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2002年度決算特別委員会教育委員会審査  つづき研二
2003年12月12日

新大学の設立には県下の先生方の意見を聞いてすすめるべき

■質問■ つづき委員: この間県立大学統合、新県立大学の設立への取組みが進められておりますが、兵庫県立大学看護学部を新たにつくられる中で、助産師養成課程をつくる計画がすすめられております。看護大学あるいは4年生の看護学部に助産師課程を入れる事には、助産師として充分な技術・知識、アイデンティティーが身につくのかこの間全国で議論が起きてきている問題です。
県下には助産教育に直接携わっている県立総合衛生学院の助産学科の先生とか国際的にも注目をあびている民間の助産師さんもおられます。こういった方々の意見を聞いてすすめているのでしょうか?

▼答弁▼ 石井大学課長: 検討をここまですすめてまいりました。その過程につきましては、これまで学内の将来構想の検討委員会とかカリキュラムの委員会とかまず学内で検討し、そして、今回準備委員会、県立大学の設置準備委員会の中で外部委員として岐阜県立看護大学の平山学長等に参加をしていただいて、外部の有識者等から意見を伺いながら、ここまで助産師過程の設置について議論を重ねてまいりまして、本年無事大学の設置認可及び、保健師、助産師、看護師法にもとづきます、保健師、助産師、看護師の学校としての指定を受けたところでございます。

■質問■ つづき委員: 私の今指摘した事は聞いてないということですね。

▼答弁▼石井大学課長: 総合衛生学院の個々の教員から具体に話を聞いたという事実は、私の方では承知はしておりません。

大学での助産師の教育の問題点を指摘

■質問■ つづき委員: 大学で助産師の勉強をするというと専門学校よりしっかり力がつくと見えがちなんですけれども、「実際は違う」ということが全国で問題になっています。
例えば、県立総合衛生学院では、3年間の看護学校を卒業したのち、助産師になりたい人は、さらに助産学科に入学し1年間実習や学習を積み、資格を得てきます。また、保健師になりたい方は別に1年間保健学科に入学し実習や学習を積んで資格を得ていく。
ところが看護大学で助産を学ぶ場合、今もお話がありましたように看護師としての勉強、保健師としての勉強、助産師としての勉強を4年間で行うと。助産師としての十分な実習や学習、自覚が育たないということで助産師教育の現場や助産の現場から指摘がされ、数においても必要な助産師が育成されていないとの指摘もおきております。
そこでお聞きしますが、県立大学看護学部は、看護学部として定員100名、編入学を含めて定員110名と募集をされておられますが、その中で助産師課程を4回生になってから選択すると聞いておりますが、助産師課程は定数何名とするのか。また一般なら看護学科、保健師学科、助産師学科と5年かかるところを4年で済ます。これで助産師の学習がきちんとできるだろうかと考えますが、2点合わせて答弁を求めます。

▼答弁▼石井大学課長: まず看護大学4年生の学部教育におきまして助産師課程を導入しようとするものその点につきましてはご指摘の通りでございます。
これにつきましては、助産師教育を4年間に科目を振り分けまして学生たちが無理なく助産師課程を履修できるようにカリキュラムを整理してまいったものでございます。
内容につきましては、先程申し上げましたように専門家の意見等踏まえまして、例えばカリキュラムがかなり負担が多くなりがちな部分につきましては圧縮をしたりというようなことを繰り返しまして、いろんな議論を重ねて無理なく学生が助産師課程を選択できるようカリキュラム編成に工夫を行ったところでございます。
それから、定数は、現在入学定員は100名、それから今いわれました編入学定員10名ございまして、計110名でございます。そしてこれまで看護学部を卒業してからこれまで10年間において助産師のそういった短期大学の専攻科ですとか専門学校へ進んだ学生が約7.3%程度おります。基本的には大学を卒業してから改めてそういった短大等の入学金を納めて別のところでそういった助産師の課程を学んできている。そういう中で今実績がございますのが10年間で7.3%、平均で50何名あたりだいたい6名程度いるわけですけれども、やはり学内でこういう課程を設けるということになりますと、かなり需要は増えるものと考えております。ですから具体の定数は明確には示しませんが、当然学生側の要望を受けて対応することになりますが、概ね見込んでおりますのが20名程度ぐらいにはなってこようかとこのようには考えております。

