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2002年度予算特別委員会県民生活部審査 いそみ恵子
2002年3月13日

ハンセン病患者・元患者へ県の支援策充実を

■質問■いそみ委員
 私はハンセン病問題についてまず質問します。
 わが党議員団は、この間ハンセン病療養所の入所者、退所者、社会復帰を決意された元患者のみなさんに直接おあいし、過酷な隔離政策の体験をお聞きする中、患者・元患者のみなさんの真の人間回復へ政治の果たすべき責任を痛感したところです。本日は先の本会議一般質問を受けて具体的支援にしぼって質問をします
 患者・元患者のみなさんの強い願いは、安心して生まれ故郷に帰り、平穏に暮らしていきたいという願いです。しかしそれもかなわないのであれば、せめてふるさとをこの目で見たいと言う思いです。しかし、県が既に実施されている里帰り事業では、団体行動のために参加できない方もいらっしゃいます。また里帰りといってもふるさとをかすめ通るだけで、この足で再びふるさとの地を踏みたいという思いをかなえることはできません。この事業だけではなく患者・元患者のみなさんが何を望んでいるのか、せめて、兵庫県出身の7園138名の入所者のみなさんのひとり1人の意向を把握し、その意向に沿った支援の改善が求められると思います。例えば熊本県が実施したような入所者の意向調査をまず実施することを提案したい。いかがでしょうか。

▼答弁▼今井疾病対策室長
 療養所におられるハンセン病の元患者にたいする意向の調査については、これまで私どもが療養所に行った時に出席される方と話し合いの中でいろいろうかがっていますが、ひとり1人の要望等については、十分汲みきれないところもあるかと思いますので、その点については、今後ひとり1人と面談する機会を持つことも含めて検討したい。

■質問■いそみ委員
 「検討したい」ということですから、ぜひ、熊本県が昨年12月に調査を実施し報告書をまとめ、それに基づいて国の施策でここが足りないということで具体的に提案をおこなって、県の事業についても改善をおこなわれている。ぜひ兵庫県でも実現をしていただきたいと要望します。
 つぎに医療支援の問題です。
 医療費自己負担分の補助について、本会議での答弁で、後藤理事が「入所者の受診に関する治療について、国は検討協議をしており、その動向を注視している。県としては他の医療費補助の状況も勘案して研究する」こういう答弁をされました。その具体的な実施時期と内容についてお答えをいただきたい。
 それから県立病院での受診治療についても「県内の医療機関で治療できるように促進に努めたい」との答弁でしたが、具体的な県立病院の名称と専門医の紹介をどのような方法でされるのか併せてお答えいただきたい。

▼答弁▼今井室長
 医療費の無料化については、国からは昨年10月、全国ハンセン病問題対策主幹課長会議や今年1月にあった全国健康関係課長会議を通して、公立病院での医療費一部負担への補助について依頼を受けています。県としては、ハンセン病問題の責任が国にあるという認識のもと、以下の内容について、これまでに全国衛生部長会を通して国に緊急要望しています。その内容は、1つには都道府県知事が国の機関委任事務として関わってきた立場を踏まえ、国と都道府県の役割分担を明確にすること。2つには医療費の無料化については、国の責任において都道府県の実情に応じた支援措置を講じることです。
 それから、県立病院で医療費の無料化をという質問ですが、ハンセン病については、治療方法が確立し、完治が期待できる疾患です。またハンセン病は、らい菌によっておこる慢性の感染症です。平成11年4月から施行されている感染症に関する法律ですが、その中で感染症については、感染力や罹患した場合の重篤性等に基づく観点から、1類感染症これは5疾病、2類感染症6疾病、3類感染症は腸管出血性大腸菌O-157等の1疾病、それから4類感染症これは58疾病と分類されています。ハンセン病はこのいずれにも含まれていません。こうしたことから、県内の多くの医療機関で診断治療がおこなわれるようハンセン病の正しい理解の促進に努めたいと考えており、県立病院あるいは公立病院といった特定の医療機関で公費負担することは、受診する医療機関によって患者の間で不公平が生じますし、好ましくないと考えます。

