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2006年09月08日

武庫川流域委員会の提言を受けた県の対応についての緊急提言

武庫川流域委員会が、2年半にわたって、専門家や公募委員、傍聴者なども含めた多数の県民の議論で、30年を目途とする当面の河川整備計画には「新規ダムを位置づけない」との提言が、すべての委員の賛成でまとめられた。
これは、県の武庫川ダムの必要性の根拠が、専門家を含めた流域委員会で支持を得られなかった結果であり、この提言の意味は非常に重く、県はこれまでの考え方に固執するのではなく、真摯な対応が求められている。
提言を受けて知事は、提言に「技術的・経済的検証を加え、実現性および効果について」、2つの行政内部組織(「総合的治水対策連絡協議会(仮称)」、「既存ダム活用協議会(仮称)」)をつくり、「河川審議会内の専門部会」の3つで中心的な検討をすると言われている。
しかし、流域委員会では、“ダムが環境にあたえる影響を検討するための十分な資料が県から示されなかった”と厳しく指摘されたように、総合治水の実現性や環境調査などの調査やデータは、行政内部や河川審議会だけでなく、流域委員会はじめ県民的な議論を必要としている。
武庫川下流の流下能力についても、武庫川ダム一個分流下能力を過小評価している点が改善されておらず、また、20年以上前に床止めを撤去すれば流下能力が大幅に向上すると県自ら報告書をまとめており、基本方針、整備計画作成にあたって県が提出した資料自体の全面的な再検討が必要となっている。
よって、県におかれては、当面、下記の措置をとることを求める。

  1. 県は、今後、提言の説明会を行うとしているが、この提言は、流域委員会が行ったものであり、本来、提言を行った流域委員会が、直接流域住民に説明会を行うのが道理である。実際、提言決定の際、流域委員会委員長自身が流域住民に説明会を進めたい旨明言していたところである。流域委員会自らが直接提言の説明会を流域住民に行えるように県が保障すべきである。
  2. 武庫川流下能力は、前記した流下能力算定の問題点だけでなく、流域委員会の提言でも実証的検討を必要とされており、この根本問題は、先にふれたように武庫川ダム一個分に相当し、この問題を解決せずに、基本方針という超長期計画を決定すべきでないことは明らかである。基本方針(案)策定においては、県の流下能力算定の問題についての再調査も含めて基準に基づいた再検討をおこない、流域委員会をはじめとする実質的な県民議論を保障した上で策定すること。
  3. 流域委員会開会中は、資料提出の求めに応じず、提言提出後、県は新たな資料で提言の検証をするとしているが、これは、流域委員会の審議に対して極めて不誠実な態度である。県が新たな調査と資料を得る取り組み及びその検討については、流域委員会を再度開催して、実質的な議論をすること。
  4. 環境調査については、希少種の移植による保存でなく、武庫川渓谷における生態系全体の保全を目的に調査すること。
    その調査のやり方や結果についても、再度流域委員会を開いて、議論を行うこと。

以上

兵庫県知事 井戸敏三 様

日本共産党兵庫県会議員団
団長  中村まさひろ

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