国自動車道の吹田―神戸間の渋滞状況を見ると、平成12年に795回であったものが、平成16年には538回に減っている。その中で渋滞の名所と言われる宝塚トンネル付近は、上り82回、下り96回で、年間にすればわずかな期間である。しかも曜日別に見ると、上りが日曜日に多く28回、下りは土曜日で38回と土日に集中しており、慢性的な渋滞ではなく、レジャー利用に限られているというように考えられる。こういった点からも、渋滞解消のために必要とは言いがたいのではないか。
 また、県内では、川西、猪名川町、宝塚北部、神戸市北区と阪神間の自然豊かな地域を通過するオオタカやサンショウウオの生息なども確認されており、環境の面から見ても見直しをすべきだと思っている。国も県も財政難のときに、この3830億円もかけて新名神高速道路をつくる必要はないと考えるが、いかがか。

■尾原高速道路室長■ 新名神高速道路については、まず国土の骨格を形成するとともに、関西圏と中部圏、さらには首都圏との連携を強化する国土開発幹線自動車道である。また、我が国の国際競争力の向上や国民生活、経済産業活動を支える大動脈でもある。
 本県においても、先ほど委員のご指摘があったが、中国自動車道の宝塚トンネルを中心とした慢性的な渋滞というのがまだ現在も続いている。こういった渋滞の解消だとか、災害時に代替ルートを確保するというような観点からも、ぜひとも必要な道路と考えている。神戸から高槻間までの早期供用を望んでいるところである。
 委員ご指摘の環境への配慮という件に関しては、西日本高速会社では、都市計画決定時の環境影響評価の審査結果に基づいて、貴重種の現地調査を行うとともに、学識経験者から成る検討会を設け、その中で保全対象種の選定であるとか、対策の検討を進めているところである。また、そのほか騒音・振動などの対策についても、工事前、工事中、工事後のそれぞれの段階において環境監視の計画を策定し、今後、地元の関係者に説明、協議を行った上で工事を実施するということにしている。
 現在、用地買収を進めているところであるが、今後、用地買収を早期に完了し、協定で示されている30年の供用目標を1年でも早く供用できるように、引き続き会社とともに事業推進に取り組んでいきたいと考えている。

■ねりき恵子■ いろいろ言われたけれども、特に宝塚市域では、市民の水がめである川下川ダムの直近を通過することや、地下トンネルとなる部分があるということからも、お隣の箕面で箕面トンネルをつくった影響で滝がかれるというようなこともあったが、そういった水脈など環境への影響が非常に危惧されるところなので、指摘しておきたいと思う。
 次に、スマートインターについてお伺いする。
 県は、新年度予算で新名神高速道路の宝塚北部地域にスマートインター設置を検討するとして、調査費を1000万円つけている。スマートインターは、既存のサービスエリアなどを利用するから安くなるというのが売り文句のETC専用のインターである。しかし、NEXCOの高速道路計画では、宝塚市域にはサービスエリアの計画もないのに、県がスマートインターの設置を要望するのは、もともとのこの既存のサービスエリアを利用するというスマートインターの定義から考えても本末転倒ではないか、ご意見をお聞かせいただきたい。

■尾原高速道路室長■ まず、インターチェンジの設置についてであるが、現在、新名神高速道路については、県内では川西にインターチェンジが設置されるのみであって、中国道もしくは山陽道から利用する場合、隣接のインターチェンジとの距離は約20キロ離れている。国の平均約10キロよりも長いということで、新名神を有効活用するということと、地域の活性化というか、そういうことに役立てていくためには、この川西と神戸との中間である宝塚市北部地域にインターチェンジを設置することが必要であるというふうに考えている。
 ただ、本格的なインターチェンジになると非常に大きな額がかかるということであるが、国のスマートインターチェンジ、先ほど委員が言われたように、サービスエリアに接続することによって低いコストで導入できるスマートインターチェンジが有効であると考えている。
 その場合、当然ながら前提となるのがサービスエリアの設置ということであるが、サービスエリアについても新名神では茨木にパーキングエリアが設けられるだけで、これについても隣接する休憩施設との間隔が、パーキングエリアで40キロ、サービスエリアとなると新名神にはないので、約100キロ以上離れてしまうということで、会社の休憩施設の設置間隔というのが、パーキングエリアだと標準15キロ、サービスエリアでは50キロということで、標準をはるかに離れてしまう。そういう中で、やっぱり利用者の利便性からもサービスエリアもしくはパーキングエリアを設けることが必要であるということと、宝塚北部地域においては本線の残土を県有地に受け入れるということで、レベルバンク――平らな土地ができ上がる。これを活用すれば低いコストでサービスエリアも設置できるということで、サービスエリアの設置と、それに接続するスマートインターチェンジを国、会社等に要望しているところである。
 現状、サービスエリアがないからこのスマートインターができないというわけではなくて、同時であれば当然できるというふうに考えているので、そういった形で現在取り組んでいるところである。

