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本会議

第336回本会議請願討論 ねりき恵子
2017年6月9日

 私は、日本共産党県会議員団を代表して、請願第46号「テロ等準備罪」(共謀罪)法案の廃案を求める意見書提出の件、請願第47号いわゆる「共謀罪」を設けることを内容とする「組織犯罪処罰法」改正案の廃案を求める意見書提出の件について、不採択ではなく採択を求め、以下討論します。
 安倍内閣は、「組織犯罪処罰法改正案」いわゆる「共謀罪」法案を閣議決定し、衆議院では、自民・公明・維新の各党が法案の本質をなんら変えることのないわずかな修正で、多くの国民の不安や疑念の声を振り切って採決を強行しました。
 重大なのは、この法案がどんな行為を処罰するのか全く不明確で、人の生命や財産などを侵害する危険がない合意や実行準備行為を限りなく内心に踏み込んで処罰するものだということです。
 処罰対象とされる「組織犯罪集団」の認定は、あらかじめ客観的に特定できません。
 金田法務大臣は「一般人とは、組織的犯罪集団にかかわらない人」と繰り返す一方で、「警察に捜査対象と見なされれば誰もが一般人でなくなる」と答弁し、民間団体や労働組合を含め、市民が捜査対象となることを認めました。つまり、捜査機関が判断しさえすれば「組織的犯罪集団」として、一般の団体の活動が日常的に調査対象とされます。
 犯罪が実際に起きていない段階でも、2人以上で「計画」し、「準備行為」をしたと捜査機関がみなすだけで、処罰の対象とされます。これは、犯罪によって具体的な被害が生じた場合に初めて処罰することができるという近代刑法の大原則を根底から覆すものです。
 警察常任委員会の審査では、「準備行為」がなければ強制捜査できないという意見がありましたが、法務省自身が、「準備行為」がなくても任意捜査は可能だと認めています。実際に、警察は「任意捜査」と位置付けて市民に対する違法な情報収集を繰り返しています。
 まだ発生していない「犯罪」を、「話し合い、相談」の段階で取り締まるとなると、捜査の在り方も従来と大きく変わることになり、「犯罪が話し合われていないかどうか」、捜査機関が日常的に一般市民の言動を監視することにつながるのは明らかです。
 委員会審査では、捜査の濫用や広く国民生活が監視されることはありえないとの意見がありましたが、たとえば金田法務大臣は、国会答弁で「共謀罪」捜査で通信傍受法を拡大して使うことを否定していません。市民の日常会話のみならず、電話・メール・インターネット・SNSなどの通信が傍受され、監視カメラやGPSなどを利用した一般市民の日常行動を監視することにつながりかねず、個人のプライバシー権や通信の秘密といった基本的人権はもとより、憲法が保障する思想・内心・表現の自由を侵害するものです。
 戦前、治安維持法などで思想・信条・言論に対する取り締まりと弾圧が繰り返し行われました。こうした戦前社会を繰り返してはなりません。
 政府は、この法案を「テロ対策の強化のため」と説明し、委員会審査でも、テロ対策のためTOC条約の締結が求められており、法案はその締結のために必要な国内法だ、という意見がありましたが、これはごまかしの説明です。
 TOC条約の目的は、マフィアが行う資金洗浄などの経済犯罪対策にあり、テロ対策は条約の対象から除外されています。TOC条約の国連立法ガイドを起草したニコス・パッサス教授は、この条約が「マフィアなどの経済犯罪を取り締まる目的で制定されたもので、テロ対策は条約の目的ではない」と明言。「現在の法体系で対応できないものは見当たらない」「条約を批准することは可能」だと指摘しています。国会審議でこのことを野党に指摘され、政府は同条約がテロ対策条約だとは言えなくなっています。
 現行法制度の下で、共犯や予備罪・陰謀罪の処罰等の諸制度を組み合わせることで、TOC条約は締結可能であることを、刑法学者をはじめ専門家が指摘しています。
 共謀罪法案が条約締結に必要だという言い分は破綻しています。
 「共謀罪」法案が、国際的にも厳しい批判を受けていることも看過できません。
 国連の人権理事会が任命したプライバシー権に関する特別報告者ジョセフ・ケナタッチ氏が、安倍首相あてに「プライバシーや表現の自由を制約するもの」であり、「法案を成立させることは正当化できない」と厳しく指摘する公開書簡を提出しました。
 これに対し日本政府は、「不適切だ」などと抗議し、「特別報告者は個人の資格で、必ずしも国連の総意を反映するものでない」と非難し、国連事務総長も同様の見解を示したなどと主張していますが、国連によれば、国連事務総長はケナタッチ氏について「国連人権理事会に直接報告する独立した専門家」だと説明したのであり、国連の報道発表にも「国連の総意でない」などの記述はなく、政府の主張は事実と異なることが国会審議でも明らかとなっているところです。
 国内では、日本ペンクラブが「人の心の中に手を突っ込み、憲法で絶対的に保障されている『内心の自由』を侵害する」と声明を発表したのをはじめ、兵庫県弁護士会、日本弁護士連合会や140人を超す刑法学者など、国民の廃案を求める声は大きくなるばかりです。また、世論調査でも8割近くが政府の説明は「不十分」、「今国会では成立させるべきでない」とこたえています。本県議会としても内心を処罰の対象とし、憲法が保障する思想・信条の自由の重大な侵害につながる「共謀罪」法案への不安や疑念の声を真摯に受け止めるべきです。
 よって、本請願の採択を強く求め、討論を終わります。


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