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2002年度決算特別委員会県土整備部審査 つづき研二
2003年12月11日

リバーサイド地域での安全性の確保は

■ つづき委員■ 最初に武庫川ダムに関連してお聞きをします。県がこれまで武庫川ダムの必要論やあるいは堤防から洪水があふれる画面がインターネットに流され、ダムができればすぐ水害がなくなるような誤解が広がっておりますが。この間違った認識を広げた県として、その誤解を取り除いていく責任があると思います。
 ダムとの関係で、最初にリバーサイド地域についてお聞きをしたいと思います。
私も議会で再三取り上げてきましたが、ダムの穴から流れる洪水でリバーサイド地域は浸水するということをこの間指摘をしてまいりました。
 この10月県は洪水の不安におびえるリバーサイド地域でパラペットを50センチ継ぎ足す工事をされたが、パラペットの高さは合計いくらとなり、洪水に対する安全性はどのように確保されたのか。また流下能力はいくらになったのか。また何年確率に相当するのかお聞きをしたいと思います。

■ 佐々木河川整備課長■ 冒頭、委員からご指摘のありました間違った情報が流れているのではないかというご指摘につきましては、今行われています「仮称武庫川委員会」そういったところの場でそういったものはまた住民の方々に詳しい理解を求めるものになるかと思いますのでよろしくお願いします。
 それからリバーサイド地区につきましては、ご承知の通り昭和58年洪水で浸水いたしまして、その暫定対策といたしまして当初1.2メートルのパラペットの護岸設置を行っておりました。ところが平成11年にも水位が上昇いたしまして、危険な状態になったことからさらなる治水対策が緊急の課題となっておりました。
 そこでわれわれとしましては、当面の対策といたしまして、11地域の方々と十分話し合いをしながら、この秋に11月にもってパラペットの高さを50センチかさ上げをしようということで、合計1.7メートルの高さになっております。
そしてまた、そういったことでどの程度に安全になったかということでございますので数値をあげて言いますと、当初1回目にかさ上げしたときの流下能力が1400トン毎秒でございます。そうしたことで今回さらに50センチかさあげしたことで約1600トン流れるということになっております。

■ つづき委員■ あの余裕高の分を除いてですねその流量をもう一度言っていただけますか。

■ 佐々木河川整備課長■ ここの場合余裕高を1.2とカウントしておりますので、その高さで評価いたしますと約1200トンでございます。

ダムなし時の流量は?

■ つづき委員■ これまで、武庫川ダム計画で当面30年に一度の大雨対策に役立てるんだと説明してこられれたんですが、このリバーサイドのところでは30年に一度の大雨の際、ダム無しでいくら流れるのか、ダム有りでもいくら流れるのか両方でお願いします。

■ 佐々木河川整備課長■ そのいくら流れるかということにつきましては、どの程度流れるかということにつきましては、対象となる降雨対象とする計画規模それによって値が違ってまいりますが、今われわれが算定しておりますのは、例えば十分の一の確率の降雨が上流で降った場合、もしダムがなければ1400トンぐらい流れる。それがダムがあることによって洪水調節されて1300トンになる。さらに大きな二十分の一というような確率の雨が降りますと、ダム無しですと1700トン、それがもしダムができることによって効果を発揮しましたら1600トン、そしてさらにもし参考までに30分の一という確率の降雨がありますとダム無しの場合流量で2000トン。もしダムがその際できれば1900トンといったような流量になると評価しております。

ダムがあってもリバーサイド地区は浸水する

■ つづき委員■ そうしますと仮にダムを作ってもですね30年確率の大雨が降ればですね県が想定している雨が降れば、毎秒1900トンの水がダムから流れてくると。一方、リバーサイドの流下能力は県の説明では、1200トン。結局ダムが出来てもですねリバーサイド地域は浸水すると言うことじゃないかと思うんですがどうですか。