■質問■いそみ委員
 具体的な県立病院の名称とか専門医の紹介をどのようにするのかということは答弁いただけなかった。まだ研究中だろうと思いますが、医療費補助の問題、これは他の患者との不公平が生じるということで「できない」とおっしゃいました。しかし、本会議でも指摘したが、ハンセン病の入所者の医療費は国が全額負担する。国策で、大変異常な事態をつくり出した国の責任は明確だと思います。こういう中で、香川県では退所者で香川県内の医療機関で診察を受けた人を対象に医療費自己負担分を助成して、その療養所と同じような医療環境を作ることで、社会復帰の後押しをしたいということで、積極的に取組まれている。ぜひ兵庫県でもその姿勢に学んでいただきたい。ぜひこれは実現をしていただきたい。もう一度答弁をお願いしたい。

▼答弁▼後藤理事
 ハンセン病対策は、基本的にはハンセン病問題の法的責任を有する国の事務で、必要な対応は国の責任のもとに実施されるべきだと考えています。しかし、国の機関委任事務として法律の施行をおこなってきたとはいえ、その経緯の中で国立療養所への入所等、結果として患者等に多大の迷惑をかけたことについては率直に反省しています。医療費等の問題もありましたが、患者等にたいする福祉・医療面における対応も、他の県民と同様、できうる限りの対策を講じ、支援していきたいと考えており、香川県の事例等も参考にしたいと考えます。
 また、県立病院における治療ですが、室長からも答弁あったように、原則的には、今の医療機関どこででも診断・治療がおこなえるような状況です。とは言いながら、それが徹底しているかということで普及啓発をしていきたいというのが、本会議での答弁の主旨です。具体的には、私も県立病院の医師でハンセン病についての文献等を出している医者について調べて見ましたが、具体的には県立尼崎病院と県立成人病センター、とくに皮膚科ですが、そういうことがあります。いろいろと個別の調査の話もありましたが、相談窓口を本庁ならびに健康福祉事務所等に設けて、個別の対応はそこでさせていただきますので、ハンセン病のみなさんがた、兵庫の皆様方にはご心配をかけない体制ができていると考えます。理解を願いたいと思います。

■質問■いそみ委員
 医療費の助成制度について、香川県の事例も参考にしたいということですので、ぜひお願いしたい。それから県立尼崎病院、成人病センターのそれぞれの皮膚科で先生が対応してくださると言うことですから、その点では普及啓発、ちゃんとした広報をおこなっていただきたい。
 そういう中で「安心してください」と後藤理事はおっしゃられたが、相談窓口という点では、本当に既に退所されている患者・元患者も対象にしていただいて、病院との対応だけでなく、医療の問題だけではなく、生活や仕事、家族の問題、多くの方々が家族でこの問題を隠しているという方もいらっしゃる。そういう多岐にわたる相談内容に応えるソーシャルワーカーを、ぜひハンセン病の専門的知識を持った方を、配置していただきたいと思います。この点について答弁をいただきたい。

▼答弁▼今井室長
 療養所退所者からの相談は、これまでも担当課において個別に対応しています。担当者は個別の相談事項について関係各課と連係をとり問題の解決にあたっています。また、療養所入所者が社会復帰される場合、地域で安心して暮らせるよう、県内の健康福祉事務所においても、医療や生活等の相談にきめ細かく応じたい。

■質問■いそみ委員
 ソーシャルワーカーの配置をぜひご検討いただきたい。答弁にもありましたが、今年1月16日に全国の厚生労働関係部局長会議が開かれ、その中で「ハンセン病対策については都道府県にたいしても国から特段の協力をお願いしたい」ということで、具体的に相談窓口の問題、医療費一部負担の補助等といろいろと出ていますが、県が、無らい県運動を実施してきた、そういう責任を十分に踏まえて患者・元患者のみなさんの心に寄り添い、せめて「生きた亡霊から人間へ生まれ変わりたい」というみなさんの思いが実現できるよう、県としての積極的な役割を果たしていただきたいと強く要望してつぎにはいりたいと思います。


