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2005年度予算特別委員会県土整備審査 宮田しずのり
2005年3月16日

西宮リバーサイド地域の台風被災の根本原因

■宮田委員■私は武庫川の河川改修に関連してお伺いいたします。昨年の台風23号によって武庫川のリバーサイド地域は大きな被害を受け、現在その改修計画が検討されているところであります。改修計画を検討する上で被災の根本的な原因を明確にしておくということが必要だと思います。このリバーサイドは昭和40年代の後半ごろに造成をされ八十数戸の戸建て住宅がはりついた地域ですけれども、その造成前は、川の中、河川敷だったのではありませんか。川の中に造成を許可した県の責任についてどう考えておられるか、まずお尋ねをいたします。

■佐々木河川整備課長■当ご指摘のリバーサイド地区におけます河川法の取扱でございますけれども、河川法におきますまず河川区域というものは河川の流水が継続して常に流れている土地あるいは、地域の形状等からこれに類する土地というふうに規定されております。また、一方河川保全区域につきましては河川区域から40メートルの範囲で指定された土地となっております。そういったことで開発でのリバーサイド周辺につきましては、河川区域そのものの要件には該当せず、河川保全区域として位置づけられていたというふうになっております。

■宮田委員■河川保全区域だということなんですけれども、結局県には責任がないということだと思いますが、私が調べたところによりますと、住宅が建設される前の昭和46年測量の国土地理院のこの箇所の地図をみますと宅地に隣接する水田があるんですが、それは今と同じです。現在住宅の建っている土地は砂浜、明らかに川の中です。また、地域の住民の方々にいろいろお話を聞きますと、以前はそこは砂浜で松林もあってそして水泳を楽しんでいたと言われます。こうした河川の中を、当時現場で河川区域ではない。それは河川に隣接する保全区域だというふうに判断した。そのこと事態が私は誤りではなかったかなと思うんですけれども、その点はどうでしょうか。

■佐々木課長■先ほど申しましたように河川法の定義からして当然当時開発申請を受けました場合には現地にまいりまして河川区域等の確認もしておりますけれども、当時現地にまいりまして先ほども申しましたような流水のある土地の形態ではないということで河川区域と河川保全区域とが区別されたものと思われます。また、そういった結果を踏まえて現在その河川区域を重ねる形で現在のいわゆる行政における擁壁等が設けられているというふうに考えております。

■宮田委員■私はそのこと事態が誤りだったというふうに思うんですね。この武庫川の一体の河川管理については他にも疑問や問題点があります。
  今回被災したリバーサイドの500メートルほどの下流の右岸、ここは生瀬1丁目付近ですが、今回被災してここも護岸が崩れました。ここは昭和58年の水害の後で造成されたんですが、造成前はここも川の中でした。川の中に突然民間の土地ができあがったと。川の断面が足りないとかあるいは危険だというふうに言われている場所が造成をされて民間の土地が出来てそしてそれが今回の洪水の原因になっているということは明らかだと思うんですね。本来川の断面を狭めるような開発を認めてはならないのにそれを認めてきた。ここが今回のリバーサイドの被災の根本的な原因になっておりますし、この点については今後の河川行政をすすめる上でも本当に当時はこうだったというだけではなく、今から見て本当に改善する必要があったと。改める必要があるということを反省すべきだと思うのですが、もう一度この点についてご答弁を願います。

■佐々木課長■リバーサイド住宅が完成された当時というものは昭和40年代ということでその当時まだわれわれは河川管理者として武庫川の改修計画等の計画をもっておりませんでした。その後改修計画を持っておりますので例えばそうした改修計画をもつ川につきましては、川に隣接するような開発行為等が申請されますと、そういった改修と整合させるような形でいわゆるその?設置等のいちであるとかあるいは場所であるといったことを協議しながら指導することもできます。今後はそういった河川に隣接する開発がでてまいりますとそういったわれわれの河川改修に合わせた形で処理していきます。

■宮田委員■今、今後はということでお話がありましたけれども、ここに他の地域から移り住んできたという人の中には、県が開発を許可したということで安全だということでやってきたという人がたくさんおられるんですね。そういう意味では、県の一つ一つのこうした許可というのが後々決定的な影響を及ぼすのですから、その点を踏まえて今後の改修計画はぜひやっていただきたいと思います。

