「すくない参加者」「多すぎる補助金」
スポーツクラブ21の問題点
■宮田委員■まず県民交流広場事業についてお伺いします。
この県民交流広場事業は法人県民税超過課税を活用して現在すすめられているスポーツクラブ21の次の事業として16年度からモデル事業が行われております。勤労者をはじめ多くの県民が生活の場である地域でリフレッシュできるようにスポーツや文化芸術などの学習交流活動を行う拠点づくりを支援するとされておりますが、その中には様々な問題点が含まれており、部局審査を踏まえて重ねて知事にお伺いをいたします。
まず第一は、スポーツクラブ21の教訓をしっかり踏まえるということであります。昨年3月地域スポーツクラブ調査研究委員会が行った調査報告委員会が出されておりますが、それによりますと834小学校区の内、その時点で60%現在84%の地域でクラブが結成されたことになっております。
ところが、会員数未満が300人未満が7割を占めると。最小は17人のクラブもありその校区の住民に対する会員比率は、5%未満が約40%。5%から10%未満が25%。あわせて10%未満の地区が7割に及んでおります。一方加入率の高いところを見ますと全戸加入が42クラブありまして、その運営は行政担当者つまり市町職員に依存いしていると指摘をされております。自主的にやっておるところは参加人数が少ないと多いところは市町の行政が全戸を対象にして、まあいわば形式的に組織した実態が伺えます。
また毎回の活動参加者は、きわめて限られた人数であるということは用意に察しがつきます。また、入会金は7割のクラブが徴収しておらない、会員証などの発行割合も低いと、運営も中長期的な計画をもっておるクラブも少なく、補助金がなくなれば存続が難しくなる状況が見られるとも指摘をしております。
知事ここでこうしたクラブにそれぞれ今1300万円づつ補助金が交付をされておりますが、これで本当にこの事業が成功し、超過課税の税収が効果的に適正に使われているとお考えでしょうか。
何が問題でそれをどう改善されようとしているのか。また、いまからでも補助金のあり方については、見直しも必要と考えますが併せてご答弁を願います。
■武田教育長■スポーツクラブ21兵庫はご案内のように日本におけるスポーツが学校スポーツあるいは企業スポーツあるいは地域クラブスポーツというように考えますとどうしても学校のスポーツ、企業スポーツ依存型であったことは事実でございます。しかしながら経済の後退によりました企業スポーツがかなり力を弱めてきたというふうな中でむしろ生涯を通じてスポーツを楽しむためには地域クラブスポーツを振興すべきではないかという意見が出てまいりました。合わせまして子ども達をどのように地域で育てていくか、異世代の交流をどうはかっていくか、あるいは、地域でのマナーとか礼儀こういったものをどう培っていくかというふうな中で、「スポーツクラブ21兵庫」という事業がそういう背景の元に生まれたことは事実であります。
そういう中で私どもは4年目になります昨年に先ほどご案内のありました地域スポーツクラブ調査研究委員会を立ち上げまして学識者による検証を実施をいたしました。検証は、まずクラブハウスの場所でありますとか、あるいはクラブの会費でありますとか会員数あるいはクラブの活動の内容あるいは指導者運営スタッフの状況あるいはクラブの運営状況、既存団体との関係という大きく分けて6つの項目で検証を行ったところであります。そういうふうな中身で検証を行いました結果、会員数は一番小さなところで26人、最大で6678人のクラブがございました。また活動種目は競技志向から楽しみ志向まで多種多様な活動が行われていることが判明いたしました。会費は、各クラブ毎に活動状況に応じ多種多様であるということでございました。
会費を徴収していないクラブがこの調査時点では618クラブ中80クラブということで14.4%あったことも事実でございます。また、これらの原因としてあるいは活性化していないクラブからの報告によりますと多様化する活動に対する指導者の不足あるいはマネージメント能力を持った人材の不足。クラブをよりよく運営するノウハウや情報の不足等が課題としてあげられましたことから私どもといたしましては、早速スポーツリーダーや運営の核となるマネージャーを養成する講習会を実施いたしました他、先進的な取り組みを紹介した運営事例ビデオの配布などの支援を行ってきたところであります。また本事業により今年度末で全体計画の約9割にあたります742クラブの設立が予定されているところでございます。NPO法人を取得し活発に活動しているクラブやスポーツを通じた世代間交流が促進をされたり地域が一体となって子どもを育てる環境が整うなど地域コミュニティの活性化に寄与するクラブが増えてきておりますことから、今後も引き続き県民だれもが生涯を通じて多様なスポーツ活動が楽しめる身近な環境づくりが整備されるよう積極的に支援を行ってまいりたいと考えているところであります。
■宮田委員■この間部局審査でも申し上げたんですけれども、それぞれの組織は非常に小さいところも沢山あるんですね。そういう中で施設の整備に800万円の補助金が出ることになっているんですけれども、100万円とか200万円で済むところがたくさんなんですね。しかも毎月の事業の費用というのは10万20万もあればいいと。対外試合に行くわけじゃないですからね。ですから、1300万円補助金が交付されても当初の5年間でその施設整備を含めても2〜300万円あればいいと。あとばずっとそこの基金として積んでそしてずーっとそこの運営費として使っていくというふうなことになるんですけれども。本当にそういうことで、これだけのわずかな地域の組織率から見ますと10%未満が大半というこういう状況の中でこれはふさわしいのかということを私もう一度申し上げたいのですが、知事はどうでしょうか。
