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本会議

第334回本会議請願討論 きだ結
2016年12月15日

 私は、日本共産党県会議員団を代表し、本議会に提出された請願第29号ないし第38号について、不採択ではなく採択を主張し、以下その主な理由を述べます。

 まず、請願第29号、第32号「障害児者の豊かな教育と生活を求める件」についてです。本請願には、兵庫県の障害児教育をゆたかにする会の代表者外1万4,650名の署名が添えられています。
 2016年4月から障害者差別解消法が施行され、合理的配慮の不提供の禁止が、国や自治体に義務付けられました。全ての人が住みやすいインクルーシブな共生社会の実現に向けて、社会全体の意識が変わりつつあります。その一方で、障害者の命や尊厳を傷つける悲しい事件が起こるなど、まだ多くの課題が残されています。
 教育では、一人ひとりを支援する多様な学びの場を求めて、特別支援学校や特別支援学級に在籍する児童・生徒は増え続けており、教室不足など、過密過大が大きな課題となっています。
 特に阪神間では、2010年4月に芦屋特別支援学校が開設されたものの、既に校庭にプレハブ校舎が設置されている状態で、こやの里特別支援学校、阪神特別支援学校のプレハブ校舎や、いびつな校区も解消されないままです。劣悪な教育環境が改善されないのは、そもそも特別支援学校には、小中学校や高等学校のように面積など施設の設置基準がないために、過密であっても容認されている、このことが問題です。
 また、通級学級の拡充や高等学校での障害を持っている生徒への支援も求める声は大きく、早急に改善が求められます。
 憲法並びに障害者権利条約に定められているように、個人として尊重され、等しく教育を受ける権利が守られ、地域社会において質が高い教育と卒業後も質の高い生活を享受できるよう、重度の障害者のための社会参加の場、卒業後の就労支援、放課後や長期休業中の支援態勢、高等部卒業後の学びの場をそれぞれ拡充することは当然のことであり、本請願の採択を強く求めます。

 次に、請願第30号「障害児者の生きる基盤となる「暮らしの場」の早急な整備を求める意見書提出の件」についてです。
 本請願は、兵庫県福祉4団体外249団体から提出されています。
 請願の要旨にも述べられているとおり、障害があるがゆえに、何らかの社会的支援がなければ生きていけない障害者の方は増えています。現行の障害者福祉施策は、居宅サービス、入所施設などの絶対的不足が慢性化し、多くの障害児者が家族介護に依存した生活を余儀なくされており、その長期化が障害児者の自立をますます困難なものにしています。
 障害者権利条約第19条(a)に、障害者が他の者との平等を基礎とし、居住地を選択し、及びどこで誰と生活するかを選択する機会を有すること並びに特定の生活施設で生活する義務を負わないことが明記されているとともに、第28条では、障害者が自己及びその家族の相当な生活水準――相当な食料、衣類及び住居を含む。――についての権利並びに生活条件の不断の改善についての権利を有することを認めるとしています。
 地域で安心して暮らすために、地域か施設かの選択ではなく、障害者が暮らしの場を選択できるよう、グループホームや入所・通所施設、入所機能を備えた地域生活支援拠点を国の責任で整備し、そのための福祉職員の確保など、関係予算を増額し、地方公共団体を財政的に支援することを求める本請願の採択を求めます。

