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2004年予算特別委員会教育委員会審査 ねりき恵子
2004年3月18日

芦屋高校の強引な単位制導入

■ねりき恵子委員■私は、まず初めに、「高校教育改革」について質問をしたいと思う。
  県教育委員会が進める高校教育改革については、これまでも、私たちは、その問題点を指摘してきたが、昨年12月に県立高等学校教育改革第一次実施計画における後期計画の推進が発表され、具体的な実施年度や対象となる地区名が発表された。この中で、西宮学区の西宮今津高校に総合学科を、そして芦屋学区と神戸第一学区の統合にあわせて単位制を導入することが今言われている。地元では大きな波紋が広がっている。
  そこで、お尋ねするが、芦屋高校への単位制導入については、神戸市教委、芦屋市教委の両教育委員会から再考、見直しを求める意見書が提出されたはずであり、このとき、芦屋市の教育委員会からの要望書を教育委員会は受け取らなかったと聞いているが、いかがか。

■杉本教育次長■先日、芦屋市の教育長が来られ、私が直接、お話をお伺いした。言われたとおり、17年度に学区が一緒になることについて、芦屋市教委の要望をいろいろとお話をお聞きして、そして、私どもも十分に要望をお聞きして、いろんな意見交換をした。

■ねりき恵子委員■芦屋市はそのとき、要望書を持ってこられたが、それを受け取らなかったのかをお聞きしている。

■杉本教育次長■持ってこられたような感じはあったが、私は一切ペーパーは見ていないし、いろんな話し合いを十分にして、ペーパーはもちろん受け取っていないというか、提出はされていない。

■ねりき恵子委員■一つの教育委員会が正式に県に要望に来て、ペーパーを持ってきたのに、渡しもしなかったことはあり得ない。余り想像できない話である。そういった点で、大変疑問に思うが、私たちも独自な聞き取りをしたところ、芦屋市の教育委員会の竹本学校教育部長も来られて、芦屋市は公文書としてそれを用意されてきている。市の教育委員会の公文書として要望書をつくられて、県教委に要望しに来られた。その公文書を提出もせずに帰るのは、子供の使いではないので、やはり、そこで何かのやりとりがあったのではないかと想像する。その点で、これを受け取る必要がないと教育次長が言われたことも実は聞いているが、受け取らないことは、問題ではないかと思うが、いかがか。

■杉本教育次長■私どもに対して、そういったものを提出されていないと、先ほど申し上げたとおりである。そのかわり、十分に口頭でもって、今回のことについては話し合いをして、子供たちが不安にならないように配慮してくださいね、募集学級数で配慮してくださいねということについて要望を受け、こちらも十分に配慮してまいりたいという形で、口頭で要望をお受けして、私どもも頑張りますという形の口頭による対応であった。

■ねりき恵子委員■これはやはり、公文書であるから、そういう提出をしなかったことはあり得ないと思う。口頭でと言われたが、今までも口頭でいろいろと協議はされていると聞いているが、口頭ではなかなか不安も払拭はし切れない。そういうことが地元ではあるので、教育委員会としても、しっかりと文書で要望しようということを決められた。そして芦屋市の議会でもこのことが大問題になり、夜中に及ぶ議論も委員会でされて、芦屋市の教育委員会として、ちゃんと文書で意見書を提出せよという市議会としての要望も受けて、市教委が公文書をわざわざつくられて来られた。そういうことを考えると、一切、それを出されなかったと言われるが、普通に考えれば、そういった公文書を持ってきたのに見せもしなかったということは考えられない。そういう意味から言うと、公文書であるから、やはり、芦屋市民の声をそこで門前払いをしたととられても仕方がないと思う。こういった姿勢に、今、地元の人たちは不信を抱いているのではないか、もっと意見を真っすぐ聞いてほしいと、このように思っていると思うが、教育長、その点、お考えをお聞きしたい。

■杉本教育次長■私がその場で対応をしているので、私から答弁をさせていただく。
  芦屋市も、私どもも、子供たちが本当に混乱や不安に陥ることなく、17年度の新しい学区の統合を順調にやっていこうという気持ちは全く同じである。そういう意味で、要望に来られることは、我々にはしょっちゅうあるが、先ほどから申し上げているように、十分な話し合い、意見交換もして、そして芦屋市のその思い、私どもも十分にかなえるように募集学級数、子供たちが不利にならない形で配慮してまいりましょうという形でのやりとりで終始した。

