聴覚障害者への支援について
■ねりき恵子■ 早速に質問に入らせていただきたいと思う。
初めに、聴覚障害者への支援の充実についてである。
先日、聴覚障害者の各団体の皆さんや個人、約800名の方々が集まって、県の聴覚障害者に対する支援事業の削減に対して緊急集会を開催された。県は、新行革プランの事務事業費の3割削減の方針に基づいて、すべての事務事業費を見直した。この聴覚障害者支援も例外ではない。削減の内訳を教えていただきたい。
■小西障害者支援課長■ 20年度の県立聴覚障害者情報センターの全体の予算であるが、19年度5132万4000円に対して、20年度4456万1000円で、約13%の減にとどめている。このうち、施設運営費については、19年度3319万8000円に対して、20年度は3085万4000円、また事業費は19年度1812万6000円に対して、20年度は1370万7000円、このうち、要約筆記奉仕員の派遣については19年度120万円に対して、20年度は市町において実施すべきものとして廃止をすることとしている。
また、「盲ろう通訳・介助員派遣事業」は、19年度715万3000円に対して20年度は575万4000円である。
■ねりき恵子■ 今、内訳をご説明いただいたが、全体としては13.7%の削減率ということであるが、具体的に見ると、要約筆記奉仕員の派遣事業がゼロになったということであるとか、盲ろう通訳・介助員派遣事業が2割カットされるという状況である。障害者の皆さんにとって、この数百万円が生活に大きな支障を来すということで、ぜひ今までの金額を堅持してほしいと要望されている。
特に、聴覚障害者情報センターの役割は、県も十分認識をされてここに支援事業を委託されているわけであるが、専門的な技術を持った職員が配置されている。聴覚障害といってもその障害は多様で、この各障害に対応するために専門職員の増員が求められていたが、平成19年度予算においてやっと1人分の予算が確保された。それが1年たたないうちに、金額としては同等の金額が削減をされる。そして、要約筆記奉仕員派遣事業も自立支援法の施行で市町事業になったからということでゼロになったが、市町でこれが実施されているのはまだ23市町にしかすぎない。
そしてさらに、盲聾者の方々は知覚、聴覚、言語の3種類の障害を重複して持っていらっしゃる。多くの方々は自宅から一歩外に出るにも介護が必要で、通訳者、介護者の支援を受けながら社会参加をされているという状況である。
特に、現在、盲聾者の方は県下に約570名ほどいらっしゃると言われているが、この通訳・介助員派遣事業に協力をされている方は、現在で24人である。現在の県の予算では、この24人の方々が1日2時間派遣事業を利用するとして、1週間に一、二回の外出しかできないというものである。多くの盲聾者の方々が社会参加をあきらめている、こういう現状がある。
特に、家族とのコミュニケーションもとれないという中で大変な状況があることをぜひ理解をしていただきたいと思う。集会に参加した盲聾者の方は、予算が削られれば家でじっとしているしかない、私たちは特別なことを要求しているのだろうか、皆さんと同じように当たり前に生活できることを望んでいるだけであると訴えている。
県は、昨年6月に新しく兵庫県障害者福祉計画を策定したが、その目的には、障害のある人の暮らしやすい兵庫の実現をめざして、サービス提供基盤の計画的な整備を図るとしている。この方針にも反するものではないか。
行革で、すべての事業を見直すと言われるが、特に聴覚障害の方々にとって日常生活に欠かせない支援事業はカットすべきではない。支援事業の削減を見直すよう求めるが、お答えいただきたい。
■小西障害者支援課長■ まず、センター事業等についてお答えをさせていただきたいと思うが、障害者自立支援法では、地域生活支援事業として要約筆記奉仕員の派遣等は市町事業に位置づけられ、また県の責務は専門人材の養成事業と整理されたところである。
しかしながら、地域生活支援事業がスタートした平成18年10月時点において、県内での実施市町が19市町と少なかったために、平成19年度は経過的に県においても派遣事業を実施してきたが、県と市町との役割分担及び来年度は、予定を含め30市町が事業を実施する見込みとなったので、県は事業を廃止することとした。
