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2007年度予算特別委員会産業労働部 筒井もとじ
2007年3月5日

新事業・雇用創出型産業集積促進補助について

■筒井もとじ■ 先ほどの野口委員の発言と重なる部分が非常に多いが、私も新事業・雇用創出型産業集積促進補助について伺う。
 この間、この企業立地の設備と雇用の補助金について議論をしてきた。我が党は一貫してこのことを主張してきた。私は、代表質問で設備の補助金そのものの問題点を指摘し、予算特別委員会の歳入審査では、政府が大企業の減価償却制度を見直して多額の減税をしている問題を指摘した。松下プラズマ尼崎工場への今後の補助金を支出しないことなどを求めたが、知事は、企業立地の効果が大いにあることを強調され、そのまま続けることを表明された。
 県は、松下を初め5社7件、合計6,000億円の立地企業の投資によって雇用が6,000人、波及効果が4,000億と計算されている。6,000億かけて雇用が6,000人、それも正規でない者が多い。投資の額に比べると、雇用や波及効果は見合ったものになっていないのではないか。むしろ偽装請負などで悪い評判が広がり、イメージダウンになっている面もある。ここに今の日本の経済の問題点があらわれていると思う。工場の国内回帰などと言われているが、労働法制の規制緩和によって非正規雇用で安い不安定な雇用の条件が広がる中で、会社の利益、もうけのために国内に立地しているだけだと思う。その上に立って雇用の問題について伺う。
 県は、昨年度から企業立地に伴う雇用補助金の条件から派遣労働者を外し、直接雇用に限ることを発表されているが、その理由はどのようなものか。

■岩根企業立地課長■ 派遣社員を外して来年度から直接雇用に限定していこうということであるが、これは、これまでもそもそも制度創設時、有効求人倍率がたしか0.42ぐらいだったと思うが、こういう情勢を踏まえ、緊急的にはいろんな雇用対策もやってきた。それが本年度には0.84前後だったと思うが、それまで改善してきた。そういうことから、これまで雇用の量的確保ということを一生懸命図ってきたが、さらに質的な側面についても配慮できる時期に来たのではないかということで、まだ雇用の量的確保が必要な地域もあるということもあって、本年では2分の1にしてきた。さらに来年度は、現時点で大体0.96とか97前後に合わせるように大分よくなってきたので、そういう意味で、さらにもう一段、その延長線として進められるということで派遣あるいは短時間労働者というものについては対象から外していこうと考えているところである。

■筒井もとじ■ 雇用補助金で派遣労働者が対象になった人数は、これまで何人か。

■岩根企業立地課長■ 238名だったと記憶している。

■筒井もとじ■ これはツムラ製薬の関係が2人、残りは全部松下と思う。これは新聞報道でも指摘されたことであるが、県の補助制度の派遣労働者の対象者のうち、99%以上が松下プラズマの分ということである。松下プラズマは、2005年秋に稼働を始めた第3工場の雇用は、派遣労働者を中心にスタートした。補助金を受け取ってすぐ2ヵ月後に請負雇用に転換し、その後、松下から派遣会社への出向が法違反の指導を受けるなどがあり、昨年11月から直接雇用に切りかえが進んでいる。そうすると、松下工場は、今後、派遣労働者では工場運営はできない、派遣法では期限があるから直接雇用が中心になる。県の補助制度にも合致することになる。補助金の対象に考えているのか。

■岩根企業立地課長■ それぞれの時点の制度の要件というのがある。その要件に合致しているか否かということについて厳密に審査をしていくということでやっていく。今申し上げたみたいに来年度については、先ほど野口委員の答弁にもあったが、まずは直接雇用に限定するという方向で進めているし、さらに、できるだけ継続的な雇用というものに絞っていく方向で引き続き検討もしているので、そういった条件をどこまで満たされるものであるかということを、これは松下に限らず、それぞれの社についてきちんと申請を審査しながら進めていくということになろうかと思う。

■筒井もとじ■ 派遣労働者の補助金対象の99%が松下工場で、松下工場が直接雇用に切りかわったから県の制度も派遣を外し、直接雇用だけを対象にする。何か企業の雇用状況に合わせて県の制度が変わっていくような印象を受けざるを得ないが、松下に合わせて制度を改編しているということはないのか。

