家電リサイクル「兵庫方式」について
■質問■ 新町委員: 私は、家電リサイクル法にかかわる「兵庫方式」についてお尋ねをしたいと思う。
県のご説明では、兵庫方式というのは家電リサイクル法の目的である廃家電のリサイクルを円滑にするためには、消費者の理解と協力を得ることが最も重要である、こういう認識の上に立って兵庫県と財団法人兵庫県環境クリエイトセンターが、電機商業組合、また市町及び家電メーカーの協力を得て考案したシステムであるというふうに説明がなっているが、兵庫県と県環境クリエイトセンターが考え出したものというのは間違いないか。
▼答弁▼中嶋環境整備課長: これについては、電機商業組合の事業について、県並びに環境クリエイトセンターが協力して考え出したものである。
■質問■ 新町委員: そこで、平成13年度からスタートをしたわけであるが、平成13年度の廃家電の回収運搬費用、これは兵庫県を15の地域に分けて立てられている。例えば一つ見てみると、エリアナンバー5という尼崎で見ると、テレビ、洗濯機、エアコンは1200円、冷蔵庫は1700円と二つに分かれている。それぞれその料金でという設定になっているが、しかし、運送業者の方が受け取る金額というのは、800円ということで一本化されている。共同回収という地域を除けば、これはほかの地域でも大体同じような料金になっており、1台当たりについてテレビなどの差は400円、冷蔵庫との差額は900円ということになる。
冷蔵庫など運搬が重いから料金が高いというならわかるが、実際に運ばれる運搬業者の方の受け取る金額はテレビでも冷蔵庫でも1台800円ということである。この差は、言われているように管理費ということで、電機商業組合と県環境クリエイトセンターの方に入る料金というふうに見ていいのか。
▼答弁▼中嶋環境整備課長: ただいま、委員ご質問のあった兵庫方式で提供する回収運搬システムの料金については、800円から1300円が標準であって、大型家電、いわゆる25インチ以上のテレビ、あるいは250リットル以上の冷蔵庫については960円から1600円の範囲内、そのうち管理費は200円を占め、あと運送業者の収集運搬費用になるということである。
■質問■ 新町委員: 今、管理費200円ということであるが、これは14年度のことであると思う。スタートしたときの部分は、管理費約500円ということでご説明いただいていたというふうに思う。この管理費が1台幾らという決め方は、これはおかしいのではないかと思うが、いかがか。
▼答弁▼中嶋環境整備課長: 管理費については、その手数料の支払いのために要する経費、あるいは回収された廃家電の数量をまとめる、あるいはさまざまな事務的経費に充てられるものであり、管理費が平成13年度は、平均的に500円ということであったが、平成14年度にはさらに料金を値下げするということで、管理費を300円値下げし、200円にしたところであり、それぞれの手数料として、あるいは運営のために必要な経費として使用しているところである。
■質問■ 新町委員: 年間30万台の廃家電が、この兵庫方式に乗ってくるという計算で平成13年度、こういう計画が立てられたと思うが、先ほどおっしゃった管理費1台約500円ということにすると、30万台を掛けると1億5000万円ということになり、このお金は、それぞれ環境クリエイトと電機商業組合の間では、3000万円の委託料ということであったので、この計画どおりいっていたら、1億2000万円というのは、どこに行くお金になるのか。
▼答弁▼中嶋環境整備課長: 当初、13年度に家電の回収に関して初めて取り組むという中で、一応推計値として30万台というものを設定したが、結果的には3万5000台という結果になっている。その結果、当初、電機商業組合とクリエイトとは、3000万円の委託契約をしていたが、その後、台数に応じて精算して、半額以下に精算し、契約し直したというところである。
■質問■ 新町委員: お尋ねしたのは、管理費が結局どこに入るというふうに、委託料は3000万円ということになっていたが、残りはどこにいくのか、電機商業組合に入るということになっていたのか。
▼答弁▼春風県民生活部参事: 当初、管理費については、クリエイトセンターは、家電商組合から各小売店別の搬入状況の整理であるとか、あるいは、その情報を入力して各小売店への運搬費であるとか、管理費を含めた運搬費の請求をやったり、あるいは入金状況を把握して未入金者への再請求等をやっていたわけである。