社会に自信をもって送り出せる助産師養成を行え

■質問■ つづき委員: その見込んだ20名の卒業が本当に保障できるのか。看板だけにならないかということが問題だと思うんですが、この点は後でお聞きしますが、最初に「圧縮してカリキュラムの問題をやっているから、いけるんだ」ということをお聞きしたい。
例えば、普通なら基礎助産学6単位、助産診断学6単位合計12単位とらねばなりませんけれども、今回県からいただいた今後のカリキュラムの新しい計画をみますと、実際に助産に関わる学習をするのは、基礎助産論1単位、助産診断技術論2単位、助産診断技術演習2単位と合計5単位のみで、後の7単位は一般の看護学の勉強で事足りるというかたちになっておりますが、これで助産のもっとも大切なところを学んだことになるのか。
母性看護論の問題でも以前にお聞きしたところでも助産の中身がここに入っておるからこれをやればいいんだというお話ですが、母性看護学は、その名の通り病気をもった女性を治療する。医師の指導のもとに婦人科や産婦人科病棟で働く看護婦のために必要な学習だとなっております。
一方、助産は、本来健康体の女性が自然分娩、正常出産に向けての取組みで、お産をとるための妊娠の各種測定、お産ができるかの判断、分娩室へ移す時期の判断、お産の進行の判断、お産直後の一番危険な時の安全性の判断などお産を自分で実際にとる能力を身につけていくと。こういう自分で行える能力技術力をつける助産婦のもっとも肝心なところが、今言いましたように大半を看護学一般に流し込むと。
こんな学習で、「助産師です」と社会に自信をもって送り出せないという声が助産師さんや助産師教育に携わる人から声がでるのは当然だと思うんです。この点についてはどうお考えですか。

▼答弁▼石井大学課長: さきほども申しました通り今回助産師課程を設けるにあたりましては、学期要綱に基づく設置認可とそれから補助官報に基づきます学校の指定を受けておりまして、その基準というものがもともと法的には定められております。特にその単位との関係におきましては、保健師、助産師、看護師学校養成諸指定規則というのがありまして、その中で必要単位数が定まっております。
委員ご指摘の通り、本大学におきまして単位数として設定しているのは今言われました通りでございますが、これは法律上助産課程の読み込み科目として法的に許された範囲の中での読み込みでして、当然現行の看護の教育の中で助産とは密接な関係にあるものを助産課程の認定において評価をするというか、これは法律事項でございます。
従いましてその部分をクリアしてまいっておりますので、それについて不十分と言うことは当たらないのではないかと考えております。

カリキュラムと実習不足は大問題

■質問■ つづき委員: 今全国の看護大学でそういう次から次へと一般の看護学に読み替えると。県の場合は読み込みというなんか特殊な言い回しをしておられますけれども、それが今問題になってきているわけです。
厚生労働省の担当の方でも基準が問題になってくるという状況で、例えば助産師の希望を明らかにするのは、3年、あるいはそれを選択するのは、4年かと思うんですけれども、県のこのカリキュラムを見ますと母性看護論を学ぶのは1年生なんですね。だから助産師に進むか看護師をやるのか保健師になるのかまだ何にも決めていない、入った入学当初の段階で、いくら「助産師の中身をそこからくみ取るんだ」と言っても、事実上不可能なことだと思う。
助産に役立つ内容のところを選んで、県が説明するように1年生でそこで助産の中心的なところを読み込むことができるのかどうか。自分が助産師に行くかどうか決めていない段階で、これが助産に必要な学問だとどこで分かるんですか。

▼答弁▼石井大学課長: ご指摘の点は、大学生全般に通じて言えることだと思います。要は、本人の進路をいかに早く動機づけを与えて、その道をまず見つけさすか。これは大学教育全般についての問題だと思います。
看護大学におきましては、これまでから非常に少人数教育を徹底してきた大学でありますし、基本的に全国の国公立大学ではじめて看護の専門系大学として、本年度におきましても21世紀COEの指定をもらうと言うような非常に先導的な大学としてこれまで運営してきております。ですから個別の学生に対する指導は今の南学長を筆頭に、非常にていねいな指導をしてきております。ですから、その点につきまして、なんら私どもの不安視するようなものは別に主っておりませんし、これまでの実績から見ましても、助産師課程を卒業した学生がきっと兵庫県の地域にも充分貢献してもらえる人材として育つものとして私どもは理解をしております。

