収入が全く増えないのに、県営住宅の家賃の大幅値上げ
■新町県議■ 二つの問題についてお尋ねをいたします。まず、「県営住宅の家賃の値上げ」の問題についてお尋ねを致します。
国の税制改悪の影響で65歳以上の高齢者の方が、老年者控除廃止等で年金の収入は増えないのに負担ばかり増えている。増税だけでもたいへんなのに、連動しまして介護保険や国保料こういったところの値上げでくらしが大変になっている。これは、歳入の審査の時にも指摘をさせていただきました。県営住宅でも連動で家賃が大幅に値上げとなります。平成18年度の県営住宅家賃収入の中で税制改悪の影響を受ける世帯また増収額をお答えをいただきたいと思います。
■前川公営住宅課参事■ 税制改革の影響を受ける世帯は入居者数約5万戸の内、2300世帯の方が影響を受けると推計しております。また、家賃の上昇に伴う増収といたしまして県営住宅の使用料、18年度当初予算でございますが、128億4700万のうち2億3200万の影響を見込んでおります。
■新町県議■ 入居世帯の4割近く2億3千万の負担増になるというふうに私たちは試算をしております。
家賃の決定通知に高齢者のみなさんはたいへん驚かれて困惑をされております。通知が届くや否や私たちのところにも沢山の相談が相次いでおります。
たとえば中央区の災害県営住宅に住む年金の生活者の方で80歳の方ですが、年収246万円、災害減免を受けておりまして現在は1万1700円の家賃です。新年度からこの災害減免を受けても月2万5700円となります。一気に2倍以上の値上げということです。2008年度には、この災害減免もうち切られまして3万3100円、一般減免を受けても今の家賃の3倍になります。県としてこの大幅な値上げにならないように、まず緊急対策として激変緩和措置をとるべきだと思いますがいかがですか。
■前川公営住宅課参事■ 公営住宅の家賃算定の基準となります公営住宅法施行令第1条第1項3号の収入いわゆる政令月収は平成16年度の税制改正と同じ主旨で世代間高齢者間の負担の公平をはかる観点から平成17年1月1日に見直されたものであります。これは全国の公営住宅に等しく適用されるものであることから、兵庫県の県営住宅に限って特別の事情を見つけて家賃減免の拡充など特別の措置を講ずることは困難であると考えております。なお、全国の自治体におきましても今回の政令月収上昇に伴います特別の措置を講ずる団体はないと聞いております。
■新町県議■ 他に例がないからといってしないということは、県の姿勢としてこれはいかがなものかと思います。県でできることをしていくと。国のこういう税制改悪に対して県民のくらしを守るという姿勢が大事ではないかなと思います。
県営住宅の設置及び管理に関する条例の29条では知事の判断を活用して激変緩和ができる。こういうことになっておりますので、ぜひその対策をとるべきだと思います。その上で抜本的にはこの県営住宅の家賃の減免制度を改善をしていくことが必要です。といいますのは、兵庫県では政令月収2万3500円これが今60%の減免になっていまして、その次のランクの2万7500円までは40%、5万円までが15%、そして8万円までが5%の減免になっております。ところが他府県では、減免率を兵庫県よりも大きくしているところがあります。ぜひ見習ってほしいと思いますが、例えば滋賀県では政令月収2万4600円までは100%の減免がおこなわれております。一番減免率が低いランクでも政令月収7万3800円これが20%の減免と減免率も高く設定をされています。奈良県でも政令月収の9万3400円まで、これを対象としておりまして同じく減免率は最低でも20%こういう状況です。
今回の税制改悪によって家賃が同時に連動して値上げをする、これを救済するために、減免率の改善策ぜひしていただきたいと求めますが、いかがでしょうか。
■前川公営住宅課参事■ 一般減免は各自治体の裁量でございますが、兵庫県の一般減免は県内の市町の中でも比較的高い方であるというふうに考えており、現在のところ見直す考えはないと考えております。
■新町県議■ 都合のいいときは他府県の例を出されるし、悪くなれば出されないのかなと思います。はじめに言いましたように、負担増はこれだけではないんですね。市県民税も上がります。さまざまな社会保障も連動して上がる。社会保障の費用もあがる、ということですから、とにかく収入があがったために家賃が上げられるのではないということを、ぜひしっかりとみていただきたい。
県がやれるものとして打ち切るといわれている被災者の減免制度の延長、それからさきほどいいました緊急対策としての激変緩和、抜本的には、減免率の改善をするべきだと思います。ぜひ部長ご答弁いただきたいと思います。
