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2006年度決算特別委員会企画管理部 新町みちよ
2007年12月6日

県の借金の原因について

■新町みちよ■ まず、県の借金増の原因についてお尋ねをしたいと思う。
 震災関連で、起債が8,500億円あるということである。兵庫県の財政は大変だと言われ、今、県民も大きな関心を抱いている。
 審査の初めに、その借金がふえた原因について質問したいと思う。
 県は、現在、借金増の理由として震災を挙げている。16兆3,000億円もの、創造的復興によって大量の起債発行が余儀なくされた。起債残高の4分の1、これが8,000億円であるとされている。つまり、震災のためにやむを得ない借金だったとしているが、本当にそうなのかという疑問がある。そこで、8,500億円の震災関連と言われる借金の中身についてお聞きをしたいと思う。
 災害復旧の分、また補助単独の公共事業の分、それから一般財源が足りないということで資金手当てをした借金―資金手当債、こういうふうに分けられると思うが、その内訳について簡潔にご説明いただきたい。

■小谷財政課長■ 震災関連の8,500億の内訳ということであるが、ちょっと償還の期間の長短があるので、震災関連で発行した起債1兆3,000億円の内訳ということでご答弁させていただく。
 災害復旧、災害公共施設、公共用地等の災害復旧事業、それから災害救助、歳入欠陥債等の災害復旧事業関係が1,900億円、災害復興事業が8,100億円、この中には公共事業に係るもの3,300億円とか、国直轄事業に係るものが1,200億円、復興関連施設の整備事業1,100億円等である。
 そのほか、今お話のあった、その他の復旧・復興関係のソフト事業の資金手当て的に発行した起債というのが3,000億円、以上1兆3,000億円となっている。

■新町みちよ■ 災害対策債、また災害復旧事業、歳入欠陥債、災害援護事業貸付債、これらを合わせて、現在の8,000億円の中で借金残高として残っている災害関係の分が500億円だと思う。これは、全体から言うと6%、つまり災害復旧で、震災で壊れたまちをもとに戻す事業、これらの借金よりも、そのほかの借金、資金手当債を含めると94%が、言われているように創造的復興・復旧事業とは別に震災復興計画の中で行った事業によって生まれた借金だと考えられると思う。
 私たち日本共産党は、震災直後、臨時県議会から復旧第一で、そして被災者の生活と営業の再建を中心にした震災復興計画にすべきだとずっと主張し続けてきた。
 しかし、県は単にもとに戻すだけでは意味がない、こういう理由で、創造的と称し、従来からあった空港、道路再開発、こういった大型開発を、ほとんどこの復興計画の中に盛り込んで、莫大な事業費をつぎ込んで行ってきた。
 県民の立場に立って計画を改める機会は、これまでにもあったと思うが、それをしなかった県の責任は重大だと思う。やむを得なかったということで何の反省もしないというのは、納得できるものではない。8,500億円は、しかも県の借金のうち4分の1と言われている。一般会計だけでも、見ると3兆3,000億円の借金の残高があるわけであるから、つまり4分の3は一体どうなのかということである。
 私たちは、過大な公共事業ということで批判をしていた。震災前から、これは問題になっていた。バブル崩壊後の景気対策、経済対策として積み増しされてきた公共事業、主に県の単独事業であるが、この積み増し分の借金返済、償還費用、これが公債費を増加をさせ現在の地方財政を圧迫している、これは明白ではないかと思う。
 そこで、兵庫県において、92年、つまり平成4年から2002年、平成14年までの合計で1兆円を超える額が、この経済対策として行われたと思うが、この金額は幾らになるか。

■小谷財政課長■ 今、ご質問いただいた総額というのは1兆円ということだが、ちょっとその記載、今、手元に資料を持ち合わせていない。
 この経済対策についてであるが、必要で、もともとむだな事業をしたという認識は当然ない。必要とされる社会資本の整備について、経済対策ということで補正予算などの対応があったので、国からの補助を受け、また有利な補正予算債の活用により、必要な事業を前倒しで事業量を確保して取り組んできたものである。