これらのいわゆる管理であるが、当初はうまくコンピューターでやれたらということで、もくろんだわけであるけれども、なかなか思ったようにいかなくて、むしろ人手をかなり使ってやった。そういう中で、決して収益を上げようという発想で組んだわけではなく、むしろ、仮に30万台が入っておれば、当然のことながら、むしろその管理費はもう少し安くできるだろうと、かように変更するだろうと思っていた。したがって、決してクリエイトセンターとして、この事業で収益を上げるつもりは毛頭ない。
なぜ、こういった形の兵庫方式を県とクリエイトが推奨したかと申し上げると、ちょうど平成8年に、いわゆるクリエイトセンター構想が出てきて、その当時、いわゆる適正処理困難物であるこの廃家電が市町長の処理責任であった。家電リサイクル法ができる以前であるが、市町と一緒になって、この廃家電をリサイクルする事業をやろうと試みたわけである。残念ながら失敗に終わっているが、そこで調査した、いわゆる家電の1ヵ所への集中的に、県下から発生する廃家電を1ヵ所に持っていくための物流というもののあり方をいろいろ自前で検討したところである。
■質問■ 新町委員: クリエイトの話は結構なので、1億2000万円がどこに入るのかという質問である。
▼答弁▼春風県民生活部参事: 決してクリエイトとして、もうけるつもりはない。
■質問■ 新町委員: どこに入る。クリエイトはわかる。
▼答弁▼春風県民生活部参事: クリエイトと家電商組合である。
■質問■ 新町委員: その1億2000万円がどこに入るのかというのは、クリエイトの方は3000万といふうに決まっている。その内訳は、今さっきご説明があったように、システム運用経費と通信・運搬等の経費で2200万円、それから情報出入力等の経費ということで800万円、これが当初計上されていたということであるが、それ以外は、クリエイトは契約をされてないのであるから、3000万円以上お受け取りになるということは、当初の計画どおり進んだとしても、ないというふうに思うので、これが一体、電機商業組合がこういうふうに1億2000万円、単純であるが、本当にこれがどうかわからないが、そういうふうに受け取るようになっていたかどうかというのをお尋ねをしたが、どうか。
▼答弁▼中嶋環境整備課長: ただいま春風参事がご答弁申し上げたとおり、決してこの事業でもうかるというつもりはない。したがって、予定どおり入ってきたということであれば、それは料金の値下げという方向に対応したというふうに考えている。したがって、電機商業組合も、これは組合の性格上、組合員である家電商のためにこのシステムを立ち上げたものであるから、決してそのようなもうけを企図したということでは考えていない。
■質問■ 新町委員: ご説明では納得がいかない。実際には、平成13年度は、30万台という見込みから見て、3万4651台というふうにご報告いただいているが、目標の11.5%でしかない。これからすると、県のクリエイトセンターも電機商業組合も大変悩まれたかもしれないが、この県の試算を信用してというか、運送業者の方がこれだけの量があるということで入札を受けられて、しかも、その入札のときには、設備投資をして、入札の条件ということで入っていたので参入をされたわけである。これが運送業者さんの方にしてみれば、10分の1というような仕事の量しかない。
この入札には、入札案内には、当時副知事の今の井戸県知事が入札案内を出されているから、やはり業者の方としては、本当に大きく信頼をされて、そして入札に参加をされたというふうに思うが、これには先ほど言ったように、兵庫方式を考案したのは、県と環境クリエイトセンターということであるので、県の責任というのはないのか。
▼答弁▼中嶋環境整備課長: 兵庫方式については、消費者、ひいてはそういう家電小売商のために窓口を一本化するということと、できるだけ安い料金で運搬するということで考案したものであるので、基本的には、これらの機能を果たしていると思っている。したがって、県として責任というような話ではないのではないかと思っている。
■質問■ 新町委員: 普通、契約というのは、それが守られなければならないというふうに素人でも思うが、入札の場合に示された数量から見て1割というような実績というのは、いわばだまされたというような数量になると思うが、これについても県の方として補償なり、設備投資も運送業者の方はされているわけであるが、設備投資をして、それはまず営業として成り立つというところで設備投資をされているわけであるから、これが1割強というような営業実績で、営業として運送業者の方が成り立たない。