■岩根企業立地課長■ 結論だけ申し上げれば、決してそういうことはない。あくまで社会経済的な情勢も踏まえ、それからいろんな政策的な波及効果というか、特にこれは企業立地のためのインセンティブなので、そのアピールといった側面もきちっと考えないといけない。そういったところを考え合わせて、それぞれの時期折々に適切なものと考えて進めているところである。したがって、特定企業の特定の都合ということを見合わせて制度を決めているということでは全くない。

■筒井もとじ■ なぜ、正規雇用、正社員を補助金の条件にしないのか、なぜ正社員でなく直接雇用なのか、直接雇用でなく正社員を条件にするつもりはないか、お尋ねする。

■岩根企業立地課長■ 先ほども申し上げたが、補助対象を直接雇用に限定する。かつ、できるだけ継続的雇用に絞る方向ということで、現在、正社員を想定しながら検討しているとお考えいただいていいかと思う。具体的には、それをどうやって担保していくかとか、いろいろな実務的、技術的問題もある。基本的なところをきちんと整理する必要があるので、少なくとも今はっきり申し上げるのは、直接雇用に限定する。さらに、その中を具体的に詰めていくという状況である。

■筒井もとじ■ 結局、企業の都合を配慮しているという補助金の性格であると思わざるを得ない。松下プラズマ工場の雇用は決算特別委員会のときにも指摘したが、無料仕事情報誌にも掲載されているとおり、有期間社員である。その期間は3ヵ月ごとの更新で、最長2年3ヵ月である。これは会社と労働者が結ぶ労働契約書、労働条件通知書にもはっきりと書かれている。契約更新について、契約更新後の新契約期間満了が有期間社員としての入社日から2年3ヵ月を超えることはないと書かれている。これが松下プラズマ工場の労働契約である。このような雇用が兵庫県が繰り返し企業に求めている安定的な雇用と呼べるのか、安定して働き、結婚もして安心して子供を育てることのできる雇用と言えるのか。どのようにお考えか。

■岩根企業立地課長■ 確かに今、松下の直接雇用、募集を見ていると、有期間ということで、期間は当初は3ヵ月、それから更新制であり、正社員の登用制度も当然あると伺っている。もちろん、安定した雇用という意味でいえば、期間を定めない正規社員、正規雇用、これが最も望ましいということは当然であると言われているが、派遣や請負から直接雇用への移行を現在進められている中で、いろいろな雇用形態は当然あると考えている。ただ、もともと段階的に歩みを進められていると、これは正社員の雇用も段階的に進められている中で、派遣や請負から直接雇用を始められたということに関しては、相対的な問題はあるが、一定の評価はできるのではないかと考えている。

■筒井もとじ■ 補助金を除いた問題としても、松下という日本を代表する大企業が、企業の社会的責任を果たして、働いている労働者、従業員を期限の定めのない正規社員、正社員にすることが強く求められている。ワーキングプア、働く貧困層の問題が格差と貧困の拡大の中で、これだけ注目されている中、登用制度や受験制度では、一部の人の正社員化になるにすぎない。県として松下に正社員化を強く求めるべきであるが、いかがか。

■岩根企業立地課長■ 先ほども申し上げたとおり、松下でも、あそこは松下にとってもメインの最新鋭の先端工場ということであるので、厳しい国際的な競争環境の中であって、それを国内で生産維持するというのは、非常に現場の熟練した人材あるいは継続的確保も重要であると認識していると伺っており、現時点では、経営効率のバランスをとりながらということで考えている。そういうことで、先ほども申し上げたが、今段階的に歩みを進めておられるということのようであるので、我々としても、今後、より多くの正規社員の採用を期待しているところではある。もちろん、ご指摘のように安定した雇用、特に期間の定めない正規、安定した雇用ということが望ましいことは我々も当然と考えているので、今後とも松下に限らず、立地企業に対しては、ああいう機会をとらえて、正規社員といった安定した雇用の促進をできるだけ働きかけてもらいたいと考えている。

■筒井もとじ■ 今の一連の流れを見ると、本当に企業のことをよく考えておられる。補助金を出してやる側が、そこまで理解を示されるのはよくわからないが、松下プラズマへの設備補助は上限なし、天井知らずの補助金になっているが、松下プラズマ以外の企業立地の設備補助は、昨年までの実績ではどのくらいか。

■岩根企業立地課長■ 設備投資補助に関しては、昨年までは松下1件である。これは16年に設備投資の補助という制度ができ、あくまでこの制度は工場ができ上がってから申請があるというものなので、大体こういう工事は少なくとも1〜2年ぐらいは最低かかるので、そういった意味で申請があったのが1件ということである。