■新町みちよ■ 1兆219億3,000万円になる。これは、例えば、これまでも行革をされてたわけである、何度も何度もされてたわけである。だから、その予算で見ると、例えば平成8年から11年までは、投資事業が4,200億円確保される。これを12年からは、行革で3,900億円、16年からは3,400億円にするとされてきた。
 しかし、先ほど言ったように、国では142兆円を超える補正予算を組んでやってきたわけである。兵庫県も、これにこたえるように1兆円を超えて、経済対策、補正事業をやってきた。
 それで見ると、例えば、少ない年でも400億円を超える、多い年は2,400億円にも上る補正を組んでいる。例えば、1993年では、5月、9月、11月、2月と補正を組んでいる。こういうことを繰り返しているわけである。だから、片一方で行革だ、投資事業も減らすのだと言いながら、実際には、これだけのことをやってきたと思う。
 だから、95年の大震災以降、創造的復興という名前で公共事業を積み、その上にこれだけ大きな経済対策ということで投資的事業を行ってきた。これが、兵庫県の借金を大きくしてきた原因だと思う。この借金のツケ回しを少しずつ行ってきたのが、これまでの行革ではないかと思う。今度出された新行革プランは、それを一気に県民や県の職員に押しつけるというようなものになっていると思う。これに、県民から大きな反発が上がっている。
 新聞でも、県民に痛みを強いるのであれば、まずこの財政危機に陥った原因を掘り下げるのが筋ではないかと報道している。過去の事業に本当にむだがないのか、検証が必要だというふうに指摘をされている。到底納得できない、これが多くの県民の声だと思う。
 今、指摘をした90年代、また震災での二つの公共事業の積み増しについて、むだで過大なものがなかったのかどうか、県民の目線でチェックをし検証すべきだと思うが、いかがか。

■小谷財政課長■ 被災者からの提言や県民アンケート、それから各分野におけるいろいろな会議、学術団体、市民団体、そして県民等からの幅広い提言をもとにフェニックス計画というのを策定し、それに基づき復旧・復興に我々は努力してきた。この計画は、県民がこぞって参加してつくり上げた、県民総意で策定した計画だと考えている。
 このフェニックス計画に基づき、これまで復旧・復興に取り組んできている。その総事業費は、ご指摘いただいたように16兆3,000億円であるが、国の、何回もあった、そういう景気対策ということで補正予算を編成し、いろいろと対策をとったことにより、この事業というのがかなり進んだと考えている。
 そういった国の対策があった関係で、むしろ県財政にとっては、どちらかというとかなり都合がよかったんだと。補助金も入り、交付税措置もある起債を活用できたので、むしろよかったんではないかと考えている。
 その事業の内容については、先ほどの県民総意で策定した計画に基づく事業、必要な事業だけを有利な財源措置を用いて取り組んできたものである。
 また、この国の追加の補正事業などを活用してやってきたが、本県投資事業については、これまでから、福祉や環境、教育など、真に豊かな県民生活を実現するのに必要な社会資本の整備ということで、計画的、重点的に推進してきている。
 国の経済対策であるが、その公共事業についても、厳しい経済・雇用情勢を踏まえ、県内需要を喚起するために、本県も国の動きに呼応して、一定の事業量を通常より手厚い財源措置もいただきながら、前倒しして確保してきたものである。