■坂井まちづくり局長■ いまの新町委員のご質問に対し、先ほども公営住宅課参事から申しましたように、税制改正の影響につきましては全国的なことでやられておりまして、それに基づきまして公営住宅としてやっているということでございます。従来から政令月収の算定の変更につきましては、これまでも何回かやられておりますけれども、それは減免規定を機械的に運用をしております。既に1月1日から入居される方に対しましては、この制度を適用しておりますし、今後国の指導方針といたしましても、18年度から入居者の対しましても適用していくというふうなことで通知が来ていますので、それに沿ってやっていきたいと考えております。
■新町県議■ それでも今値上げがやられようとしているということを言っているわけで、県としては2億3千万円がすっと入ってくるということですけれども、それがそのまま県民の県営住宅に入っておられる人の負担になるということですから、県としてできることをぜひ真剣に検討していただきたいと思います。要望しておきます。
PCB汚染汚泥盛り立て地
安全性の検証もなく「公園化」計画すすめるな
■新町県議■ 次の問題に移ります。県は昨年「高砂みなとまちづくり構想」をまとめられました。これは2025年まで輝く高砂港町ミュージアムの実現を目指すという計画でございます。
この中で「先導プロジェクト」として「早期に事業着手が必要なプロジェクト」が6つあげられております。その中の港湾道路など社会基盤の充実による産業の支援として親水公園、「港の見える丘公園」の整備が位置づけれられております。この公園は高砂西港のPCB土壌汚染汚泥の上につくるということかどうかをお答えをいただきたい。
また公園にするということは現在企業の土地で企業の責任で管理をしておりますが、この土地を行政が買い取り管理責任をとるということか併せてお答え下さい。
■芝原港湾課長■ 委員ご指摘の通り、学識者や市民で構成されました懇話会でとりまとめられました高砂港まちづくり構想におきまして、臨海部企業の物量ニーズを踏まえた高砂西港再整備と合わせまして盛り立て地を活用した親水公園としての港のみえる丘公園が提案されていると聞くところでございます。
現在、この構想も参画と協働によりまして推進するため、市民や企業等で構成されます推進協議会が組織されまして、この構想実現に向けた行動計画が計画をされているところです。PCB盛り立て地を活用しました公園化につきましては、今後推進協議会において議論されるものと考えられ、その過程で公園化に伴う安全性についての検討など必要な場合も専門家の協力を得て適切に対応がされるものと考えております。従いましてまだこれを公園化するかということは今後の課題であろうと考えておりますし、合わせてご質問ございました、企業の管理地をどうするかということもこれからの課題だというふうに考えております。
■新町県議■ しかし18年度には計画をまとめて早期に事業着手するものとして公園整備が位置づけられております。ですから、市民には構想だとまだ何も決まっていないと、こういうことで計画は着々と進めるとこういうやり方としたら大変問題だと思います。
この高砂西港の後背地にあるPCBの汚染汚泥は健康生活の審査でも申しましたように30年前高砂西港にカネカと三菱製紙などからのPCBで汚染をされた汚泥、それを浚渫をいたしまして高さ5メートル5万1千平方メートルにわたって30万立方メートル積み上げられたものでございます。県は条例を作って完全な防止体制を住民に約束をしておりました。PCBを完全に化学処理をするには莫大な費用が企業負担でかかるというふうに思いますけれども、公園だと格段に少ない費用で例えば先ほどの答えでは分からないということでございますけれども、行政の負担と言うことになるかも知れませんが、臭い物に蓋という臭い物に土をかぶせるといいますか、こういうことになるというのは大変問題だと思います。人体に危険性のある有毒物質の上に市民や子どもたちの憩いの場所、こういうことで公園を作るこれは本当にできるのかどうか疑問なんですけれども、やはりその安全性について検討・検証を、県としてはしっかりと行ったのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
■芝原港湾課長■ これまでご指摘のPCBの盛り立て土につきましては、その管理が関係企業により適切に行われるというふうに聞いておりますし、定期的に行われております検査につきましてもPCBは検出されていないと聞いております。しかしながら今回の構想につきまして、これを公園化するということにつきましては、やはり一歩踏み込んだ安全性の確認が必要だろうとは考えておりますし、先ほどもご答弁申し上げましたように、現在それをどうするかという検討推進協議会において検討の最中でございます。先ほども申し上げましたけれども、この過程におきまして公園化に伴う安全性についての検討が必要な場合は専門家の協力も得まして適切に対応がされると考えております。