■ねりき恵子委員■受け取っていないことには変わりないわけであるが、やはり、そこの姿勢を私は今問うている。県教委が地元の声を十分に聞く姿勢があるのかどうかというところで、姿勢の問題として、教育長、お答えいただきたい。

■武田教育長■芦屋の教育委員会と県教委の間で接触をした状況については、先ほど、次長が説明申し上げたとおりのことであり、そのように私は報告を受けている。したがって、その中で要望書が届かなかったことは事実であるし、受け取っていないことも事実である。
  ただ、私としては、芦屋の学区において、市立芦屋高校が募集停止になることで、芦屋の子供たちが高校進学の際に選択肢が狭まってしまうことで非常に不利な状況が生まれるから、神戸の第一学区と統合することにより、芦屋の子供も、そして神戸第一学区の子供も選択肢が広がる。学びたいことが学べる状況がつくり出されるから、その点で、神戸市教委、芦屋市教委、それから県教委が一緒になって統合について合意を見たところであり、その際には、統合されることにより当該学区での受験競争が激化することのないように十分配慮してほしいという、こういう申し合わせがあったから、その申し合わせを遵守してほしい、守ってほしいということで強く要望があったと聞いている。

■ねりき恵子委員■受け取っていないことの事実が確認できた。そして今、教育長が申されたように、統合は合意しているが、受験競争が激化しないようにということで、単位制は考え直してほしいという要望であるから、そういった意見をしっかりと聞くべきである。芦屋市の教育委員会とすれば、その県民の、市民の要望である公文書をまた持って帰られ、その所在が宙に浮いてしまったわけである。そういった点で、その姿勢を強く指摘したいと思う。
  そういったことで、西宮今津高校の問題でも、父母やOBの方、教職員を初め地域の人々が寝耳に水だということで、いろんな集会が地元では開かれている。県教委は、地域に開かれた学校と言うが、地域の声を一向に聞いていないではないか。関係者や地域住民に丁寧に説明して、疑問や不安にこたえてほしいと、こう言っている。こういった声を無視して、強引にこの計画を進めるべきではないと思っている。
  これまでも地元の方々が県教委に説明を求められたが、具体的な校名はまだ決まっていないんだとか、県民の意見は実施計画をつくるときに十分聞いているんだということで、なかなか、今の声を聞いてくれる態度ではなかったと伺っている。だから、決まった計画だから、もう計画を曲げずに、おくらせることもせずに、ただ、強引に進めるという、こういう姿勢がずっとあらわれているのではないかと思う。やはり、もっと住民の声を真摯に受けとめるべきではないか、お答えいただきたい。

■岡野高校教育課参事■昨年12月に、公表した後期計画、これはどのような学区や地域において、どのような形で新しいタイプの学校あるいは学科を設置していくかについて公表させていただいた。その中で、総合学科については、もともと平成12年の第一次実施計画、これは平成20年度までを見通した全体計画であるが、その中に各学区に一つは総合学科を設置することをうたっている。現在、未設置である西宮学区についても、後期計画の中で総合学科を設置する方向で考えていくことで公表させていただいている。先ほど、委員もご指摘になったように西宮学区の総合学科については、まだ、公表段階ではないので、具体的な校名までは行っていないということでお答えする。

■ねりき恵子委員■具体的な校名は発表していないということであるが、学校の中では校長が、もうここがやるんだと手を挙げて、そういうことが言われている。だからこそ、教職員もOBも、生徒も父母の人たちも、地域の人がみんな、そんなのは聞いていない、もっとちゃんと説明してほしいと言っている。なぜ、これだけ反対があるかであるが、私たちも、今までも指摘したが、総合学科や単位制については、学びたいことが学べると、先ほどから言っておられるが、実際は高校に入学した15歳の春のときに、将来の希望を考えて選択を迫られ、どんな科目をそのときに選択するかで将来が決まってしまうこともある。
  また現場の教職員の人に聞くと、やはり、普通科に比べて教育課程上の不利は否めないという現場の声も聞いている。だから、中には子供たちであることから、この3年間に将来の希望が変わることも十分あり得る。そういったときに、単位が例えば足りなくて、受験できなかったとか、そういうことも実際には起きていることもあると思う。
  そういう問題であるとか、先ほども総合学科とかになると他学区からも通学してくるので、いわゆる地元の進学率が低くなる話が出たが、他学区から平均約9%来るということであり、例えば、西宮の学区の場合は、今、普通科へ行っている子供たちの割合が58.2%であるが、単純計算をすると、9を引いて49%になる。数字の上でも地域の学校に行ける子供の割合が減ることである。こういった問題があるからこそ、地元の人たちはこの計画をもう一度見直しをしてほしい。もっと地域の声を聞いてほしいと要望を出している。こういった声をもっと真摯に受けとめて、もう一回考え直すべきだと思っている。
  ここで、ぜひ、教育委員の皆さんにもこういったことを考えていただきたいと思う。私は、ここで教育委員長のお答えを聞きたかったが、今日は教育委員長はお休みであり、ここでちょっと指摘をさせていただきたいが、予算特別委員会という、そして教育委員長が一番責任を持つ教育委員会の審査の中で、事情は、私は聞いていないので、何で欠席をされたかわからないが、欠席をされるというのは、その責任上いかがなものかということを一言つけ加えさせていただきたいと思うが、教育委員としても考えていただきたいということで、ちょっと考えをお聞きしたいと思う。