県の歳入と財政運営について

■新町みちよ■ 県民の生活を豊かにするためと言われるが、今、県民の暮らしは本当に大変になっている。
 井戸知事の先日の記者会見でも、財政運営の失敗について責任と反省の言葉の意味を問われ、「むだな投資をした覚えはない」と断言をされているが、これこそ県民の思いとは全くかけ離れていると思う。こんな姿勢では、県政への信頼、納得は絶対に受けられないと、得られないと思う。
 次に、県の歳入と財政運営についてお聞きする。
 これまで、井戸知事や県としては、三位一体改革を地方分権改革として方向性は正しいと評価をされてきた。三位一体改革により、地方自治体はこれまでも論議されてきたように、3ヵ年で地方交付税を5兆1,000億円も削減をされ、兵庫県でも平成16年、17年、18年、この3ヵ年で750億円近い削減。ことしも、約700億円減っている。大きな影響を受けたと思う。三位一体改革というものは、結局、国による地方歳出削減がねらいであったということは、もう証明されたと思う。
 私たちは、県として三位一体改革の問題点を国にしっかりとただし、地方交付税を削減するのではなく、財源保障機能の拡充こそ強く求めるべきだと考える。
 その点で、財源をどうするかというのが問題であるが、東京の法人2税の振り分けなど、国と地方で受け取りをするということでは解決にはならないと思う。やはり大幅な企業減税、法人関係税の減税の一方で、庶民には負担増を続けていいのかというのが、今、日本の税制の一番の問題であると思う。
 兵庫県で言うと、平成18年度決算では、法人関係税は、大企業が史上空前の利益を上げたことから、企業業績が好況のために伸びている。また、個人県民税でも伸びているが、これは国による定率減税や配偶者特別控除の廃止、老年控除の廃止、また県の緑税、これらも加わり、増税により116億円の増収になって、県民の負担増によるものであるということが明らかだと思う。
 庶民の収入がふえたから県民税がふえたということではなくて、税制の改悪によるもの、高齢者いじめと言われるものである。本来、税のあり方というのは、収入のある多いところから応分の負担をしてもらうというのが筋ではないかと思う。
 そこで提案であるが、利益を上げている大企業から応分の負担を求めるということで、法人県民税や法人事業税、この超過課税を制限税率まで引き上げることを求めてはいかがかと思う。法人県民税では、東京都や大阪府が制限税率いっぱいの100分の6.6%、本県では100分の5.8%だから、東京、大阪並みに引き上げれば年間10億円の増収になると思う。
 また、法人事業税でも、これまでもしていたが、標準税率を1.05倍から1.1倍に戻せば、80億円以上の増収になる。合計90億円の収入が見込める。もちろん企業の了解が要るが、この法人税は、これまでも平成10年、11年、税制改革により税率が大きく引き下げられてきている。18年度で見ても、520億円、これがもとの税率であれば収入が入ってくる。こういうことから見ても、利益を上げている企業に応分の負担を求める、超過課税を引き上げる、これについてはどうか。

■西上税務課長■ ご質問があった法人関係税の超過課税の件であるが、そもそも超過課税というのは、その時々の特別な財政需要は当然必要であるし、納税者のご理解を得なければならないというのは当然である。
 そのような背景の中で、国税、地方税を通じた法人の税負担のあり方とか他府県の状況などを見ながら、実施、または延長を図っていかなければならないと考えている。
 ご質問でもあったように、本県においては、法人県民税の法人税割の超過課税については、ご承知のとおり、勤労青少年のCSR事業という形で始めているし、事業税については県内産業の育成という事業で始めている。当然、県民緑税については、県内の森林の保全という形の目的を持って取り組んでいるところであり、それについてどのような形でご負担をいただくかというのは当然議論されていかなければならないと考えている。
 したがって、そういう財政需要を踏まえ、当然追加の税負担であるので、納税者となられる法人の方々のご理解をいただける水準であるかどうかというのは検証が必要であるし、また他府県とのバランスを考慮して判断されるべきものと考えている。

■新町みちよ■ 使い方についても柔軟な対応が求められていると思うが、県として有力な自主財源であると思う。税本来の立場に立って、ぜひ検討をいただきたいと思う。
 次に、地方公共団体の財政健全化法に関してお聞きをしたいと思う。
 今、話題になっている実質公債費比率も、この財政健全化指標にされる。来年の平成20年度の決算から適用される。しかし、指標は年内に示す予定だということであるが、新聞報道によると、この新基準が自主的な財政再建策が求められる早期健全化団体、これは実質公債費比率が25%以上となっているし、財政再建団体は35%以上と報道されている。
 そこでお尋ねしたいが、本県の平成20年度の実質公債費比率の見込みは25%以上となるのかどうか。新聞報道のとおりとすれば、兵庫県が早期健全化団体の25%以上になるということは、当面も将来も可能性が低いと思うが、いかがか。