■新町県議■ PCB不検出ということは、PCBがしみ出していないということであって、その盛り立て地の下には、PCBを含んだ汚染浚渫汚泥があるということは何ら変わらないと思います。まず、だから私が言っておりますのは、安全性これを検討をするべきだというふうに思うんですね。今検討をされていないというのは大きな問題だと思います。
このまちづくり構想の期待される効果、この公園をどんなふうに期待しているかといいますと、この公園を「小学生の教育の場にする」というふうになっているわけですね。これは現在も監視が本当に必要な有毒なPCBの汚染土壌であるということを本当に認識をされているのかどうか。学習の教材にするようなもう大丈夫だというような問題ではない。むしろ子どもたちを危険にさらすことになるというふうに思うんですね。ですから安全性をまず第一にして、これの確保なしに計画をすすめるというのはもってのほかで、市民の納得も得られるものではないと思います。住民に情報を全面的に公開をしてそして論議をすすめる。こういうことを約束をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
■芝原港湾課長■ 今委員言われましたように元々このPCBの盛り立て地を公園化しようというのは懇話会において出た意見をもとにしております。できるだけ水辺に近づきやすい公園をほしいと。こういう観点から計画をしようということでございまして、おっしゃいますように、やはり安全性確保が第一だと思います。もちろんこういった安全性を確保した上で、計画をすすめる。これは当然のことだと考えておりますし、先ほど申し上げましたように、これは県だけじゃなしに市においても強く要請されていることでありますので、安全性の確保については十分検討してまいりたいと思います。
高砂西港のPCB汚染調査を
■新町県議■ 安全性の確保という言葉どんなふうにとらえるのかが大事だと思います。親水公園といいますけれども、この盛り立て地の全面の高砂西港の再編が同じく先ほど言われましたように先導プロジェクトとして位置づけられております。現在、5.5メートルの水深公共埠頭を7.5メートルにするという計画になっておりますけれども、一昨年2004年6月の県議会本会議でわが党の代表質問におきましてこの高砂西港のPCBの汚染調査、特に底の泥質の土そして魚介類、こういったものの調査を求めまして知事は検討すると約束をされておられます。水質課にうかがいますとこの質問を受けまして、一昨年には高砂西港内の底質の調査を6地点で行って基準以下と言われておりますけれども、他の港湾と比べてやはり断然高い数値が出ております。私たちが指摘をした底質の魚類などの生物調査は全く行われておりません。これでは安全では言えないと思います。
また、この高砂西港の公共埠頭のすぐ隣には、企業の専用埠頭がございますが、2003年に三菱重工高砂製作所と県との間で協議が行われております。三菱重工の専用埠頭が4.5メートルと水深が浅くなってきた。5メートルに浚渫をしたい。こういう意向が示されたということです。そのために、県が指導をされてこられました。しかし、1年後の6月30日には浚渫しないと電話で報告が入ったということです。浚渫をしないという理由は、何でしょうか。
■芝原港湾課長■ その件については承知をしておりません。
■新町県議■ あのこれをぜひお聞きをいただきたいと思うんですけれども、港湾を浚渫をしようと思えば海上保安所に申請が必要となります。これには土砂の分析表を添付しなければいけないということになっています。この浚渫をする前に三菱重工として当然、高砂西港の底質の土砂を事前に調査をする。こういうことを行っておられると思うんですが、そういった状況は聞いておられますか。とりわけPCBの汚染濃度などの調査をされているのでしょうか。
■芝原港湾課長■ 三菱重工は調査していないと推察されます。
■新町県議■ 浚渫をするという計画を持っていてそしてその底質調査をしないというのはありえないと思うのですけれども、三菱重工がこういうPCBの汚染濃度こういったことについて県に報告がされたとかそういったことは聞いておられないんですか。
■芝原港湾課長■ 聞いておりません。
■新町県議■ 県としてぜひ報告を調査されているかどうかも含めて報告をいただきたいと。しっかりと把握をして報告いただきたいというふうに思います。
兵庫県の公共埠頭の再整備、この浚渫をする際にもPCBの徹底した調査をすべきだというふうに思うんですね。今の基準というのは、国に水質基準ですが、これもあくまでも暫定の基準です。本当にそれで安全かどうか。POPs(残留性有機汚染物質)条約では、このPCBは本当に無くしていくとゼロにするという対象になっています。だから汚染はないという態度とかこういう認識であれば、住民には不安をつのらせるだけだというふうに思います。