また、今後は、未実施の市町に対して早期の事業化を働きかけるとともに、県としては地域の養成研修の講師など専門性の高い人材養成を図っていくこととしている。
また、盲ろう通訳・介助員派遣事業については、平成19年度では、先ほど委員ご指摘のように、24人の方が登録をし、1人当たり平均42回の利用となっている。平成20年度は、通訳・介助員に係る賃金、旅費の単価の見直しを行うものの、現行の年間派遣回数は確保することとしている。
今後は、役割分担を踏まえつつ、県と市町が一体となって聴覚障害者の社会参加の促進に取り組んでいくこととしている。
また、センターの運営費であるが、センターの職員に関しては、同センターの国における配置基準は5名である。これに対して現在7名の職員を配置し、運営に当たっている。また、職員構成についても、聴覚障害者のコミュニケーション支援の機能を十分に発揮できるよう、手話通訳、要約筆記、盲ろう通訳の専門技能を持った職員のほかに、同センターの機能を強化するために、全国的にも配置例が少ない言語聴覚士を配置し、聴力検査や聞こえに関する相談など、専門性を生かした事業を実施しているところである。
平成20年度の同センターの運営費の見直しについては、こうした専門的な職員以外の事務的職員1名の人件費を嘱託並みとしたものであり、同センターの機能が十分維持できるものと考えている。
厳しい財政状況ではあるが、今後とも県内の聴覚障害者の社会参加の支援に取り組んでまいりたいと考えている。
■ねりき恵子■ 具体的にご説明いただいたが、情報センターの職員にしても、本当に安い給料で専門的な仕事を一生懸命やられている。県としても、専門的な職員を配置しているということであるが、さらに充実を以前から求められているというところでも、これ以上の運営費削減がされたのではなかなか思うような事業ができないと訴えていらっしゃるところである。
そして、先日の企画管理部審査のときの質疑にも申したように、県全体の予算で見れば、行革と言っても同和事業など大型公共事業に予算を配当しているというところは変わりがない。こういったところを大もとから見直しをしていくこと、そして県自身が公共投資を見直して生活重視の予算にするんだと言っているわけであるから、そういった観点に立って、こういった福祉の予算、聴覚障害者の支援事業など削減すべきではないと改めて求めるが、部長お答えいただきたい。
■細川健康生活部長■ 先ほど課長から答えたが、行革という枠の中で我々としては最大限の努力をした。その結果、先ほどもご説明したような内容となったものである。
それともう一点、先ほどの説明とも重なるが、この事業の役割分担、市町との分担、あるいは県の役割を踏まえて、先ほどご説明のとおり、来年度は予定を含めて30市町が事業実施をする見込みとなったということも事実として確認をしている。
また、現行の派遣回数等を確保するということもお答えしたが、こういった新しい体制のもとで再度スタートを切っていくというのが、我々の基本的な考えである。
周産期医療の充実について
■ねりき恵子■ 冷たい答弁だと思うが、ぜひ、自立支援法の問題点もあるので、そういったことも含めて予算の見直し、補正予算ということも含めて考えていただきたいという要望を申し添えて、次の問題に移る。よろしくお願いする。
次に、周産期医療の充実についてである。
医師不足の中、産科医不足も深刻で、安心して子供を産みたいということさえなかなかかなえられない事態になっている。私の地元宝塚の市立病院も兵庫医大からの産科医師の引き揚げにより、ことし4月から産科が休診となるところである。
また、妊産婦の救急搬送の受け入れ先がなく、搬送中に死産をした問題を受けて国が行った調査でも、2004年から2006年の3年間に兵庫県でも県立病院も含め513件の受け入れ拒否が明らかとなったところである。中でも一番長いものは、10回の受け入れ拒否で2時間5分という結果も出ている。
これらの問題を解決するためとして、県の新年度予算では、周産期産科救急医療体制を充実強化するとして、周産期医療情報システムの充実が挙げられている。このシステムに参加する病院をふやす内容であるが、これだけでは不十分だと考える。阪神間でこの情報システムに参加している病院のある医師は、システムが十分機能していない、搬送を調整するコーディネーターが必要だと指摘されている。
