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2016年12月26日

行革特別委員会 企画部会案意見開陳

入江次郎

定員・給与について


 県は平成20年度〜28年度までに、職員定数を26・8%削減し、さらに平成30年度までに30%まで削減するとしています。10年間での職員削減率は全国一との報告でした。
 一方で県は行革の目標として、超勤上限目標を掲げ、年間360時間としています。平成27年度は災害に伴う超勤実績はありませんでしたが、年間360時間を超えた職員数は506人にもなり、対象職員総数の約1割にもなっています。
 年間超勤時間が1000時間を超える職員や、月の超勤時間が300時間を超える職員もおり、過労死ラインと言われる月80時間を越える超過勤務を8ヶ月連続で行っている職員もいます。
 また、超勤上限目標の設定が圧力となって超過勤務をしていたにも関わらず、超勤申請をしていなかった事案についても質疑の中で明らかになりました。
 長時間労働による過労死、過労自殺、またブラック企業が社会問題化する中で、民間のモデルとなるべき公務職場で、異常な長時間労働やサービス残業(2年間に遡って遡及払いがされましたが)、が起こっています。これでは、民間に対して長時間労働の是正や、法令順守を推進する立場を県自らが失ってしまうことになります。
 職員削減は限界まできています。職員の健康管理、県民サービス向上のためにもこれ以上の職員削減ではなく増員を求めます。また行革で削減されている職員給与の回復を直ちに求めます。

長期保有土地について


 第一次案では、改革の基本方向として長期保有土地について「山林のうち、直ちに利活用が見込めない場合は、県有環境林として取得し当面の間、適正管理する」とあります。
 これまで、知事部局が土地開発公社から県有環境林として買い戻した用地は、約1800HA、買い取り価格は1170億円にもなっています。県有環境林に対する県債利息と管理費は併せて年間10億1900万円にもなります。
 県は、先行取得した長期保有地について「乱開発防止という先行取得の目的を果たした」と、繰り返し答弁を行っていますが、多くの県民は納得していません。最小の予算で最大の効果を発揮するのが自治体の使命です。この立場にたった長期保有地に対する検証と総括を行い、県民に明らかにすべきです。また、長期保有地を県有環境林として買い戻した事によって先行取得事業は一端は完結しているわけです。利息と管理費併せて年間10億1900万円にもなる県有環境林事業の効果の測定を行い県民に明らかにすべきです。
 現在の長期保有土地は2399HAありますが、その内の1453HAを企業庁が保有しています。
 これまで知事部局が公社から買い戻した用地については「乱開発防止のための先行取得であって目的を果たした」ということでした。しかし、企業庁が取得した用地については、公営企業である企業庁が、その最大の使命である経済効果を最大限発揮するために公社から引き継いだ用地です。
 行革によって県民に対しては耐えがたい負担を求めているわけです。企業庁が保有している長期保有土地について、企業庁の最大の使命である経済効果がこの30年間でどのように発揮されたのか県民に明らかにすべきです。

農業改良普及所について(公共施設統廃合)