■古川財政企画参事■ 実質公債費比率については、起債の発行額、また県債管理基金の借入額等の要素により、その数値は変わってくるものである。現時点において、先般お示しした新行革プラン第一次案において、現行の計画、行革がなされた場合の平成20年度の実質公債費比率については、3ヵ年平均で19.5%と明記しているところである。

県民のくらしを守る県政を

■新町みちよ■ 18年度の実質公債費比率は19.6%、ことし3月に総務省に報告をした公債費負担適正化計画、これでは平成20年度が20.1、平成30年度でも17.6と予想されている。実際は、やりくりすれば適用される数値ではないということだと思う。財政が厳しいと、今にも破綻をするかのような、財政健全化団体になるかのような説明は県民に誤解を与えるもので、これは気をつけるべきだというふうに指摘をしておきたいと思う。
 次に、県民の暮らしを守る県政ということでお尋ねをしたいと思う。
 言うまでもなく、地方自治体の第一の仕事は、地方自治法にもあるように、住民の福祉の増進であると思う。その点で、11月16日に、井戸知事が委員長をされている全国知事会地方交付税問題小委員会が、国に対して国民の生活を下支えする事業として、乳幼児や障害者等の医療費の助成、私学の授業料の軽減措置などを挙げて、今後ともこれらの事業が継続できるよう交付税措置を求め、交付税1.5兆円の回復を国に強く求めている。このことは大変重要だと評価をしている。
 今回の新行革プランでも、福祉、医療の改悪があるが、年間で言うと33億円ほどの予算を削る効果額となっている。県予算全体で言うと、これは0.15%にすぎない、500分の1にも満たない金額だと思う。
 知事会のこの小委員会の提言のように、国民の暮らしを下支えする事業として重視すると国に要求をされている。そうであれば、改悪でなく拡充こそ必要だと思うが、いかがか。

■小谷財政課長■ 先ほどのご発言について、若干ご説明をさせていただく。
 健全化法に基づくいろんな指標のうちの一つは実質公債費比率であって、それについては、先ほど古川財政企画参事の方から答弁させていただいたが、今の見込みでは25、35というのはないというご指摘であった。
 ただ、実質公債費比率について、公債費負担適正化計画の数字をお挙げになったし、また先日示した推進方策第一次案においても数字があるが、それはいずれも何らかの対応をとった場合の数字である。もし何らかの対応をとらなかった場合には、数字は変わってくる。その対応を起債によるのか、基金の取り崩しによるのか等々によって数字が変わってくるし、必ずしも25にいかない、35ということはさすがにないかもしれないが、25というのは、これからの対応によっては、かなり危ないところである。来年度の数字の見込みということであったが、今年度、現に620億の穴があいている状況である。仮に、620億そのまま穴が埋まらないと、これはたちまち現行法によっても再建団体に陥る危険があるという、極めて厳しい状況である。
 健全化法の世界でも、2.5%の実質収支の赤字が出れば早期健全化団体になるし、5%の実質収支の赤字が出れば財政再生団体となるところである。
 国の方において、ストック指標とか、あと実質公債費比率、ストック的な要素がある指標だけでなく、本県の財政状況でいくと交付税の大幅な削減がある。それから、地方歳出全体を抑えるということの中で、起債についても厳しい抑制がかかっており、これまでのように多額の収支不足を起債と基金の取り崩しで対応できるというような状況ではない。実質公債費比率よりも、むしろ実質収支の赤字とか、そういったところも全部見て、フローもストックもかなり危険な状況にあるというのが本県の財政の現状である。
 そういう状況であるので、今、本県においては、事務事業全般、行政経費全般、投資事業全般、それから人件費、外郭団体等々、聖域なく全分野を見直し、一定の考え方のもとに整理をし、先日、行革の行財政構造改革推進方策第一次案としてお示しをしたところである。
 聖域なき見直しということで、福祉事業等についても、一定の考え方に基づいた見直し案を提示している。今後、特別委員会等の議論、それから各団体等いろんな議論を踏まえ、きっちりとした行財政構造改革に取り組み、何としても早期健全化団体とか、再生団体にならないように財政運営をしっかりやっていきたいと考えているので、ご理解をいただければと思う。