ここで、県として救急情報システムを機能させるためにも、阪神間の拠点病院にもコーディネーターを配置すべきだと考えるが、いかがか。 ■今井健康生活部参事兼医務課長■ 本県の周産期医療情報システムは、平成18年6月に広域災害医療情報システムから独立させ、総合周産期母子医療センター及び地域の周産期母子医療センターの空床情報や緊急手術の可否などの診療応需情報を、病院、産科診療所、消防機関、助産所など100余りの施設で検索できるシステムとして構築した。
来年度、周産期母子医療センターに加え、1点目として、産科医師数が3名以上いること、2点目として、緊急帝王切開に対応可能であること、3点目として、産科の24時間対応が可能であること、そういった基準を満たす産科病院の診療応需情報が検索できるよう、その充実を図っていくこととしている。
また、周産期医療情報システムの機能を十分活用するためには、本システムの診療応需情報の即時性を図る必要があり、本年1月に改めて各周産期母子医療センターに情報の即時更新を徹底するよう要請したところである。
委員ご指摘の搬送のコーディネーターを阪神地域に置くという意見であるが、来年度、全県を対象とした総合周産期母子医療センターである県立こども病院に搬送コーディネーターを設置する予定にしている。
そのコーディネーターの役割は、県下の産科病院に対して搬送受け入れを調整する趣旨ではなく、近畿府県が協力して搬送患者の受け入れについて困ったときに、他府県の病院の協力を得て収容しようという趣旨のものであり、委員ご指摘の趣旨と若干趣旨が異なるものと考えている。
■ねりき恵子■ ある程度の充実はされるが、どこの病院も少ない医師でぎりぎりのところで対応しているのは、皆さんもよくご存じのとおりであるが、問題が発生した病院がこの情報システムを使って個々に受入先を探すのは、大変困難な状況があり、一刻も早く受け入れを探すためにも、こういったコーディネーター機能のあるセンターが求められているので、要望をしておく。
次に、周産期医療の充実のためには、情報システムの強化だけでは解決できないのは言うまでもない。そこで、地域周産期医療センターについてお伺いするが、昨年の医療法の改正で、分娩時の異常に対応するため、有床の助産医が産科及び小児科があり、かつ新生児の診療ができる連携病院、嘱託病院を確保することになった。阪神間でも、昨年末に連絡調整会議が開かれたが、調整がつかなかった。この法律の経過措置もことしの3月までには決定しなければならないが、県下11ヵ所ある有床助産医の連携病院はもう既に決まったのか。その中には県立病院があるのか、地域周産期センターも含まれているのか、お答えいただきたい。
■今井健康生活部参事兼医務課長■ 嘱託医療機関を定める必要がある有床助産所は、県下に10ヵ所あり、嘱託医療機関については確保できる見込みである。
また、その嘱託医療機関の中に県立病院及び地域周産期母子医療センターの有無であるが、県立塚口病院が複数の嘱託医療機関の一つとして現在調整中である。また、地域周産期母子医療センターとして済生会兵庫県病院、加古川市民病院、姫路赤十字病院小児科、こういった地域周産期母子医療センターについてもご協力をいただいているところである。
■ねりき恵子■ 県立塚口病院も含まれているとのことであるが、この連絡調整会議のところでも、参加した医療機関からは、どの医療機関も分娩の予約を制限したり市内の救急搬送も断っているという状態で、これ以上役割を受けることに責任が持てないという窮状を訴えておられるが、その中で県立塚口病院が果たすべき役割が大変大きいと思う。
しかし、肝心の県立塚口病院が地域周産期医療センターとしての役割が十分果たせているかというと、そうとは言いがたい状況も一方であるのではないか。実際は常勤の産科医は8人いることになっているが、産休や病休の医師もいて、大変な状況だと聞いているし、常勤の麻酔医もいないということで、なかなかセンターの役割を担っているとは言いがたい状況があると考えている。
そういった意味で、医務課としても県立塚口病院を地域周産期母子医療センターに位置づけているわけであるから、病院局とよく連携して、さらに強化充実が必要だと思うが、いかがか。 ■今井健康生活部参事兼医務課長■ 地域周産期母子医療センターについては、産科、小児科等を備え、周産期に係る比較的高度な医療行為を行うことができる施設である。