障害児受け入れ学童保育施設へ県の補助を

■質問■いそみ委員
 2点目は放課後児童健全育成事業についてです。
 春も間近です。卒業、入学のシーズンを迎えました。そしてこの4月1日から学校完全週5日制が始まります。働く親たちにとって、放課後をどうするのか、土曜日をどうするのか、頭の痛い季節でもあります。その1つの解決策として、おおむね10才未満の児童を対象に、あそびと学習、生活の場を提供するのが放課後児童健全育成事業、いわゆる学童保育です。2000年4月1日時点の県の資料によると神戸、姫路を除いて、県所管として195カ所の学童保育施設に9500人の子ども達が入所をしていますが、そのうち障害を持った子ども達は何箇所、何名が入所しているでしょうか。

▼答弁▼永峰児童課長
 国の放課後児童健全育成事業の中で、4人以上の障害児があれば補助対象になりますが、その補助対象になっている児童クラブは今のところ2箇所です。13年度において2箇所です。

■質問■いそみ委員
 質問の答えと違う。障害者が何ヶ所、何名ですか。

▼答弁▼永峰児童課長
 箇所数は91クラブです。あとでお答えします。

■質問■いそみ委員
 91クラブということで、何名か入所しているのかは後でということですが、働く親たちが同じように利用している保育所、こちらの入所者それから障害児が何名いるのか、この点についても併せてお答えいただきたい。

▼答弁▼永峰児童課長
 12年度の実績で、保育所での障害の児童数は287人です。

■質問■いそみ委員
 保育所に通っていたのは287名。保育所に入所されている方が、この年4万6723名いるわけです。県の所管分ということで現在195箇所の学童保育施設には9500人の子ども達が入所していると。これは本当にばくっとした数ですが、ざっと保育所に4万6723人子どもが入っているけれども、学童保育所には9500人ということで、学童に入所していない、本来だったら学童が必要なのにそういう子ども達が入っていない。こういうことが推測される。いろいろな条件があると思います。1年生になったからということで子どもにカギを預けたり、親が仕事をやめたということで入所されないという場合もあろうかと思うが、結局、学童が必要な子ども達がいるのに、親は預けたくても預けられないという状況があると思います。
 どこに壁があるのかという問題ですが、特に障害を持っている子ども達、これを受け入れる施設の状況についてこれはどうなのか。98年4月から学童保育が法制化される中で、一定は改善されてきたが、私の調査によっても体育館の倉庫の2階、こういうところに設置されているなどの現状が多く見られます。県当局は、この学童保育施設の状況をつかんでいらっしゃるのでしょうか。

▼答弁▼永峰課長
 いわゆる学童、児童クラブが設置をされている場所ですが、児童館、児童センター、学校の予備教室あるいは学校敷地内の専用施設など、公的な場所に設置されているものが9割以上あると認識しています。

■質問■いそみ委員
 どういう開所実態かという答えがあったと思うが、体育館の倉庫、市民館の2階、いろんなプレハブだとかそういう施設の実態、それから専用室になっているのか、生活の場ですから台所があるのか、トイレやロッカーが設置されているのか、そういうことも含めて、実態をしっかり調査をしていただきたい。
 もう1つ、壁の問題でいうと、受け入れ側の体制の問題です。指導員の加配状況です。運営費にたいする国の受け入れ施設への加算の要件、先に答弁いただいたが、1学童について4人以上の障害児を受け入れる場合、71万円の単価で指導員へ加算するという国の補助要件がある。しかし、私の地元の西宮の学童保育の実態をいろいろと調査し、お聞きすると、昨年の調査によると40箇所で1623名が学童に通って、その内28名が障害児の子どもです。調査では1学童で、西宮の実態でいうと、障害児の受け入れが大体1名から2名です。他市も私、調査をした。大体1名、2名、3名です。宝塚で7名というところと、去年ですが4名というところが若干ある。ほとんどがそういう実態ですから、これでは国の「4人以上1学童について」指導員の加配にたいする加算がない。それで、補助要件にあわないわけですから、障害児1名を受け入れている学童であっても県が補助をして、単独補助をしている市町を支援する必要があると思うが、この点についてはどうでしょうか。

