非核「神戸方式」否定の知事発言
経緯も効果も無視 日本共産党県委員会と神戸市議団が抗議
日本共産党県委員会と神戸市議団が8月25日、井戸敏三知事にたいしおこなった抗議の概要は次のとおりです。
まず、知事が非核証明書の提出を求めずに米ミサイル駆逐艦ジョン・S・マッケイン号の姫路入港を認めたことは絶対容認できないと厳しく抗議。 同時に、知事が8月21日の記者会見で「非核証明は自己証明ですから、自己証明をいくら求めても、どれくらいの価値があるのか分かりません。自己証明を1000枚取ったからといって本当に証明になるのかどうか」「核を持ち込まないということに対して日本と米国との間で取り決められている制度としての確認行為をきちっとすることによって、その事実を推測することがひとつの確認行為ではないか」と発言したことに強く抗議しました。
日米間の取り決め自体に疑念があるのに
日本共産党はこの発言は第1に、非核「神戸方式」が導入された理由をも無視したものだと批判。 非核「神戸方式」は、1975年3月の神戸市議会決議に基づいて神戸市が実施していますが、この決議の前年、74年10月に米国のラロック元提督が「日本の港に寄港する米艦船は、積載している核兵器をおろしていない」と証言。当時の宮崎辰雄市長は市議会で「港湾管理者の立場としては、この問題が正確に解明されない以上、この艦船の入港に対して拒否したい」と答弁しています。 党の「抗議」はこの経緯を示し、知事がジョン・S・マッケイン号の姫路入港許可の判断の前提とした「日本と米国との間で取り決められている制度」そのものに疑念が持たれたために、非核「神戸方式」がおこなわれていると指摘。
神戸港に1隻も入港させず ― 大きな効果
2点目には、75年の神戸市議会決議以降、一隻も米艦艇が神戸市に入港していないことあげ、「非核証明」の提出を求める「神戸方式」の大きな効果を示し、知事の「どれぐらいの価値があるのか」との発言を反証しました。
地方自治権に基づくと首相も認めた措置 さらに3点目として日本共産党は、84年3月、参院予算委員会で当時の中曽根康弘首相が「(非核「神戸方式」は)地方自治の本旨に基づいて神戸の市長及び市議会がとっているひとつのやり方でありまして、それはそれとして、我々はよく理解できる」と答弁していることをあげ、非核「神戸方式」が地方自治権にもとづく施策であると指摘。 日本共産党は、知事に発言の撤回を強く要求しました。 |