高砂西港の調査ですね。特に底質部分、土壌や生物、魚介類の調査、これを徹底して県としてもやるべきだというふうに思います。その調査を住民に公開をする。こういったことを約束をしていただきたいと思いますがいかがですか。
■芝原港湾課長■ 先ほど委員からご指摘がありましたように、環境部局ではすでに底質6点でPCBの調査をしたというふうに聞いておりますし、その結果除去基準を下回っているということを確認しております。また、魚介類の調査についてでありますが、これはちょっと所管部局のことだと考えますので答弁を控えさせていただきたいというように思います。
企業の利用見込みの不透明な高砂西港の再整備
■新町県議■ ですから底質調査6地区ですね、これは先ほども言いましたように下回ってはいるけれども、これもあくまで暫定基準だと。ですからこれで大丈夫だというふうにあってはならないということを先ほどの質問で申し上げたわけです。ですから、しっかりとこういう調査をしていただきたいと思います。
それで三菱重工さんが専用埠頭の浚渫をやめるというふうにきめられまして、そして公共埠頭の利用も検討するというふうに言われたそうですけれども、そう言ったあとに高砂西港の再整備を含む高砂港まちづくり構想が時期的にはつくられたというふうになります。しかし、高砂西港というのは、今ほとんど利用がされておりません。再整備をするということになると、この企業の利用の見込みがどうなのかと言う問題がございます。
昨年の11月に第1回の高砂西港の再整備に関する港湾利用者会議というのが開かれておりますけれども、その中で、「公共埠頭を利用するのは考えにくい」とか、「神戸港までの陸送よりもコストがかかる。西港を利用することは考えにくい」。また「かなりの貨物量が再整備ということになると必要になる」。こういった意見が多く出されております。再整備すれば利用が伸びる、この意見はほんの一部だというふうになっております。つまり今ほとんど利用されていない、低調だというふうに構想の中でも記載されておりますし、利用の見込みのこれから増えていくと、将来についても不透明というのが実態ではないでしょうか。
■芝原港湾課長■ 今利用者会議での発言内容がご披露されましたけれども、必ずしもそういう状況ではございませんでした。現在でも港湾を利用者へのヒアリング等行っておることでありまして、高砂西港への利用に際しましては、例えば外航船が直接入出港できる機能であるとか、遠くまで陸送している貨物を海運シフトする機能など備えた大型船ができる岸壁整備が要望されるところでもあります。今後こういった企業のニーズを踏まえながら必要となる施設についても検討してまいりたい。ただ、委員おっしゃる通り需要をしっかりと押さえた上で検討してまいりたいと考えております。
■新町県議■ 公共事業一般の話で言っても、費用対効果とも言われます。総事業費もいっさい明らかにされていないんですね。どういう公共事業になるのかということも市民的には明らかになっておりません。PCB汚染の問題など安全性の問題、それから需要予測の見込みこれもあまりないという問題、再整備を進める上でも検討しなければならない課題、クリアしなければならない大きな問題点がたくさんあるというふうに思います。
先ほども言いましたように、何よりも安全を第一にして、安全の確認がなければこの計画は進めるべきではないと思いますけれども、責任のある答弁をお願いしたいと思います。部長いかがですか。
■原口県土整備部長■ 先程来お尋ねのこの高砂のみなとまちづくり構想に関連してでございますが、まだ構想ができましてそれを推進するための協議会が発足をしたところで、先ほどご紹介をいたしました6つの重点プロジェクトにつきまして具体的にどう取り組んでいくか、こういうことを具体的に検討をする段階でございます。
そんな中で高砂西港の再整備の必要性につきましても、県も加わりまして議論もさせていただきたいと考えておりますし、先程来ご指摘のようにきちっとした公共事業の実施につきましては、選択と集中の時代にもちろん入ってございますし、必要性なりきちっと確認をしながら、そしてまたここにつきましてはPCBの問題がございますのでそういったものにたいする底質の安全性あるいは盛り立て地のこれからの活用の仕方、そして安全性の確保の方法このようなことにつきましては、十分調査なり対策をして、その過程も十分情報公開をしながら取り組んでいきたいというふうに考えております。
■新町県議■ ぜひ安全を最優先させて住民が納得ができるようにしていただきたいということをお願いをいたしまして、質問を終わります。
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