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2003年度決算特別委員会教育委員会審査 毛利りん
2004年12月10日

高校普通科の開門率は低下

■毛利委員■ 私は、高校教育改革について伺います。
  先日、県教育委員会は「平成17年度公立高等学校生徒募集定員」を発表しました。
  それによりますと、公立普通科の募集定員が2万6360人、今年度より1680人も減っています。これは中学校卒業生の減少する割合よりもはるかに大幅な定員削減です。
  それでは、過去3年間、公立全日制高校普通科の入学者数の経緯と、いわゆる「開門率」の変化をお答えください。

■門前学事課長■ 全日高等学校普通科の募集定員ですが、H14年度3万200人、平成15年度2万8720人、平成16年度2万8040人となっております。又、普通科における開門率ということでございますが、県教育委員会としては普通科のみに着目した開門率という言葉は用いておりませんが、仮に公立全日制高校普通課募集定員を国公立中学校卒業者数で割りますと、それぞれの年度の率は平成14年度54.0%。平成15年度53.1%。平成16年度52.6%となっております。

■毛利委員■ 今、ご説明のあつたように人数も率もどんどん減っています。今のお話でも、平成14年度3年目の今年の春で、54.0%だった。ところが、来年度は51.9%まで低下する。3年前に比べて2.1ポイントも下がっているのです。5万人の卒業生に対して見れば1070人(27クラス分)にあたります。
  本来、公立全日制普通科に行けていたはずであるのに、希望しても入学できない子どもが増えつづけているわけですけれども、このように、大幅に普通化の定員を減らしているのは、いったい誰の要求で減っているのか。受験をする中学生ですか、保護者、先生、そういったところに原因があるのでしょうか?

■江本教育高校科参事■ 私どもが所管しております高校教育改革で言いますと、総合学科というのがございますけれども、総合学科というのは普通科目と専門科目による幅広い選択科目の中から主体的に選択科目を選択し、普通科と学びと専門学科の系統的な学びのいずれもが可能な学科として本県では、平成9年度から設置してきて参っております。
  そういう学科がですね、平成11年の全日制高等学校長期構想検討委員会の中で、今日最も求められている学科であり、積極的に設置していく必要があるとの提言を頂いておりまして、本県では県立高等学校教育改革第一次実施計画にもつとづきまして、 に総合学科を設置してきているという経過がございます。実際に平成16年度におきまして、入学試験の倍率を見ますと普通科が1.07であるのに対しまして、例えば、総合学科は、1.34でありますし本年9月におきまして実施しました進学希望調査につきまして、希望倍率におきましても、普通科が1.14であるのに対し、総合学科1.39であり受験生のニーズも高いと認識しているところであります。

希望の多い全日制普通科高校の定員を増やすべき

■毛利委員■ 求められているのか゛、生徒であったり父母であったりという事はお聞きできなかったわけです。今倍率の話がでました。中学の先生にお聞きしても、子どもたちは全日制の普通高校をまず望んで、駄目であるならば次を選ぼうと。ですから、6月に調査をして9月に希望校を発表されます。そういうところからですね、悪い言葉でいえば振り分けていくわけですよ。
  そうやって普通科の高校希望の多いところがよりすぐって行くわけで、結果的にはそこが1.07であったりするわけで、その残ったところが多くなってしまうんです。絶対数のパイは変わっていないわけですからね。県教育委員会が言われたように、色んな選択の幅を広げるとか色んな特色ある総合学科も含めて増やすと言われますけれども、学校教育法においても、高等学校における教育の目標にこう係れています。「中学校における教育の成果を発展拡充する」ことと同時に、「一般的な教養を高める」ことが明記されています。先ほどもお話がありました。世界的に日本の子どもたちの学力低下が、先日も新聞で「学力低下悲惨な結果」というテーマであがったんですよ。それほど学力が低下している。
一般的にいわれる数学的な能力だとか、読解力がへっているというものを普通科の高校で入れるべきなんですね。それを求めているから希望が多いわけです.
  総合学科に通われたスポーツ好きの青年がおりましたが、「スポーツが得意で、体育関係の高校に行ったが、練習に明け暮れて基本的な勉強がほとんどできず、就職したときに仕事についていけず、本当に苦労していた」と語っておられました。これは体育の専門の総合学科に限りません。
  15歳という若い中学生の段階で自分の将来を決めてしまわなければならないこと自体「異常」なことです。公立高校の全日制で普通科の定員をもっと増やしすべきだと考えます。基本的な学習を積み上げて、15歳で高校に入る中で自分の将来(進路)をきめることができることを、多くの子どもたちは望んでいます。
  今からでも遅くありません。全日制普通科の定員を増やし、「開門率」を高めることを求めますがいかがですか?

■藤本教育次長■ まず子ども達は普通科を希望するとご指摘ですけれども、先ほど担当参事が申し上げたとうり、子ども達の進路希望者をみていただきましたとうり今の子どもたちは「僕はこんなふうなことをちゃんとしたい」といったような目的をもっておりまして、普通科を希望するというように子どもたちはまだおおいですが、従前より減ってきています。もう一つは、今一般的な教養を高めることが必要とおっしゃいましたが、このことは全くの同感でございます。高等学校におきましては、専門学科にも普通学科にも総合学科にもそれぞれ必履修科目というのがありまして、国語とか数学とか社会、理科体育、私どもは、専門性が高まれば高まるほど、一般科目の必履修科目の勉強科目の勉強をしっかりやりなさいと指導とているという事もご理解いただきたい。
  今、私どもが普通科や、総合学科にどれだけ定員をさいているか基本的には、社会の動きとか特に生徒、保護者のニーズにきっちり答えていかなければいけない。そういったようなものを色んな方面からも徴収しながら、社会の動きもきっちり見分けながら定員を配当しているという事をご理解いただきたいと思います。

