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2006年09月05日

武庫川流域委員会が総合治水を提言
武庫川ダム 計画に入れるべきでない

住民運動と共産党の論戦が力に

(つづき研二・日本共産党兵庫県議)

 8月30日、知事の諮問機関である武庫川流域委員会が、当面の整備計画(30年を目途とする当面の治水計画)には武庫川ダムを入れるべきでないとする提言を決めました。

 同委員会で2年半、公開して議論するなかで、圧倒的多数が「整備計画では、新規ダム(武庫川ダム)を位置づけない」で一致し、全員賛成で総合治水を基本とする提言を出すに至ったわけです。
 提言の画期的なところは、ダムに頼らず、流域全体での治水対策、総合治水を治水対策の柱としたことです。特に整備計画では、新規ダム(武庫川ダム)を計画に入れず、ため池、水田、学校、公園などでの一時貯留を流域対策の柱とし、数値化までに至っていないが、森林の保水・流出抑制機能、駐車場や団地での棟間貯留、雨水の各戸貯留、雨水浸透施設の促進、県有の大規模開発用未利用地での流出抑制策などを掲げた点です。
 審議においても、公開を原則とし、傍聴者の発言や意見書の提出が保障され、それらは議事録にも残されるなど住民参加を保障する取り組みが大きく前進しました。

ダム湛水で植物死滅

 当初、武庫川ダム計画の事業強行の動きにたいして、2000年2月、武庫川ダム環境影響評価に住民五千人の意見書が提出され、県弁護士会、県生物学会、県保険医協会、県勤労者山岳連盟などからも意見書が提出され、3月には流域の市長からも試験湛水による貴重な動植物死滅の危惧も出される状況となり、ついに同年九月県議会で、知事が、「ゼロベースから見直し」を表明。武庫川流域委員会準備会発足において住民推薦の専門家を入れることを県が合意し、さらに公募枠による委員決定など、まさに住民運動が今回の総合治水の提言をつくる大きな力になりました。
 県議会では、日本共産党だけが武庫川ダムに反対し、くり返し論戦。流域委員会でも、党県議のつづき研二が再三、傍聴者発言し、7回にわたって意見書を提出。県の計画の重大な問題点を明らかにして対案を提案し、県に文書回答させるなど委員会のメンバーではありませんが、議論に参加してきました。いったんダムが湛水すれば、渓谷の植物は死滅することを他ダムの独自の現地調査をもとに明らかにしたことは、委員から「衝撃的だった」との反響も寄せられました。また、県が基準通り調査と算定をすれば武庫川の下流の流下能力は、現状でも県が主張するより武庫川ダム一個分流下能力があること、床止めや潮止め堰を撤去すれば、流下能力がさらに大幅に向上するとともに、鮎が遡上できる自然豊かな武庫川に戻せることなどを明らかにしてきました。

依然ダムに固執する兵庫県

 しかし、提言にたいして知事は、基本方針(100年に1度の洪水対策)は来年度、整備計画原案は2010年になるとし、提言を検証すると称して流域委員会とは別組織を作って検討しようとしています。知事が記者会見で、「(武庫川ダム建設は)先送りでいいのか」と発言し、県は相変わらずダムに固執する姿勢を示しています。基本方針で武庫川ダムを決め、整備計画原案に武庫川ダムを入れる動きも危惧されます。これからがいよいよ正念場です。

○知事の定例記者会見(2006年8月31日)
「武庫川流域委員会からの提言について 」
http://web.pref.hyogo.jp/governor/g_kaiken060831.html

○武庫川流域委員会のページ
http://www.hyogo-ctc.or.jp/mukogawa/iinkai_ryuu/iinkai_home.html

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