■ねりき恵子■ 県の新名神高速道路のこのスマートインターの要望は、原則的な考え方であるサービスエリアがないのにどうしてもつくるというやり方だと思う。このスマートインターは、国の道路特定財源を活用して道路中期計画に位置づけられていて、いわゆる59兆円の枠で、全国で約200ヵ所、5000億円予定されていることがわかっている。単純に計算しても、1ヵ所25億円もかかることになっている。しかも、この新名神の場合、採算がとれないとして、もしNEXCOがサービスエリアをつくらないということも十分考えられるが、そうするとスマートインターのもう一つの形である直接一般道を高速道路とつなぐ本線直結型でつくることになるのではないか。
 これは、東京新聞の報道によると、道路拡幅も含めて1ヵ所当たり120億から150億円かかる計画として、簡易名目で高額インターと報道されているものである。県がどうしてもインターをつくるというのなら、結局はこういう普通のインター以上に莫大な費用のかかるインター計画ということになるのではないかという危惧がされるところである。
 道路特定財源の維持がむだな事業を呼び起こす典型ではないかと考える。その上、費用の負担もNEXCOだけでなく、公共、いわゆる道路特定財源で国と自治体がつくることになる。そこには莫大な税金がつぎ込まれる。インターチェンジにこれだけのお金がかかるのであれば、生活道路に予算を回してほしいというのが県民の声である。新たな負担となるスマートインターの設置は中止をすべきだと思うが、いかがか。

■尾原高速道路室長■ スマートインターチェンジの設置費用であるが、国によるとサービスエリア、パーキングエリアに接続するタイプだと、1ヵ所大体3億円ないし8億円というふうに聞いている。当然、本線直結型となると、4車線の道路にインターチェンジを直結する場合は25億円程度ということで、かなりの額の開きがあるが、サービスエリア接続型であれば低い費用でできるものと考えている。
 その中で、県もしくは地方が負担するというものはインターチェンジに接続する部分の道路の整備費用であって、これについては、今回の宝塚インターにおいては本線工事にNEXCOが工事用道路を設置するが、それを活用してできるだけ費用を抑えるというような形を検討したいということで、その辺は来年度行う検討の中で概算費用とか、利用がどうなのかという利用交通量の予測についても検討していきたいと考えている。
 現状では、この地区周辺の人口であるとか、観光客の入り込み数等を考えると、一定の交通量が見込めるのではないかと思っているが、それについても来年度調査を進め、利用交通量であるとか、費用面等を算出して事業に向けて取り組んでいきたい。
 そういう意味で、まずは現状を考えるとSA接続型が有効だと思っているので、それについても、会社の方にこの地区でサービスエリアを設置すれば経済性についても有利であるということも含めて提案していって、ぜひともSAに接続するインターチェンジが実現できるように取り組んでまいりたいと思っている。

■ねりき恵子■ インター設置予定箇所は計画が行き詰まっている。宝塚新都市開発計画の中で、玉瀬第3クラスターに当たるが、1200億円もの巨費を投じて土地の先行取得をして、その計画が行き詰まった土地にお金をかけてさらに税金投入をするやり方、こういったむだにむだを重ねるやり方は中止すべきであるということを申し添えて質問を終わる。ありがとうございました。

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