このサイトは旧サイトです。最新情報などはこちらをご覧ください。
メニューをスキップする TOPページへ 本会議へ 予算決算特別委員会へ ニュースへ 政策見解へ 県会報告へ リンクへ スケジュールへ
2006年度決算特別委員会教育委員会審査 新町みちよ
2007年12月14日

淡路の特別支援教育の寄宿舎問題について

■新町みちよ■ 淡路の聴覚特別支援学校の寄宿舎についてお尋ねする。
 現在、2人の子供さんが入舎をしており、また入りたいと希望されている子供さんが8人いると聞いている。
 希望者の入舎について、学校で検討されるということになっていたそうであるが、突然廃止になるから入れられないと言われて、今、保護者や関係者の中に驚きや不安が大きく広がっている。
 県の教育委員会は、このことについて、いつどこで、どのように決めて、またどのような説明をされたのかお尋ねする。

■片山特別支援教育課長■ 寄宿舎の件については、現在、視覚特別支援学校、聴覚特別支援学校等9校に寄宿舎を設置しているが、それぞれの学校の入所者の状況を踏まえ、今後、寄宿舎のあり方について検討することとしている。
 その中で、淡路聴覚特別支援学校については、全県的な整備の中で、このたび知的障害を受け入れていくという方向になっており、その中で、知的障害を受け入れることにより、スクールバスを設置し、子供たちの通学については、そのような対応でやりたいと考えている。
 寄宿舎については、先ほど申し上げたように、入所者の状況を踏まえ、今後検討していきたいと考えている。

■新町みちよ■ 廃止はしないということだと思うが、存続をしてほしいという保護者の皆さんの願い、1ヵ月余りで署名が1万2,000筆、これは淡路島島内だけではなく、全県、県外、卒業生とか、保護者も含めて集まっているということである。今議会にも陳情されている。
 在校している子供たちが希望しており、そしてつい最近、耐震化の工事も済んだばかりで本当に十分使える施設だというふうに思う。
 学校の方で希望者の入舎について検討されて、そして受け入れられると、こういうふうに考えてよいか。

■片山特別支援教育課長■ 入舎にかかわっての基準については、各校で設定しているので、その中で学校で検討することとしている。
 寄宿舎は、先ほど言った設置している学校の基準等については、それぞれ子供さんの実態が異なるので違うが、総じて言うと、共通しているのは、通学が困難なことである。というのは、距離的に非常に遠くて通えない、例えば、県立の視覚特別支援学校等については、神戸にあるし、それから播磨特別支援学校は龍野にある。それから、姫路聴覚は姫路にあるが、但馬の方から通うことが困難であると、そういった条件が一つ、どこの学校も大体共通して持っているものと認識している。
 それと、寮生活、寄宿舎生活が、身辺自立等が可能であり、生活できる者というのが大方の、それぞれの特別支援学校の基準になっているものと考えている。

■新町みちよ■ 90分ぐらいの通学時間を上限とされているようであるが、このスクールバスがとまる停留所に行くのに、自転車でも20分も30分もかかるという、こんな子供たちもいるので、スクールバスで1時間半の、こういう通学時間を障害を持つ子供にとって通学可能というのはひどいんじゃないかと思う。
 また、通学困難という問題を距離だけの問題としてとらえるというのも考えていただきたいと思う。
 というのは、障害児を抱えた家族の暮らしというのは、本当に大変になっている。例えば、朝は学校は8時から始まるし、終わるのは3時である。母子家庭でフルタイムで働きたいと思っても、これでは送迎ができない、おじいちゃんやおばあちゃんとだけ暮らしている子供たちもいるわけで、文部科学省の21世紀の特殊教育のあり方に関する調査研究協力者会議、これの最終報告でも、寄宿舎を自立し、社会参加する力を養う重要な場というふうに位置づけているので、そういうところから見ると、通学困難というのを柔軟に見ていただき、この寄宿舎の役割をしっかりと見ていただきたいと思うが、いかがか。