■井戸知事■スポーツクラブ21の実態については今教育長がご答弁した通りだと思います。また、宮田議員からのご指摘もそのような面があることも私も承知しております。
スポーツクラブ21現在の取り組みは、どちらかと言いますと組織を各校区毎に立ち上げていくということに急いだばかりに、例えば世代間交流を促進するとか、種目をもっと広げるとかあるいは取り組み母体をもっとひろげるとか、もっと専門家をさらにどのような形で派遣してもらうとか指導してもらうとか、こういう面での広がりを持つべき課題がまだまだたくさん残っているのではないのか、わたしはそのように思っております。そのような意味では今実態を踏まえた上でスポーツを踏まえた上での地域の交流を通じて勤労者がリフレッシュをしていこう。
そして、それがひいては世代間交流や地域交流につながっていくってことをねらおうとしております事業なので、私はその目的を実現するための努力の今は過程なんだと、こういう意味で理解をしていただいたらありがたいのではないかと思っております。
行政サイドでなく住民の自発的な意志を尊重すべき
■宮田委員■しかし補助金の活用のあり方については、やはり厳密にやるということが非常に重要ですからこれは是非これからも検討、見直しをしていただきたいということは申し上げておきたいと思います。
それから私は、今も校区毎に作っていくと言う問題点を知事も述べられましたけれども、私はやはり補助金を出せば組織ができるという考え方が根底にあるんじゃないかということと、それからもう一つは、住民の真の自発的な意志ではなくて、市町とかあるいは行政の側から既存の町内会などに依存した上からの組織化と。ここが一番の問題だというふうに思いますので、今後もいろんな事業に生かしていただきたいということを指摘しておきたいと思います。
「県民交流広場事業」を中止し、しっかりとした検証を
■宮田委員■次に、今度の県民交流広場事業ですけれども、実施主体は、自治会や婦人会などとそれから地域内のリーダーにより構成する地域推進委員会となっております。私はこれでは既存組織の役員の負担を重くするだけではないかというふうに考えます。私はある尼崎の町会長さんに町会の仕事の状況を聞いてみました。
本当に実に大変です。一例を紹介しますと市の下部組織としての仕事ですね。市からの連絡文書等の掲示ですとかあるいは回覧板を回す行政協力員、ごみステーションなどの見回りなどを行うさわやか指導員、公園の管理清掃を行う地域の公園管理会があります。それに学校開放運営委員会、消防署関係の防災パトロール、警察関係の防犯協会それにこの地域は2、3日前に新たに防犯パトロール重点地区ということが指定されて街づくり防犯グループが結成されたそうです。その他、町会独自の行事、老人会子供会まで関わっていかなければならない。その方は民生委員も引き受けておられまして、本当に毎日こうした仕事に追われていると言われました。県民交流広場の組織を今から行っていこうということになれば、今でさえパンクしそうなこうした地域の役員の上にさらに、課題を持っていくということになりますので、私は本当にこれは屋上屋を重ねることにならないのかとこういうふうに考えるわけです。
こうした、既存の組織に依存したやりかたは、これからは止めるべきではないかというふうに思います。
そこで、17年度の県民交流広場事業は、30カ所追加をして2億円からつぎ込んでモデル事業を実施をされるわけですけれども、このモデル事業は、各県民局毎に一カ所やっておりますからこれをきちっとやってそしてそれを検証すれば充分に今後の対応、方策は出てくるのではないかと思いますので、もうとりあえず今年の17年度のモデル事業は中止すべきだと思いますけれどもどうでしょうか。
■井筒県民政策部長■県民交流広場事業につきまして基本的なことをまず少しお答えしたいと思いますが、昨年の二月定例県議会におきまして、県税条例一部改正ということで超過課税期間を五年間延長するということ、そして今年の11月以降の収入この積立額を県民交流広場の財源として活用するということで勤労者総合福祉施設運営基金条例の一部改正をご議決いただいたということで基本的なご理解をいただいたという認識をしております。
その上で県議会からはモデル事業をはじめとして先ほどのスポーツクラブ21兵庫この総括検証こういったことも十分踏まえた上で県民の意見が反映されるようにすること。また、具体的な事業内容の検討決定にあたって、充分に事前の協議を尽くす、こういうご指摘をいただいておりまして、そういったことを受けて16年度各県民局1カ所で5つのタイプ合計但馬が二カ所になっておりますので11地区やらしていただいておるところでございます。先ほど受け皿についてのご指摘がございました。われわれは決して既存組織に依存いているわけではございませんで、今年のモデル事業におきましてももちろん自治会、区長会こういうところが取り組みになったところもございまし、あるいは交流こういったこともございますし、あるいは生産組合といったことで地産地消をやろうと。いろんなところからいろんな提案をしていただいております。
もちろん既存組織も十分活用しながら、地域のNPO様々なグループそういった人達がネットワークに取り組んでいくと言うことが重要であるというふうに認識してございますので、この新年度はモデル事業の検証にあたりましても、担い手づくりこういったことも含めて取り組んで行きたいというふうに思っております。
