第288回兵庫県議会を終えて
日本共産党兵庫県議団県議団は、9月13日から27日まで開かれた第288回定例県議会において、雪だるま式負担増、介護保険改悪問題、障害者「自立支援」法による負担増、こどもの医療費無料化、中学校までの少人数学級、雇用補助金の見直し、但馬空港や武庫川ダム問題、養護学校の新設、少人数学級推進などについて取り上げた。
1 県議団は、税制改悪や介護、障害者施策の改悪で、深刻な負担増にあえぐ県民の実態を示し、住民の暮らしを守る防波堤としての県の役割発揮を求めて論戦した。その中で、障害者の1割負担について実態把握し、今後対応を検討する前向きの答弁をし、障害者の小規模作業所県独自補助は引き続き継続することを約束させた。また、深刻な阪神間の養護学校の超過密状態を引き続き取り上げる中で、阪神間南部に養護学校を新設するために予算編成で検討することを約束させた。県下で広がるコミュニティバスへの支援拡充、新婚世帯への県住枠拡大、武庫川や山田川の自然再生の取り組みの検討、明淡汽船存続の必要性を認めるなどの答弁を引き出した。また、自民党や公明党、民主党などとの県会与党幹部との懇談に高額の食料費が支出されている問題を追及し、知事に「慎重に検討」を約束させた。
2 こどもの医療費助成や少人数学級を中学校まで広げることを強く求める論戦を本会議や少子化対策特別委員会で論戦する中で、他党派も県政への提言で掲げていなかった乳幼児医療費負担軽減拡充を主張する変化が生まれた。
3 大企業を優遇し、県民参加を公然と踏みにじる県政に対し、広がる批判の声と運動と連携して追及 松下プラズマディスプレイ尼崎工場への補助金問題・偽装請負問題を引くつづき取り上げ、マスコミも注目し、国政問題としても問題が発展してきている。「のじぎく療育センター」についても存続を求める市民運動が専門家も含めて広がり、本議会でも連携して追及した。伊丹市へのイオン出店問題も、阪神間の商店業界からも死活問題として反対の声が上がっていることと連携して議会で追及した。住民運動が力となって知事の思惑とは逆に当面の整備計画には新規ダムは設置しないという武庫川流域委員会からの提言がなされたが、あくまでもダムに固執する知事を追及した。また、認定子ども園問題、県教育委員会の県民排除の姿勢、阪急西宮スタジアム跡地開発、甲子園浜などの自然再生、甲陽園地下壕保存、アレルギー児などの子育て支援、学校図書館の充実などの問題や県民要求を取り上げて論戦した。
4 新たな無駄な公共事業として急浮上してきた但馬空港の滑走路延長(1,200メートルから1,500メートルへ・約100億円の事業費)を追及した。また、高額の食料費が、知事と与党会派との懇談に支出されている問題を取り上げ、追及した。
5 議案については、新たに総額174億円に上る園田西武庫線の実施が浮上する一方、鳥取豊岡宮津自動車道など不要不急の事業などに反対した。
6 請願については、障害児教育の充実を求める請願、村岡高校の学級数存続を求める請願に自民、公明、連合(民主・社民)などが採択に反対し、また、米国産牛肉輸入再開に伴う請願についても採択せず、継続審査に付したが、県民の切実な声に背を向ける姿勢を続けた。また、同様に教育基本法改悪反対の請願に、反対し不採択にするなど、基本的に自民と民主・社民に違いはないのが県議会の実態である。さらに、政務調査費に領収書添付を義務付けることを求める請願にもこれらの党派は採択に反対し、継続審査にしたが、政務調査費の透明性確保に対する政治姿勢が問われるものである。
7 県民世論と一体となった日本共産党県議団の議会内外での取り組みが、県政と議会を動かすだけでなく、国政や市町政治とも連動し、重要な役割を担うことを改めて痛感させる今議会であった。こどもの医療費無料化、少人数学級の一層の拡大、高齢者障害者の負担増問題、若者の雇用確保など切実な県民要求実現に向け、県議団として、さらに奮闘する決意である。
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