■ 佐々木河川整備課長■ 今の武庫川ダムのことがでておりますが、そのことにつきましてはご承知の通りゼロベースからということで検討しておりますけれども、それまで我々が武庫川ダムということを計画しました時、当然武庫川につきましては、ダムとそして河道と合わせて所定の安全度を確保するというような改修計画でございました。その際、ダムにつきましては段階的施工ができないものですから、将来的かたちを見越して例えば百分の一というような大きな洪水に対するダムも想定しております。そして、実務的には、現実的には河川改修は段階的施工を行っておりますので、確率が十七分の一でございますけれども、その差が当然出てくるわけでございますけれども。それは当然将来的には河川改修の所定の断面に確保されてそしてダムができたときには、それらを合わせてそれを受け入れる断面になるということになっておりますのでその間のギャップは生じますけれども、最終的には安全に流れるということでございます。

ダムが出来ても安全ではない

■ つづき委員■ 要するに現在の状況ではダムができても安全ではないということですね。そのことを端的にお答え下さい。

■ 佐々木河川整備課長■  今ダムができても安全ではないと言う言いかたは、それは一面を捉えた言いかたでございまして、正しくいうならば、「どのような雨が降ってもダムは安全であるということはできない」という言い方の方が適正かと思います。

■ つづき委員■ 30年確率のことを言っているんです。

■ 佐々木河川整備課長■ 30年確率ではおっしゃる通りでございます。

住民全体を対象にした説明会を開催せよ

■ つづき委員■ 今回の工事の際、こういう事実をリバーサイドの住民のみなさんに説明をされておりますか。あるいはこの間も説明をされてきましたか。

■ 佐々木河川整備課長■ リバーサイド地区におけます住民の方々とわれわれ河川管理者との情報提供あるいは説明、話し合いといったものにつきましては、今回パラペット高をあげるに際しまして、昨年あたりから頻繁に住民の方々にお会いする中で当然上げる根拠それから上げることによって安全になる度合い。それからそうすることによってどの程度の雨に耐えるかといったようなことは、これまで6、7回の説明会あるいは話し合いの中で色々な場面を通じて話し合いをされているというふうに聞いておりますので、そういった意味では今回のパラペット高さで一応の安心感をもっていただいていると思います。

■ つづき委員■ 住民の方にお聞きをしてもそんな説明は今回の工事では1回もないと。
ただこういうものを作りますよということしかいうチラシが地域に配られただけで。そういうダムとの関係、これを作っもダムが出来たら全面的に撤去だとかどうなるんだとかいう説明が一つもないと言うことですよ。それと、今のどれだけの流量に耐えられるのかという問題でもそういう説明はいっさい行われていないと言うことですけれども。どうなんですか。

■ 佐々木河川整備課長■ 地域の方々とお話をします場合、私どもが間接的に聞いたわけですけれども、地域の方々の代表でもって環境整備特別委員会といったような組織をされておりまして、そういった方々とはそのような話があったように聞いております。

■ つづき委員■ 住民の方全員には知られていないのでですから今の問題を県としてきちんと資料を添えて流域の住民のかた全員にどの程度の状況になっているのかと説明を資料を配ると最低。また、そういう説明会も住民全体を対象にしてやるということをやっていただきたいんですがどうですか。

■ 佐々木河川整備課長■ もし私の言ったことに、事務所当局の話の中でそういったことで不十分であればこれから事務所と調整をいたしまして早速にもやりたいと思います。

今回の改修は58年規模の水害には耐えられない

■ つづき委員■ その際にですねもう一つの問題も是非明らかにしていただきたいと思うんですが。リバーサイド地域の場合今回の改修は、先ほどのデーターでも明らかなように10年に一度の県が想定している大雨にも対応できないと。ダム無しの場合。という状況になる程度なんです。宝塚や西宮の武庫川の下流域では、今どんどん工事がすすめられていると。それはダムとセットで30年確率、河川単独でも昭和58年の水害対策に見合う17年確率で河川改修をすすめているということになっておりますが。
 そういう点では、今回の工事は、非常に下流と比べてもお粗末な対応の仕方に私はなっていると思うんです。そういう点でこの58年水害規模の洪水が発生してもちゃんと応えられるものにぜひしていかないと思うんですが。現在のやつでは、この58年水害に耐えられないという状況だと思うんですね。その点についてはどのように考えておられますか。

■ 佐々木河川整備課長■ 58年の水害につきましてはリバーサイド付近で例えばどのぐらいまで水位がきたとかその時の流量はいくらだったかとかいうようなことをもちまして、今回設置しましパラペットの高さで概ね58年の水害がなんとか、ほぼそれぐらいのものは耐えれるというものにはなっています。

