一般会計に2兆883億円 兵庫県が予算案
大企業優遇変わらず
兵庫県は、13日二〇〇七年度予算案を発表、一般会計2兆883億円(0.7%増)と特別会計、企業会計の合計3兆6,058億円、前年比2.3%増となっています。
県税収入が、自民、公明内閣による定率減税の全廃による個人県民税や大企業の空前の利益による法人関係税、国の税源移譲により前年度比1,572億円増の過去最高の7,509億円となっています(税源移譲を除けば過去2番目)。〇三年からの配偶者特別控除の廃止などの税制改悪による負担は171億円となり、県民緑税をあわせると192億円の県民負担増となります。一方で法人関係税は、大企業減税のなかでも475億円と大幅増収。しかし、地方交付税削減や国庫補助負担金の廃止による大幅減収で収入は微増です。
創造的震災復興としてすすめた大規模開発事業の後始末による県の借金返しや団塊の世代の退職金などの支出が大きく増え、1,222億円もの大幅な収支不足となっています。しかし、厳しい予算の中でも松下電器への18億円、新日鐵へ4億円の設備投資補助など大企業には『元気なひょうご』、庶民には負担増を求める新年度予算となっています。
その中でも県民世論と運動でこども医療費助成や35人学級の小学校3年生まで拡大や障害者支援などが盛り込まれました。一方、県立高校の授業料値上げ(年3,600円)など父母負担を強いています。
一般会計の借金総額は、3兆3,181億円と過去最高です(全会計の総額は4兆1,641億円)。
昨年から国が導入した実質公債費比率(標準的な県財政規模に占める借金返済額の割合)は〇五年度決算で19.6%と全国ワースト3位。〇七年度末が22.9%となり、「このままでは、25%を超え起債が制限されることになりかねない」(知事)として、比率を下げる緊急対策として他の「特定目的基金」や県関係団体から計1,529億円を集めて「県債(減債)管理基金」に積み立て比率を1.4ポイント引き下げ、21.5%としました。これは借金体質を改善するものではなく小手先だけの対策で、今後に問題を残す予算案となっています。 |