こういう事態についても、兵庫県として責任がないということでいいのか。
▼答弁▼中嶋環境整備課長: 当初の契約に当たっては、平成12年度末のころであるが、各運送業者に呼びかけて契約の手続に入ったわけである。その中で、あくまで推計値として30万台を示した。もともと市町が扱う量、市町が今まで最終処分していた量、それから家電商シェア等を考えると、その程度入るのではないかという、かなり過大には見積もったところであるが、あくまで予測値として入札にさせていただいた。
その中で、結果として十数%の実績値しか上がらなかったということに関しては、非常に我々としても反省はしているところであるが、これをもって、もともと、契約というのは、電機商業組合と各運搬業者さんが民民の中で契約した形であるので、基本的には民民契約の中でどう対応するかというような問題かと思う。
したがって、これが補償というような話には、そこまでの話にはなかなか及ばないのではないかと思う。
■質問■ 新町委員: 先ほども言ったように、県の入札規定も出して、そして現井戸知事の名前で案内が出され、県がずっとかかわっておられるわけである。県環境クリエイトセンターというのは、県が25%出資をされて、市町からもお金を出されて成り立っているということであるので、契約は確かに電機商業組合と運送業者の方で行われているが、こういう段取りというか、おぜん立てというか、そういうのをしてきた県がかかわってきたわけであるから、それに全く責任がないというふうな、民民の話だというようなことでは、県の信用にもかかわるのではないかというふうに思うので、これは再考いただきたいというふうに思う。
もう一つ大きな、先ほどから言われている兵庫方式のメリットの一つであるが、この回収運搬経費が安くできる、消費者が払う料金が安いというのが一つの大きなメリットというふうに言われている。しかし、今13年度のお話をしたが、14年度12月現在で、若干廃家電の回収の量がふえて、このまま2割増しぐらいにいくということであるが、それでも14%ぐらいにしか30万台から見ればいかないのではないかというふうに思うが、実際に消費者の皆さんが支払われている料金、これは幾らだというふうにご認識か。
▼答弁▼中嶋環境整備課長: 兵庫方式は、1500社、組合加入家電商がいるが、その家電組合に対して利便を供給して、できるだけ安い収集料金で運ぶというものである。ひいてはそれが消費者の運搬料金を低減化するという役割になっている。回収運搬の費用については、回収方法及び地域特性に応じて要する費用が異なるため地域ごとに差がある。
14年度は先ほども言ったとおり、13年度から300円値下げして1100円にしたところである。実際には販売店が消費者に求める収集運搬料金は、この兵庫方式の料金を参考にして販売店が個別に設定しているところであり、県としては個々の店頭表示等に関する料金に関しては、現在のところ把握していない。
■質問■ 新町委員: 兵庫方式の目的の一つに、消費者が安い料金でリサイクルが可能になる、運搬回収も進めるということなのに、実際に、本当に安いのかどうか、これが把握されてないというのは、目的を本当に達成しているのかどうかというのを見ていないということだというふうに思うが、先ほど、管理費を13年度が約500円、14年度は200円に下げているから下がっているんだというぐらいの認識だというふうに思うが、実際に14年度は高くなっている。なぜ高いかと言うと、先ほど言ったように、テレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機、それぞれ13年度は一本の料金であった。それがサイズ、容量によってそれぞれ分かれている。
例えば、三木であるが、これはあずかり知らぬと言われるかもしれないが、洗濯機で一番大きいものであれば8キロ以上ということでリサイクル料金が2400円、収集運搬料金が5000円、それに出張料が1500円、合計は8900円、テレビでは33型で2700円のリサイクル料、運搬収集料6000円、出張料として1500円、これで合計が1万200円、冷蔵庫では、一番大きい400リットル以上というのは、リサイクル料が4600円、収集運搬料金が8000円、出張費が1500円、1万4100円という合計になっている。これはまだあって、原則として庭先まで出してある標準家庭、家屋の条件によって違う。
それから、運び出しに手間がかかる場合は、割増料金、しかもマンションなんかで階数が上がると1階ごとに1000円がプラスされる。こうなると、1万円、1万5000円、場合によったらそれ以上という料金を消費者が払わなければならない。こういうことはご存じか。