■ つづき委員■ 余裕高を除けば耐えられないでしょう。みなさんの考え方によっても。

■ 佐々木河川整備課長■ 今委員のご指摘の余裕高でございますけれども、われわれとしましてはこれはあくまで暫定でございますので、一応特殊底のパラペットの天場高さいっぱいをとりましてそれなりの安全度が得られていると解釈しております。

河川管理構造令にも違反する水害対策は間違い。直ちに改めよ

■ つづき委員■ これは重大な今の認識だと思うんですね。河川管理施設構造令でですね違反する工事ですよね。対策の仕方としては。河川管理施設構造令ではですね、「胸壁を有する、いわゆるパラペットですね、堤防の胸壁を除いた部分の高さは、計画高さ以上とする」要するにパラペット部分は堤防本体と見込んではならいとなっていたんです。
 ですから今回合わせて1.7メートルのパラペットを作っておられますけれども余裕高は1.2としてもですね、さらにだからこの1.7メートルのパラペットは洪水がきた時にその直撃を受けるものとみなしてはならないというのが河川構造令の考え方ではないですか。しかもこのリバーサイド地域は目の前を激流が流れると。雨が降ったら大変な流速の水が流れ込んで行くと言う、非常におそろしくなるような現地ですけれども、もしそれがパラペットに激流が直撃すればですねパラペットが壊れて人家はひとたまりもなく流れてしまうとそういう危険な場所でですねパラペットのこういう河川管理構造令にも違反するようなかたちで水害対策やっているという考え方は、あなた間違いじゃないですか。直ちに改めるべきではないですか。どうですか。

■ 佐々木河川整備課長■ 先ほどの同じ繰り返しになりますが、現在は暫定ということでございますけれども、ただ造ります特殊堤につきましては、当然所定の強度安全度を持ったものであるということでご理解願いたいと思います。

暫定堤防でも安全性を有すべき

■ つづき委員■ 私が理解するかどうかというのではなくて、ここにある建設と河川砂防技術基準ここでもですね、今暫定だからと言われましたけれども、まさに暫定でもこれはきちんと守らなければならない。暫定堤防なりに安全性を有していなければならない。
 必要な断面を要するとともに水衝部については、護岸の施工をしなければいかんと、そこまではっきりとこれ謳っているんですよ。護岸でないとダメだと。しかも、これでもパラペットというのは、そういう危険な状態があるから極力低くすべきだと。
 高くする場合でも1メートルできれば80センチ程度以下が望ましいと。これが建設省、国土交通省が出している河川砂防技術基準案あるいはまた、河川構造令でも同じ内容のことが書かれています。明確にこれに反する今のやり方やないですか。どうなんです。

■ 佐々木河川整備課長■ パラペットにつきましては当然所定の高さ所定の強度を当然これは必要とするところでございますけれども、高さにつきましては、地域の方々と話をしながらどの程度まで上げ得るかあるいは眺望への疎外がどうなるかといったことについても話し合いしまして、その中で少なくとも58年の水害みあいでこの高さまでのべるんであればという中で決めたものでございまして、そういう意味での暫定でございます。

水害の危険情報は正しく住民に伝えるべき

■ つづき委員■ 暫定でも危険ではダメなんですよネ。ここまでの水位にはちゃんと持ちこたえられるといういうものであってこそ暫定としてここまでは安全ですよとそれ以上になりそうになったら逃げて下さいという対応もできますけれども、いやここまで満杯まで安全なんですという住民の方に説明をしてですねじゃあ住民の方それを本当に真に受けてですねやっておれば今度は倒れた時どないするんですか。逃げ遅れて命が奪われるという問題までおきかねないわけでしょう。だから私は水害の危険情報は正しく伝えないかんと。それは新河川法でも謳われていることだと思うんです。だからしっかりとそういうここまでは安全だけれどもこれ以上は危ないとそういうことも明らかにしながら、こういう河川構造令に違反しているようなやりかたは直ちに改めるということを私は変えないかんと思うんです。こういう1.7メートルが河川構造令に違反していると危険なものやという住民の方が知ったら本当にそれこそ危険きわまりないそういうところに住まわされているという問題になりかねないと思うんです。
 部長さんとしてもこの対応の仕方を直ちに改善をすることを検討していただきたいと思うんですがどうですか。