17年度のモデル事業の展開でございますけれども、なにしろ今年が各県民局原則1タイプでございましたから5つのタイプそれぞれにいろんな検証、事業を展開するなかで検証していくということが大事だというふうに考えまして、各県民局三カ所ということでお願いをしているところでございます。今後もこういったモデル事業の展開。もちろん16年度事業のきちっとした総括検証を踏まえた上で17年度事業を展開する中で18年度以降本格的な展開につなげていきたいというふうに考えております。
■宮田委員■既存の組織に依存するわけではないというふうな主旨のご答弁だったと思いますが、推進委員会は、既存の自治会等いっしょにやると書かれてますし、それで現実の問題として県から県民局へ行って県身局から市町へ行って組織をしていくということになりますと、既存の組織を通じないと実際にはそういう組織は難しいということは非常にはっきりしていますのでその点はしっかり認識をしていただきたいというふうに思います。
県民にとって身近な運動広場やグランドの整備こそ
■宮田委員■次にですね、私は一つ提案なんですが、知事にぜひおうかがいしたいんですが、超過課税の活用の仕方で県は、ハード面からソフト面に今重点を移すということで今進められているわけですが、地域の人がいつでもどこでこもスポーツクラブに親しんでそしてコミュニティを育てるためのハード面の整備にはまだまだ力を必要があるというふうに思います。それはスポーツや運動広場が非常に不足をしていると。非常に切実に求められているということであります。例えばこれも尼崎の例を申し上げますと地域に小さな公園があります。そこで十数人のお年寄りが鉄のボールをころがすペタンクというスポーツがあるんですけれどもそれをやっておられた。隅の方では若いお母さんが小さな子どもを連れて砂遊びをしておられるんですけれども、本当にもうちょっと広いところがあればお互いに気をつかわないでもいいのになあということもいつも思いながらそこを見ております。
また、尼崎で言いますと放課後や土曜日曜の学校開放事業が非常に進んでいるんですけれども、ここの利用率も非常に高い。そして市内に四つの公式と軟式の野球場があるんですけれども一カ月ほど前に申し込みを受けてそして抽選するんですがいつも十数倍なんですね。なかなか当たらないというふうな状況です。
こうした状況の遅れの背景には県の施設整備の遅れであると指摘をしたいと思います。
総務省が発行しております統計で見る県の姿というのがありますが、人口100万人あたりの多目的運動広場数は全国の第44位です。社会体育施設も同じく第44位で非常に立ち遅れているのが実態です。
最近土地も流動化しておりますし私は規模は大小いろいろあっていいと思うんですが、気軽に誰もが利用できる多目的の運動広場やグランドの整備これはもっともっと今すすめるべきことが求められております。
その方がずっと地域の多くの方々が気軽に利用できてそしてコミュニティの発展にも寄与し超過課税の主旨にもかなってきわめて効果的で建設的な活用内容だと思うんですけれども、是非これはご検討いただきたいと思うんですが知事いかがでしょうか。
■井筒県民政策部長■個人県民税超過課税につきましては、昭和49年度からいろいろ曲折がございます。
当初は全県的CSR屋内施設それから野外CSRあるいは自然活用型のCSRこういうふうに推移をする中で今はスポーツクラブ21の段階から出かけていくのではなくて身近な地域の場でしかも作るから使うという時代でハードからソフトこういったことでご理解を願っているところでございます。
そして、今次の延長で県民交流広場ということで今モデル事業を推進しているところでございます。今後の超過課税の使途につきましては、今回の県民交流広場事業この成果も十分踏まえながらその時の社会経済情勢を基本として県民の様々なニーズあるいは県政として当面する重要な政策課題こういったことを十分踏まえながら企業のみなさんがたの理解と協力が得られる活動に向けて幅広い観点から検討が進められるべきものと考えております。
■宮田委員■身近なところでですね使う場所が不足しているというのがまだまだ実態なんですね。ですからこれは、是非知事これから超過課税の活用内容、モデル事業の検証も併せてこれから検討されるなかで是非これも中に入れて検討していただきたいということを要望しておきたいと思います。
■井戸知事■そういうような意味でスポーツクラブ21事業を実施させていただいたというのがあるのではないかと私は思っておりますが、今、宮田委員のおっしゃったような身近なスポーツ運動広場だとしますと、県の仕事なのかどうかが問われるのではないかなと。ですから私は勤労者向けの身近な交流の拠点としてのスポーツを通じた拠点作りという意味でスポーツクラブ21事業を県としても実施させていただいたといふうに理解をしているところでございます。ただ、いずれにしても県市町一体となって実態がニーズが強いということであるならば、それはそれとして十分受け止める必要があるというふうに考えております。
■宮田委員■身近なところの広場とか施設こそ県がもっと力を入れてほしいと。市町も非常に財政も厳しいですし、県の施設もあっていいと思うんですね。是非ご検討願います。
「県民緑税」をいったん撤回せよ
■宮田委員■次に、県民緑税の問題です。森林の公益的機能や森林の荒廃対策あるいは緑の整備の必要性はいうまでもありませんし、また緑の保全再生を社会全体で支えて県民参加で取り組むこともやぶさかではありません。
しかし、問題は「なぜ新税導入なのか」ということであります。
新税導入については県民の納得と合意が得られておらず、税の使途や手続きについて多くの問題が各会派からも指摘されたところであり、問題は解決しておりません。
我が党は、本会議、予算特別委員会の歳入歳出審査を通じて、低所得者にも増税する問題、あるいは二酸化炭素排出の大企業等の事業者への応分の負担を求めること、県民税の均等割りを納税する240万人を超える県民のほとんどが知らない中での突然の提案では問題があることを指摘してまいりました。