 第一次案では、農業改良普及所を廃止し新たに「地域振興会議」を設置する。とあります。県は普及所を廃止する理由として普及所への相談件数の減少を挙げています。
 しかし、そもそも現在の普及所は、行革によって23箇所あった農業改良センターを13箇所にまで統廃合した際に、廃止されたセンターの代替機能として、機能も人員も施設も大幅に縮小して設置されたものです。ある農家の方に伺うと「普及所に相談にいっても十分な対応をしてくれない」と、おっしゃられます。それを裏付けるように平成21年度に設置された普及所の相談件数は2835件あったものが、平成27年度には550件にまで激減しています。普及所に相談に行っても十分な対応ができない体制であれば相談件数が激減するのは当然のことです。
 私は今年の夏に、豊岡盆地で行われている「コウノトリ育む農法」を現地視察に伺い、当時農業改良普及員であった、県職員からお話を伺いました。
 コウノトリは食物連鎖のトップにあり、農薬の影響を受けたプランクトンからコウノトリに至るまでに約8万倍の生物濃縮があるとのことで、1970年代には農薬の影響によって国内コウノトリは全滅しました。
 そこで、2005年から県が推進している事業が無農薬、有機栽培の「コウノトリを育む農法」です。当時、県職員である農業改良普及員が農薬を使わない農法を農家にお願いしたところ「農薬を使わないなんて無理!農家よりコウノトリの方が大事なのか!」と、農家の方から随分と怒られたそうです。県が推奨した農法は、冬場の遊んでいる農地に水を入れ、水を入れる事によって、農地に生物多様性を起こします。冬場に農地に水を張ることによって、カエルの数が6000匹〜10000匹増え、そのカエルが稲穂の斑点米の原因となるカメムシを大量に駆除するそうです。同時に、カエルの大量繁殖は獰猛な肉食であるコウノトリの餌を確保することにもなります。農業改良普及員は、農家の皆さんに納得してもらうため、カエルのお腹からカメムシを大量に取り出して、農薬を使わなくてもカエルがカメムシを駆除することを証明したとのことでした。「熱意より、データをもって農家の皆さんに納得してもらった」と、県職員はおっしゃられました。現在では無農薬、有機栽培のコウノトリ米は通常のコシヒカリの1.9倍の付加価値がついているとのことです。
 こういった仕事を行うのが農業改良普及員であり農業改良センターでもあるのです。しかし、第三次行革によって農業改良普及員は223人から180人(再任用含む)へ、農業改良センターは23箇所から13箇所へと統廃合され、センターの代替機能として設置された農業改良普及所まで今廃止されようとしています。地域の農家のより所であり、農家と行政の信頼関係を築いてきたのが農業改良センターであり、農業改良普及員です。兵庫農業再生のためにも、農業改良普及所は廃止ではなく、機能強化したうえでの存続を求めます。
 また、第一次案では「兵庫県公共施設総合管理計画(仮称)」にもとづき、「県が保有する全ての公共施設について、利用状況・老朽化状況等を踏まえた統廃合、施設規模や機能の見直しを推進する」としています。
 公共施設は地域の賑わい創出や、地域コミュ二ティーの核となってきた施設でもあります。平成の大合併による役場や公共施設の統廃合、機能低下によって、旧市旧町の中心地は閑散とした状態になりました。これ以上の、公共施設の統廃合、機能低下は、認められません。

県営住宅について


 第一次案では現在約52600戸ある県営住宅管理戸数を48000戸程度にまで削減する方針をしめしています。貧困が広がる中、「住宅に困窮する低所得者に対して低廉な家賃で賃貸する」という、県営住宅の役割が今ほど求められている時はありません。管理戸数削減でなく維持・拡充を求めます。また、UR借上げ県営住宅問題については、年齢等で線引きをするのではなく希望者全員の継続入居を求めます。

投資事業について


 第一次案では、ミッシングリンクの解消として高規格道路の事業推進、早期事業化を掲げ、改革の基本方向として、「建設業者の健全な育成」とあります。これまでもわが党議員団が指摘してきた通り、橋梁上部工事を伴う高規格道路建設では地元業者の受注率は極めて限定的です。県外企業が大半を受注する大型公共工事から、地域循環型の公共工事に転換し、地域産業の基盤ともなっている建設業者の健全な育成を推進すべきです。
 さらに、改革の基本方向では「暮らしを支える」「次世代に持続的な発展をつなぐ」ともあります。
 先日但馬地域へ視察に伺った際に、県職員から「新温泉町では産婦人科がなくなってしまいましたが、浜坂道路が開通すれば豊岡病院までの時間が短縮する」と伺いました。また、公立日高病院では、住民の猛反発の中で大幅な病院機能縮小計画が進められていますが、ここでも「北近畿自動車道路が完成すれば、日高から豊岡病院までの時間が短縮される」と伺いました。さらに、朝来〜氷ノ山間の北近畿自動車道路が開通したことによって、平行して走る国道9号線の12時間交通量は1万4千5百台から1万1千3百台へと3千2百台、約3割弱の自動車が高速道路に転化してしまい、冬場にスキー客などで賑わう国道9号線沿いの飲食店は相次いで閉鎖しています。高速道路は出発地点と目的地を短時間で結ぶという利便性こそありますが、その副作用としてストロー化現象による沿線地域の衰退が兵庫でも顕著に現れています。
 高速道路の延伸によって、地域の病院はますます遠ざかってしまい、一部の目的地は観光客が増えたと伺っていますが、沿線の衰退は地域間にも経済格差を広げています。
 大型開発・高速道路頼みの地域創生ではなく、予算の使い方を抜本的に転換し、地域振興策を「呼び込み」型から、地域にある産業や企業など今ある地域の力を支援し、伸ばす、「内発」型に転換することこそ必要です。不要不急の高規格道路建設こそ聖域にするのではなく、行革の対象にすべきです。

