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2006年度予算特別委員会県民政策部審査 つづき研二
2005年3月8日

岩盤内の地下水を「水源」として位置付けを

■つづき委員■ 私から地下水源の利用についてお聞きをします。岩盤状の状態になっている地層でも亀裂や断層や破砕部があり、さらにそこが水脈となって中には大量の水が噴き出す場合もあるかと思うんですが、この岩盤内の大量の水を上水道や簡易水道の水源に活用している場合が県下でもあると思うんですけれども、県下での岩盤内の亀裂や断層破砕帯等の水脈から取水をしている上水や簡易水道に活用している町名と水源状況についてご報告を願いたいと思います。

■畑ビジョン担当課長■ ご質問の岩盤からのわき水、湧水等についての市町での利用状況でございますが、水道用水に活用している事例といたしまして、阪神地域では六甲山系における道路、新幹線のトンネルから湧き水を神戸市や西宮市が利用しています。また但馬地域では蘇武トンネルからの湧き水を旧日高町の簡易水道の水源として活用したり、湧き水を旧関宮町や旧温泉町が簡易水道水源として利用しているところでございます。

■つづき委員■ 今、報告いただきました蘇武トンネル平成9年度から県がトンネル工事に着手して当初予想していた10倍にのぼる地下水量が岩盤内から吹き出して、1日あたり2万8000トンが噴出をして5000トンを豊岡市側が利用取水していると。まだすべて利用しきれていない状態であると聞いております。西宮の新幹線トンネルでも昨年度実績で1日あたり2800トンを利用しておりますし、新神戸トンネル、これ神戸市の水道事業ですが、平成16年度決算で年間168万8千トン、一日あたり4600トンを利用と、十分まだ余裕があるという状況ですし、唐櫃トンネルの取水では、そのまま飲める水だということで、16年度決算ベースで52万1000トン、1日あたり1400トンを飲み水として直接利用をしているという状況なんですけれども、それ以外の今ご報告のあった地域、主に但馬になるかと思いますが、どういう経過で取水にそれぞれ至っているかご報告をお願いします。

■畑ビジョン担当課長■ 委員からご指摘のございました蘇武トンネル等については、開発の途上で湧き水という形でできたもの、ある意味偶発的に確保された水資源であるというふうにお聞きをしております。ご指摘の水源については、そのほとんどが簡易水道として過去からの経緯として用いられているものと、各水道事業者からお聞きをしているところでございます。

■つづき委員■ ですから、かなり長期にわたってずーっと岩盤からの水量が利用されているというのが大きな歴史的な経過だと思うんですけれども、そこで私はやはり、発見は確かに最近の事例では偶然と言うこともあるかと思うんですけれども、養父市や新温泉町等の状況、今もお話がありましたように長期に使われてきているという点では、岩盤内の地下水脈についても水資源として位置づけて検討の対象にしていくというようにしていくべきではないかと思うんですがその点はどうですか。

■畑ビジョン担当課長■ すでに簡易水道等で利用されていますように水資源としての地下水の位置づけというのは、重要なものだというふうに考えてございます。ただ、岩盤からの地下水の確保という点につきましては、新規の水源を開発する場合には、水脈を確認する、あるいはその水質の確保、そういった課題もございまして、現在の水利用既存水源の有効活用も図りながら副次的といいますか渇水等の時の二次的な水源として用いるといったことも考えられるのかなと思っております。いずれにいたしましても水源としては貴重なものという認識でございます。

■つづき委員■ いろいろと調査をしなければならないと言うのはそうだと思います。ただそれは他の水資源の場合でも当然いろいろな調査が必要になってくるんですけれども、技術的にも探査方法は電気探査とか放射線探査とか様々な手法が改良されたり開発されたりして実施されてきているわけですね。
  例えば京都市ですが、北区とか左京区の山間部の集落の水道水源の確保として、岩盤の水脈を探査をして実際取水をして利用しております。京都市のその地域のパンフレットでは、鞍馬、貴船簡易水道というパンフレットの中でも、地元の方が表流水や井戸水では渇水期の慢性的な水不足を抱えていた、これが今回の水源開発で解決が出来たという喜びの言葉がこのパンフレットにも飾られているわけですけれども、そういう意味では先ほど渇水時の対策として有効ではないかということがありましたけれども、そういう渇水期の水資源確保で困っている地域は県下でも多くあるかと思うんですけれども、そういうところでの水源開発の一方策として、これがなければ使えないですけれども探査をして使えるようであれば、それを開発して使っていこうという方向の位置づけがいるんじゃないかと思うんですが、その点明確に答弁いただきたいと思います。

■畑ビジョン担当課長■ 岩盤に含まれる水資源の確保利用につきましては、私どもも重要なものとして認識をしてございます。ただ、現状の水資源の確保状況、あるいはその水資源逼迫状況といったことも踏まえながら取り組んでいくことが必要かなと考えておりまして、ご指摘には他府県の事例とか、あるいは学会で地下水利用について様々な検討がされているということも承知しておりますので、そういうことを適切に市町等に伝えながら様々な形での水資源の確保ということを助言してまいりたいと考えてございます。

■つづき委員■ ぜひ位置づけを明確にしていただきたいと思うんですけれども、そういう意味でも、県の方で出されております「ひょうご水ビジョン」では、水源の問題に触れておりまして、地下水については、地盤沈下を引き起こしたという過去の失敗例ですね、問題になったことが強調されておりまして、帯水層での地下水取水としかもそれの問題点ばっかりが言及されているということで、これでは非常に片寄った地下水源についての評価の仕方だと思うんですね。
  県の方でも認められていましたように渇水にも有効ということは、天候に左右されないで年間常時一定量が活用できるという地下水源なんですね。そういう意味でもその新たな水源の可能性としてこの水ビジョンの中でも明記をするということもして対応していくべきではないかと思うんですが、その点もう一度改めてお聞きをしたいのですが、これ部長の方からそういう施策全体の位置づけの問題であるかと思いますので、こういう県下でも渇水時には非常に苦労するというような水源を抱えている地域がたくさんあるわけですから、そういうところでの新たな水資源の可能性として取り組んで明記をしていくということをやっていただきたいがどうでしょうか。

■辻県民政策部長■ 水資源については多角的な観点から確保を図っていくということはその通りでございます。特に先ほども申し上げましたけれども、岩盤地下水については、例えば温泉のようにミネラルが多様なものがあったりしてですね、そこらへんは先ほど調査という話もありましたけれども調査の必要がありますし、それから、岩盤水と地下水とは違いますが、地下水の採取によります地盤沈下等もございます。これから将来の水ビジョンの検討をすすめていく中でそういったことも十分に多角的な水源の一つとして検討をすすめていきたいと思います。

■つづき委員■ ぜひ、そういう岩盤の地下水源、県も認められましたようにそういった活用について大いに積極的に取り組んでいただきたいと思います。以上を求めまして質問を終わります。

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