リバーサイドの全戸を移転対象に

■宮田委員■次に、現在地元とも協議がすすめられておりますリバーサイドの改修計画そのものについておうかがいをします。リバーサイドは八十数戸の住宅が川沿いに3列に並んでおります。県が立てている改修計画では、この内一番前の川沿いの1列目と2列目の一部は移転をしてそしてそこにしっかりした堤防を建設すると。しかし残りの半数の住宅は移転対象外ということで今のまま残るということになっております。
つまり、かつての川の中に半分の住宅がまだ残るという状態が続くということになるんですけれども、現在この住宅地のすぐ上流のところに、リバーサイドのすぐ上のところなんですけれども、そこには、波返しのついたパラペットがあります。県はこのパラペットを今後も残すという計画になっているんですけれども、波返しというのは波が直接堤防に当たってくるのに対してそれを防ぐために設けるものなんですが、これを県は残すということは、上流からの激流が住宅地を直撃すると、その形そのものは変わっていないと。危険性は残ったままだということを県自身も認めておられるのではないかなと思うんですね。
  そこでこれは我が党議員団がこれまでも主張して要望もしてきたことなんですけれども、この改修計画で半分だけ移転させて残り半分は残すということではなくて、残りの半分も全て含めて、やはり移転対象にして被災の危険を根本的に取り除くというふうな改修計画にするべきだと思うのですけれども、どうでしょうか。

■田中河川計画課長■リバーサイド地区それから武田尾地区の河川改修計画の検討にあたりましては昨年の10月の台風23号の被災を踏まえまして再度災害の防止の観点から被災流量が流れることそれから下流との流量バランスをはかるということを念頭におきまして改修計画を策定したところでございます。
  ご指摘のリバーサイド地区につきましてはそういった観点から改修計画案を策定しまして、流量等の検証もした上で現在の地元の方にご提示さしていただいてます改修計画案、今言われましたように約半数の住民の方々の家屋が計画域に入るというものをご提示したところでございまして、それで河川としては充分な機能を発するということで考えております。そういうことで全戸移転ということは考えておりません。

■宮田委員■下流との流量バランスを考えて全戸移転は考えていないと充分だというお答えなんですけれども台風23号で同じく被災をしたリバーサイドから5キロほど上流の武田尾地区というところは、安全な場所で隣接する安全な高いところへ全戸移動するという計画が今立てられております。リバーサイドも住宅地のすぐ裏側に隣接する水田がありましてここは地主の協力を得て宅地かをすれば十分全戸移動が可能な地域で、今よりも5メートぐらい高いところにあるのですかね、安全が十分にできるというふうに思うのですね。われわれもその上流の方の武田尾地区の全戸の移動についてはもちろん大賛成なんですが、このリバーサイドについてもやはり災害の将来の危険性というのは残るわけですからそれを根本的に取り除くという点からも全戸移転の方向でこれは再検討してみなさんが安心できるような町を作っていただきたいというふうに、また河川を管理してほしいというふうに思うのですが、これは政治的な判断になりますから部長この点についてご答弁いただきたいと思うのですが、どうですか。

■陰山県土整備部長■あまり政治的な考えとは思われないんですが。粛々と改修計画を立案しましてすすめていきたいというふうに思います。河川計画を考える場合何かの流量というものを、まあ雨からくるんですが、流量というものを目標を設定しなければこれはどうにもなりません。目標を設定せずに無制限に流量が流れるとしてやった場合また無駄な工事をやっていると言ってわれわれはしかられる立場に立つわけでございます。そういうことから致しますと下流まで今事業をすすめて来ております流量とバランスのとれた流量でここについても改修事業をすすめなきゃいけないというそういう枠組みはどうしても出て参ります。その枠組みの中で今後改修計画をいれまして半数程度の方がかかってしまういうことでございます。これを今から考えていく上では、かねてからコミュニティのこのリバーサイドとしてみなさんがた慣れ親しんできた土地でいろいろ思いもございますし、そのような住民のみなさんがたのコミュニティもいるということも考えていくべき大きな課題だと思いまして、そのようなことも踏まえて今から地元に入りまして、もう入っておりますが住民のみなさんと十分意見を聞き協議をすすめていきたい。このように考えております。

■宮田委員■地元の皆さんは、これはあくまでも全体を安全なところへというのが要望だと思います。私も何回も行っているんですけれども、今度堤防がもし計画通りできますと川のところに大きな堤防が目の前にできて、そして住宅地が低いところにあってそして後ろがまた高い水田だということで、住宅が窪地の所にそのまま置かれるということですから、これは本当に全体の流量バランスとおっしゃいますけれども、そこのところから見るとやはり危険が残るという地域ですからこれはぜひ再検討していただくということをもう一度要望して次へすすみたいと思います。