■筒井もとじ■ 2006年、神戸発動機、旭硝子で7億円されていると承知している。松下は、2006年に10億円、2007年は18億円の予定で第5工場まで合わせると、設備補助だけで166億5,000万円にもなる。これが1社だけの補助金の金額とは余りにも巨額過ぎはしないか。企業立地への応援が必要と考えている人から見ても巨額過ぎる金額だと思う。少なくとも制限は必要とは考えていないのか。

■岩根企業立地課長■ 大型の設備投資というものについては、生産あるいはその関連の波及、雇用、税含めてそうであるが、あるいはその周辺のイメージアップだとか、その他いろいろ大変波及効果は大きいものである。そういう意味での投資であって、それで松下の分は大き過ぎるのではないかというご指摘であるが、逆に言えば、それだけの大きな投資を引っ張ってきて波及効果が期待できるという投資の方法を見ていただければと考えている。兵庫県の設備投資補助については、投資額の3%、これは全国的に見ても30数番目である。非常に低いということである。そういった面もあって、今の時点で、私としては上限を撤廃するということは考えていないところである。

■筒井もとじ■ 液晶の新工場について、今度はシャープが姫路に来るのが有力だと言われている。液晶とプラズマ、お互いに競争相手になるや、猛烈な勢いで競争しようという形である。食うか食われるか、恐竜同士が争う、その両方にえさをやるということになりはしないか。
 今の日本は余りにも大企業にだけ手厚い政治が横行している。減税についても庶民には定率減税を廃止、大企業減税は残る。さらに最近は減価償却制度の見直しによって、松下を初めとした大企業は、1社数十億円、薄型テレビ関連にはさらに法定耐用年数の短縮によって、全体で年間600ないし800億円ぐらいの減税が予定されている。これは地方税も含まれる。さらに国の独立行政法人技術開発機構からは、プラズマ製造技術の開発援助を受けている。2003年だけ見ても、日立、パイオニア、松下の3社共同で約10億円の助成を受けている。政府は、大企業には成長分野、国際競争力をつけるためなどの理由でお手盛りとも言える支援を行っているわけである。
 自治体がさらなる優遇をしてやる必要がどこにあるのか、疑問がますます広がらざるを得ない。もう一度部長から、まとめてご意見を伺いたい。

■表具産業労働部長■ まず初めに、先ほどシャープの話があったが、我々全く、今のところ何の関知もしていない。新聞に唐突に出て、我々も困惑しているところである。候補地になっていることは承知しているし、企業サイドでそれを今検討されていると考えている。実態として、もし決まれば、兵庫県の産業構造に新たなインパクトを与えるし、松下と同様イメージアップ、そして雇用あるいは生産の問題も含めて、兵庫県経済に与える影響は非常に大きいものがあるし、我々は歓迎したいと思うが、今のところ決まっていない。
 そして、今、総括してという話があったが、松下あるいは播磨も含めて臨海部、かつての重工業地帯で、あいた土地が今、新たな産業の場として活用されつつある。そして新たな雇用の場が生まれ、新しい産業が芽生えていくということは、これは日本経済にとっても、兵庫県はもちろんのこと、日本経済にとってもすばらしいことだし、そういう方向に我々は持っていくべきだと思っている。ただ、その場で、きょうも各委員からご質問のあった正規・非正規の問題、雇用の安定というのは、これから我々も留意していかなければだめな問題と考えているし、できる限り、正規で安定した雇用を経済発展と同時に進んでいけることを、我々自身もそういった行政に主眼を置いて取り組んでいきたいと思っているので、よろしくお願いする。

■筒井もとじ■ 質問を終わるが、私は資本の回転の究極の姿を見て死にたいという思いを前から持っていた。それは地球外の生命がどんな原始的なものであっても、どのような組織を持っているのか知りたいという思いと軌を一にするものである。
 カール・マルクスは、ダス・キャピタルの中で、資本の根源的蓄積、ヨーロッパで初めて資本主義社会ができ上がる過程を分析して、資本は頭のてっぺんからつま先まで、あらゆる毛穴から血と汚物をしたたらせつつ、この世に生まれてくるものであると結論づけたように、経済学的興味を持ち続けておるわけである。望みを果たすことは、短い人生では無理なようであるが、飽くなき利潤追求に駆られ、勢いを増して回転を続けることだけは確かだろうと思う。そして、労働者の意識と政治の役割が一層重要性が増すであろうということも確かであろうと思う。
 これをもって私の質問を終わる。ありがとうございました。

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