■新町みちよ■ 聖域なきというふうにおっしゃるが、聖域はたくさんある。後でも指摘をさせていただきたいと思う。
 私たちの調査でも、全県41市町のうち、神戸市を初め30市町から、とりわけ福祉、県市協調事業について強い反対やいろんな意見が上がってきている。神戸市からも、影響額は12億円あると。県の財政再建の名のもとに、市民生活に多大な影響を及ぼすことは、いかなる理由をもってしても容認することはできないと。強くこの制度の維持拡充の申し入れもされている。
 私の地元の明石市でも影響額は約2億6,000万円にも及ぶことから、兵庫県の市長会から知事への意見項目に加え、少子化対策の一環として今後ますます重要性を増すものとして、乳幼児医療費の助成事業制度の維持拡充や障害児小規模通所援護事業、地域活動支援センター、これらの事業の維持の意見を申し入れされている。
 こういった市町からの意見を県として無視をされるのか、みずからの失敗を市町や県民に転嫁すべきではないと思うが、いかがか。

■荒木企画調整局長■ 今、お話があったが、41団体からさまざまな意見をちょうだいをしたところである。そうした中で、今回、企画部会案において、そのご意見をいただいたものを今後検討すべき課題として整理をしたところである。
 ただ、申し上げておくが、私どもは決して市町村に対して負担転嫁をしよう、それから県民の皆様に犠牲を払っていただくということで、この行財政構造改革をやっているものではない。それは、従来からの考え方である。
 県と市町村との関係については、本会議でもご答弁させていただいたが、その見直しに当たっては、一つには、地方財政措置という形で権限と財源が、市町村の充実が図られたわけである。そうしたものは、当然のことながら市町村で責任を持ってやっていただきたいと思う。
 例えば、一つの事業については、県にあった交付税措置が市町村に移ったわけである。そういう財源措置がなされた事業については、当然のことながら市町村でお願いしたいというのが1点である。
 また、補助金の見直しに当たっては、先導・奨励的にやった事業については、当然のことながら、一定の期間をもって役目を終わるというのは当然である。
 さらに、中核市、それから政令市、特例市といったような財源を持つ事業については、当然のことながら財源措置と権限があるので、それぞれが自立をし、主体的に行うシステムの中で、今後、市民サービス、県民サービスがなされるものと考えているところである。引き続きのご理解をちょうだいできればと思う。

■新町みちよ■ 最初に指摘もしたが、しっかりとした検証や反省が必要ではないかと言ったが、その反省がないからそういう答弁があるんじゃないかと思う。公共事業の積み増し、それも2段、二重の積み増しが県の財政を悪化させている最大の原因だから、ここに本当は最大限のメスを入れるべきだと思う。事業総額を大幅に削減するのはもちろんだが、すべての事業、それこそ聖域なく見て、中止も含め、しっかりと見直しを行うべきである。本当に必要かどうか、厳しく問い直す必要があると思う。県民にとって必要な暮らし密着の公共事業、これを優先をさせ、これを行っていくのだと転換をすることだと思う。聖域なきというふうに言われたが、手厚過ぎる大企業の誘致補助金、これについても見直しの対象にすらなっていない。これこそ聖域ではないかというふうに思う。
 雇用の問題点なども、これまでも指摘をしてきた。こういうところもしっかりと見直し、本当に地域経済を支える中小・零細企業、ここを真に応援する、こういうふうに転換が必要だと思う。財政運営、これを、今、大きく改めるべきではないかと思うが、いかがか。

