新規ダム選択は困難の提言案(武庫川ダム)
つづき研二県議(9日、武庫川流域委員会)
第48回武庫川流域委員会(松本誠委員長)が、9日伊丹市で行われ、今月末に決定予定の兵庫県知事に提出する武庫川治水に対する提言案の審議がおこなわれました。 百三十頁に及ぶ提言案は、新規ダム(武庫川ダム)について、当面の三十年間の河川整備計画では「新規ダムの持つ環境問題を乗り越えてダムを選択することは困難である」とし、「次期整備計画策定時(三十年後)へ向けての検討課題として位置づける」としました。代替案として、現在利水専用の千刈ダムを治水にも活用、学校や公園、ため池、水田などの貯留、森林の保水機能、河床掘削などの治水案が示されました。 また、日本共産党のつづき研二県議が前回提出した意見書に対しての県からの回答書が配布されました。この県の回答について、傍聴者発言で、つづき議員は、国の「河川砂防技術基準案」、県自ら「これしかない」と位置づけている「中小河川計画の手引き」に反する調査と判断をおこなっていること、この誤った判断は武庫川ダム一個分に相当することを指摘し、改めて意見書を提出。その中では、一番流下能力がないと県が言いながら、県が流下能力に関わる河床調査をしていない河口から3キロ地点(旧国道上流)の調査を行ない、国の基準と手引きにもとづく流下能力の再検討を行なうこと。また、すでに二十年以上前に取水に関わらない堰の撤去を県自身が予定していたことを示すとともに、潮止め堰を撤去すれば、流下能力向上とともに、河口の干潟の再生、水生生物の復元再生につながることを提案しました。また、水田を使った治水能力の検討を求めるとともに、上流域の農民の証言を示し、県のハザードマップと県のダム必要論の矛盾点を問いました。
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