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2007年(平成19年)度決算特別委員会教育委員会審査 杉本ちさと
2008年10月16日

1 学校給食費について
(1) 物価上昇対策について
(2) 県の支援について
2 安全で低廉な学校給食について
(1) 汚染米問題について
(2) 県学校給食総合センターについて
(3) 地産地消の推進について
3 学校給食未実施校への県の支援について


学校給食費の物価上昇対策

■杉本ちさと■ 私は、学校給食についてお尋ねする。
 原油高騰と物価の値上がりが学校給食に大きく影響を与えている。ことし春に、3市町が給食費の値上げをしている。その後、県として実情など調査をしてお られるのか。

■濱田体育保健課長■ 県教育委員会としては、最近の食品の高騰を受けて、各市町において学校給食費の改定について検討されていると聞いており、年度 当初に学校給食費の状況について調査を行った。その結果、この4月から、先ほど委員からお話があったように、2市1町で学校給食費の改定が行われていると ころである。その後の調査は行っていない。

■杉本ちさと■ ぜひ調査をしていただきたいというふうに思う。
 実は、その後も淡路市と旧五色町内の小中学校などに給食を配送している淡路市・洲本市広域事務組合が9月から給食費を値上げした。お母さんから、子供が 学校からお知らせをもらってきて1食10円上がると、「仕事もないのに困ったな」という嘆きの声も寄せられている。
 また、この春に値上げをした加古川市でも、大変な状況になっている。特に中国の農薬が問題になってから、中国産野菜や加工品を避けていることもあり、全 体的に割高になっている。昨年に比べて小麦は二、三割高、ニンジンは2倍、食用油は1.5倍となっており、ブロッコリーをホウレンソウにかえたり、同じサ ケでも安い方を仕入れているが、カロリーを保つためにはぎりぎりの努力だと言っている。
 また、値上げをしないで頑張っている市でも本当に大変である。ある市の話であるが、1日当たり220円の給食費であるが、そのうち牛乳で50円、パン・ ご飯で40円、残り130円で献立を考えなければならない。材料費の高騰で果物、ジャム、バター、ふりかけなど、子供たちが楽しみにしているものがまず削 られた。牛肉の回数が減り、豚肉、鶏肉へとかわった。この市では、なるべく缶詰ではなく、季節のものを出す努力をしていたが、それも削らなければならない 状況である。楽しみを削ると、それだけ残飯がふえる傾向だそうである。これでは食育どころではない。子供たちに受け入れられる給食を実施するには、もう値 上げするしかないのかなと献立を考える栄養士さんたちは嘆いておられる。
 諸物価の値上げで家計が大変になっている中、給食費を値上げしないで済むような支援が切実に求められている。
 今回、国が緊急総合対策として物価上昇に対応した生活支援対策の強化の中で、学校給食にかかわる保護者負担の軽減策をとっている自治体に特別交付税措置 を行うとしている。県は、市町に対してこの国の政策――特別交付税措置を行うなどとしたこの通知に対して、市町にどのように周知徹底されているのか。

■濱田体育保健課長■ 県教育委員会としては、市町が実施する学校給食費への保護者負担軽減の取り組みに対する特別交付税措置が盛り込まれた、先ほど ご紹介のあった国の安心実現のための緊急総合対策については、文部科学省からの通知を受け、平成20年9月2日付で教育事務所を通じて各市町に周知させて いただいたところである。
 今後、市町教育委員会の学校給食や食育担当者の会議や研修会等において、再度周知をしたいというふうに考えている。

■杉本ちさと■ この周知徹底については、ぜひ市町に徹底してやっていただきたいなというふうに思っている。
 実は、昨年、福祉灯油支援という対策があったが、同じようなやり方で特別交付税措置があったが、結局、実施した市町は小野市1市だけだったということが あった。そういうことにならないように、実際に家庭の負担軽減につながるような対策を市町がとれるように、県が積極的に働きかけるべきだというふうに思 う。
 今回の措置について、私たちも国に問い合わせをしてみたが、市町の負担の半分を特別交付税として国が見ることになるだろうというふうに回答をしている。 私たちが電話をしても聞けるわけなので、県としてももっと積極的に国にも聞いていただいて、きめ細やかに市町に徹底するようにしてほしいと思っている。
 また、市町の負担があるということで、市町もなかなか実施に踏み出せないだろうというふうにも思う。残りの半分を県で負担するなど、学校給食に責任を持 つ部局として市町の負担を軽減する県独自の支援を行うべきだと考えるが、どうか。

■濱田体育保健課長■ 現段階では県独自の支援については難しいと考えており、先ほども言った、国の安心実現のための緊急総合対策について一層の周知 を図ってまいりたいと、このように考えている。

■杉本ちさと■ 難しいと言われるが、家庭の負担の軽減を改めて求めていきたいと思う。

安全で低廉な学校給食について

■杉本ちさと■ 次に、安全で低廉な学校給食についてお尋ねする。
 食の安全が問題になっている。成長過程にある子供に安全な食べ物を食べさせたいと願うのは当然のことである。汚染米が県下の7市町、48校で使用されて いたことが判明したが、このことについて県教育委員会としてはどのように考えておられるのか。

■濱田体育保健課長■ これまで学校現場においては、学校給食の関係者が衛生管理の徹底に取り組んできたにもかかわらず、食用として流通することのな い事故米穀が流通し、県内の学校給食においても事故米穀が混入した可能性のある食品が使用されたことは、学校給食にかかわる者として大変残念なことである と、このように考えている。

