国直轄の巨大ダムの中止を
■つづき県議■先週の土曜日の新聞にも東日本最大といわれる戸倉ダム建設中止の方向を埼玉県、先日の知事選挙で知事が変わったわけですけれども、そういったことを決めたということが報道をされています。
兵庫県に関係する淀川水系でも、滋賀県の「丹生ダム」や猪名川の「余野川ダム」がありますが、例えば丹生ダムはダム高が145メートル計画事業費が1100億円と、この中止の方向が出された戸倉ダムに匹敵する全国有数の巨大ダムであります。全国でダムの中止見直しの動きが大きく進んでいますが、近畿でも「淀川水系流域委員会」がダム建設中止の提言を出しております。県としても率先してこういった計画のダム計画の見直しをすべきだと思いますが、そこで県の水資源計画についてお聞きをしたいと思います。
平成9年3月に出した県の第2次水資源計画では平成17年を目標年とする神戸や阪神臨海地域の都市用水の水事業で、195万2000立方メートル1日あたり見込んでおりますが、これに見合う水源施設は確保できているのかどうかまずその点をお聞きしたいと思います。
■杉本ビジョン担当課長■ご指摘いただきました平成9年3月に策定をいたしました「総合水資源計画(第2次)」、平成17年度で需要量見込みで、神戸阪神臨海地域で195万2000立方メートル日最大の量でございます。
これに対しまして計画時点では手当済みが211万9000立方メートル、実施中が6万5000立方メートルということでございました。
この6万5000立方につきましては京都府で建設をしておりました日吉ダムの分でございまして、この日吉ダムは既に完成をしておりますので、平成17年度目標のものについては完成があったということでございます。
国の水需要調査依頼が1年間も「放置」
■つづき県議■施設能力としては十分確保できているということですけれども、ここに平成14年10月28日付けの国土交通省土地資源局が出しました県の部長あての依頼文書があります。
「淀川水系における水資源開発基本計画需給想定調査について」という内容ですけれどもこれについて水資源開発計画の変更にあたって、水需要と水資源開発供給量について調査をして県の方に回答してほしいと内容がなっているわけですけれども、これについて県は今どういう対応をされていますか。
■杉本課長■平成14年10月に淀川推計における水資源開発基本計画需給想定調査を受け取っております。現在17年度までにつきましては第2次の計画で需給見通しを立てておったところでございますがそれ以降につきましては現在検討精査中ということでございますのでまた回答いたしておりません。
■つづき県議■1年以上前に調査依頼が、正式に公文書できているのに、県は「1年経っても回答をしていない」ということですけれども、今回の調査はもともと国の方の計画年度が平成12年度までということで、それ以後の計画が立てられていないということです。
本来なら早急にやらなあかん問題だと思うんですが、県の方はすでにこの問題に関係する調査をやっておられるわけでしょう。
平成12年・13年度に「水利用プラン調査業務の報告書」がありますけれども、ここでは淀川水系の水資源開発基本調査、いわゆる「フルプラン」がいま言いましたように平成12年度までと。今後平成27年度を目標とする水需要の計画を立てないかんと。
しかし県の方は17年度が目標年度なので平成27年度に見合う計画をつくらなければいけないと。こういう調査の目的をうたって既に12年・13年度に調査結果を出している。さらに平成14年度、昨年度ですね「ひょうご水ビジョン策定調査業務」ということで検討もされておらるんじゃないですか。
そこで、平成27年度の水の需要量見込みに対して現在の水資源施設能力いくら余力があるかというようになっておりますか。
■杉本課長■淀川水系の水資源の基本計画につきましては国が策定主体でございます。国の紹介に基づきまして県で需要見込み等回答させていただいた上で、国の方で策定をされるということになっております。
ご指摘のように12年度に淀川のフルプラン一応期間が満了ということもございまして、私どももそれに対応するために各市町さんが進めておりますその一環といたしましてご指摘のありました「水利用プラン」というものを平成12年度13年度にかけまして調査をしたわけでございますが、その結果につきましてはなお精査中ということでございます。この調査につきましては、あくまで基礎調査という位置づけで行ったものでございまして、その調査でもって水需給を確定させようというかたちで行ったものではございませんので、その点をご理解いただきますよう。
公費をつかった水需要調査結果を明らかにせよ
■つづき県議■もう一つ質問しているのでその点ちゃんと答えていただきますか。数字的なことをお聞きをしたでしょう。平成27年度の水需要見込みに対してみなさんが水需要を見込まれたと神戸阪神臨海部で、これに対して現在の水資源の施設能力はどのくらい余力がある状況になっているかと。
■杉本課長■大変失礼をいたしました27年の見通しでございますが先ほども申し上げましたように、なお精査中でありますのでこの場でご答弁する状況にはまだなっていないということでございます。
■つづき県議■それはいい加減な態度ですよ。公費を使って12年度に行って12年度ではもう少し検討しなあかんということでいくつかテーマ上げられて13年やられて、14年度ではですねそこで上げられた高齢化率の問題だとか冷暖房がどうなるのだとかそういう問題も加えて、4ケースもですよ最小の水需要の場合最高の場合は水需要はいくらになるかとか、わざわざ詳細に4つのケースまで想定して立てておられるでしょう。
こういうことなぜちゃんと議会に報告できないんですか。県民にも議会にも内緒にしてやろうというのですか。けしからん。ちゃんと答えてください。