■小谷財政課長■ ご指摘のあった投資事業については、フェニックス計画の完了を踏まえ、水準の見直しが必要であると、このように考えている。
 国の構造改革とか地方財政計画の動向、他府県の投資規模等を勘案し、その水準を見直すこととしている。
 見直しに当たっては、地域経済への影響も考慮し、事業費の段階的な縮減についても検討していくべきと、このように考えている。
 また、県施設の整備については、平成19年度の段階で、計画段階、構想段階のものについては、改革期間の前期、平成25年度までは着手しない、平成26年度以降に着手は延期するなどの進度調整を図ること、こういったことを基本に進度調整を図ることを考えているところである。
 ご指摘のあった企業誘致に対する補助であるが、新たな企業立地は、雇用や生産誘発、消費等の拡大、それに伴う税収の増加等ももたらすし、さらには地域のイメージアップ、それから産業構造の転換などにもつながる。
 本県経済全体の直接・間接の活性化効果が期待できることから、これまで積極的に企業誘致を進めてきた。本県経済発展のために企業誘致というのは、不可欠なものと考えている。
 これについても、聖域であったわけではなく、そういったことで今のまま頑張って継続するということを総点検において判断したものである。
 いずれにしても、今回、行革に取り組んでいる。大きな収支不足を、従来のような起債の増発とか基金の取り崩しで対応できない状況にある、先ほどからるる答弁しているが、そういう状況であるので、行財政体質の転換が必要だということで取り組んでいるので、ご理解をいただければと思う。

■新町みちよ■ 企業誘致を否定をしているのでは、もちろんない。余りにも大企業に優遇した補助金の出し方、これらを批判をしているところである。県の行革というのは、市民や県民各層に本当に大きな影響を与えるということで、県の都合で削減ありき、こういう姿勢ではなく、どのような影響を与えるのか本当にしっかりと慎重に検討すべきだと思う。
 例えば、県の職員を減らしたり人件費をカットするという計画になっているが、これも県下の経済に大きな影響を与えるというふうに思う。県職員労働組合県庁支部が独自に分析をされているが、計画どおり1,600億円の人件費の削減が実施されたら、県の毎年の経済効果はマイナス473億円であると。芸文センターの経済効果とされているのを帳消しにする、これに匹敵をするマイナス効果だと言われているが、このことはどんなふうに認識をされているか。

■田中人事課長■ ご指摘のあった職員労働組合県庁支部の試算ということについては、私たちとしては承知をしていないが、人件費の削減が民間に及ぼす影響につき、仮に試算をする場合においても、さまざまな前提条件が必要であり、単純に人件費の削減効果額だけをもって試算をするということについては、精緻な結果が得られにくいと思っており、かえって誤解を与えることになりかねないということであり、私どもとしては試算をしていないところである。
 仮に影響があるとしても、現在、県が置かれている厳しい財政状況を踏まえた中で、人件費総額の削減については、県として取り組まざるを得ないと考えているところである。

■新町みちよ■ 公務員の人たちの賃金が下げられれば、これを基準にまた民間も下げられる。今、本当に不安定雇用が広がっているが、仮に試算どおり437億円というふうにすると、県内総生産の0.2%になる。
 知事は、記者会見で、例えば行革の効果が上がらなければ、もっと公務員の賃金を減らすというようなこともあり得ると述べられているが、そもそも労働条件に関することは労使間で決めることであると思うし、人事委員会の勧告を尊重すべきだと思う。こういう点も含め、慎重に検討すべきであると思う。
 今、本当に県の財政運営が問われているときであるが、それだからこそ本当に地方自治の本旨に立ち戻り、住民の福祉を増進させるという、この自治体の第一の仕事を県政運営の柱にしっかりと据えていただき、県政運営を進めていっていただきたいということを申し上げ、質問を終わらせていただく。ありがとうございました。

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