知事、県民総参加で緑を守れと言われるのなら国の大増税路線の中のこの県民緑税の提案は一旦撤回して計画段階から県民参加で再検討することを改めて求めたいと思いますがいかがでしょうか。
■井戸知事■県民緑税は、私はやはり今まで県として進めてまいりました新兵庫の森づくりや緑の再生事業に加えて昨年の一連の台風被害に鑑みて緑の保全再生がいかに重要かと言うことを県民みんなが認識しあったわけでありますのでその認識の上に立ちまして県民みんなが自分たちの県土を自分たちが守っていく、そして育てていくという見地からこの緑税を提案させていただいていると私はそのように考えております。
何も負担を求めなくったって県民は十分認識するぞというご意見ももちろんあるんだと思います。
しかし、私は昨年大きな被害等を勘案したときに県民のみなさまもこれは放置できない。自分も少し手伝いたいからやれという声があるのではないかと。それを前提に私は理解を求めさせていただいている。こういうふうに考えています。
既に、私も先ほどもご答弁させていただきましたが、私自らも充分に理解を求めるべく、いろんなところでご説明申し上げておりますし併せて内容等につきましては充分に理解を得ていく努力をしてまいりますのでぜひご理解を賜りますようお願い申し上げる次第でございます。
■宮田委員■決めてから説明するのではなしに、やはり決める段階でいっしょに議論していくという姿勢が非常に大事だと思います。その点では神奈川県でも水源環境保全税が提案をされて事業効果や目標が不明確だと新税でなくても既存財源でできる等というような批判が上がって、そして3月17日に条例提案を取り下げたというふうに聞いております。井戸知事の任期は七月末です。問題のある新税の導入については一旦取り下げて県民に信を問うてはどうかと考えます。また、この問題の最後に指摘しておきたいことがあるんですが、それは、県民緑税を活用した森林保全事業は人工林全体の数%実施するに過ぎません。安い外国産材が大量に普及をしているという中で膨大な人工林に行き届いた管理を施し林業振興を図るために県産木材の利用の促進はたいへん重要な意味を持ちます。県の兵庫木造木質化作戦を抜本的に見直して改善することを求めて次の質問に移ります。
災害でも住宅災害等支援金の適用を
■宮田委員■次は、住宅再建の公的支援についてであります。自然災害における住宅再建の公的支援の中の県独自の上乗せ支援である住宅再建等支援金についてお伺いをします。
県は、全壊100万円などの上乗せ資金について、「共済制度がなかったので暫定的な制度として実施してきたが、共済制度ができたらこれは役割を終える」としています。これは明確な間違いだと思います。
共済制度が実施されても、今年の加入者の見込みは県民の1割程度しかありません。また床上浸水に対して25万円が支援されてきましたけれども、共済制度では半壊以上が対象となり床上浸水被害を対象にしておりません。
仮に今年同じような台風被害が起き、そして実際に損害を受けたとしても、多くの床上浸水の被害者は、昨年並みの25万円の支援がうけられない。明確に支援制度の後退ではないか。役割を終えるということなどとんでもないことだと思います。
知事は、「安心」を兵庫県政の最重要課題にあげておられますけれども、県民に向けて今後の災害に対しましても住宅災害等支援金を適用するということを約束していただきたい。それが県民の安心につながると思いますけれどもどうでしょうか。
■小西総括部長■自然災害によります被災者の住宅再建につきましては、自助努力とあるいは公的支援に限界があると、こういった2つのことに限界がありますので、これらを補うために住宅所有者の助け合いの精神に基づきます相互扶助の仕組みとして住宅再建共済制度を創設することにいたしておるところでございます。
昨年の一連の風水害では、その被害実態や多世代世帯が多いなど被災地域等の実態等を踏まえまして、居住安定支援制度補完事業の拡充、さらにはこれを補うための安定的な措置といたしまして、共済制度ができるまでの間、住宅再建等支援金を設けて可能な限りの支援を行うことにしたわけでございます。
従いまして本年9月に共済制度がスタートすれば基本的には住宅再建等支援金の役割は8月で終わるものと考えております。今後の自然災害からの住宅再建につきましては、地震保険等によります「自助」、居住安定支援制度によります「公助」、そして新しく創設をいたします共済制度によります「共助」、それぞれの制度が適切に機能分担することによって効果的に促進できるんではないかなと、このように考えております。
なお、昨年の一連の台風被害に対しまして、床上浸水でかつ一定の損壊の被害を受けられた方を対象に支援を行ってきました。これがいわゆる住宅再建等支援金でございますが、共済制度はこういった半壊以上の被害を受けて多額の費用がいる方々の再建を支援する制度でございますので、単にこういう床上浸水の方々は対象にしておらないということになっております。
しかしながら、こうした床上浸水対策につきましては、それぞれの災害の実態等を勘案して災害発生時の時点で、市町とも相談をして別途の対応といったものが検討されるべきものではないかなと考えておるところでございます。
大震災の被災者支援を冷たく打ち切る兵庫県
■宮田委員■自助、公助、共助とおっしゃいますけれども、今の問題はこの公助の分をどんどん後退させて共助の分を広げていくと、あるいは自助の分が強まっていくという状況の中で、われわれが今公助の部分をもっとしっかり実施をしていくと、ここが非常に大事だということから、今求めたわけでありますけれども、残念ながら明確にこれを続けるというお答えはいただけなかったんですけれども、これでは県民は災害に安心できないというふうに思います。