■武田教育長■教育委員でもある私から、教育委員としての考え方を説明させていただきたいと思う。
  単位制高校や総合学科は、今、一番、産業界、経済界からも問題になっているモラトリアム人間について普通科という形で、目的なしに学ばせることが一つの原因になっているのではないだろうかという意見も出ている。高校1年生で入り、そして1年の間、勉強して、自分は理科系へ進みたい、あるいは経済をやりたい、芸術・文化をやりたいという興味がほぼ固まってくると、その子にとってお仕着せのカリキュラムでなしに、自分で選択をして、やりたいことをやっていき、深化させていくことが可能になるのが単位制である。
  したがって、自分でカリキュラムをつくっていく、時間割をつくっていく、お仕着せでなしに自分がやりたいことをやっていけるという、そういうことで、今、単位制高校や総合学科を進めている。したがって、原則的に言えば、単位制であれば学年制のように、1学年ではこれを学び、2年ではこれを学び、3学年ではこれを学ぶのではなしに、3年間かけて、自分がやりたいことをやっていく。そして社会に出ていく、あるいは大学を受験するという形でやっており、それで先ほど来、質問が出ていたように、そういった子供たちにアンケートをとると、非常によかったという方が非常に多くおられる。また後輩に勧めますかというアンケートをとると、ぜひ、勧めたいというアンケートも出ているわけで、我々とすれば、第一次計画の前期でやったことを検証した際も、おおむね良好である、この路線で進むべきだというお答えをいただいたから、自信を持って後期も今までどおりの路線で進みたいということである。したがって、単位制高校や総合学科が決して我々、押しつけとか、非常に問題があるものを進めていこうというのではなしに、一定の評価を得たものと理解をして、今、進めているので、私にとっても、これは今後も今までの路線で、ぜひ、まだ未設置の学区については設置をしていきたいという考えを持っているので、ご理解をいただきたいと思う。

■ねりき恵子委員■私は、普通科で目的なしに学ぶという制度を変えるためにも、普通科高校の教育のあり方をもうちょっと考え直すことも必要ではないかとは思うが、今、るる言われたが、今津であるとか、例えば、芦屋であるとか、実際にこれだけ、もう1回、もっと住民の声を聞いてほしいという要望書が上がっている。だから、最低限、今度のことについてもっと住民の声を聞いてほしいことを今要望している。そして聞くところによると、今度の3月24日に定例の教育委員会が開かれて、具体の校名もここで検討されるように聞いているが、最低限、これは中止をして、まずは住民の声を聞いて検討し直すべきだと思うが、教育長、いかがか。

■杉本教育次長■12月に後期計画について、県の教育委員会としての方向性を示させていただき、その計画に沿い、現在、それぞれの地域や学校において、自分の学校の改革を進めていくために、いろいろと検討を進めている。そういった検討状況や関係機関等のご意見も十分に聞いて、現在、最終的にそういった対象校をどこにするかを現在、最終的な検討をしている。

■ねりき恵子委員■24日の教育委員会には、その校名をまだ提案しないということか。

■杉本教育次長■ご提案をするとかしないとか、現在、最終的な検討をしているということである。

■ねりき恵子委員■最低限、すぐに拙速にそういった校名発表はしないことを要望する。また、35人学級についても通告していたが、これは拡充をさらに求めて、これからも引き続き取り組んでいくことを表明して終わる。

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