 次に、請願第31号「所得税法第56条の廃止を求める意見書提出の件」についてです。
 中小事業者は、地域経済の担い手として日本経済の発展に貢献してきました。その営業は、家族全体の労働によって支えられています。しかし、日本の税制は、家族従業者の働き分――自家労賃――を所得税法第56条、事業主の配偶者とその親族が事業に従事した時、対価の支払いは必要経費に算入しないによって、必要経費として認めていません。家族従業者の働き分は、事業主の所得となり、事業主の所得から控除される自家労賃は配偶者で86万円、配偶者以外の家族で50万円という非常に低い額に設定されています。事業主にとっては、自家労賃の一部しか控除されないことから、経営実態を反映しない課税を強いられること、また家族従業者にとっては、この控除額――配偶者86万円、配偶者以外の家族50万円という、わずかな額が、家族従業者の所得とみなされます。兵庫県の最低賃金にも全く届かない水準です。所得証明が取れないことから、子供の保育所入所のために改めて所得申請をしなければいけない、車を買おうにもローンが認められないなど、さまざまな不利益をこうむっています。
 これらは、また家族経営、家業の継承の妨げにもなっています。青色申告にすれば給料を経費にできるといいますが、それは税務署長が届出と記帳義務などの条件付きで認める所得税法第57条による、あくまで特典の一つです。税務署長の裁量に委ねられているという側面が大きく、申告の仕方で納税者を差別するものです。しかも、2014年1月からは、全ての中小企業に記帳が義務化されており、所得税法第57条による差別は認められません。
 本来は、自主申告が税申告の基本です。今年、国連女性差別撤廃委員会において、条約に基づく検討結果が示されました。その内容は、所得税法第56条が、結果として女性の経済的な自立を妨げているというもので、国際的にもこの廃止が求められているものです。
 また、この指摘を受け、第4次男女共同参画基本計画で税制の検討が盛り込まれ、そこに所得税法第56条が見直しの検討に含まれると、今年3月、国会質疑で我が党議員の質問に対し、大岡財務大臣政務官が答弁をしています。
 さらに、地方議会では、この所得税法第56条廃止を求める意見書を採択する議会が増え、現在、その数は474議会となっています。
 重ねて、家族従業者の働き分を必要経費と認めない所得税法第56条を廃止することは、家族経営、家業の継承を力強く後押しすることになります。本請願の採択を強く主張いたします。

 次に、請願第33号「全ての子供たちへの行き届いた教育を目指し、35人学級の前進、教育の無償化、教育条件の改善を求める件」についてです。
 学費をはじめ、教育費の負担は重く、教材費、制服、教科書、部活など、教育無償化の観点からも、私学助成をはじめ教育予算を増やし、お金の心配なく学べる教育環境を整えることは喫緊の課題です。
 県予算に占める教育費の割合は、30%台から20%台へと減らされていますが、増額こそ求められます。
 兵庫県では、現在、小学校4年生まで35人学級が実施されていますが、少人数学級が生活面からも、学力向上にも効果があることは明らかであり、さらに小学5年生・6年生、中学校、高校へと広げることが必要です。
 国は、財政問題を理由に教職員定数の削減を行おうとしていますが、これは許されないことで、全国都道府県知事会からも教職員定数改善の要望も出されており、国の責任で少人数学級を実施すべきです。
 私学助成の拡充、返済不要の給付型奨学金制度の創設、特別支援教育の充実も非常に重要な課題です。全ての子供たちに行き届いた教育環境を求める本請願に賛同し、採択を強く求めます。

 次に、請願第34号「教育費負担の公私間格差をなくし、子供たちに行き届いた教育を求める私学助成に関する件」についてです。
 私学は、建学の精神を生かした特色ある教育を行うと同時に、県下の公教育の一翼を担っています。2010年から始まった就学支援金制度や就学のための給付金により、学費の公私間格差は一定縮まったものの、私学の学費の負担は重いものとなっています。
 兵庫県では、入学金も含めた私立高校の初年度納入金の平均額は81万円あまりで、全国5番目に高く、国の就学支援金と県の授業料軽減補助を合わせても、授業料以外の納入金をカバーすることができません。平成28年度入学生から、年収590万円まで県の授業料補助が拡大されても、なお授業料だけでも20万円近い負担があり、授業料無償化には、ほど遠いものがあります。
 また、県は私学の経常費補助について行革で抑制を続けてきましたが、耐震化への補助を含め増額こそ求められています。公教育の一翼を担う私学への助成を求める本請願の採択を強く求めます。