改修しても水没する武田尾温泉地域

■宮田委員■次は、リバーサイドの上流の武田尾地域の改修計画と今いろいろ議論をされております武庫川ダムとの関連で一点質問したいと思うんです。先ほども述べましたように、武田尾地区は川沿いの集落全戸を3、4メートルほど高いところに県道や宝塚市の駐車場があるんですがそこへ移転をさせるという計画になっております。一方武庫川ダムについては、このダムが必要かどうかを含めまして武庫川流域委員会で検討されているところでございます。仮の話なんですが、もし今県が発表している武庫川ダムの計画でダムが作られた場合は、今回移転する武田尾の地区というのは移転した地域も水没してしまうのではないかというふうに思うのですけれども、その点どうでしょうか。

■田中河川計画課長■ご指摘のございました武田尾地区の河川改修に伴います移転先の計画高でございますけれども、当初計画しておりました武庫川ダムの水没点から約7メートル低いところに移転ということで考えております。

■宮田委員■ちょっとよくわからなかったんですけれども、武田尾地区は移転した場所も水没するということですね。

■陰山県土整備部長■いま委員ご質問の中におっしゃいました県が計画している武庫川ダム、今、ダムは計画していないわけです。ダムについて発表したものでいいましたら今河川計画課長が申し上げたものでございます。

■宮田委員■水没するのかどうか。

■田中課長■以前計画しておりました武庫川ダムの計画線でいけば今度の移転先もダムの水没になります。

■宮田委員■そうしますとこの今の計画ではダメだということなんですけれども、今ゼロベースから計画されているんですけれども、もし作るというようなことになったらダムを縮小するか場所を移すかというようなことになるんでしょうか。

■田中課長■委員もご指摘ございましたけれども今武庫川の治水対策につきましては、武庫川流域委員会の中で昨年から引き続きまして延々と議論していただくっていう中でございます。そういった議論を踏まえて私どもは今後どういった治水対策が必要かということを考えていくわけですから現在議論されている中身がどういうふうになるかそれを見守っていきたいと私ども考えております。今の武田尾地区の河川改修につきましては昨年10月の台風23号によりまして甚大な被害を被ったこともございますので私どもとしては早急に工事に入りたいと考えているところでございます。

■宮田委員■念のため確認さしてもらいますけれども、武田尾地区は発表された過去の計画でいえば水没することですから、その計画ではダムはできないということで理解したらいいですね。

■田中課長■さきほど申しましたけれども武庫川流域委員会でどういった治水対策が必要かというところから議論をしていただいています。従いまして、その対策がどのようなものかこれが現在まだ出てきておりません。それによりまして、もしダムが必要というんだったとしてもそのダムの規模等もその時に検討されるものとそのように考えております。

■宮田委員■今の答弁で、今の計画ではダムはできないということを確認しておきたいというふうに思います。最後に一点だけ、ずーっと武庫川の下流の方で堤防の補強等についてうかがいたいんですが、昨年の台風23号以後下流の堤防の漏水とかあるいは浸水とかについて点検調査が行われてそして補強計画も作られております。私の住む尼崎の住民の方々も台風やあるいは東南海地震と津波被害について非常に心配をされているんですけれども尼崎市域を含めて堤防の浸食等の現状と今後の補強対策できればスケジュール等もあればお答えいただきたいと思います。

■佐々木河川整備課長■武庫川の点検につきましては、一つ目としましては、昨年福井豪雨等を受けまして緊急点検を行っております。
  それからもう一点につきましてはわれわれ数年前から武庫川につきましては堤防の強化が必要であるということで検討しております。その2点についてお答えしますけれども、まず一点目の緊急点検しました結果武庫川につきましては応急工事が必要となる箇所はございませんでしたけれども、洪水時に重点的に水防活動が必要となる箇所が下流の左岸右岸で確認されておりますので重要水防カ所と位置づけまして水防管理団体である地元市と緊急時に備えております。それからもう一点、武庫川の堤防強化につきましては、仁川合流点より下流側におきまして現在までに種々調査をしまして昨年3月にその結果をとりまとめております。その結果直ちに緊急対策が必要となるような危険度の高いカ所はないものの今後より安全性を増す必要があるといった区間が生じております。このため現在堤防強化を実施する区間の選定や具体的な工法を検討しておりまして平成17年度からは国において創設されました補助制度を活用しまして緊急度の高いところから徐順次工事をしていきたいと考えております。

■宮田委員■17年度からということですからぜひ急いで実施をしていただきますように要望して私の質問を終わります。

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