2002年度兵庫県予算組み替え提案 説明資料 3月20日 日本共産党兵庫県会議員団 ◇県民の切実な願いの実現を 1、教育 (1)30人学級の実現(6,400,000千円)  新規の県単独の事業として、3ヵ年で全公立学校の30人以下学級を実現するための1年目として、小学校教職員費・新任教員950人分の給与費(3,800,000千円)、中学校教職員費・新任教員650人の給与費( 2,600,000千円)を計上する。 (2)私立学校への補助の拡充  私立学校振興費補助(私立学校経常費補助等)は、生徒40,766人分の地方交付税増額に見合う、本来増額すべき県費補助分(6,600円×40,766人=269,055千円)を増額する。  また、私立高等学校生徒授業料軽減補助は、2001年度実績並にもどすため、23,783千円を増額する。 2、福祉・医療 (1)乳幼児医療費公費負担制度の拡充(377,000千円)  今年度予算案においても、義務教育前までの年齢の拡充がされたのは、県民の運動の成果であり評価できるが、一部負担については、幾度にもわたり、撤回を求めてきたが、正されていない。  少子化対策に逆行するこのような負担増をあらためるために、全面無料化にむけて、当面3歳未満児までの一部負担の撤廃・完全無料化を実現する額を増額する。 (2)老人医療費公費負担制度の拡充(1,185,000千円)  県は、「高齢者の環境の変化」を理由に「単に高齢者であるとの理由で老人医療費についての公費負担をする必要は低下している」と、2002年は60%、2003年から受給率を50%に引き下げる方針です。受給率70%を維持するため、上記の金額を増額する。 (3)民間社会福祉施設職員処遇改善費補助の拡充(258,390千円)  今年度も昨年同様、特別養護老人ホーム分を計上しないため、介護保険導入による、経営のきびしさから職員の処遇改善は十分されておらず、改悪前の処遇改善4万円で実施する額を増額する。 (4)介護保険料減免支援補助調査費(1,000千円)  介護保険に伴い、負担能力のない人にまで、保険料・利用料の負担を課し、深刻な問題がつづいており、市町の減免制度の広がりからも、県としての支援制度の創設が求められている。介護保険料・利用料など、実態にあった減免制度を実施するための調査を行なう。 (5)特別養護老人ホーム前倒し計画調査費(5,000千円)  特養ホーム入所待機者の解消は、介護保険制度にとって「希望するサービスをうける」という、契約上最低限のものであり、解消のための計画前倒しは不可欠である。これまでの当局の調査は、療養型施設にいる希望者はカウントしないなど、実態が十分に反映されておらず、再度の調査が必要です。 3、雇用・産業 (1)サービス残業根絶のための広報費用(5,000千円)  違法なサービス残業の横行に対して、県としてサービス残業の早急な根絶のためのキャンペーンとして、県下大企業1,750社にたいして、いっせいにパンフを送付。行政としての企業の働きかけをつよめ、根絶への取り組みをすすめる。 (2)企業のリストラ抑制のためのパンフレットを発行(1,500千円)  「ひょうご経済・雇用再活性化プログラム」では、肝心の企業の異常な人員削減の抑制には触れておらず、リストラ抑制に県が踏み出すための予算として、企業に社会的責任を果たし、雇用抑制を啓発するパンフレットを製作し、県下の企業に働きかける事業を新規に創設。 (3)工業技術センターの機能維持(27,093千円)  工業技術センターは、技術開発など、中小企業の支援のために欠かせない機関であるにもかかわらず、行革によってセンター人員の退職者6名の新規補充を行なわないとしており、その6名の補充と研修のための費用を増額する。 ◇大型公共事業優先の県政を転換し、  不要・不急の事業の中止 (1)神戸空港への県支出金の削除 ・神戸空港推進費(△6,100千円) ・神戸空港整備事業補助金(△48,000千円) ・(仮称)神戸空港ターミナルビル鰹o資金(△70,000千円)  需要見通しもあいまいで、安全性や環境問題など、多くの市民・県民が疑問と反対の意思を持ち、国や自民党幹部からも疑問がだされるなど、不要な事業であることがますます明らかになっている。  そのような事業へ、今後県税を75億も注ぎこむ予算となっており、関連予算を全額削除する。 (2)その他の空港関連事業の削除 ・関西国際空港対策費(△1,373千円) ・関西国際空港鰹o資金(△617,000千円) ・関西国際空港椛ン付金(△126,000千円)  当初予測の誤りから1兆円の累積債務をかかえる関西国際空港(株)に、県民の税金を使うことは許されない。また、現在の滑走路でも十分余裕があり、環境破壊にもつながる二期工事は必要なく、二期工事分の負担金としての出資・貸付金は削除する。 ・大阪国際空港レールアクセス検討調査費(△4,000千円)  地元合意がなく、610億〜970億もの莫大な費用をかけて建設する事業であり,削除する。 ・播磨空港調査費(△7,000千円)  昨年、白紙にもどした事業であり、調査費も今後必要なく、削除する。 ・但馬空港利活用促進費(△8,096千円)  但馬空港路線の利用者にたいする運賃補助。いつまでも特定の利用者に補助する必要はなく、事業を見直し削除する。 (3)国直轄事業の削減  国直轄事業について、基本的に国の責任ですべきとして、県負担分を全額削除した。  