■杉本課長■先ほども申し上げましたんですけれどもこのプラン調査につきましては水需給を見通すための基礎調査ということで確定をさせるための調査ではございません。従いましてこの調査結果のみで判断するということにはいかない。すなわち県民に直接水を安定的な生活をしていただくために直接供給しております水道事業者のみなさんのお考えとかあるいは近隣の府県、関係府県もございますし国もございます。そういったところの状況もしっかりと把握につとめながら見通しを確定をしていきたいと、(つづき・・県がやったデーターを報告しなさいということです)そのデーターだけを公表するということになりますと私どもとしての十分な説明責任を果たすことができないのではないかと思っておりますので今回につきましてはご答弁することは差し控えさせていただきたいと考えております。
■つづき県議■最少の場合で都市用水が172万9000立方メートル最少ならば150万7000立方メートルというかたちでの予測結果を、この報告書の中で出しておられますね。
その点は確認できるでしょう。これは14年度のみなさんが行った事業についての決算議会ですよ。やった内容についてなぜ報告しないんですか。それについての数値の解釈はもちろんいろいろあるでしょう。それがオーソライズされたものであるかどうかは。
しかし、みなさんが平成14年度でやられた事業の中身を報告すべきことは当然でしょう。ちゃんとその数値報告しなさいよ。この場で、確認しなさいよこの場で。
■井筒県民政策部長■課長から申し上げましたようにまず水利用プランということで、これは神戸阪神地域の水需要で(つづき:解釈を聞いているのではない、数値を聞いている)い「ひょうご水ビジョン」でやってございます。
こういった中で27年度の受給見通しをどうするかということを議論しているわけでございます。「ひょうご水ビジョン」の中でわれわれは公表して、議論をしていくということで今すすめております。もちろん国等との調整もありますのでそういったことを見極めてから。(そんな事は聞いてない!)
■つづき県議■議長、質問に全然答えていない。こういうのはちゃんと議事進行してくださいよ。
私の聞いているのは、みなさんが出されている172万9000トン最少なら150万7000トンこの数値に間違いがないかどうか平成14年度でみなさん方が作業された中身はこういうことであるかどうかということを聞いているんですよ。
そういうことの確認をイエスかノーかはっきりさせなさいよ。平成14年度の仕事なんだから。決算議会ですよこれは。
■杉本課長■当該数値につきましてこの場でご答弁させていただくということは非常に今後の需給見通しを立てる上でいろんな説明責任上の問題が生じるのではないかと考えておりますので、答弁は差し控えさせていただきたいと思っております。
神戸阪神臨海部では水は余っている
県は見直しの姿勢が必要
■つづき県議■これは本当にけしからん態度なんですよね。
みなさんは色々と「事業の見直し」だとかいろいろ言われている。しかしこれは既にみなさんがそういう答弁をずらして態度表明をしない。国から調査要求がきて1年間も県が放ったらかしている。その間にどんどん工事が進んでですね無駄なお金が使われていっているかわからんわけでしょう。
そういうことについて何の責任も感じないで、国が要求してこないことをいいことにして県が放ったらかしにすると。そういう態度でいいんですか。それが県の政策の責任者の対応の仕方ですか。国が要求しないから県もいわないと。
しかも調査結果もやっているが、それを議会の場で公表しようともしない。しかしですね、既に昨日の新聞でも出ておりますように淀川水系流域委員会がですねもう本当に水が余りきっていると現在でも水需要が余っているということで、「淀川流域下流の都市部ではですね1日大阪ドーム3杯分367万立方メートルが毎日使われていない」という大変な状態になっておると。
だからこういうことをさらにいっそう助長するようなダムは見直すべきだということを9日にも淀川流域委員会は発表するということが新聞で昨日報道されておりますけれども。県でも1日あたり現在220万立方メートルの供給能力に対して150数万立方メートルしか使っていないんです。現在でも水は余っておるという。
神戸阪神臨海部では。という状況について何の見直しもしないと。これは県の県民政策部の対応の仕方ですか。
部長さんちゃんと答弁してくださいよ。その見直しの姿勢がないんですよ。
■井筒県民政策部長■国に対する回答を1年放っておるじゃないかということですけれどもフルプラン自体が12年の満了、その後国の責任で基本計画を改訂をするその作業が遅れいている故でございます。
当然のことながら国の関係の機関とは調整をしてございます。水需要につきましては第一義的に水道事業管理者が責任を負う中で、今のようなご指摘を踏まえてさらには渇水とかそういったことも踏まえながら、産業構造の変化等も踏まえて、「つくる」から「つかう」で、われわれとしては今「ビジョン」を策定しています。その中でいろんな数値を含めて需給見通しを明らかにしていきたいと申し上げたわけでございます。
無駄なダムの放置は県民の求める本当の改革とは反する
■つづき県議■これほど無駄なダム問題とか水資源のダムの問題、大問題になって淀川流域委員会という専門家の方が入った第3者機関ですね、2度にわたるダムの見直しの提言が出されようとしている状況でも、こういう悠長な県民政策部、県の対応だ。
結局、国と県がいっしょになって無駄なダムをそのまま放置している。工事はどんどんすすめるとこういうけしからん態度は直ちに改めるということが、県民が求めている本当の改革だと思いますので、そのことを厳しく指摘をして終わります。 |