このような姿勢は阪神淡路大震災の被災者支援にも現れております。これも部局審査で議論をしてきたところなんですが、中小企業者への緊急災害復旧融資について部長が答弁をされました。 国に従って据置期間の延長を要望しないと。そして、件数で見ると返済済みが半分ほどしかないんですけれども、それに対して返済金額の比率を使って8割の方が完済されているという事実と相違する答弁も行われました。そして、全額据置してきた人に対して、努力が足りないということも言われました。
本当に被災者がどんな思いをしてがんばっているのか。被災者の懸命な努力を私は踏みにじる発言ではないかと思います。こういったことに対して県民が今厳しく目を向けているということを指摘して次に移りたいと思います。
武庫川ダム計画の根本的な“欠陥”
■宮田委員■次に武庫川の洪水問題について質問をいたします。部局審査でこれまで計画されていた武庫川ダムは縮小するとか別の場所で建設しなければ不可能であるということが明らかになりました。
これまで作る作ると言っていた武庫川ダム計画がなぜ計画通りのものが建設できないことになったのか。大きな疑問が残ります。
計画されていた武庫川ダムが出来ると武庫川渓谷に細長いダム湖ができて、そのダム湖は武田尾駅の上流にまで達します。ところがこの武庫川ダムの天場高さが標高120メートルダム湖が達する5キロメートルの上流の武田尾駅の桁下がダムの天場高とほとんど同じたかさの標高1120.5メートルです。これでは武庫川ダムに洪水がたまれば武田尾駅の橋梁がダムに浸かってしまうのではないかというふうに思いますけれども、どうですか。
■大平理事■ダム計画についてのお尋ねでございますが、部局審査におきましてもお話を申し上げました通り、ダムにつきましてはゼロベースからの見直しということでダムの有無を始め治水対策の基本方向について現在武庫川流域委員会で議論をしていただいている最中でございます。
そういった中で今後ダムの問題についてを含む結論が出た場合に提言をいただいてから、県と致しましては河川管理者といたしての判断を加えて適正な計画を作ってまいりたいと考えているところでございます。
その際に、現在以前計画していたような計画ですすめるのかそれともダムの高さを見直すのかそれから決まるわけでございまして、その提言を持ってさらに県の検討を加えた上で、でないと今のご質問に対して明確なお答えはできないかというふうに思っております。
■宮田委員■ゼロベースからの議論といいます。これはちょっと後からの議論としますけれどもゼロベースからになっていないということを一つあるのと、それから武庫川委員会で議論をする上でもやはりこれまでの経過あるいは計画の内容についてはきちっと実際のことを報告をして議論する必要があると。そういう意味でもこの議論は非常に大事だと思いますので、さらにお聞きをしたいと思います。
私はダムの専門家に聞きました。広大なダム湖に河川から流れ込むのであれば水の高さは殆ど差はできないというふうに言われます。ところが武庫川のようにうなぎの寝床のような渓谷をずーっと利用したダムでは、渓谷の上流から洪水が直接影響してダム湖の上流側とダムの付近とは水面の高さに差がでると。
私のすぐ近くに尼崎の神崎川があるのですが、あんなに広い流れのほとんどないような川でも三千分の一、三千メートルで1メートルの水面の勾配が生まれると言われます。武庫川ダムの場合5千メートルで1メートルから2メートル程度の水面差が起こる可能性が十分あると。専門家は指摘をされています。
ダム湖の上流が1メートルあるいは2メートル上がるだけでも、というのはずーっと上流に行くに従って水面が高くなるというふうに言われるわけですが、上流が1メートル2メートル上がるだけでもJRの橋梁部分の余裕高がなくなってダム湖に浸かってしまうのではないかと言われるんですけれども。この点は検討されたんでしょうか。
今のダムの計画では武田尾の駅の橋梁下は浸水する
■陰山県土整整備部長■JR橋梁につきましては、武庫川ダムの議論が、ダムのいろんな予備調査とかそういう調査に入る以前にすでにJRの点検改良と申しますか、電化そういうことを含めました全体の計画の中であの橋梁の位置と高さが決まってきたものでございます。高さにつきましては、ダムのことは考慮されておりませんが、ちょうど今橋梁がございますところで直角に元の鉄道が走っておりまして、その鉄道との建築限界など触れないということですが、建築限界を考慮してあの高さが決まっておるものでございます。ダムの計画以前に簡単に言えば、武田尾の駅の橋梁は決まっておったということでございます。
従いまして、もちろん今ゼロベースでございますので、理事がご答弁申し上げた通りそれこそどのような高さの水面になるか堰堤になるか、その前にダムがあるのかないのかを含めましてゼロベースでございますが、そのような検討を仮にしていく場合でも今の橋梁の高さを支障にならないと。あれだけの大きな工事でJRが作ったものをもう一度最初からやりなおしましょうと、そういう考え方にはなかなかとれないと考えております。今の橋梁高さを限定としてダムを考える場合も考えていくことになるということです。
■宮田委員■ダムの高さに関係なくJRの橋梁の高さが決まったといわれますけれども、もう一度聞きますけれど、今のダムの計画ではそのまま作ればこの武庫川の武田尾の駅の橋梁下ここは浸かるんですね。そこのところをはっきり確認しておきたい。
■陰山県土整備部長■いままで計画してまいりましたダムの場合でも橋梁は浸からないことになっております。
なぜ危険なダム計画を続けるのか?