複数志願制はますます学校間序列を広げる

■毛利委員■ 答弁が長いですから、くり返しませんけれども中学校の実態を次長みていらっしゃらないんですよ。3年生の調査票に書く段階でもうふり落とされているんです。そのこと一言いっておきます。
  早くから振り分けていく結果、総合学科の教師に言わせればですね、試験の時に筆記をしなくても良い生徒が出てきているんですね。こういう事実も知っていただきたい。そんな中で県教委が進めていく改革の方向というのは、特色ある学科の設置だとか、複数志願制だとかを進めようとしておられます。
  教育長は本議会で、神戸第三学区に平成15年4月から導入した複数志願制についても「学びたい事が学べる学校選択や学校間の序列の緩和などほぼ目的は達成できたと」答弁しているけれども果たしてそうなんでしょうか。
  具体的にお聞きをしたいと思いますが、単独選抜制の第一の欠陥である学校間の序列が緩和されているかどうかという問題に入るんですけれども、この2年間複数志願制を実施して、第一志望がかなった生徒が在籍する学校は何校ありますか?

■江本教育課参事■ 神戸第3学区で第一志望で定員が、すべて充足した学校は2校だと承知しております。

■毛利委員■ いわゆるその2校が上位の2校なんです。2年間で、その入れ替わりもなかつたはずです。1校目と2校目の合格点の入れ替わりもなかったはずだと私は聞いています。そういった意味では学校間の序列がなくなったといわれますけれども、トップの1校。ゆるぎない地位。不動の地位におかされているということなんです。他のところにも色々問題はありますよ、9校のうちのそれ以外のところにも問題はありますけれどもそういう姿で序列がひどくなっているのに、緩和されたと言えますか?

■江本教育課参事■ 序列の緩和という事でありますけれども、たとえば、入学者合格者の平均点が同じ学校、得点がちがいましても最高点が同じであるという学校がでてきておるということでありまして、序列の緩和はすすんでいると理解しております。

総合選抜入試制度の堅持を

■毛利委員■ どんなに説明しても、トップという序列化はかわっていないんです。どんなに説明しようとも受験競争はむしろ激しくなっている。ますます激しくなっているという事を指摘しておきたいと思います。
  そういう中で、複数志願制を総合選抜制の学校に今導入していこうというのが、今の県教委の動きです。
  具体的に西宮学区の話ですが、一般質問でも取り上げさせていただきました。
複数志願制を導入しようという今津校区の方々が、今西宮市議会に向けて総合選抜制を守ってほしいという請願署名を集めてらっしゃる.青年会議所のみなさんだってそこに加わっておられるです。
ある卒業生は「総合選抜制は、日本から絶対になくしたらアカン。賢いやつもそれなりの奴も一緒に高校行って、色んな奴と付き合えて良かった。学校卒業して僕はこの地域で店やっている。みんなと一緒にここにずーっとここにいるから」と地域に密着している総合選抜制のすばらしさを実感して語っておられました。
  このように、今児童、生徒を巡る中でですね、県教委も言っておられますよ、地域と連携しようと言ってるんです。その地域と連携するのは、広いところがですね、通うだけの学校を作ってもだめですよ。この地域密着型。正に地域に根ざした総合選抜制を堅持すべきとおもいますが、いかがですか。

■武田教育長■ 入学者選抜制度については、単独選抜あるいは、総合選抜の長所短所があることは承知をしながら、歴史的経緯の中でそれぞれの学区ごとに一定の役割を果たしてきた。ということについては、我々も認識しております。
  しかし、一方で社会が成熟化して価値観が多様化する中で、これらの変化に対応した高校の特色化多様化、がすすんでおるわけでございまして、「学びたい事が学べる学校」選択が可能になったにも関わらず、子どもたちが「選択をしたい行きたい学校に行きたい」と言っている子どもがおるにも関わらず、15歳で判断するのは早いという事で、普通科に総合選抜制で押し込めるというのは如何なものかと言う気がいたしておる所であります。
  総合選抜につきましては、過度の受験競争が緩和されるという長所もありますけれども、学校選択が制限されるという短所が従前より指摘されてきておりまして、社会の変化にこうした制度がなじむのかどうか、それぞれの生徒がどのような学校選択をしたいと思っているのかなど、見極めながら、対応したいと考えているところでありまして、少なくとも現行のシステムに手を加えることなくそのまま続けることは困難ではないかと私は考えております。
  こうした中で県教育委員会といたしましては、県立高等学校教育改革第一次実施計画にもとづきまして、総合選抜の学区においても学区内の学校の個性化、多様化を進めながら、新しい選抜制度の導入について検討を進めていきたいと考えているところであります。

■毛利委員■  時間がありませんから、指摘を一点だけしておきます。10月8日総合選抜制の西宮の西宮勤労会館で、市教委と校長会、PTA協議会この三者が共済で、「高校教育改革」についての研修会があったんです。残念なことに次長がですね、「多様化・個性化の目的は、子どもの頃から目標を持って勉強している子どもに答える高校と、ボケ−ッとした子にはそれなりの高校」をつくることだと言われたということです。アンケートをみせていただきました。このことも問題になってますしね、同時によくわからなかった。もう今教育改革はしっかり説明はされたんだと思う。ところが、内容がわからないからわからないとおっしゃっている。問題発言については、公的な所で撤回もしていただきたいと思いますか゛もう時間もありませんので、これで質問をおわります。

■教育次長■ 誤解をされては侵害だ。
  当日会場からそのような質問が出たが、説明をして理解してもらった。最後には、拍手も出るという状況だった。

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