 次に、請願第35号「「子供たちを守る喫煙防止」教育を推進する件」についてです。
 9月議会の一般質問でも取り上げましたが、今年9月、厚生労働省の喫煙の健康影響に関する検討会は、肺がん、胃がん、膵臓がんなど、10種類のがんのほか、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病など22種類の病気の発症や死亡要因と喫煙の関係について因果関係が確実との報告書をまとめました。
 子供たちに最初の1本を吸わせない取組が重要です。加古川市では、医師会が禁煙ひろめ隊を作り、10年以上、防煙教育が行われています。大人にも波及をして、加古川市の喫煙率は、2020年の国目標12%を切る11.6%となっています。丹波市でも、2002年から保健師を中心に最初の1本を吸わせないと、小学5、6年生や中学1、2年生を対象にした防煙教室に力を入れてきた結果、喫煙率が全国より低くなっています。
 県も防煙教室を行っていますが、昨年度、全県で小・中・高を合わせて45校、2,817人にとどまっています。全児童生徒を視野に入れた防煙教室を県全体に広げ、実効性ある喫煙防止対策を進めることを求める立場から、本請願に賛同し、採択を主張いたします。

 次に、請願第36号「「子供たちを守る薬物乱用撲滅」教育を推進する件」についてです。
 青少年における覚醒剤等の薬物乱用は、平成10年に策定された薬物乱用防止五か年戦略に基づく諸施策により、児童生徒の薬物に対する意識が全般的に改善されつつあることがうかがわれるとともに、少年の覚醒剤事犯検挙人員が減少傾向にあるなど、一定の歯止めが掛かったと認められます。
 しかしながら、覚醒剤事犯検挙人員は依然として高い水準にあり、また、薬物の入手可能性などの社会環境は改善されておらず、依然として厳しい情勢にあります。
 文部科学省は、1.学校等における薬物乱用防止に関する指導の充実、2.広報啓発活動等を通じた薬物根絶意識の醸成などを中心に対策を行うとしています。教育の機会は増えたものの、実際、学校での薬物乱用防止教育は、限られた学年にごく短時間、1年に1回行えるかどうかにとどまっています。保健師、薬剤師など専門人材も活用して、時間をとった教育を行う必要があります。
 請願要旨にもあるように、内閣府の第四次薬物乱用防止五か年戦略に基づく年1回は、中・高等学校において薬物乱用防止教室を開催するとともに、小学校においても実情に応じ開催に努めることとの通達を実行することが重要です。実効性ある薬物乱用防止教育を進めることを求める本請願に賛同し、採択を主張いたします。

 最後に、請願第37号「給付型奨学金制度の充実を求める意見書提出の件」、請願第38号「大学生等への公的な給付型奨学金制度の創設を求める意見書提出の件」についてです。
 日本の大学の学費は、国際的にも高額であり、貧困と格差が広がる中、奨学金に頼らざるを得ない学生は年々増加し、2人に1人、全国で140万人の方が奨学金を借り、しかも、その7割を超える学生が利子付きの奨学金を借りて大学で学んでいます。
 ある学生は、4年間で576万円もの奨学金を借り、20年返済で利子が200万円、合計800万円近い奨学金返済が卒業後の進路に重くのしかかっているといいます。現在、返済中の若者の声は、毎月5万円の返済で家計が苦しいというものです。中には、自己破産をする若者も少なくないという深刻な実態があります。
 また、借りたくても返済のリスクを考えると借りられず、アルバイトもして食費を削っても、それでもなお苦しい学生生活を送っているという実態もあります。
 給付制の奨学金の実現を求める声に押されて、国では制度創設の議論が始まっていますが、報道によると、対象は2万人程度、所得制限も設けられるなど、対象があまりにも限定的です。奨学金返済で自己破産に陥る若者を作ってはなりません。お金の心配なく学びたいという当たり前の願いを実現させるのは、国の責任です。
 教育の無償化へ向けて、必要な学生に行き届くための給付型奨学金の制度創設と充実を求める本請願の願意に賛同し、採択を強く求めます。

 以上、議員各位のご賛同をお願いし、私の討論を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。

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