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2002年度予算特別委員会企画管理部審査 宮田しずのり
2002年3月12日

「さらなる行革」でいっそうの県民犠牲は許されない

■質問■宮田委員
 私は、行財政構造改革推進方策にもとづく今後の財政見通しにしぼって聞きます。この問題は昨日の歳入審査でも、今日も議論になっていますが、今回の財政収支見通しの歳出にかかわって質問します。
 今回の「財政収支見通し」では、一層の景気の落ち込み、税収減という事態を受けて、平成15年度から20年度までの6年間で、一昨年策定の行財政構造改革推進方策における試算に比べ、2150億円の新たな歳入不足が見込まれるとしています。この歳入不足2150億円の内、1000億円は歳出を削減する、残りの1150億円は資金手当をおこなうとされています。
 そこでまず、歳出について、行財政構造改革推進方策よりも、6年間で1000億円縮小する試算がされているが、昨日の答弁では「行政施策は変わらない」と答弁をされているが、この1000億円は何をどれだけ削減されるのか、推進方策の中の項目がありますが、その項目別にお答えいただきたい。

▼答弁▼竹本財政企画室長
 歳入における不足は2150億、歳出は1000億、その結果収支不足は1150億と、今回行財政構造改革実施計画の中で示しました。示した財政収支は、平成14年度の年間予算をもとに何回も出ていますが、このたび閣議決定された「構造改革と経済財政の中期展望」の前提として、経済財政諮問会議へ内閣府が示した経済成長率を踏まえて、県税等の歳入の試算をし直しました。歳出については、行財政構造改革推進方策で協議した行政施策については変更せず、行財政構造改革推進方策を踏まえ各年度の所要額を見込んでいます。しかし、歳出の中には、県税収入として一旦県に入ってくるものの、一定割合を市町へ交付する県税交付金、県税収入の3割弱くらいがあります。県税収入が減少すれば、歳出・県税交付金も減少します。また、各年度の収支不足・債務の動向などによって、各年度の収支不足が変わっています。したがって財源対策として発行する資金手当債の額も移動しています。また、表の中にあるように、経済成長率によって起債の発行レートも異なってきます。このようなことで、各年度の歳出における公債費にも増減が生じています。このように歳入の移動にともなって変更が生じるものが歳出の中にもありますから、歳出についても15年から20年度の6年間に約1000億減少しているということです。

■質問■宮田委員
 最初の歳入不足を、収支不足といったのは読み間違いですので訂正しておきたい。
 いろいろ説明あったが、諸々のことは分かった上で言うが、全体として6年間で1000億円縮小するということになっている。ですから、その具体的な内容を聞いている。項目別に答えてください。

▼答弁▼竹本室長
 県税交付金は1450億ぐらい歳出の中で減少すると見込んでいます。

■質問■宮田委員
 項目は、人件費、公債費、税交付金、行政経費そして投資的経費とこれだけある。税交付金だけで1450億となれば、あと450億どうするかということもある。行政経費は、今回は削減をおこなわないという点は、確認しておきたい。
 それでは、この収支不足1150億円について、これは、基金の取崩しとか資金手当債などで手当てをすると聞いたが、この分では歳出にたいする影響はないのか、お答えいただきたい。

▼答弁▼竹本室長
 この度の収支試算は、14年度の年間予算を元に「中期展望」における指標を掛けて見込んでいます。そういう中で20年度までの6年間で収支不足が新たに追加するという試算としています。この収支不足については、資金手当債の活用等の、歳入における対策を可能な限りとることによって起債制限比率を引き続き15%台に留める中、昨年度の収支不足は解消できると見込まれます。ただし、中期展望の中にも記載していますが、変化の激しいこの時代にあって予想には不確実性を伴うとされております。改革と展望においても、毎年度改訂することとしており、その場合、経済動向が想定から大きくはずれるという状況がある場合には、財政健全化のペースも見直すというように、国の中期展望でもされています。

