DV問題について
■つづき県議■DV対策の問題で質問させていただく。
配偶者からの暴力の防止及び被害者からの保護に関する法律。いわゆるDV対策法が成立して3年近くになりますが、この対策の充実が求められています。
県立女性相談センターがーその対策の中枢機関として位置づけられておりますけれども、重要な機能の一つであります一時保護施設は5室。予備室1室となっていまして、緊急のかけこみがあるかも分からないということで、1室は空けるようにしているという説明をいただいております。今年の6月で言いますと、保護した件数5ケース以下だったのはわずか1日。後すべて5ケース以上で1ヶ月合計しますと191件。単純に一日平均でわっても、6.5ケース。そのうち7割がDVという状態です。詳細にみてみますと、DVの被害者のみで5ケースの日が6日。6ケースの日が3日。7ケースの日が2日もあるという状況ですが、そういった点でとても空き室あるという状態ではないと思うがどうですか。
■玉田児童課長■ご指摘の通り、一時保護所の居室は5室。別室は1室1日平均9.8人。
その実態からみれば、充分に対応できると考えている。18名以上超えた日が2日あったことから、会議室がそういった居室に機能転換できるという事から充分に対応でききておると考えています。
■つづき県議■そうしますと、最大限18人と1室3人と機械的に割り振るという考えなのでしょうか。DVの方はどういう具合に扱われるのでしょうか。
■玉田児童課長■機械的ということではなく、受け入れが17時以降等々の受け入れも入れまして、15人を超える事もあるという事から、継続した人については、同伴時の状況。個別単身の状況でベストの状況を職員が相談して、部屋割りを決めているという状況です。
■つづき県議■一般論ではなく具体的にお聞きしている。例えば、今言ったDVの関係者のケースだけでも6日6ケースの日が3日。7ケースの日が2日もあっですねDVだけの関係者だけじゃないんですね、残りの3割はDV以外の方々が保護されて入っているという状況だ。ですから、この5ケース6ケース7ケースという場合にDVの方々はどんな扱いになっているんですか。同室なんですか?別室なんですか?
■玉田児童課長■先ほど申しましたように、状況によって同室、別室で対応しております。
■つづき県議■そうするとDVの人どうし同室になるということもあるということですね。
■玉田児童課長■議員ご指摘のとおりでございます。
DV被害者を同室にするのは問題
■つづき県議■DVの方々が同室になって、本当にこれがDVの方々への一時保護いろんなケアーをしていくということになるんでしょうか。どういう認識をもっておられるんですか。同室でいいと考えておられるんですか。暴力・被害を受けて、命からがらで、やっとここへ逃れてきたという方々。それでもなおまた、襲われるか分からないとおびえながら来られるんでしょう?そういう方々がまた、関係のないDVの同じような被害者と同じ部屋に入ると。これ本当にいいことなんでしょうか。
■玉田児童課長■当然部屋数は一時保護委託を抜きまして、5室4室1室という状況の中で、緊急的に保護を行うという観点から、そういった保安等につきましては、このDV法が施行されてからDV相談員とか心理判定員も配置する中で、心のケアーを行いながらそういったものを補強してきています。
■つづき県議■DVの方々が同室になると大変な状況になるという事実をつかんでおられませんか?例えばDVの被害者どうしがうっかり気を許して、居所や住所を相手の方にいってしまう。どちらかの方が帰って夫にうっかりこのことをどこにおったかというような事を話してしまう。そうすると夫同士が連絡をしあって大変な被害がどんどん発生するという問題がおきているんですよ。
だからDV被害者を同室にするなんて事は絶対にやってはならんことなんです。秘密を守るためにも、みなさんは盛んに「一時保護所の秘密を守るんだ」と私たちに説明されますが、皆さんの施設の中からそういう情報が筒抜けになるような対応になっているという事を反省して、足らない施設を改善していくという事をやるのが当然ではないでしょうか。その点どうですか。
課長さんは同じ答えばかりだから、部長さんか局長さんどうですか?少なくとも今の状況を改善するという立場にたたないといかんのじゃないですか?5室程度しかないというような状況では、本当に深刻なDVが今増えている状況に対応できないんじゃないですか。そういう貧弱な状況を改善しようと他の施設をつくるとか、空いている県の施設を借りてでも工夫すべきじゃないですか。