■宮田委員■駅の橋梁の桁下はつからないとおっしゃるんですけれども、これはちゃんと浸かる計画になっております。
そこで、問題は、この間からずっと議論しているんですけれども、なぜこういう危険なダムの計画になったのかということを次にお聞きしたいんです。
もともと、当初の計画は生瀬ダムという名前の計画でした。もう少し小さなダムでした。昭和60年の4月に県は、武庫川水系工事実施基本計画を策定をして、その年の7月に策定をした武庫川下流ダム調査概要書では、現在の武庫川ダム予定地に生瀬ダムを作ると、そして武田尾温泉の上流の4万平方メートルにおよぶレクリエーション用のダム湖を作ると。いわば副ダムを作る計画ですね。生瀬ダムと副ダムを一体のダム計画として明記をしております。
そこでは、生瀬ダムの天場高さを標高113メートルとしておりました。ところが2年後に武田尾駅の桁下の高さが標高120.5メートルあるからということで、生瀬ダムを標高109.6メートル、新駅の桁下一杯にまで上げています。この理由はなんでしょうか。
■井戸知事■武庫川ダムの問題につきましては私も武庫川ダム検討委員会に出席をして武庫川の総合治水についてダムの必要性の有無も含めて検討の上でご提言をいただきたいというふうに依頼をしているわけでありますので、過去のただいまご指摘されているような色んな議論や経過があったのかもしれませんけれども、今の委員のみなさまがたはそのような議論の経過なども踏まえながらゼロベースでもう一度武庫川ダム全体の総合治水の観点で議論をされていると私はそのように考えておりますし我々は何も従前の計画のダムを作ってほしいというような策略をめぐらしているわけでも何でもありませんのでそのような意味でご理解をいただきたいと思います。
ダム計画の破棄を明言しない井戸知事
■宮田委員■全く違う答弁なんですけれども、今この議論をするというのは、県が一つは私は今持っている計画を完全に破棄したわけではないと。破棄するというんやったらそれでいいですか。今の計画完全に破棄されるのですか。
■井戸知事■破棄するということ事態も武庫川検討委員会の誘導になりますからそういうことは申し上げれません。
そもそも武庫川ダム全体の総合治水の検討をお願いしそれに対する回答を求めているということでございますので、誤解のないようにお願いします。
■宮田委員■もう一つですね、私は武庫川ダムの最初の計画が変えられたということを申し上げたんですけれども、それは何故そうなったかというところをもう少し述べたい。それは笑い話じゃないんですよ。
それは本当に大きな計画を作るわけですから、きちっと踏まえておく必要があるということで私は申し上げます。それは、昭和63年度生瀬ダム基本計画調査報告書にその経過がはっきりと書かれています。
その報告書では、前年度の検討では武田尾温泉街、これは地盤の高さが113.8メートルあるんですが、その移転補償の検討により、生瀬ダムを新武田尾駅まで嵩上げしたと述べておられます。
移転後の新温泉街の開発の図まで書かれております。温泉街をダム建設の移転補償に引っかけるためにわざわざダムの高さを上げたと。下流の水害対策ではなく温泉街の移転補償のためだと。何のためのダム計画。ダム計画というものがどんな動機で進められているのか、非常にここで如実に語っているんではないかと思います。さらに、その報告書には、新武田尾駅を測量してみたら桁下の高さが計画は、標高119.6メートルの予定でしたが、実際は120.5メートルもあったから、この際ダムの天場高さを120メートルまで上げることにしたということが書かれています。これは事実じゃないですか。事実かどうかだけお答え下さい。
■陰山県土整備部長■ゼロベースになった話をたいへんよくお調べになっておられるようですが、まずJRの高さ関係でございますが、ダム高をいまいわれましたように120メートルといわれました。ダムの中には水面がございまして、114メートル、サーチャー実水位では、114メートルでございます。
JR橋梁との差は6メートルございます。これによってJRの橋梁が浸かってしまうというようなことはございます。また、ダムが二つ計画されたとか副ダムがあったとかそのようなご指摘がございました、もう少しそのような点言っていただきましたら良く調べてきたんですが、そのような計画がありそこで一旦、堆砂をさせるとか岩石が下流に流れるのを防ぐために副ダムみたいなことを計画したというふうな経過はあったようでございますが、その計画は既に今のところそういうことをしなくともということで、先ほど工事実施基本計画で定められたダムでもそういう計画をない計画にしているわけでございます。またなくした計画も今ゼロベースから考えようということになっています。
保水力や治水機能の検討や調査をきちんと行え
■宮田委員■先ほどからゼロベースということが言われるんですけれども、今年に6000万円以上かけてやっているコンサルへの業務委託の内容を見ますと、ダムの基礎の岩盤がひび割れなどをしている場合を想定してダムの基礎処理工法の検討や図面作成まで行っているわけであります。
これは、工事の前提、ダムを作ることが決まったことが前提の検討ではないんですか。これがどうしてゼロベースからの検討か。流域委員会をダム建設に利用すると言われても仕方のないものだと思います。
知事は緑税だとか森林保全だとか言われますが、この武庫川の治水計画の検討では、流域の浸水の治水力の検討やあるいは調査すら行っておりません。全庁的にチームを作っていると言われますが、武庫川流域についての森林やあるいは田畑の保水力の調査は何もやられておりません。
そこで、徳島の吉野川では、自治体が市民団体といっしょにお金も出し合って森林の保水力や治水機能の検討あるいは調査も行っております。県が取り組むべき事は、こういった調査等ではないでしょうか。その辺はもう一度。
