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2004年度予算特別委員会 中村まさひろ
2004年3月22日

「予算の編成替えを求める動議」の提案説明

 日本共産党県会議員団を代表して、2004年度兵庫県予算案に対する組替案の提案説明をいたします。
 政府は、医療・年金など社会保障予算の一層の削減や、所得税・消費税改正等による庶民増税など、国民に大きな負担増、痛みの押し付けを強めています。
 さらに「三位一体の改革」と称して、国庫補助負担金の削減をしながらそれに見合う税源移譲を行わず、地方交付税を12%も減らすなど、自治体と国民に二重、三重のしわ寄せを強行しました。 いまこそ、地方自治体の本領を発揮して、県民のくらしを支える予算編成が求められています。
 ところが、井戸知事が提案した新年度予算案は、さきに発表し大きな批判の声があがった「行財政構造改革推進方策後期5か年の取組み」にもとづき、相も変わらず、公共事業予算は優先確保する一方、福祉、介護、医療などを切りすての方向が貫かれた、県民にとって極めて冷たい予算であります。
 わが党は、広範な県民の願いに可能な限り応え、県民本位の予算とするため、新年度予算案の組み替えを提案するものであります。

 組み替えの全体の規模は、これまでと同様に一般会計予算案を中心にしつつ、不要・不急の事業を中心に特別会計を含め、合計で約1010億円余を減らし、そこから捻出された一般財源約79億円と宝くじ益金の約19億円等、あわせて約103億円を、県民の要求の強い、くらし、福祉、教育などにまわします。
 その結果、借金、つまり新たな県債発行を約560億円減らすことが出来ました。財政の健全化を図ることとも出来たのであります。

つぎに、予算組み替えの主な内容について、説明いたします。

福祉・医療の回復と拡充

 まず第1は、県行革により切り捨てられた医療・福祉を元にもどし、さらに拡充を図ります。
 今回の「県行革」による削減で大きな影響を受ける、入院生活福祉給付金支給費補助すなわち入院給食費補助をこれまで通り継続するため、2億3100万円増額することを始め、老人医療費公費助成、高齢者などのバリアフリーの住宅改造助成、在宅老人介護手当てや重度心身障害者の介護手当てを県の「行革」以前の水準に戻すこととするほか、乳幼児医療費の通院時完全無料化を実現することとしました。
 また、行革関連以外でも、福祉の充実を図ることを提案しています。
 内部障害3級の障害者や、重度精神障害者(1・2級)を今年度から医療費助成の対象にするため、11億8600万円を増額するほか、小児救急医療の輪番体制への支援の強化、災害復興公営住宅の見守り支援体制の充実、公立保育所の増設などによる少子化対策の強化、国民健康保険料減免のための市町支援をします。

県民の安心、県民本位の施策へ

 第二は、県民の安心・安全や、県民本位の県政のための施策の拡充です。
 鳥インフルエンザ対策の強化を図るため、きめ細かな実態調査を実施し実態にあった支援のあり方を検討するための予算を計上しました。また、県立学校に合わせて私立学校の耐震化を促進するための支援制度をつくります。さらに、民間住宅の耐震化のために、無料簡易診断制度や耐震改修補助の拡充をします。
 住民置き去りですすめられている市町合併関連の予算は削除し、自治振興助成事業のなかで、「小さくても輝く自治体支援事業」を創設し、合併を選択しない市町への支援をします。

雇用と仕事おこし対策

 第三は、不況打開、雇用の拡大と地域経済の活性化を図る対策であります。
 県が経済界とすすめている「兵庫型ワークシェアリング」など、不安定雇用の増加につながる事業をやめ、青年向けの県独自の緊急雇用制度を創設するため1億2千万円の予算を計上するほか、建設業をはじめとする中小零細企業の仕事おこしにつながり、県下で地域経済の活性化に実績をあげている「民間住宅のリフォーム助成制度」を創設するため5億円を計上します。

35人学級の拡大

 第四に、教育の充実です。
 新年度から県下いっせいに実施されます「小学校1年生の35人学級」については、一定の評価をするものの、今後、すべての学年や中学校に広げていくことが必要です。 わが党は、すべての小学校・中学校での少人数学級の早期実現をめざす立場から、来年度は小学校1年生に加え、2年生まで35人学級を拡大するための予算を計上しています。
また、県立高校や厚生専門学院、総合衛生学院、農業大学校等の授業料値上げを中止するための措置も講じています。

環境 クマタカの保護、保全対策

 第五は、環境保全対策です。
 多様な生物が生息できる環境の保全が人類の大きな課題となっていますが、本県の中にも、まだ貴重で豊かな自然が残っています。
 特に、今回の予算特別委員会でも、生活ダムの予定地で、絶滅危惧種に指定されているクマタカの生息が確認されていることを指摘しました。そして治水や利水面から見ても必要性が疑われているダム事業を中止し、環境保全の事業こそ進めるべきであると主張しましたが、森の食物連鎖の頂点にある猛禽類であるクマタカが生息していることは、生態系全体がどうなっているかを図る重要なバロメーターとしての意味があり、特に重視して取り組む必要性があります。そのため、県下の実態調査や環境保全対策をすすめる予算を計上しました。

不要・不急の公共事業の見直し

 第六に、不要・不急の事業の見直しであります。
 わが党が従来より不要な事業と指摘して参りました神戸空港、関空2期など空港関連で約160億円、また、武庫川ダムや5つの生活貯水池ダムなどの事業費19億円を削除・減額しました。また、全国的に公共投資そのものに批判が集中している中、道路や大規模林道、河川、砂防、港湾事業など、各事業ごとに根本から見直す必要があります。
 しかし、知事から提案された予算案の公共事業や県単独事業については、個々の事業箇所すべてが示されていないため、総額を抑制し真に必要な事業に優先順位をつけて執行するよう、「事項」毎に2割から5割を減額し、総額460億円を削減したほか、国の直轄事業は、本来国で行うべきであり、全額220億円を削減しています。
 公共投資以外では、不公正な同和事業を残している予算や、プライバシー保護の観点から反対の声が大きい住民基本台帳ネットワーク関連予算、全国育樹祭の費用を削除するほか、全国で「裏金疑惑」の財源として問題となっている警察報償費を、大幅に減額しています。
 なお、県予算案の災害対策費の中に、今大きな問題となっている「国民保護法制」制定に向けて、県の対応を検討するための「国民保護計画作成検討費」が入っています。わずか100万円とはいえ、国の言いなりになって、県民の権利や財産まで罰則付きで制限することは断じて許されず、その「芽」を摘むために削除いたします。

  以上、予算組み替え案の主な内容について説明しましたが、県民の貴重な税金を元に組まれる本県予算は、県民の願いに第一に応えるとともに、借金体質から抜け出し、真の健全財政を将来にわたって実現出来るものでなければなりません。
わが党は、今回で4年連続の予算組み替え提案を重ねてまいりましたが、この提案内容が、より県民の願いに応え、財政再建の大きな一歩となることを確信しています。
  以上、委員各位のご賛同を心から期待いたしまして、提案を終わります。

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