■神田健康生活部長■さきほど、課長が申しましたように、緊急やむ終えない場合に、同室ということがあると思いますが、恒常的に同室をしているわけではない。したがって現在的には増設をするというような事は考えない。
DV対策の根本を理解していない
■つづき県議■だからね、それがもうDV対策の何たるかを理解していない!旧態依然の売春防止法の感覚しかないわけですよ。
みなさんの所の施設の規則を見てもそうなっている。まともなかたちになってない。DV対策のかたちに。認識を改めていかんといかん問題だと思う。
受け入れ・救済の体制について
■つづき県議■私、引き続きこの点を求めていきたいと思いますが、受け入れ態勢の問題と絡んでお尋ねしたいと思います。H15年の半年間で3日での退所が57件。即日退所が8件あるということですね。これで本当にDV被害者への救済の手立てが本当におこなわれているのかと本当に心配されるんですが、こういう中で、せっかく保護されたのに、自宅へ戻ってしまったというケースが32ケースもある。そのうちまた、7ケースが再保護されるという痛ましい状況がおきています。こういう状況は改善しないといけないと思うんですが、その点についてどうですか。
■玉田児童課長■我々は一時保護した女性についてあくまでも安心安全。その後の自立に対してと言う事で、心理判定員・相談員等全力をあげて今後の処遇を検討して行こうという実態がございますが、暴力を受けても、また夫がやさしくなるというような強い思い込みから、どうしても帰られるということについては、出身の福祉事務所と連絡していますが、我々としては本人がそれ以上強い帰宅を望めば限界だと思っている。
■つづき県議■これは、DVの対策の対応がどうなっているのかと県として自己検討していく問題だと思う。本人の意思だ。思い込みだということだが、加害者が夫だとすると夫のしている事が犯罪であるという認識が逃げてきた人にはないわけですよ。ここのところをきちんと皆さんの所で話していかなければ、まるで自分が悪かったかのようにして、被害を受けた女性が、加害者のほうに謝罪をして戻っていくと。こういう悲惨な事をくりかえしてはあかんという立場にたってなんとしても何とか逃れてきた人を「よく逃げてきたね」、「これからはあなたの人生を一緒に取り戻しましょう」という立場で対応しないといかんと思います。そういう立場にたってないから、こういうことになっているんじゃないですか。
■玉田児童課長■DVは家庭内暴力。これは犯罪であるという認識のもとで我々は与えられた権限のもとで最大限説得を行っているところです。
一次保護の受け入れにはDVの保護という観点はまったくない
■つづき県議■犯罪であるという認識でやられているんであれば、これまで市や関係者の方に配っておられた基準の一時保護の文書ですが、私調べて見ますと、「一時保護依頼と受け入れ等について、一時保護所の利用を福祉事務所への協力依頼」という文書を各市の担当者や関係者の方々に配っているんですけれども、その中には「受け入れ態勢は65歳まで」「怪我をしている場合は一時保護前に受診し、治療してもらってほしい」 「同伴児の男の子は小学年齢まで」などと入所に様々な条件がかけられている。「良く逃げてきましたね」というDV被害者へのあたたかさがみじんもないという内容になっているんじゃないですか。
こういう方針ははただちに撤回してあらたるめる。ただちにあたたかい立場にたった受け入れ態勢に変えていくという風に改めるべきじょないか。
■玉田児童課長■一時保護所の一時受け入れについてはあくまでも標準的なものを示していまして、年齢につきましては、その実態から70歳80歳を受け入れている例もありますし、中学生男子の同伴は認めておりませんが、その家族の状況から弾力的に受けているところです。
■つづき県議■だからね、そこが問題なんですよ。方針・原則としてね、中学生であれば受け入れないとか、けがしてたらあかんとか、ここのどこに犯罪から逃れてきた被害者だという考え方がありますか!!ただちに変えるべきでしょう!
犯罪から逃れてきた被害者であれば、それは直ちに受け入れる。必要であれば、医者を呼ぶなり、あるいは中学生であれば、本来中学生が入れる施設にせなあかんのですよ。そういう親子ともども暴力から逃れて犯罪から逃れてきた人をですね、親子分離させてしまうとかますます心がすさんでずたずたになってしまうんじゃないですか。
国の法律でも、このDV法をつくる時にですね、配偶者からの暴力は犯罪である。にもかかわらず、被害者の救済が、充分行われてこなかったのだから、この法律を作るんだとはっきりうたっているわけでしょう。そういう立場にたって逃れてきた方を全て受け入れようという方向にしないんですか。変えるべきでしょう。
部長どうですか!取捨選択するも問題じゃないですよ!!