■質問■宮田委員
 今後の財政収支見通しについて、提出されている「平成14年度行財政構造改革実施計画」の中では、経済財政諮問会議における見込みよりも景気回復が遅れた場合に「収支不足がいっそう拡大するおそれがあることからさらなる構造改革の検討をおこなう必要がある」と書かれていますし、部長の答弁でも今もありました。このさらなる構造改革とは、どういう内容の検討が必要になるのか、今の段階で考えることを答弁いただきたい。

▼答弁▼高井財政課長
 経済財政諮問会議の見込みよりも景気回復が遅れたというケースを想定すると当然、県税収入も回復せず、収支不足もいっそう拡大することになって、今のフレームをそのままでは維持できないことになり、おのずと歳出面の見直しが必要になってくると思います。ただ、この度の行財政構造改革でもそうでしたが、県議会はもとより県民の各界からいろんな意見を聞きながら一緒に考え、どういった分野で何を見直すべきか議論しながら、その答えを現在求めたわけですので、(さらなる構造改革が)必要となったとき、この度の推進方策の経緯なども踏まえ、いろんな分野の意見をうかがいながら検討していくとしか、現時点ではお答えできない。

■質問■宮田委員
 歳入、歳出の両面の見直しが必要になると思うし、今のままではいかないという答弁あったと思いますが、そうすると一昨年の行財政構造改革推進方策の本体の見直しが必要になると理解してよろしいか。

▼答弁▼吉本企画調整局長
 今回示した係数を見ていただければ分かると思いますが、今のフレームでいくと起債制限比率の枠内におさまる。それから財政収支も平成20年度には均衡するということで、現時点で具体的にどのようなことをしていくかを思っています。現時点ではなんとかぎりぎり運営をできると考えます。もしそういうことができない場合は、財政課長が答弁した通り議会それから各界の関係者と相談をしたいということです。

■質問■宮田委員
 私が申しあげたのは、わざわざ今回の14年度の行財政構造改革実施計画の中に、さらなる構造改革が必要になると書かれているので、聞いている。
 今後、経済情勢から見ると、多分に見直しが必要になることも考えられるので敢えて聞く。そうなった場合、考え方の視点ということで、今の県民の生活実態、これからみると、本当に県民生活を守る、これ以上の県民サービスの後退というのは絶対許されないという立場を明確にした今後の検討が必要になる。これはその場になったら遅いので、こういう事態のときに立場を明確にする必要がある。その点の考え方を。

▼答弁▼吉本局長
 いままでいろんな行政施策を続けていますが、その基調はいわゆる県民本位、県民生活重視の県政を進めています。その基調を変えるつもりはありません。

■質問■宮田委員
 県民生活重視というが、今県民の生活の実態というのは、失業率が6.2%、これは全国平均の1ポイント高い内容ですし、中小企業や零細業者の倒産・廃業というのは本当にすさまじいものです。その上に社会保障の相次ぐ負担増、サービスの切り下げという状況の中で、一昨年来の県行革も少なからぬ影響を及ぼしている。そういった状況の中で、これ以上の後退は許されないと強調した。
 県民生活重視という答弁あったが、今年の予算を見ると、公共事業は確かに当初では前年比10%下回る内容になっている。ところが、国の第2次補正予算と合わせると15ヶ月予算ということでいくと、約3%ということになっている。公共事業は優先した状態になっている。一方、一昨年来の行革で、県民の生活に関わる分は、計画通り進行している。そういった状態の中で、今後改革を考える場合には、本当に県民生活を重視するというのであれば、公共事業等を見直して、そして福祉やくらしを充実する。われわれが、かねてから主張している、この視点が今大事だ。そういう点でぜひやっていただきたいと要望して、もう一度見解を聞きたい。

▼答弁▼吉本局長
 さきほども申した通り、県民生活重視の県政を進めてまいります。公共事業も「つくるから使う」と、より使っていただける公共投資ということに重点をおいて執行をしてまいる所存です。

■質問■宮田委員
 今、答弁あったようにぜひ県民生活重視ということでやっていただきたいと重ねて要望して終わります。


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