■大平理事■今、他県の例も引き合いに出されてお話ございましたが、私も吉野川の第10堰の時には、徳島事務所の所長やっておりましたのでたいへんよく存じ上げている事例でございまして、そういった保水能力について当然のごとくいろんな意味で把握しなくてはならんわけでございまが、そのうえは、流量観測等のそういう実績の観測とかそういう流出計算等の中できちっとやっているところでございまして、これからいろんな形での調査は不足があればその委員会の中でご指摘等もあればやるということになるわけでございますが、われわれとして求められたことについて精一杯お答えしているところでございますし、現在治水の基本となる降雨量とかあるいは洪水流量も議論をしていただいているところでございますので、そういった中できちっとした対応をしてまいりますし、ダムについてもゼロベースからきちっとした議論をしていただいて、その提言を受けて県として河川管理者としての適切な判断を加えて武庫川の治水対策等の計画をきちっとつめていきたいと考えております。
■宮田委員■武庫川の流域委員会を始め、県民に対して今の武庫川ダム計画がなぜ計画通りにいかなくなったのか、あるいはその経過を含めて明らかにして本当に県民総参加でこの森林の保水力ですとか治水機能の調査検討等、文字通りゼロベースの検討をすすめていただきたいということを強く申し上げて次に移ります。
福祉医療補助を現行通り継続を
■宮田委員■次に、今年7月に実施が予定されている老人乳幼児障害者母子家庭等の福祉医療の公費助成制度についてであります。
我が党議員団は、一昨年の県行革後期5か年の取り組み案が発表されて以来、少なくとも現行通りの助成制度の存続を求めてまいりました。そして、県下の医師会や福祉医療関係を始め多くの団体県民から存続要望が広がってそしてこの間県に提出された署名は実に25万筆に達していると思います。
今年になってからも県民いじめの行革ストップ連絡会等と私ども日本共産党と合同で藤本副知事にも直接お合いもして3万筆の署名も手渡して要望もしたところであります。また県と共同事業者である市町からも繰り返し存続要望が出されております。町村会からの要望について我が党の兵庫民報の記者が最近取材をいたしました。町村会長は「現行制度での維持を要望した」ということを明言をされています。
また、わが党議員団がこの2月に独自に行った市町長へのアンケート調査でも「県の方針に明確に反対」という方や、「やむを得ないが元々削減には反対だ」という声がたくさんありました。
このように県民や市町の多くが今なお現行通りの存続を強く求めているということを声を大にして強調したいと思います。そして、この間の県議会における議論の中で、「市町などの要望を聞いて低所得者対策を付け加えた」というふうに言われますが、内容は前年の世帯全員の収入が65万円以下という人を対象にしたもので、本当にその対象者も少数であります。社会的弱者への負担増という本質はなんら変わっていない。
知事改めて申し上げますがこれだけの広範な県民の声に応えて福祉医療制度はぜひ現行通りの助成制度をぜひ続けていただきたいと要望しますがいかがですか。
■井戸知事■私は制度というものを作り上げたら、びた一文変えてはいけないということではない。社会的情勢に応じてその時代の要請に応える制度改正を行うべきだと、基本的にそう考えます。そうしないと既定の制度が一人歩きしてしまうおそれがあるからです。
今回の福祉医療制度につきましては乳幼児医療につきましては既に1割負担制度を導入させていただいています。そして1割負担の制度でありますと、一定限度額を超えますと償還払いがはじまりますのでその償還払いをなくするような仕掛けに変えようとしているだけで現実の負担増を求めていものと改正をしているものではありません。
ただ、計算上いろんな試算が出てくることは否定はいたしません。また、障害者のみなさんがたにとりましての福祉医療につきましては、実を言いますと本体医療であります厚生医療ですとか育成医療で負担が導入されているわけです。一番所得のない人でも月2000円それから所得の割合に応じて数万円の負担までがあるわけです。そして我々が今回負担を求めさせていただきますのは、月2回300円ぐらい。2回までという負担でございまして、それ以上の負担を求めているわけではない。そういう本体医療制度とのバランスというものを全く考えないでいいんだろうかということを問うているわけであります。失礼いたしました500円です。
それから老人医療につきましては、カバー率を50%カバーしております。この制度をもしカバー率を下げていくという見直しをさせていただきますと、きっと最終的なカバー率を下げると言うことはゼロにするということですから、順次兵庫は老人医療について将来的なカバー率を下げていくんだなということになろうかと思います。ただ私は老人医療の必要性ということを考えまして、カバー率を下げたくないしかし現実に国の制度あるいは他の各県の制度は3割負担していただいているところが多いわけでありますので、1割負担を基本的にその中間の2割負担ということでご理解いただきたい。ただ低所得者につきましては、1割負担のまま据え置こうしているものでありますし、2割負担になりましても1カ月の限度額は1割負担の時と同額に据え置く。ですから、負担増はその1カ月の限度額の範囲の中では負担増になるかもしれませんけれども、それ以上の負担増をもたらすわけではございません。限度額を2倍に上げるようとしているわけでもありません。
そのような意味で是非理解をいただきたいと思っている次第であります。特に低所得者とこうおっしゃいましたけれども、われわれの試算では、受益をなさっておられます方々の内、3割が1割のままで負担据え置かれることになるのではないかとこのように試算をしているところでございますのでご理解を賜りたいと存じます。
■宮田委員■本体医療制度との関係とかまあ非常にわずかだとおっしゃいますけれども1医療機関あたりですから、例えば院外処方で1医療機関に行きますと診療所でその分を払ってまた今度は薬局でも払わないかんわけですね。そして各医療機関毎に払うわけですから。