■質問■ つづき委員: それは話のすり替えで、例えば教養と専門学部は分かれている場合は、入った時はどの学部行くのかと。どの学科に行くのかというのは全部はっきり分っているわけでしょう。そういう目的意識をもって学ぶわけです。ところがここでは違うんです。看護学部ということでばくっと入ってきて、4年ごろになって自分はどこに行くのかと決めていくという、取り組み方が全然違うんですよ。
それで専門の学問が1年生の時からちゃんと、しかも母性看護学というその一般的な中で少しだけ出ている助産論を学ぶなんてのは、ほとんど不可能だということは明らかなんですね。
実習の問題で、お聞きしたいのですが、4年時前期に6週間でひとり10例の分娩助産実習をするというように計画されていますけれども、20人の実習生とすれば200例を1カ月半の間に行うことになりますけれども、その実習をどうやって保障をしていくのか。また1例の考え方はどういうものを1例とみなすのか合わせて答弁を求めます。

▼答弁▼石井大学課長: 助産の実習に関しましては先ほどの指定規則の方にも基準がございます。その基準として、本県の場合7単位以上取得をすればよい。その中で症例は今委員ご指摘のとおり、これは症例的に限定がございます。妊娠7カ月未満の分娩を除く正常産を10回程度とり行う。これが指定規則で定まっております基準でございます。この基準を当然クリアする形で県立大学としては当然考えてきておるところでございます。
それから、実習につきましては、これまでの看護大学の少人数教育のやりかたとしまして、グループ単位で非常に少人数に分けましてきちっとした教員の指導体制のもと、各グループに助手をつけるなどして懇切丁寧な形での指導をきっちりと行うということで実習の成果は上がるものと考えております。

■質問■ つづき委員: 問題は、妊娠陣痛が始まって入室するあるいは入院するそして実際出産してそれから一番危険な時期を越えていくというずっとそこの継続的な妊娠に立ち会って実際に出産に立ち会って助産をするのかどうかとここが本当に問われている問題なんです。そういうふうにちゃんとやるというふうになっているんですか。継続的な1例を入室から陣痛出産というところまで全部それを1例とみなすとしているんですか。

▼答弁▼石井大学課長: 私が把握しておりますのは、先程指定規則に指定しておりますかたちでの分娩の件数でしか今存じあげませんが、ただ基本的にここで10例を標準といいますのは、実習にいきました病院などでも実際その場面に立ち会えるかどうかというのは、行った研修の状況によって異なるものであります。ですから、場合によれば今委員が言われた場面に遭遇する場合もあるでしょうしあるいはそうでない場合もあろうかと思います。いずれにしましてもこの病院なり助産所なりを見学し、あるいはこういう形で分娩を取り上げる中でそういったきちっとした実習生が生まれてくると考えております。
われわれもそうなんですが、社会に出て、いわゆるオン・ザ・ジョブ・トレーニングとしてですね、いろんなものを経験する中で一人前の助産師として育っていくものだというふうに考えております。

■質問■ つづき委員: 今非常に重要な問題なんですね。今それが問題になっているんですよ。「ずっと最初から最後まで見ない」、ひどい例は「へその緒を切っただけで一例だ」というふうにしている看護大学もあるということで大問題になってきているんですよ。
いま「社会に出てから」といいましたけれども、それが問題なんですよ。例えば車の運転免許は、運転の方法は学習したけれども実際の路上運転は社会に出てから。こんなことは通らないでしょう。そういうことが今看護大学の各地で助産課程で問題が起きているんですよ。
だから今県立の総合衛生学院ではそんな教育をしてはならんということで実習を確保するためにがんばっている。しかし神戸阪神間ではなかなか出来ないと。県立の淡路病院まで行ってですね必死になって10例を確保すると。それでもなかなかたいへんな状態です。10例を確保するのに4カ月かけてやっているのを、大学ではわずか1カ月半でやるというんでしょう。
こんなことは、できるわけがないと思うんです。もう一度答弁お願いします。

▼答弁▼石井大学課長: どこの看護大学の例を言われたのか定かではございませんが、兵庫県立看護大学では、そのあたりにつきましてもきちっととした対応をしてまいるつもりであります。その10例を約束するかどうかというのは、指定規則通りに当然いかなければ、それは当然法が求めている領域でされるものと信しておりますので。

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