■杉本ちさと■ 汚染米の問題は、悪質な業者とともに国の農業政策の誤りがもたらしたものであるが、県教育委員会としても安全な給食の供給に責 任を持つ立場で当たっていただきたいというふうに思う。
 汚染米に関して、体育協会の県学校給食総合センターは、市町や学校に対して、9月17日に「事故米流通問題について対象業者との取引はないのでご安心く ださい」という通知を出している。しかし、例えば県学校給食総合センターの開発商品である中華まんじゅうは、JTフーズに製造を委託し、さらにJTフーズ が安全フーズという会社に製造を委託している。委託から委託へとこのような状況で本当に安全に責任が持てるのか、疑問に思っている。しかも、10月にこの 安全フーズが原材料として使用していたモチ米に汚染米が含まれていたことがわかっている。
 協会開発品の中華まんじゅうには汚染米は入っていないということであるが、業者が安全だというのをうのみにするだけでいいのか。業者任せではいけないと いうのが一連の商品問題の教訓であるから、学校給食の安全に責任を持てる検査体制が必要だというふうに思う。給食総合センターの検査体制は、今、嘱託職員 が2人で対応しているとお聞きしているが、県として責任を持った検査体制をさらに充実すべきと考えるが、どうか。

■濱田体育保健課長■ このたび県学校給食総合センター開発品の製造委託工場において、事故米穀のモチ米が混入した事例があったが、開発品にはモチ米 は使用されていない。センター職員がいち早く工場の調査にも行き、問題がないものと報告を受けているところである。
 県学校給食総合センターでは、すべての取り扱い食品について物資の明細書を作成し、原材料の内容であるとか産地を明記する、そういうことで食品の正確な 情報を収集するよう努めている。
 また、取り扱い商品の検査については、細菌検査、残留農薬検査等を業者から徴収するとともに、センターにおいても玄米、小麦粉、冷凍野菜等の残留農薬検 査、米の鮮度検査、食品全般の細菌検査、異物検査等を独自に行っているところである。
 県教育委員会としても、県学校給食総合センターが取り扱う食品について、正確で詳細な情報を収集するとともに、さらなる検査体制の充実を図るよう指導し てまいりたいと、このように考えている。

県学校給食総合センター、地産地消の推進について

■杉本ちさと■ 次に、学校給食総合センターは、パンで90%、米で83%を市町の教育委員会に供給している。パンの供給事業は、体育協会が製 粉業者から粉を買い、その粉を製パン業者に卸しているが、大半を輸入に頼る小麦でつくられるパンは、小麦価格が上昇しているし、食料自給という点からも、 食生活の改善という点からも米飯中心に切りかえることが必要ではないか。
 また、地場産の米や食材を供給するのに体育協会が一括購入していたのでは、顔が見える地産地消にならない。契約栽培などによる低価格で安全な給食食材を 安定的に供給できるようにする対策をとることや、地元の地産地消に取り組む市町に対し、財政支援、情報提供、生産者と食品加工業者、学校をつなぐ仕組みづ くりなどの支援を行うことを求めたいと思うが、どうか。

■濱田体育保健課長■ 学校における食材の地産地消というお話かと思うが、地域の食材を学校給食に活用することで、当該地域の食文化や農水産業、また 自然環境の恩恵など、そういうことに対する児童生徒の理解を図ることが大きな目的である。
 地元で生産・製造された食品を使用することは、流通経路が明確となるという意味でも、学校給食の安全確保を図るための大変大きな要素であると考えてい る。
 学校給食に地場産物を活用し、地産地消を進めるためには、利用できる食材の情報や数量の確保、生産者側との連携が必要であり、農政環境部との連携を図る とともに、教育委員会としても地場産物を活用した献立やこれを活用した指導例、必要な情報を提供し、学校における食育を推進する中で取り組みを進めてまい りたいと、このように考えている。

学校給食未実施校への県の支援について

■杉本ちさと■ ぜひ地産地消の推進に県が大きな役割を果たしていただきたいというふうに思う。
 最後の質問であるが、県は食育を強調しているが、県下で中学校給食を実施している学校は半数以下にすぎない。現在、実施率が2.9%と低い東播磨地域 で、中学校給食の実施を求める運動が起こっている。加古川市民アンケートをとったところ、「給食実施を求める」と答えたのは85%にも上り、「今までどお り弁当持参でやるべき」と答えたのは3%しかなかった。
 貧困と格差が広がる中で、弁当を持っていけない子供がいることもわかった。成長段階にある子供にとって、食は最も大事なことである。未実施の学校がある 市町に対して、県として学校給食の実施を働きかけるべきだと思うが、この点についてはどうか。

■濱田体育保健課長■ 兵庫県においては、中学校357校のうち177校で学校給食を実施しており、実施率が49.6%と半数を割る状況である。
 中学校給食を実施していない市町においては、家庭の手づくり弁当についても重要なものであるという考え方を持っておられるところもある。県教育委員会と しては、学校における食育を進めるに当たって、児童生徒の発達段階に応じた体系的、継続的な指導は大変重要であるというふうに考えている。中学校において も小学校同様、学校給食を活用した指導は大変大きな意味を持つものと考えている。
 中学校給食の実施は、学校設置者である市町が、保護者の意向や地域の実情、教育的効果を総合的に判断し決定されるものであるが、県教育委員会としても学 校給食を活用した食育について、学校の設置者、教職員等を対象とした研修会において継続的に取り上げ、啓発を図ってまいりたい。また、関係者の理解を深め ることで、中学校給食の普及充実にも努めてまいりたいと、このように考えている。

■杉本ちさと■ 学校給食の必要性について、ますます大きくなっているというふうに思う。引き続いての県教育委員会の果たす役割を強く求め、私 の質問を終わる。

兵庫県議会のサイトからこの発言の録画をご覧いただけます。

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