私は、日本共産党議員団を代表し、第89号議案「県営小野垂井住宅建築工事請負契約の締結の件」について反対の立場から討論をいたします。
私たちは、健康で文化的な住環境を整えるため、老朽化した県営住宅の建て替えは必要と考えます。
本議案は、昭和48年築の県営小野垂井住宅160戸を建て替えるものですが、あわせて、昭和49年築の小野市新部(しんべ)住宅10戸と、昭和48年築の加東市滝野北のテラス住宅10戸を集約化し、現在の管理戸数180戸から157戸へと削減する計画です。
貧困と格差の広がりの中、住まいの安定が損なわれる人たちが多くいます。重い家賃負担で生活苦に陥る低年金者、低賃金のため実家から独立したくてもできない若者。防火対策が万全でない低家賃のアパートで火災にあい犠牲者が出た事件も起きています。
老齢基礎年金は満額で月約6万5千円です。年収200万円未満の若者の親との同居率は77.4%に達しているデータもあります。「住まいの貧困」を解決する大きな役割を果たすのが公営住宅です。
しかし、政府はこの間、公営住宅の戸数を削減、また、2009年、入居収入基準を月収20万円以下から15万8000円以下に切り下げ、対象階層を貧困層に限定するなど法制度を改悪し、住宅政策の公的責任を後退させてきました。兵庫県も第3次行財政構造改革推進方策のもと、県営住宅の整備計画について平成28年度に「ひょうご県営住宅整備・管理計画」を策定し、52685戸あった県営住宅の管理戸数を平成37年度までに48000戸へ削減する計画を推し進めています。 今回の住宅の集約化もその一環です。
「住宅に困窮する低額所得者に低廉な家賃で賃貸」する公営住宅のニーズは大変高く、兵庫県でも、入居倍率が神戸・阪神地域で66倍になる住戸もありました。
「住まいは人権」の立場から、「低廉な家賃で住宅を提供する」という県営住宅の役割をはたすことがますます求められており、管理戸数の削減は認められません。
以上で私の討論を終わります。
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