これは、こういう社会的弱い立場にある人にとっては非常に重い負担になるということは申し上げておきたいと思いますし、
他の県との関係もおっしゃいましたけれども、私は良いものは良いとしてね兵庫県がもっと先進を走ったいいと。別に低い所に合わせる必要はないと思うんです。予算額で言いますと38億円あれば現行制度が維持できるわけですから。税金の使い方を変えれば充分にこれは存続できると言うことを申し上げて、また多くの県民の方々は今の削減に対して認めていないと。存続を求めているということを重ねて要望しまして最後に1点だけ時間がありませんので教育の問題についてお伺いします。
少人数学級を進める予算を保障せよ
■宮田委員■28日に正式に認定される兵庫県の特区の中に稲美町の「すくすく教育特区」があります。県の小学校1年の35人学級に加えて町の費用負担で2年生3年生まで少人数学級をすすめるとしています。兵庫県下のこのような積極的な取り組みの広がりを私も高く評価できるものと考えています。
少人数学級編成をすべての小中学校に広げる取り組みは全国に広がっておりまして、山形県しかり長野県や鳥取県しかり、知事のイニシアティブが積極的な役割を果たしております。
教育行政については、その内容については行政からの介入はできませんけれども、教育条件いついては、知事が積極的に関わる必要があります。
少人数学級についても教職員給与を始め予算の裏付けが必要になります。そこでまずは稲美町のこのすくすく教育特区についてどんなご感想をお持ちかお聞きをしたいと思います。そして併せて県として35人学級やさらなる少人数の学級を推進するために教育予算の確保について真剣な検討すべき時期に来ていると考えますが、少人数学級を進める予算をしっかりと保障確保するつもりがあるか、知事の考えをお聞きをしたいと思います。財源の問題なので知事にお答え願います。
■井戸知事■まず稲美町の2年3年に対する少人数学級をすすめる特区でありますが、特区申請は市町村独自でできますけれども私どもいっしょになって申請しました。ということは私は制度それ事態の取り組みについて県が市町の取り組みを制限したり妨害したりする必要はない。それはそれなりに独自の対応があってしかるべきだ。このように思っております。
ただ私としては、一律の少人数学級制度を実施することも効果がないとはいいませんけれども、教育長の従来からの答弁をさせていただいている著しい効果があるかどうか疑問だと言うことを指摘されているわけですので、今の時点では少人数学級編成を行うよりも本県としては従来からの1年生について弾力的な学級編成の調査研究として取り組むとともに少人数学習の体制あるいは複数担任制の体制の取り組みを今選択をしているとこういうことでご理解いただきたいと思います。
中教審で義務教育費国庫負担金の問題が議論されておりますけれども、今の中教審のかたくなな審議のやり方というのを考えてみました時に、あのような態度こそ画一的で全くその柔軟性を認めていない。そこがこういう35人学級とか少人数学習等多様な教育のあり方というのを許さないぞというような姿勢が貫かれようとしていることを私は逆に疑問だと思っている次第です。
■陰山県土整備部長■さきほどの答弁の中で数字の間違いがございましたので訂正をさせていただきたいと思います。ダム最大治水量114メートルと申し上げましたけれど111.3メートルでございます。
知事の強力なイニシアティブで少人数学級の拡大を
■宮田委員■今知事が少人数学級の効果があるか疑問があるとおっしゃいましたけれども、今全国でこれは効果があるということで取り組みがずーっと広がっているんですね。その中の一つ全国で初めてすべての小中学校で30人学級を実施をしました、山形県では、知事が真っ先に30人学級を実施したいと表明をされて橋の1本や2本は倹約しなくてはいけないようになるかもしれない。人生は1回しかない。公共事業とどちらを選択しますかと問われれば教育を先行させるというふうに述べておられます。知事の強力なイニシアティブで30人学級が一気に前進することになっているんですね。ですから兵庫のこどもたちのすこやかな成長のために知事の決断が今求められていると思います。もう一度知事が前向きの答弁をしていただきますように。
■井戸知事■山形の知事いろんな意味で新しいことに取り組まれましたが、県民の理解をそれだけ得られてこられたのかどうか。今回もそのような結果ではなかったんではなかったかなと思います。私はもしそれまで重要な選択をされているのであるならば違った結果も有り得たのではないかと思います。
合わせまして、私は何も35人学級が全く意味がないと申し上げてるつもりはないのです。いろんな組み合わせや選択というのがありうるのではないでしょうか。現在の県教委が説明しておりますように、私どもは今の時点からすると小学校1年生というのは小学1年生プログレムと言われているように非常に難しい。集団教育に慣れていない子どもたちもたくさん入ってきますのでそういうような意味で35人学級を編成しながらさらに複数担任までつけているわけですね。そこまで手厚い対応をしながら対応しようとしています。しかし2年以上になりますとそれなりに少人数学習ですとか複数担任で今対応するほうがより少人数学習が展開できるという意味では意義があるのではないのか。
これが今の県教委の考え方でもありますので、私はそれに対しては知事といたしまして是とさせていただいているということを申し上げたいと思います。
■宮田委員■時間が来ましたのでこれでやめたいと思いますけれども、山形の知事のやられていることは県民にも大きく支持をされていて、そして今全国的にも注目されていろんなシンポジウムなどが開かれたりしておりますし、是非知事のイニシアティブが決定的に教育の分野でも重要だということと、それから兵庫の子どもたちのために、これから教育の予算あるいは30人学級向けてとりくんでいただくことを重ねて強く要望いたしまして、私からの質問を終わります。 |