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2007年09月26日

行革特別委員会 質疑

つづき研二

財政再建法による危機をあおり過ぎるな


■質問■つづき委員:地方財政健全化法との関係について伺いたい。平成18年5月10日に総務省がまとめた今後の地方財政制度改革プログラムによると、まず、短期の取り組みとして、平成19年の秋までに制度概要の作成、公表を行い、中期の取り組みとして、今後3年程度で制度を整備することに加え、移行期間を10年間設けることとされていた。また、地方分権21世紀ビジョン懇談会報告書でも、激変緩和のための移行期間を10年程度設けるとされていた。それにもかかわらず、県は、平成20年度予算から全面的に新制度を適用するとしているが、改革プログラムや懇談会報告書以降、国の考え方が変わったのか。

▼答弁▼小谷財政課長:移行期間の10年というのは、地方財政計画の要否などを含めた抜本的な分権改革という長期の取り組みに要する期間であるのに対し、地方財政健全化法は、3年以内の中期までの議論であって、平成20年度の決算に基づいて平成21年度から適用されることとなっている。

■質問■つづき委員:地方分権21世紀ビジョン懇談会報告書では、移行期間については、これまで発行した起債とこの制度を決めてから発行する起債を分けて考えるべきであり、このための移行期間であるとの説明がされており、今の答弁と少し異なる。
 また、本年7月20日の総務省主催の国との意見交換会では、県は、画一的な基準でなく地方の実情や災害の問題を考慮するようにと、まだ移行期間とも思えるような要望もしている。このことから見ると、県民に対する説明と国への対応が全く違うとも言えるのではないか。

▼答弁▼財政課長:これまで発行した起債とこの制度を決めてから発行する起債を分けて考えるべきであるという議論は、現在、総務省において債務調整に関する研究会を継続的に開催しており、今回の地方財政健全化法とは別の議論である。地方財政健全化法については、今年中に政省令の骨子ができ、平成20年度の決算に基づいて平成21年度からの適用を目指しており、矛盾はしていない。地方財政健全化法の議決がなされたとき、衆参両院において、地方公共団体とよく意見交換して進める旨の附帯決議がなされているので、今後、十分意見交換を行い進めていくこととなる。例えば、衆議院で、地方財政健全化法の議論が行われた際、井戸知事が、知事会の推薦で参考人として出席し、地方の立場で発言しているが、その中で、画一的な指標とすることなく、特に阪神・淡路大震災など自らの責任とは言い難い事情で指標が悪化している場合には、それに対する特別の配慮をしてほしい旨や、ストック指標などは改善に時間を要するため、移行的な基準にしてほしい旨を発言している。付帯決議もついた。意見交換の場では、特にストック面において、いかに阪神・淡路大震災の影響が残っているかなど、本県の事情を主張してまいりたい。政省令の指標の設定に当たっては、各委員の力添えを賜り、国に兵庫県の立場等を訴えていければと思っているので、協力をお願いしたい。

震災「関連」借金は、ほとんど一般公共事業


■質問■つづき委員:意見交換会では、基準とする数値をどうすべきかだけではなく、分母と分子をどうすべきかという議論も行っている。基準等は、具体的には、まだ、固まっていないのに、あたかも決まったかのように、大変だといって事を進めるのはいかがなものか。
 次に、震災関連県債の残高が平成19年度時点で約8500億円と、県債残高全体の4分の1を占め、復旧に莫大な費用が必要だったという説明を行っているが、震災関連県債残高のうち、一般単独と一般公共の合計額の割合はいくらか。また、災害復旧事業と災害対策費の合計額の割合はいくらか。

▼答弁▼古川参事:約8,500億円の残高のうち、災害復旧事業債残高は約500億円、割合で約6%、その他、災害復旧関連事業債残高は約5,800億円、約68%、資金手当債残高は約2,200億円、約26%である。

■質問■つづき委員:われわれの計算では、貸付金の償還が終わっておりますので、一般単独・一般公共の部分は64%台、災害復旧事業8.9%、災害対策事業が2.3%、その他災害関連では14%程度ということになる。

▼答弁▼古川参事:災害復旧の6%、関連事業が68%。つまり約74%が震災関連事業に係る残高である。

■質問■つづき委員:災害関連というのは、災害復旧でも災害対策でない部分が相当を占めている。いわゆる一般単独と一般公共の公共事業でなく、復旧第一の取り組みを行えば、震災関連の県債残高は、現在の半分以下になっていたのではないか。

▼答弁▼荒木企画調整局長:本県は、ひょうごフェニックス計画に基づき復旧・復興を行ってきたが、この県負担の復興事業費総額約2兆3000億円のうち、県の起債発行額が約1兆3,000億円であり、このすべてが震災関連の復旧・復興に係る起債であると考えている。

■質問■つづき委員:震災復興を創造的復興としてやらざるを得なかったが、長田区には、まだ、人が戻っていない。被災者は借金でいまも大変。しかし、被災者に直接わたった支援金は、わずか2.3%。

全国と逆行して過大な公共事業をすすめた兵庫県


■質問■つづき委員:それと、投資的経費の問題で、通常の公共事業でも問題がある。全国的に公共事業の見直しを進め、平成6年を100とすれば、平成17年は54%程度。兵庫の場合は平成15年は120%にまで跳ね上がり、平成17年は下がりましたが、平成6年ベースでは96%、同水準ということで、震災以外の公共事業では、非常に高い状況になっている。全国では5割にまで減らしているのに、本県では旧態依然。ここを変えなければならない。
 今後の収支見直しについて、平成23年度まで3%ずつ公共事業が減るという想定で公共事業の執行をいまだに見積もっているが、全国ベース5割削減に合わせる必要がある。全国では毎年5.5%削減してきた計算になる。収支データの見直しを行うべきではないか。

▼答弁▼財政課長:ご指摘の点を踏まえて、企画部会案を取りまとめている最中である。今回示した今後の収支見通しは、何も行革を行わなかった場合のものであり、このとおりに実施していくのではない。

■質問■つづき委員:財政運営の「基本方針」であるが、1〜8が書かれているが、県民のくらしの問題については一言も触れておらず、帳尻合わせが実態ではないか。
 地方自治体の使命は、「住民の福祉の増進」が地方自治法に掲げられている。自治体が何のためにあるのかがまさに今問われている。財政が厳しい中でも、どのように県民生活を守るのかという視点を、財政運営の基本方針に掲げることが必要ではないか。

▼答弁▼企画調整局長:そのためにも、財政運営の基盤を確立したいという思いで財政運営の基本方針を定めている。

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