市町負担割合の見直しについて


 企画部会案発表後、県と市町との負担割合見直しについて「負担割合を維持してほしい」「財政状況にも配慮した負担割合とすべき」等々、市町から悲鳴の声が挙がっています。
 今回の負担割合の見直しは、政令市、中核市より、財政力の弱い市町への負担増がほとんどです。地域創生戦略では、「地域の主体的取組を支援する」とありますが、負担増では市町独自の主体的取組は進みません。
 市町の声を受け止め、老人クラブ事業、鳥獣被害対策事業、バス対策費補助事業等、市町への事務事業負担増は中止すべきことを求めます。

老人医療費助成制度の廃止と県立施設高齢者助成制度見直しについて


 第三次行革前には、県の老人医療費助成制度対象者は17万5千人だったものが、現在では2万人まで対象者を削減しています。
 さらに今回の新制度提示案では所得要件に加え要介護2以上という身体的要件まで付け加え対象者を1万2千人まで削減することになっています。
 介護を必要とする低所得の高齢者に対し、働けと言わんばかりに助成制度から外すのはあまりにも冷たい県政と言わなければなりません。
 また、県立施設の観覧料等については、減免対象年齢を65才から70才にまで引き上げます。

 国の下では年金の削減に加え、新たな医療・介護の負担増案も示され、さらに2年後には消費税増税も計画されています。高齢者の負担は限界です。老人医療費助成制度、県立施設の高齢者減免制度の存続・維持を求めます。

私学経常費補助、授業料補助について


 第一次案では、私学経常費補助、授業料軽減補助について、「国の方向性を踏まえ助成のあり方を検討する」とありますが、第二次行革以降、私学経常費補助は大幅に削減がされました。また、国の就学支援金制度が創設されたとはいえ、兵庫県の私立高校は授業料と入学料などを合わせると全国有数の高学費ともなっています。住民福祉の増進という立場から、また貧困が拡大する中で、県の責任において維持・拡充すべきです。

体験教育推進事業について


 第一次案では、「義務教育についてのすべての権限が政令市へ移譲されることを踏まえ、トライやる推進事業など、体験教育推進事業について政令市の負担での実施に見直す」としています。体験教育推進事業は、県事業としてはじまった事業であり県下の子ども達が等しく受けている貴重な体験事業です。神戸市立学校の校長や、兵庫県議会神戸会の議員さんからも事業継続を求める声が挙がっています。引き続き、県の責任において県費での事業継続を求めます。

病院局について


 第一次案では地方独立行政法人制度の適用を「引き続き検討」となっていますが、議会や住民からのチェック機能が後退し、サービス後退を招きかねない県立病院の独立行政法人化は進めるべきではありません。また、病院の統廃合は丁寧な住民説明会を行い、住民合意を得るなど慎重に進めるべきです。
 最後に、平成31年度以降の行革について、これ以上の県民サービス低下を強いる行革はこれ以上行わないことを求めて終わります。

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