このため、緊急帝王切開など高度な医療行為を提供できる施設・設備、新生児病室、新生児集中治療室を設けることが望ましいとされている。また、地域における周産期医療施設と連携を図り、症例検討会や研修会等も開催することが期待されている。
ご指摘の県立塚口病院については、今年度、開業助産所の助産師を対象とした研修を実施し、母体、新生児の異常時の救急処置や搬送基準を定めることにより、病院産科医と助産師の相互理解や信頼関係が深まるなど、地域の周産期医療施設との連携を図ってきたところである。
塚口病院が地域周産期母子医療センターとしてどうであるか、設備や産科医師、あるいは小児科医師、そういった医療従事者、そういった点について十分基準を満たしていると考えている。ただ、麻酔科が現在不足しているとも聞いている。このことについては、病院局の方が大学への派遣依頼、公募など手を尽くしていると聞いている。健康生活部及び病院局、引き続き連携を図って対応してまいりたいと考えている。
■ねりき恵子■ ぜひお願いしたいと思う。塚口病院、平成18年度では救急搬送の受け入れができなかったのが20件ということもあるので、さらに充実を求めておきたいと思う。
また、別の件で小児救急体制の整備についても一貫して充実を求めてきたが、このたび、阪神北小児急病センターが4月からオープンの運びになった。やっとどうにか医師の確保がされてオープンになったということであるが、県としても、今後、医師の確保にご尽力いただきたいという要望を申し添えて、次の質問に移る。 療養病床の削減計画中止を
■ねりき恵子■ 次に、療養病床の削減計画についてお伺いする。
政府は、全国の療養病床のうち、2012年度までに医療型25万床を15万床に減らして、介護型13万床を全廃して、合わせて23万床も削減する方針を打ち出している。県もこの国の計画に沿って、地域ケア体制整備構想の中で県内の療養病床約1万4000床のうち、約4600床を削減する目標を掲げており、約3分の1も減らす計画である。
こういうことをして高齢者の療養生活、暮らしが支えられるのか、病院からの追い出しや医療、介護難民を大量に生み出すのではないかと危惧されているところである。
実際に、介護療養病床を約180床を持つある病院でお話を聞いた。そこの病院では、ほんの数年前、厚労省の施策に沿って療養病床への転換をしたのに、今度は廃止か転換を迫られ大変困惑をされている。何より心配しているのは、入院されている167人の患者さんたちの行き先だと言われている。患者さんのほとんどが重症者で、70人がチューブからの栄養となっており、常時の医療ケアが欠かせない人ばかりだということである。閉鎖した場合はもちろん、ほかのどんな施設に転換するにしても、今と同じケアを同じ人数に提供するのは不可能だと言われていた。国がつくるとしている新型の老人保健施設に転換した場合も同じである。
先日、厚労省が諮問で了承された介護報酬では、今までの老健施設と区分して介護療養型老健施設として介護報酬も高目に設定するとされているが、介護度の要介護1、2は報酬が高くなるが、3から5では低くなるというものである。この病院では、現在、療養病床にいる患者さんは、要介護1、2の人は10人くらいで、ほとんどが3以上だということである。
昨年県が行ったアンケートでも、介護療養病床の94%、医療療養病床でも半数の患者さんが要介護3以上と介護度の高い人の割合が多いのに、この国の方針では実態に合わない。厚労省の試算でも、療養病床の報酬の約8割しかならないことがわかっている。施設にとっては医師の配置も1人となって、ケアの質を落とすか、経営にしわ寄せが行く形でしか転換できないのが実態である。当然閉鎖せざるを得ない施設も出てくると思う。
そこで、やむを得ず施設を廃止したり縮小せざるを得ない場合、行き場をなくして困る高齢者が1人も出ないよう、県として行き先を確保するべきだと思うが、いかがか。 ■西川高齢社会課長■ このたび策定した地域ケア体制整備構想は、まず一つに、医療や介護が必要になっても住みなれた地域で暮らせる仕組みを示すとともに、特に平成23年度末に介護療養型医療施設が廃止されることに伴い、医療の必要性は低いが在宅生活の困難な高齢者に適切な介護施設を確保するため、療養病床から介護施設等への転換を円滑に進めようとするものである。
