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2007年(平成19年)度決算特別委員会公安委員会審査 杉本ちさと
2008年10月10日

1 ヤミ金融撲滅に向けた対策について
(1) 対策強化について
(2) 被害者相談対応の現場への徹底について


ヤミ金融撲滅に向けた対策について

■杉本ちさと■ 私は、ヤミ金の撲滅に対する質問を行う。
 自殺や夜逃げ、離婚、犯罪などの大きな原因となっている多重債務者問題の解決を我が党は求めてきたが、昨年12月臨時国会で、グレーゾーン金利の撤廃など貸金業法が改正され、また国の多重債務者対策本部の決定を受けて、県でも、多重債務者対策協議会が設置され、解決への一歩が踏み出されたところである。
 しかし、生活困窮者などに電話一本で貸し付けるなどのヤミ金融は後を絶たず、撲滅のための警察の取り締まり強化が求められている。協議会設置も受けて、県警はどのように取り締まり強化をされているか。

■松本生活安全部長■ ヤミ金融撲滅に向けた対策強化についてであるが、ヤミ金融事案は、ご承知のとおり暴力団の資金源になっていること、また追い詰められた多重債務者が自殺に追いやられたり、強盗等の凶悪事件を引き起こしたりするといった現実を踏まえ、県民の生命、身体、財産の保護上からも、強力に取り締まっていかなければならない、極めて悪質な犯罪と認識している。
 無登録、高金利事犯等のヤミ金融事犯については、平成15年にいわゆるヤミ金融対策法が成立し、罰則の強化、取り立て行為の規制が強化された。警察としては、ヤミ金融業者に対する事件化を徹底した結果、検挙件数は再び増加傾向にある。
 なお、ヤミ金融事犯に係る相談については、県警ホームページやヤミ金融撲滅キャンペーンなどを通じ、警察本部に設置している「ヤミ金融・悪質商法110番」や各警察署の相談窓口について広報・啓発活動を行っており、その効果があらわれたのか、本年8月末現在の各警察署の相談窓口におけるヤミ金融関係相談は増加傾向にある。相談受理に際しては、ヤミ金融業者に対して相談者の面前で相手業者に警察官が電話をかけて警告したり、利用している銀行口座に対する口座凍結を素早く行うなどの相談者の要望に応じた相談対応を行うなど、被害の拡大防止に配意した対応をしている。
 この中で、もちろんのこと、事件化が可能なものについては、あらゆる関係法令を積極的に適用し、厳正な取り締まりを行っているところであり、本年8月末現在、出資法違反、貸金業法違反で28件、18人を検挙し、前年対比でプラス15件、プラス8人と、大幅に増加している状況である。
 さらに、昨年9月、国、県、市町、関係団体により設置された兵庫県多重債務者対策協議会の構成員として、関係行政機関・団体との積極的な情報交換を行っており、ちなみに県の関係機関から既に数件の情報をいただいているところである。今後とも、多重債務者の立場に立った適切な相談受理の推進と関係機関と連携して、ヤミ金融撲滅に向けた取り締まりの徹底を図る所存である。

■杉本ちさと■ さまざまな取り組みをしていただいているという報告であるが、いろいろと現場では不満の声とかが出ている。現場警察官の適切な対応が非常に重要になっていると思うが、その取り組みでは不十分だということで、きょうはある実例を取り上げて質問させていただく。
 ことしの8月24日にある方が西宮の警察署にヤミ金被害の届けを持っていったところ、「借りたのはあなたでしょう。借りたものは返すべきだ。元本を返していないところもあるんですね。法定内の利息をつけて返したらどうですか」などと言われ、生活安全課がいないので、翌日来るように言われた。翌日また出ていったが、そこでも「警察から電話しても効果がない。穏便に済ませる方がいい。取り立てのしつこいところは電話するが、警察の電話でかけても、相手がとらないから、あなたの電話を使いますよ」などと言われた。しかし、こういう対応は、警察庁マニュアルの6月の改訂版では、「借りたものは返しなさい、元本だけでも返した方がよいというような対応をしてはいけない」となっている。また、同様の趣旨ととられかねないような言動についても、厳に慎むこととしている。悪質な取り立て行為には電話で警察が警告することにもなっていると思うが、先ほどのお話、また警察庁のマニュアルからも外れていると思うが、全く逆の対応をしていると思うが、これについてはどのように考えられるか。

■松本生活安全部長■ 被害者相談対応の現場への徹底についてであるが、大きな社会問題となった平成15年以後、取り締まりの強化と被害の未然防止等の被害者対策を推進してきた。特にヤミ金融事犯の相談対応については、平成15年8月以降、相談対応マニュアルを計4回発出し、各警察署の相談担当者や現場の警察官が誤った教示を行わないように努めているところである。
 さらに、県警察学校における生活経済・環境事犯捜査専科や生活安全任用科などの機会を初め、県下生活安全主務者会議においても、ヤミ金融事犯相談に対する的確な対応を指示しているところである。
 本年6月に最高裁において、いわゆる五菱会事件に係る損害賠償請求訴訟の上告審判決において、「利息分だけでなく、被害者らが借りた元本も含め、ヤミ金融に返済済みの全額を賠償すべき」という判断が下されたことを受けて、「ヤミ金融事犯相談対応マニュアル」を改訂した上、各警察署に発出している。悪質なヤミ金融相談に対しては、「借りたものは返しなさい」、「せめて元本だけは返した方がよい」などの対応をしないことはもとより、同様の趣旨ととられかねないような言動についても、厳に慎むよう指導して、現場で相談受理に当たる交番・駐在所勤務員に至るまで徹底を図っているところである。
 今後とも、ヤミ金融事犯相談に対する的確な対応を行うため、あらゆる機会を通じた指導教養を継続するとともに、関係行政機関・団体との連携を強化し、ヤミ金融撲滅に向けた取り締まりの徹底を図る所存である。

■杉本ちさと■ 徹底してほしいということをきょうは質問するつもりだったので、そういう回答を得たので、ぜひそのようにお願いしたいと思う。
 もう1つある。1つだけじゃなくて、別の警察に行ったときでも、これは被害者の乗った被害者団体の方も一緒についていったそうであるが、警察庁が出しているマニュアルの概要を示したところ、「コピーさせてほしい」と言われたそうである。多分仕事熱心でそうおっしゃったと思うが、現場ではマニュアルも概要も持ち合わせていないということがあるのではないかとも思うので、せめて、私たちの暮らしに直接接触をしている生活安全課だけではなくて、交番・駐在所の勤務員など現場の警察官を対象にした研修会を行うなど、周知徹底をしていただくように重ねてお願いして、質問とする。

兵庫県議会のサイトからこの発言の録画をご覧いただけます。

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