■片山特別支援教育課長■ 寄宿舎の設置に関しては、学校教育法の第73条の2に寄宿舎の設置という項目があり、盲・聾・養護学校には寄宿舎を設けなければならない。ただし、特別な事情のあるときは、これを設けないことができると規定している。
 特別の事情の中に、本県では、先ほど申し上げたように視覚特別支援学校、聴覚特別支援学校、肢体不自由特別支援学校と、それから知的障害を有する高等特別支援学校、知的障害を有する特別支援学校の中では、高等特別支援学校、これは三田に1校しかないので、そういった学校数が非常に少ないところに寄宿舎を設置している。後の12校ある知的障害の特別支援学校については、先ほど申し上げた特別の事情のあるというふうなことで認められている、これを設けないことができると、すべて子供たちの通学の足を確保するために、スクールバスで対応している。
 その時間数については、毎年入学者等が変わってくるので、スクールバスの停留所、それから時間、先ほど委員がおっしゃった90分については、それ以上乗ると体力的にもいろいろと限界もあるだろうということで、一応、内規の方で、90分を目安にということで決めている。
 その中で、今までの特別支援学校の、知的障害を受け入れる学校については対応している。
 ちなみに、淡路島内でいうと、現在、淡路特別支援学校があるが、90分以内ですべて回れる範囲にある。

■新町みちよ■ 今、対応の方がいらっしゃらないということであるが、今後、寄宿者がもしなくなってしまえば、淡路で視覚障害の子供が入学したいというときには、先ほどお話があったように、垂水まで行かなければいけない。父母の願いというのは、島内で教育を受けさせたい、身近なところで教育を受けさせたいということである。
 そのためにも、ぜひ存続をしてほしい。寄宿舎の役割は通学できるかどうかという狭いものではないというものではないと思う。先ほども言ったが、障害児の発達の保障にかかわって、先ほどもあったが、学校教育法で規定をされている。生活教育、生活丸ごとが教育の場というふうになっている。子供の教育を受ける権利を明確に保障している。家庭の中で、他の兄弟とできないという、できなさというふうに言われているらしいが、常に感じて暮らしていくと。そういう障害を持つ子供と寄宿舎の中では、そういう差はないわけで、寄宿舎指導員の指導の中で、自分を認め、そして共同できる、自立する力が養われていくというふうに言われている。それは、淡路のお母さん方からも、寄宿舎生活を送ったために、家から離れて生活を送る、家庭では絶対にやらない洗濯などもできるようになった、自立できるように成長してきたと、そういう具体的なお話も伺っている。
 障害も今は本当に多様化、重複化していると言われている。そして、この淡路には、来年には新たに知的障害の高等部も併設されるということであるので、センター的な役割も果たしていかなければならないと思う。自立支援のためにも、この特別支援学級などから寄宿舎の体験なども、受け入れも考えられているというふうに思うが、これまでも体験的に寄宿舎に入舎して、集団生活を送る、こういう場合も受け入れられてきたと聞いている。そういう教育的役割も、今後も含めて実践するために、ぜひ柔軟に対応していただきたいと思うが、いかがか。

■片山特別支援教育課長■ 先ほど委員からご質問があった視覚障害者のことについては、本年3月に策定した兵庫県特別支援教育推進計画の中で示しているとおり、今後は発展的に考え、県立特別支援学校の方で集約して、より専門的な高度の教育を受けさせていこうということに決めている。
 今回、整備する中においては、全県的な視野に立って、そういう状況の中で、視覚障害については、そういうふうに考えている。
 それと、子供の入学希望の人数であるが、現在、淡路の視覚特別支援学校にいるのは、来年になると高等部の専攻科にある53歳の生徒さん1名だけになる。それも高等部の最後の学年になるので卒業していくという状況になって、その中身がゼロになるという可能性もあるので、集約して取り組んでいこうという方向で、本県は考えている。

■石川憲幸 委員長■ 新町委員に申し上げます。
 申し合わせによる時間が経過をいたしておりますので、簡潔にお願いします。

■新町みちよ■ 集約ということは、行政側の都合ではないか。親御さんの思いは、身近なところで、島内でという希望である。
 今、障害者自立支援法によって、本当に経済的な負担が障害者の方に高まっている。この間、報告が出たところ、12月8日に中間報告が出たところであるが、滋賀県で、昨年病気で奥さんを失って、そして2人の障害の娘を持つお父さんが一家心中を図ったという事件が起こり、そして、これは寄宿舎に入所するめどが、統廃合で寄宿舎がなくなるということで、亡くなってしまったと。中日新聞では、障害者自立支援法が絶望を引き寄せたというふうに書いているが、寄宿舎がなければ、夏休みの期間はヘルパーさん、それからショートステイ、施設などの利用で20万円の収入の、父親の収入だったが、10万円ぐらいかかってしまう、こういうところからこういう道を選ばれたということであるが、障害児の暮らしを、そして家庭、子育て、こういうことを支えていく、ぜひこの寄宿舎の役割を維持充実することを求めて質問を終わる。ありがとうございました。

前のページへ戻る このページの上へ
Copyright(c)2001-2018 日本共産党兵庫県会議員団