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2006年3月17日

2006年度兵庫県予算組み替え 参考資料

税金の使い方をあらため
県民のくらし、福祉、教育優先の予算へ

2006年度兵庫県予算案について

 「意欲型」「元気ひょうご」を標榜する井戸敏三知事の2期目のはじめての予算は、県民の願いに応えたものになっていません。
  松下など「勝ち組」大企業に手厚い支援、高齢者・障害者など弱者には福祉医療の改悪をそのまま実施し、県民合意のない「県民緑税」による負担増をはじめ、格差を是正するどころか、さらに格差を広げる中身となっています。
  さらに、県民の強い要求である教育や子育て支援についても、その期待を裏切る内容になっています。小学校の35人学級の拡大は、来年は2年生だけにとどまり、段階的に4年生まで導入する方針。さらに1月の予算原案に入っていた「保育料軽減のための補助制度」が予算に計上されませんでした。
  従来からの神戸空港や関空2期への補助・出資に加え、来年度は無駄なダムの復活や高速道路の建設など、あい変らず大型公共事業を優先する姿勢は変わっていません。

6年連続となる日本共産党の予算組み替え

 日本共産党県議団は、「県政のチェック」「提案型活動」を実践する立場から、2001年度から連続して予算組替えを行ってきました。
  これまで5年間の予算組替えはいずれも成立していませんが、少人数学級の促進や、耐震改修の拡充、ムダな公共事業の点検など、予算をともなった具体的な提案が、県政に影響をあたえ、前進した事業も少なくありません。

予算組み替えのフレーム

 予算組替えのフレーム(規模)は、これまでと同様に、無駄・不急の事業を約1,064億円(一般会計と先行取得用地特別会計の合計)を減らし、そこから生み出した一般財源約129億円を、県民の要求の強い、くらし、福祉、教育などの分野にまわしています。
  また、借金(県債発行)を約529億円減らし、財政の健全化を図っています。


予算組み替えの主な内容

 2006年度の兵庫県予算案に対して、以下の6つの柱にもとづいて組み替えることを提案します。

    1. 国と県の大増税・負担増による「格差拡大」を緩和するため 「県行革」で切り捨てられた福祉をもとに戻す
      1. 切り捨てられた福祉医療を元に戻し、さらに充実を図る
        • 老人医療費助成の改悪前(1割負担)にもどす(2,062,000千円)
        • 重度障害者(児)医療費助成(精神1級含む)を無料にもどし
          さらに内部障害3級を対象に加える(1,277,000千円)
        • 母子家庭等医療費助成を無料にもどす(424,000千円)
        • 重度障害者・在宅老人の介護手当ての削減分の回復(180,588千円)
        • 入院給食費補助を復活させる(490,000千円)
      2. 県民のくらし福祉の向上のため
        • 障害者自立支援医療の自己負担の軽減制度を創設(468,000千円)
        • 被災高齢者見守り体制の充実(6,289千円)
        • 淡路島生活排水対策推進費(61,412千円)
        • 住宅バリアフリー事業の拡充(20,000千円)
      3. 県民合意のない「県民緑税」を歳入・歳出とも削除(△1,750,000千円)
    2. 少子化対策の強化
      • 乳幼児医療費を、就学前まで所得制限なし、自己負担なしに拡充。
        さらに小学校3年生までを対象に加える(5,439,000千円)
      • 第2子の保育料を軽減するための補助制度の創設(150,000千円)
      • 小児救急医療強化対策費(50,000千円)
      • 若者の就職支援の強化
        「若者しごと倶楽部」支所への職員配置(10,000千円)
    3. 少人数学級の拡大など教育の充実をはかる
      • 35人学級を小学校4年生まで拡大(1,400,000千円)
      • 県民合意のない「高校教育改革」の見直し(△2,500千円)
      • 私立学校の施設の耐震化支援・促進(100,000千円)
      • 夜間定時制高校の給食補助の増額(15,823千円)
    4. 中小企業・地域経済の活性化・仕事おこし、雇用の拡大
      1. 中小商工業へのきめ細かい支援
        • 中小企業つなぎ融資制度の創設(200,000千円)
        • 中小企業の金融・事業相談窓口を設置(100,000千円)
      2. 地域経済の活性化のための仕事おこし
        • 民間住宅リフォーム助成制度の創設(50,000千円)
      3. 「勝ち組」企業への手厚すぎる支援や不安定雇用を生み出す事業を削減
        • 不安定雇用をひろげる兵庫型ワークシェアリングを削減(△4,537千円)
        • 正規雇用にもつながらない松下・東芝等への産業立地補助を削減(△2,733,062千円)
    5. 豊かな自然環境を守り、森林再生のための林業振興を
      • 林業振興の抜本的な基本計画を策定する予算(20,000千円)
      • イヌワシ、クマタカなど希少動植物の保護と保全の充実(5,000千円)
    6. 不要・不急の公共事業の見直し、県民合意なき事業を見直す
      1. 不要・不急の公共事業の削減
        • 神戸空港、関空2期など空港関連(△409,174千円)
        • 無駄、環境破壊のダム事業(△4,142,271千円)
        • 六甲グリーンベルト事業(△2528,000千円)
        • 高速道路など採算性が疑問視される不要・不急の道路事業(△4,387,220千円)
        • 環境問題や必要性に疑問のある林道(△655,786千円)
        • 国が負担すべき国直轄の公共事業(△30,709,049千円)
          (※災害関連の予算については削減していない)
      2. 県民合意のない事業など
        • 不公正な同和行政が残っている事業を削除(△665,080千円)
        • 警察の捜査費や報償費の削減、幹部OB天下り先へ委託事業の削減(退職金等)(△60,900千円)
        • 住民基本台帳ネットワーク関連(△710,829千円)
        • 国民保護法計画推進費(△6,912千円)
        • のじぎく療育センターの廃止・移転調査費の削除(△24,243千円)
        • 楽農生活センター関連(△854,067千円)

組み替え予算のフレーム

一般会計(単位:千円)
  項目   県債
歳出の減額 118項目
△93,410,706
生み出された一般財源
14,256,074
県債の削減額
△52,865,493
歳出の増額 31項目
12,915,405
必要となる一般財源
12,506,074
県債の発行額
0
差し引き  
△80,495,301
 
1,750,000
増減額
△52,865,493

特別会計(単位:千円)
  項目   県債
歳出の減額 3項目
△13,000,000
生み出された財源
0
県債の削減額
△3,000,000
歳出の増額   0   0 県債の発行額 0
差し引き   △13,000,000   0 増減額 △3,000,000

全体の会計規模
区分 予算額 増減合計 減額の計 増額の計 編成替え後の予算規模
一般会計 2兆744億円 △805億円 △934億円 129億円 1兆9,939億円
特別会計 1兆2,547億円 △130億円 △130億円 0円 1兆2,417億円
企業会計 1,958億円 0円 0円  0円 1,958億円
合 計 3兆5,249億円 △935億円 △1,064億円 129億円 3兆4,314億円

 ムダや不要不急の公共投資を削り、福祉・医療、教育、中小企業支援などへ重点配分し、あわせて借金を大幅に減らし、健全な財政運営をおこなうため新年度予算の組み替えを求める。

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