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2004年予算特別委員会総括部審査 ねりき恵子
2004年3月16日

災害公営での見守り活動の継続を

■ねりき恵子委員■私は、震災復興の住宅での高齢者の見守り活動についてお尋ねしたいと思う。
  先ほど来、震災の検証事業をやっていくとか、いろいろな取り組みがされているわけであるが、やはり復興住宅での状況は、大変厳しいものがいまだかつてあるというふうに認識をしている。
  そこで初めに災害復興公営住宅は、4万2861世帯あると思うが、ここでの高齢者世帯率、一般公営住宅での高齢者世帯率についてお聞かせいただきたい。あわせて、それぞれの高齢単身世帯率、生活保護受給世帯率についても伺いたい。

■常松生活復興課長■災害復興公営住宅における高齢化率については、県営、市町営を合わせた平成14年11月現在で、65歳以上の高齢者の数は1万7929人、入居者全体に占める高齢者の割合は41.8%となっており、一般県営住宅の16.0%と比べても、かなり高齢化をしている現状にある。
  高齢単身世帯率は、県営、市町営を合わせた災害復興公営住宅でのひとり暮らしの高齢者の方は8477人となっており、入居世帯全体に占める高齢単身世帯率の割合は34.8%で、一般県営住宅の13.1%を大きく上回っている。
  生活保護受給世帯についてであるが、平成16年1月現在で、県営の復興住宅における生活保護受給者は1706人で、入居世帯全体に占める割合は18.8%となっており、県営住宅全体の8.9%の2倍強となっているが、長引く不況の影響もあり、昨年1月よりも、いずれもそれぞれ0.3ポイント、0.4ポイント上昇している。

■ねりき恵子委員■やはり今、数をお示しいただいたように、大変高齢化率が高くなっている、単身も大変多いということで、生活保護の状況も今のお話では約2倍ということであるが、大変高くなっている。
  こういった中で、なかなか生活実態は深刻な状況があると思うが、避難所、仮設住宅と転々としていく中で、コミュニティー形成もなかなかつくれない。先ほどのお話では、少しずつコミュニティーもつくられつつあるということであるが、まだまだその途上というところがあると思っている。そういった意味においても、さらに支援が必要なのではないかと考えている。
  この間でも、ある復興住宅の方からお話を伺ったわけであるが、仮設のときはふれあいもあったということで、住みなれた土地から離れて災害公営に入った、今度は災害公営の建物の構造上から、鉄の扉1枚でなかなか隣の人との交流も持てないという状況の中にあって、つながりがなかなかつくれないという状況があって、中には、1日だれともしゃべらないという人も出てくるということがあるわけである。孤独死もまだ起きているわけで、時間的な経過もあるわけであるが、仮設時の孤独死は233人だったのに対して、災害復興公営住宅に移ってからの孤独死は251人となっている。
先日、私の地元、宝塚でも、ご存じだと思うが、「復興住宅安心して暮らすには 宝塚フォーラム 独居者の課題を考える」というのが開かれたわけであるが、ここで人と防災未来センターの研究員の方も、みずからの調査研究を発表されたわけであるが、暮らしの満足感だけで復興感はつかめない、人間関係などの新たな環境になじむ適用感を高める必要性を指摘されている。そのために、見守り活動など外部からの支援が重要だということも述べられている。こういった意味でも、LSAやSCS――高齢者生活援助員――の配置は不可欠だというふうに思っている。しかし、SCS――高齢者生活援助員――は、復興基金を財源としているので、10年たつので、この基金とともに2004年度で終了されるのではないかと、現場では大変心配されている。このSCSが今後も引き続き配置されるのかどうか伺いたい。

■古西総括部長■高齢世帯生活援助員――SCSの継続配置ということであるが、SCSは、生活復興の面で非常に貢献をしていただいたと私たちは認識をしている。しかし、先ほど委員もご指摘あったように、復興基金の財源でやっており、復興基金は、16年度末で新たな事業を展開しないということになっているので、そこでどうするかという大きな分岐点になるわけである。
  それに対して、私どもとしては、やはりそういった個々の高齢者を訪問し、高齢者の状況を把握するといったようなことも必要であろうと思う。そういったことから、これは国の制度としてあるLSAの制度をまず活用すべきではないかと考えており、LSAの対象住宅をシルバーハウジングだけでなしに、高齢世帯が多い災害復興公営住宅にも派遣をできるように国に要望を行っていこうとしている。

■ねりき恵子委員■SCSが復興基金なので、これが、事業が終了するということで、LSAに移行していくということで、それをさらに拡充してもらうことを国に要望していると、これはこれで国にぜひ要望していただきたいと思うわけである。これを拡充していくということは、非常に今もシルバーハウジングだけでなくて、ほかの一般住宅でも求められているので、それはそれであるが、やはり今まで行われてきたSCSの役割というのは、非常に大きいものがあると思う。ここで県の責任として、今までと同様の質が落ちない支援が行われることが必要だと思うわけであるが、この点でぜひ県として今まで以上の、せめて今までと同様の支援が行えるかどうかというその決意をお聞かせいただきたいと思う。