■神田健康生活部長■私はその文書はみていませんが、もしそういうことでしたら、検討させていただきます。
相談所を県下各地につくるべき
■つづき県議■是非お願いをしたいと思います。つぎにですね、DV被害者の方々が社会復帰していくというためにも、県が早く相談にのるという態勢が法律にも配偶者暴力相談支援センターが、相談や社会復帰支援に取り組むという事になっていますが、広い兵庫県に一ヶ所しかない。それでいいのかDV支援に取り組んでいる人にお聞きすると、「相談に駆け込んでくる女性は、血だらけになり、髪を振り乱してとびこんでくる来る」という。暴力にさらされ、人間の基本である「食べる事」もできない。心も体もずたずたに傷ついて、人との関係に男性を見ただけでもおびえてしまっている方までおられるという大変な状況になっている。そういう被害の女性をしっかり受け止めて、しっかりと受け止め、相談にのる支援センターが県下各地にどこでも近くにそういう相談にのってもらえるこういう法律に元ずく「配偶者暴力支援センター」確保される事が、今大切だ。
広い県下一ヶ所じゃああまりにもお粗末だ。県下各地につくっていくという立場にたつべきだと思うがいかがか。
■課長■DVの相談等含めまして、住民の身近な機関で相談等受け付ける必要があるとことから市町、県の機関をふくめまして、ネットワーク構成の中で初期の対応女性相談につなぐという体勢をと整えております。また、初期の段階で対応を間違わないように今マニアル等つくっておりまして、よりDVに係る強い責任を果たしていくと言う配偶者暴力支援センターも専門性も高めたいとおもっております。
■つづき県議■すぐに改善できることとして、児童虐待防止の取組の経験県下四つの県の児童相談所=こどもセンターを蓄積してきているすばらしい経験を生かしていくという事も必要だと思います。児童相談所=こどもセンターに配偶者暴力相談支援室を併設してく。勿論そのための人的措置もしていくという事を是非ご検討いただきたいとおもいます。お隣の大阪府では配偶者暴力相談支援センターは9ヶ所も配置されているんです。大阪よりもずっと広い兵庫県がわずか神戸に1ヶ所では余りにも県の取組みとして弱い。是非子どもセンターへの増設をしていただきたい。
■課長■今、DV家庭で、子どもの虐待もおこなわれている。というケースも散見しておりまして、当面いかに子どもセンター、女性センターが有機的に連携していくかと言うケースカンファレンスを重ねながら、整理しているところでございます。
ご指摘のことも踏まえまして、我々としては、とりあえず今有機的連携の中で、そういった虐待の被害者を救済したいとかんがえているところでございます。
■つづき県議■色々検討をはじめられるということですが、有機的連携ということだけでは、よわいんですよね。例えば、児童虐待の取組みと比べても今の県のDV対策は余りにも貧弱なんですね。DVの対策の中枢として法で位置付けられている相談センター1ヶ所。しかも、常勤職員は3人ですよね。所長をのぞけばね。
児童虐待に取り組む県のこどもセンターは県立だけでも4ヶ所。児童虐待専門チームが配置されているだけでなく、70〜80人のケースワーカーが足らないときは児童虐待にも取り組むと、一生懸命やって来ておられる。同じ虐待問題。今DV問題は大問題になって、急増している状況の中で、法で義務付けられた施設がわずか一ヶ所。こういう貧弱な人的体勢で、いくら有機的連携といっても力の差がある。4つのこどもセンターに、専門的な支援センターを配置するということは是非検討していただきたいと思ますが、部長いかがですか。
当面すぐやれる対策として、この検討をお願いしたい。特にDVに取り組んでいる弁護士の方も「児童相談所とDV相談機能をおいているところは、DVの相談機能が非常に有効に働く」と専門家も言っておられる。そういう意味でも、是非部長に検討していただきたいと思いますが、どうですか。
■神田部長■さきほど、課長の方から答弁しましように県下26ある健康福祉事務所。それから、88の市町そういった身近な所で相談にのれるところ、相談センターが密接に連携していくというように思っておりまして、当面そういう方向でいこうと考えております。
■つづき県議■児童虐待でもそういう取組みやってるんです。しかし、肝心のこどもセンターが貧弱ではいかないとこの間増員もしてきたわけでしょう。その教訓にたって重大問題が起きないように、ちゃんと県として貧弱な状態を直ちに改善すべきだと思います。
県のDV電話相談体制を24時間で
■つづき県議■あわせて、県の電話相談ですね、今パンフレットを見ますと夜の9時で明け方まではないんですよね。夜中から明け方までが、相談が急増するという状況ですから、電話相談少なくとも24時間の電話相談の体制はとろうと県がその気になればやれる問題だと思いますが、どうですか。
■課長■現在相談に応じられる職員を置いておりますのが、9時まででございまして、9時以降につきましては、緊急受け入れにつきましては、常に対応しているというローテーションを常に対応しているということでございます。
■つづき県議■それは警察でしょう。県のDVの関係部局がやっているんじゃないんでしょう。どうですか。
■課長■21時以降はですね、宿日直の代行員と寮母2名。それとホットラインで管理職所長・課長と連絡を取れる24時間うけているところでございます。
■つづき県議■そういう方々はDVの専門家ではないんですよね。寮母さんとかそういう方は別の仕事が職務なんですよね。そういったこともすぐ改善していただくという事を求めて、予定時間が経過しておりますので、これで終わります。 |