今後、来年度改定する第4期介護保険事業支援計画においては、今回策定した地域ケア体制整備構想に基づき、病状、要介護度等に応じた適切なケアが提供される体制を整備してまいりたいと考えている。
また、今後、療養病床の再編に伴い、転院等が必要となった患者様に対しては、病状、要介護度等に応じて適切な受入先を紹介するよう、医療機関への説明会等を通じて適切に指導することにより、円滑にこの再編を推進してまいりたいと考えている。
■ねりき恵子■ きめ細かな対応と言われるが、行き先がないということが、今、一番の問題になっていると思う。その上で、特養ホームなど施設が圧倒的に不足している問題がある。待機者数を事前にお聞きしたが、最近の状況はつかめていないということであった。実情に合った整備を進めるとしながらも、待機者数がつかめていないというのはどうかと思うが、平成17年6月時点でも、神戸市を除いて申込数は6851人である。老健施設に入所しながら特養への入所を待つ人も入れればもっと多い待機者がいるはずである。
特養ホームなどを抜本的にふやさなければ、やはり介護難民が出ると思うが、こういった待機者を解消するように特養ホームなどを抜本的に増設すべきだと思うが、いかがか。
■小野山福祉法人課長■ 先ほどご指摘のあった平成17年度に実施した特養入所希望者実態調査の入所申込者数6851人には、入所の必要性の低い方や乏しい方が含まれており、真に入所の必要の高いと判定された方は1349人となっていた。県では、この実態調査を踏まえ、介護保険事業支援計画に基づき、施設整備を進めてきたところである。
今後とも、介護保険事業支援計画に基づき、特別養護老人ホーム等の介護保険施設等の着実な整備を進めてまいりたいと考えている。
■ねりき恵子■ いろいろ言われるが、実態を見ると本当に大変である。行き先がなくて、何人も順番を待っているお年寄り、そういう方々がたくさんいるということをぜひわかっていただきたいと思う。
今、療養病床が最後のとりでになっている。ある病院の医療療養病床に入院の方で、脳梗塞で倒れたAさんは、医療で栄養をとっているが、手足も動かない、病状をはっきり訴えることもできないということで、奥さんは自分の高血圧や腰痛などがあって在宅ではとても見られないので、特養は近くになく、申し込んでも300人待ちと言われたので、この病院だけが頼りになっている。
しかも、療養病床の先行実施とも言えるような診療報酬に三つの区分が設けられて、Aさんのような方は区分1になってしまったので、診療報酬が引き下げられてしまったということで、こういう患者さんを受け入れれば病院は経営を圧迫される、または受け入れを断らざるを得ないという状況がある。
こうして受け皿もなく療養病床が減らされるだけで、Aさんのような高齢者は行き場がない。こういう療養病床の削減計画は撤回すべきだと思うが、お答えいただきたい。
■西川高齢社会課長■ 先ほども答弁したとおりであるが、このたび策定した地域ケア体制整備構想については、医療や介護が必要になっても住みなれた地域で暮らせる仕組みを示すとともに、平成23年度末に介護療養型医療施設が廃止されることに伴い、医療の必要性は低いが在宅生活の困難な高齢者に適切な介護施設等を確保するため、療養病床から介護施設への転換を円滑に進めようとするものである。
また、来年度も、患者さんの実態や医療機関の意向についても再調査をする予定にしている。
そういったこともあるし、現在、総合窓口も設置をしているし、各市町と連携しながら第4期の介護保険事業支援計画、あるいは市町の計画に当たって取り組んでまいりたいと思っているので、ご指摘のような医療難民、介護難民を生じさせるようなものではないと考えており、この療養病床の再編成について中止するつもりはない。
■梶谷忠修 委員長■ ねりき委員に申し上げます。申し合わせによる時間が経過しておりますので、発言は簡明にお願いします。
ねりき委員。
■ねりき恵子■ 県の療養病床転換計画も医療費適正化計画における数値目標が前提である。知事も、この医療費適正化計画には異議を申し述べているということであるので、ぜひもう一度検討し直していただきたい。国の基準であるので、絶対に従わなければいけないというものではないということで、もう一度計画の見直しを求めて、質問を終わる。ありがとうございました。
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