▼答弁▼中嶋環境整備課長: 先ほど、消費者が個々に支払う収集運搬料金は細部把握していないと申し上げたが、各販売店における収集運搬料金は、基本的には店頭での表示などによって公表する義務がある。しかも、その額が高いかどうかということに関しては、その適正化に関しては、国が行うべきもので、県において直接指導する権限を与えられていない。
なお、兵庫方式の改善のために必要というふうに考えるところであれば、電機商業組合と十分相談の上、消費者が個々に負担する収集運搬料金の把握に今後努めてまいりたいというふうに考えている。
■質問■ 新町委員: 把握だけではなくて、これは目的を果たしてないわけである。安くするのが兵庫方式の目的ということであるから、そうなっていないわけであるから、把握するだけでは困る。実際に量販店などは、運送料は1000円しか取っていない。こういうところがある。であるから、テレビはリサイクル料に1000円プラスの3000円、重い冷蔵庫でも5400円で収集してくれる。およそこの兵庫方式の半額で回収運搬してくれるということであるから、これでは小売店は、太刀打ちできない。こういう実態を把握されて、これをどう安価にしていくか。そして運送業者の皆さんにも仕事を提供していくかというのが県の責任だというふうに思う。
それで、一つは、共同回収という方法が今15地域のうち3地域で進められているが、市のリサイクルセンターというかグリーンセンター、ごみ処理場などをお借りして、そしてそこに小売店が持っていかれて、そこから運搬されるということで、これでいけば費用が安く済むのではないかというふうに思うが、こういう地域をたくさん拡大をしていく、小売店もすぐ近くに持っていけるようなところをつくっていく、このために県が調整機能や支援を果たしていく、こういうことが必要ではないかと思うが、いかがか。
▼答弁▼中嶋環境整備課長: 共同回収を行った場合は、その集積場所に集めるということであるので、より効率的な回収が行える。他の地域より運搬費用が、委員ご指摘のとおり、200円から300円程度安くなるということである。
共同回収方式の普及については、組合内部でも検討が進められているが、地域事情もあって、具体化がなかなか難しいという状況である。
しかしながら、導入していない地域においては、効率化を図るさまざまな施策について今後とも電機商業組合と協議してまいりたいと思っている。
■質問■ 新町委員: 根本は、製造者の責任が大きいというように思う。EUの方では、メーカーの製造責任を徹底して、リサイクル料金はメーカーが負担をしている。とりあえずリサイクル料金の廃棄時への転嫁ではなくて、製造時に、販売時にこれを含めるべきではないか、こういうことも県として国の方にお求めになるべきではないかと思うが、いかがか。
▼答弁▼春風県民生活部参事: 循環型社会の形成の基本原則を定めている循環型社会形成推進基本法の第11条において、汚染者負担を維持しつつ、事業者の排出者としての責務、製品等の製造者としての責務の原則的な考え方が明確に位置づけられている。ここに示されている生産者責任の概念であるが、「みずから生産する製品等について、生産者が、生産・使用段階だけでなく、使用後の廃棄物になった後まで一定の責任を負う」というものであり、循環型社会の構築のために極めて重要な視点である。
県としても、拡大生産者責任は重要であると考えているので、「ひょうご循環社会ビジョン」でも、その導入を図ることが今後の基本方策の推進のために必要と位置づけている。
そういう視点から、県において、国に対して近畿ブロック知事会を通じて、家電リサイクル法については、不法投棄事案の発生時には製造業者の費用負担により回収する制度の創設など、製造業者の責任強化を図ることとあわせて、委員ご指摘のリサイクル料金について、製品販売時に徴収するよう制度を改善するように求めているところである。
■質問■ 新町委員: この家電4品目だけで、年間に1800万台、60万トンのごみが出るというふうにいわれている。今処理をされているのは855万台ぐらい、この差があるわけであるし、そして兵庫県の、全国でもリサイクルをされた残り、残渣が10万8000トンを超えるということになっている。もともとの排出の量を製造時から減らしていく。そしてこれは製造者の責任を明確にしなければ、次々と出されていくということになるので、一層そういう観点で県もご努力をいただきたいということをお願いをして、質問を終わらせていただく。 |