▼答弁▼永峰課長
 市町にたいして、今ある制度の活用を働きかけるということがあると思いますが、今後とも障害児にたいする指導員の加算要件の緩和について国に要望したいと存じます。
 それから、宝塚市内で2クラブが国庫の制度の対象になっていると申し上げたが、障害児童は1クラブ4人、1クラブ7人ということで11名が通っているところです。

■質問■いそみ委員
 国にたいしてはぜひ緩和を要望していただきたい。
 市町が単独補助をしている。障害児の受け入れのために、指導員に聞くと大変なんです。受け入れたいが、体制がなかったらなかなか難しいということで、泣く泣くお母さんも断念をされる。全国では、2000年度県単独事業として障害児加算があるのは21都道府県です。滋賀県や島根県でも実施しています。新年度これまでの県単独事業であるアフタースクール事業が廃止されることもあり、ぜひ県として学童への障害児加算をおこなって、指導員の加配の体制もとって、障害児が安心して学童に通えるように改善を求めたい。もう一度、答弁ください。

▼答弁▼永峰課長
 県としての制度創設は現在考えていませんが、今後の利用実態、国の制度の活用状況等をよく検討して、十分、今後検討を加えたい。

■質問■いそみ委員
 全国調査で見ると、岩手県それから岐阜県、鳥取県に徳島県、こういうところでは、既に1人以上でも県単独でやっていらっしゃる。こういうことを本当に進めていただきたい。それを推進する上で、私は専任の担当部署が必要だと質問準備をする中で痛感しました。
 現在、学童を担当されている児童課の保育担当。児童課というのは、児童虐待それから保育所の待機児童の解消だとか、少子化対策などたいへん大事なセクションです。今回これを担当されているのが、保育所の担当を兼任されている。留守家庭、学童のこの事業というのは、非常に施設改善の問題だとか、体制の問題、それから指導員の労働条件の問題とか、いろいろな課題が山積しています。私は、職員のみなさん頑張っているわけですから、ぜひ独立した担当部署を設けて、この施策を推進すべきだと思います。この点についてはぜひ部長から答弁をいただきたい。

▼答弁▼谷総務課長
 現在いろんな福祉関係でも行政需要があります。そういった需要に的確に対応できるような組織、人員について関係部局と鋭意つめている最中で、取り巻く情勢が厳しく、組織なり人員を拡充することは限られた範囲の中で、厳しいという事情もどうか理解いただきたい。

■質問■いそみ委員
 「財政的にも厳しい」とおっしゃられたと思うが、学童保育の開設場所を見ると、県下では、学校敷地内の専用施設それから幼稚園等の空き教室、そういう学校の空き教室だとか幼稚園の空き教室、児童館であったり、それぞれの所管が違うわけです。市や町に聞くと教育委員会との連係の問題やいろいろ課題が山積しています。県の「すこやかひょうご子ども未来プラン」の行動計画編の中にも、少子化対策の重要な事業として県自らも位置付けられ、学童保育の施設設置目標についても、自ら県がかかげて進めていくということで大変重要視されている。私は独立した部署を設けて、しっかりと学童保育事業を進めていただきたい。働く親にとって本当にこの事業が必要だということ。少子化対策にとって非常に重要だということを切にお願いして私の質問を終わります。

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