■ 陰山県土整備部長■ リバーサイド地区のパラペットの問題につきましては、河川管理者・我々だけの考えだけでこういう高さでこういう構造物を造るというわけにはいかないと。
 みなさんがたのご意見を十分踏まえてやっていかなければいけないという基本的な姿勢に立ちまして事務所の方で現地に伺いをして現地のみなさんがたと相談をして高さそれこそ3メートルも4メートルもあるいは極端な場合場は広いものを造りましたというだけでそこの生活環境たいへんな悪化をきたすものでございますから、地元の意見も聞きながら構造令上はいまご指摘のようなことでございますが、暫定構造物として造ったものでございます。これが、水圧とか衝撃的な力も働くと思いますがそういうものに対しても安全であるという証明もいたしまして現地で又説明もさせてていただくことにいたしたいと思います。

抜本的な対策をすべき

■ つづき委員■ これは県の方で測量されたその場所の横断図の縮尺ですけれども、断面図の。対岸の方にも住居があるんですが、そのリバーサイドの区域より3メートル以上高いところに全部住宅街ができあがっているんですね。それだけだからここは危険だという認識でやっている。しかもここはリバーサイド後ろ側すぐ4メートルか5メートルの高さのところに水田があると。田圃と河の間に住宅があると。これは少し治水問題やっている方だったらこれは非常に危険な住宅街だということは分かる。だからここはそういう意味では全体の移転だとか集団移転だとかいうのを含めてそういう抜本対策を考えるということをきっちりやらないいかん場所だと思うのですが、その点部長さんどうなんですか。抜本対策いつまでたってもこれはできないということじゃ困ると思うんですが。

■ 陰山県土整備部長■ 武庫川の問題につきましては今準備会をやっております。今委員会に移行しようとしておりまして、その中で委員も前からご指摘のように計画工区としてどのような工区を採用するのか流量としてどのようにカウントするんだと、ここの治水計画についてゼロベースから検討しようとしているわけでございまして、その結果が出るまでみなさんお待ち下さいというわけにはいきませんので地元のリバーサイドのみなさんのご意見を聞いて今の措置をとっている。少しでも安全度を高める措置をとっているわけでございます。今後どういうふうな抜本策をとるかということにつきましては武庫川委員会の進展をみながら地元のみんさんと相談させていただきたいとこういうことであります。

ダムと関係なく、危険箇所は直ちに対対するべき

■ つづき委員■ それがねダムに利用していると言うようなね。住民の方々からの批判もでてくるわけです。危険なことははっきりしているんです。降水量のこれからの大雨の予測とは無関係に危険なところははっきりしているのだからその危険なところに対しては本格的な対処をやると。ダムとは関わりなく対処をやるという立場をとるのが本当の安全を司るみなさんの部局の仕事じゃないんですか。ダムを検討するそれまでダム工事を終わるまで安全にならないというような悠長なやり方では、いつまで経っても改善できない。昭和58年の水害からもう20年経っているわけですから。いつまでずるずるとみなさん検討だ検討だといって延ばすんですか。直ちに危険なところは対応するとやるべきじゃないですか。再度部長さんどうですか。

■ 陰山県土整備部長■ ダムの有無についてゼロベースからやっているわけでありまして、

■ つづき委員■ だからダムの議論じゃないんですよ)だから、ダムはその結論に基づいてダムがある場合、ダムがない場合のリバーサイドの安全策はこうするということを結論づける予定でございます。そのほかにもか下流から58災対応ということで何も結論がでるまで危険なところを放っておくという考えかたではなくて15年度にも22億程の予算をかけまして着実に事業をすすめているそういう状況でございます。

■ つづき委員■ 本当に危険な個所がずっとこういうようなかたちで放置をされているんですよ。そこのところについて、いつまでもダムとの関係でみなさんは答弁される。「そこが問題だ」というのが、住民の方々の声なんですよ。きっちりと改善を是非求めていただきたいと思います。

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