《農林》 ・直轄土地改良事業費負担金(△6,397,890千円) ・直轄地すべり対策事業負担金(△366,667千円)  《土木費》  ・国直轄道路事業負担金(△12,924,789千円)  ・国直轄河川事業負担金(△4,750,789千円)  ・国直轄海岸事業負担金(△216,667千円)  ・国直轄港湾事業負担金(△342,500千円)  ・国直轄公園事業負担金(△955,000千円) (4)道路事業の見直し 《不要・不急な高速道路の建設と出資》  ・高速自動車道建設促進費(△11,920千円)  ・紀淡連絡道路関連調査費(△47,000千円)  ・鳥取豊岡宮津自動車道計画調査費(△12,000千円)  ・本州四国連絡橋公団出資金(△5,210,010千円) 《西宮北有料道路の南伸中止》  西宮北有料道路の南伸分であり、南側に連なる県道の整備がむずかしく、都市計画などの地元合意も無く、計画の中断と見直しが必要であり、削除する。  ・有料道路建設資金貸付金(△11,040,250千円)  ・兵庫県道路公社出資金(△420,000千円) 《阪神高速道路への補助の見直し》  ・阪神高速道路公団出資金は北神戸線を見直し(△364,100千円)  ・阪神高速道路公団貸付金は見直し(△1,570,000千円) 《2001年補正との合計を10%削減》  ・公共事業道路橋りょう新設改良費(△2,751,701千円)  ・緊急道路整備事業費(△1,509,351千円) (5)河川・港湾事業の見直し  ・公共事業河川総合開発事業費(△480,487千円)   過大なダム事業で、10%削減  ・公共事業海岸改良費(△60,160千円)  ・公共事業港湾改良費(△936,822千円)   2001年補正との合計を10%削減 (6)グリーンベルト事業   六甲山グリーンベルト事業は過大で不急の事業であるため関連予算を削減  ・国直轄砂防事業負担金(グリーンベルト事業分△2,301,197千円)  ・公共事業砂防改良費(グリーンベルト事業分△1,589,000千円) (7)農林予算の見直し  ・公共事業土地改良費(△1,815,241千円)  ・県営広域基幹林道開設事業(△130,500千円)   不要な「千町・段ヶ峰線」分、6000万円を削減、その他事業も10%削減  ・公共事業林道事業費の広域基幹林道開設事業以外(△110,176千円)   過大なものなので、10%削減する。 (8)ワークシェアリング導入促進費の削除(△8,982千円)  県が提起された「兵庫型ワークシェアリング」は、事実上大企業のリストラを応援し、常用雇用から不安定雇用への切り替えや低賃金を押し付ける指針となっていることから、そのような「誤った」ワークシェアリングをすすめる事業は中止する。 (9)既存産業を軽視する事業の見直し  産業集積や企業誘致をすすめる際に、産業の中心的位置をしめる中小企業を脇に置いて、国内・国外の大企業の国際競争力をのばすことを主眼においた事業は、中小企業の育成に役立たず、産業空洞化の解決にはならない。抜本的な中小企業支援こそ求められているので、下記事業を削除する。  また、外資系企業の支援についても、企業自身の努力によってすべきものと考え、同様に削除する。  ・産業集積条例(仮称)施行事業費(△314,049千円)  ・新産業構造拠点地区進出企業調査費補助(△15,000千円)  ・外国・外資系企業誘致促進費等(△2,909千円)  ・外国企業市場適合化推進支援事業費(△25,000千円) (10)その他の不用・不急事業の見直し  ・阪神疏水構想推進費(△10,000千円)    災害時に役立たず、巨大な事業費のゼネコン奉仕そのものの事業である。  ・公共事業公園整備費(△817,699千円)   過大であるため、2001年補正と合計で10%削減。  ・都市再開発事業推進費(△275,210千円)   土地区画整理事業費(△468,284千円)   市街地整備事業助成費(△46,915千円)   過大で県民不在の事業もあり、10%削減する。  ・小野長寿の郷構想推進費(△60,196千円)   ひょうご情報公園都市構想推進費(△4,000千円)   不急の事業として事業を見直すため、削減する。  ・(財)公園緑地管理財団出捐金(△50,000千円)   国が負担をすべきであり、削除する。  ・兵庫情報ハイウエイ運用費(△133,824千円)   過大なため10%削減  ・ヘリコプター運航事業費補助(△27,037千円) ◇県民の立場にたつ県政に (1)市町合併押し付けの予算削減(△17,869千円)   市町合併の推進等に要する経費である広域行政推進費を削除 (2)ハンセン病対策費増額(5,000千円)  感染病等予防対策費のうち、ハンセン病対策費増額し、県立病院の医師がハンセン病の研修を受ける費用として増額する。 (3)自然学校の改善(同額で改組)  自然学校については、完全「学校週5日制」実施と、以前から現場などから柔軟な日程についての意見が強いことから、4泊5日以内の日程とし、減額分を児童の負担軽減のための補助として使えるように改組し、名前も「体験学校」(仮称)に改める。 ◇同和関連予算の組み替え  今年3月末をもって、地域改善財特法の一部改正法が期限切れとなり、同和対策事業および個人施策について、終結となるのは当然です。  役割を終えた不公正な同和行政を引き継ぐ事業は削減、あるいは改組して一般施策化する。 《削減する事業》  ・隣保館活動促進費補助(△512,032千円)  ・公正採用・人権啓発促進事業費(△2,877千円) 《改組・一般施策化する事業》  ・隣保館施設整備費補助(100,000千円)を終了し、「地域コミュニティセ  ンター(仮称)施設整備費補助」として改組する。  ・地域改善対策高等学校等進学奨励費(462,001千円)は終了し、高等学校奨学資金貸与事業費としての一般施策のなかで対応するため、448,588千円を増額する。  ・人権教育推進費(126,831千円)を終了し、 教育推進費として、小中公立学校「子どもの権利条約」教育推進事業として、62,600千円、県立学校「子どもの権利条約」教育推進事業として、7,650千円を新規創設する。