■常松生活復興課長■LSAの配置に当たっては、市町の負担が伴うことになることから、その基準については、今後市町と十分に協議を行い、適正に対処する必要があると考えているところである。
  また、復興10年委員会における今後の総括検証・提言事業でのご議論なども踏まえ、その必要性を見きわめる中で、判断をしていきたいと考えている。

■ねりき恵子委員■市町との協議ということであるが、ここが一番ネックになっていると考えている。やはり市の負担があるということで、今までもなかなかLSAの拡充が市の方で行われなかったというふうに思う。例えば、今までもLSAは24時間対応にしてほしいという要望があったが、実際に24時間対応をやっているLSAは、南芦屋浜の県営住宅ということである。こういったことを考えると、なかなかこれが広がっていかないというところでは、やはり市の負担が大きなネックになっていると思う。
  SCSがなくなって、LSAを拡充していく方向でやっていくのだといっても、ここのネックが取り除かれないと、なかなかLSAとしても拡充していかないのではないかというふうに思う。そういった点でも、やはり国と県の責任で災害対策を行っていくという一番の大もとの考え方に立って、県が責任を持って今までと同様の支援体制を続けていくという心構えがないと、なかなかそれを拡充していくという方向には進んでいかないと、経験を生かすという方向には進んでいかないと思うが、ぜひ今までと同様の支援体制を県の責任として行うよう求めるがどうか。

■常松生活復興課長■LSAについては、健康生活部の所管というようなことである。そちらからお聞きしているところでは、実施主体である市町で必要性を判断し、LSAを現在のところ配置をしているというふうにお聞きをしている。
  総括部としては、復興計画が終了したことをもって被災者の見守りを終了するという単純なものではなく、まだまだ課題はあるというふうには認識をしている。ただ、震災後10年を一つの節目とし、震災から生まれた先導的な取り組みであるSCSについて、今後の少子・高齢社会において一般施策として引き継ぐためにはどのようにすべきかというようなことを鋭意現在検討して、LSAの拡充という方向で取り組みたいと考えているところであるので、ご理解をよろしくお願いする。

■ねりき恵子委員■一般施策に移るにしても、やはり県としての責任を果たしていくという点で財政負担がネックになっているというわけであるから、そこをしっかりと考えていただきたいと思う。
  高齢化率の、先ほどお話を聞いたが、その推移を見ても、平成12年には、一般県営住宅で13.2%の高齢化率だったのが、災害公営では38.1%、平成15年では、一般県営で16.5%だったのが、災害公営では43.1%と、やはり高齢化率にどんどん差が出てきているということである。月収を見ても、月2万円までの収入しかない世帯が平成13年で災害公営は68.6%に対し、平成15年には72%と、今の不況もあって高くなっている。災害復興公営住宅の高齢者世帯の数が、全部で2万4389世帯ということで、現在でもLSAが112名、被災高齢者自立生活支援事業というのが別にあるが、これが神戸市を除いて48名、いわゆるSCSが102名。これを合わせても、本当に災害復興公営住宅の高齢者世帯数を全部ケアできるのかという点が問題だというふうに思っている。
  事態はますます深刻になっているという点で、先ほど出した宝塚で行われたフォーラムの中でも、SCSの職員の方が意見発表されているが、復興住宅をこのまま職員のいない老人ホームにしてはいけないという警鐘をされて、一般住宅とは異なった支援が必要なのだということを訴えていらっしゃる、これが実際に現場を回っている人の声だと思っている。こういったことを考えても、繰り返しになるが、やはり一般施策に移るにしても、今の被災高齢者の方々の実態を見ると、県の責任として、見守り活動をしていく、そのためには、LSAの拡充だけではなく、それも含めて、県としての、財政的な面も含めて、支援をしていくという決意が必要だと思っている。その点について部長にお答えいただきたい。

■古西総括部長■SCSの設置について県の責任というお話であるが、基本的には、私は、在宅福祉というものは、一番住民に身近なところの市町が責任を持って行うべきではないかと思っている。ただ、県がそれに対してどのような支援をしていくか、あるいは国がどういった支援をしていくかというのは、その次の問題ではないかと思っている。いずれにしても、今、基金がなくなった後どうするのかと、こういうことを言われても、これからそういったことも総括検証事業の中でもいろんな議論がなされると思うし、また、まさに私が先ほども言った市町とのいろんな調整、対象住宅どうするかとか、料金をどうするかといったようないろんな問題もあろうかと思う。これは、LSAにするにせよ、SCSにするにせよ、そういったことがあるので、これからはそういったことを総括検証の中で当然のことながら議論がされ、そして、それに基づいて県として判断をしていくべきことではないかなと思っている。

■ねりき恵子委員■さまざまないろんな方面からケアをしていくのはもちろん大事だと思っているが、災害の対策と被災者のケアという点で県の責任があるということを最後に意見表明、申し述べさせていただき、住宅再建の問題も予定をしていたが、これは総括質問に回させていただきたいと思う。これで質問を終わる。

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