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本会議 第322回本会議2014年度予算議案反対討論 杉本ちさと
2014年3月19日

 私は、日本共産党兵庫県議団を代表し、上程中の議案のうち、第1号、第2号、第4号、第5号、第8号、第11号、第16号ないし第18号、第20号、第22号ないし第24号、第27号、第30号、第31号、第34号、第37号、第41号、第44号ないし第47号、第49号ないし第55号の30件に反対し、討論を行います。

 4月からの消費税率8%増税を前に、県民の不安はつのるばかりです。 大企業のベースアップもほんのわずかで、消費税増税による影響を補うものにはなっていません。
 東京商工リサーチ神戸支店は、2013年の県内企業の休廃業・解散の件数が前年比6.6%増の1104件となり、集計を始めた2004年からの10年間で最多となったと発表しました。
 景気がよくなっているのは、大企業と富裕層だけで、県民の暮らしと営業はいっそう厳しくなっています。大企業を応援し大企業が潤えば、やがて、中小企業や労働者にまわってくるという、トリクルダウン理論は、「事実で裏付けられたことは一度もない」とローマ法王が厳しく批判したように、国民を欺く議論にすぎません。
 こういうときだからこそ、県民の暮らしを守る防波堤となる県予算が強く求められています。
 しかし、知事提案の2014年度当初予算案は、大企業とゼネコンの利益を優先し、県民の福祉や教育、暮らしをさらに削減する県民いじめの予算です。
 日本共産党県会議員団は予算特別委員会で、今年で14年連続となる「予算組み替え」提案を行い、県民生活を守り、中小企業応援の経済政策に切り替えることで、持続可能な兵庫県経済の好循環の道を示しました。

 まず、議案第1号「平成26年度兵庫県一般会計予算」についてです。

県民のくらしを削る「第三次行革プラン」

 反対理由の第1は、「第三次行革プラン」により、くらしと教育の予算を削減し、県民にいっそうの犠牲を押しつけていることです。
 母子家庭等医療費助成の対象者は現在、子どもと養育者合わせて10万人ですが、そのうち、4万数千人を対象外にしています。
 老人医療費助成事業は、今回、窓口負担1割だった低所得者Tの人は2割負担に、2割負担だった低所得者Uの人は自己負担上限額を外来月8,000円から12,000円などに引き上げるものです。
 いずれも、きびしい生活を強いられている低所得者の命綱である医療費助成を削る過酷なものです。
 私立高等学校の授業料軽減補助や経常費補助の県単独部分などを削減していますが、家庭の経済状況にかかわらず等しく教育を受ける権利を保障するための教育予算は「財政難」を理由に削るべきものではなく、「公私間格差解消」にも逆行します。
 ほかにも、要望の強い、老人クラブ補助や、シカ捕獲の予算なども減らしています。
 その一方、神戸新聞社説が「投資規模を確保する。県予算の狙いは、この点に集約される」と指摘したように、新年度予算案は、1912億円の投資規模の確保のために、県民生活にしわよせしたものであり、福祉の増進を本旨とする自治体の予算として、逆立ちしたものといわざるをえません。
 あわせて、第47号議案、「第2次行財政構造改革推進方策の変更」についても同様の理由で反対します。

消費税増税で社会保障は充実せず

 第2に、「社会保障の充実」の名で消費税増税が行われようとしているのに、社会保障の充実になっていないことです。
 新年度予算案では、社会保障関係費の伸びは、5.3%と、投資的経費の伸びを下回っています。
 県は、消費税増税分にともなう増収を143億円と見込んでいますが、うち、「充実分」としている47億円には、これまで補正予算で組まれていた子ども基金の事業を当初予算化したものや、もともと地方の超過負担が問題となっていた難病対策などがふくまれ、新たな充実は少ないものです。また、消費税引き上げで大幅に必要経費が増え、あとの96億円ではその増と自然増すらまかなうことが困難と思われます。とても充実とはいえません。
 内容的にも、生活保護費が13年度に続き大幅にカットされ、7月からは親族による扶養義務の強化などを盛り込んだ改悪生活保護法が施行されます。ただでさえ、収入が最低生活費を下回る人たちのうち2割ほどしか利用できていない生活保護が、さらに受けにくくなる危険があります。同時に作られた生活困窮者自立支援法も、最低賃金を下回る「中間的就労」によって、生活保護からの追い出しや水際作戦の道具になるおそれがあります。生活困窮者自立促進支援モデル事業は行うべきではありません。

補助金による大企業誘致、派遣会社活用の雇用策に反対

 第3に、県の経済対策が、破綻した大企業呼びこみ型の継続であり、県民の所得をあたため、中小企業や農林水産業を支援し、雇用と地域経済を上向かせる内容になっていないことです。
 パナソニック尼崎工場の完全撤退により、補助金を出して大企業の立地を促進し、そのおこぼれが地域経済や県民所得にまわってくるのを待つという経済対策の破綻が明確になりました。
 期間工からようやく期間の定めのない正社員として雇われたはずのパナソニック尼崎の労働者は、241名が2月末までに退職を余儀なくされ、就職が決まっているのはたった2割にすぎません。
 県は、80億円もの税金を費やした企業が、一方的な理由で撤退し、多くの労働者を失業に追い込み地域経済を冷え込ませたことを反省し、いまある地域の中小企業を主役にすえた地域循環型の経済対策に抜本的に見直すべきです。
 ところが、新年度予算でも、大企業向けの「新産業・雇用創出型産業集積促進補助金」14億5千万円を計上し、三宮に集積する企業へ減税を行うなど、大企業呼びこみ型の経済対策は見直されていません。
 雇用では、緊急雇用就業創出事業で、「学卒未就職者を支援」するという事業が含まれていますが、民間の人材派遣会社の紹介予定派遣を活用するものです。必ずしも派遣先での直接雇用につながらないこと、労働者派遣法で原則禁止されている事前面接が可能であることなど、大きな問題があります。そもそも派遣会社のもうけ口を拡大するための事業は、自治体のやるべきことではありません。
 公的な就職支援こそ充実すべきですが、逆に、尼崎の若者しごと倶楽部サテライト事業を、役割の違う地域サポートステーションの充実を理由に削減しており、認められません。

不要不急の事業やめ、防災・維持管理・老朽化対策を

 第4に、不要不急の投資事業などが含まれていることです。
 安倍内閣は、防災・減災に名を借りつつ、「国際競争力を強化」することを基本理念にして、財界の要望にそって大規模開発の復活、拡大を進める「国土強靭化」法を成立させました。
 そのもとで県予算案も、投資事業予算を伸ばし、浜坂道路や新名神高速道路、川西インター線などの建設、名神湾岸連絡線・播磨臨海地域道路などの早期事業化の調査費など、高速道路網整備に多額の予算がつぎ込まれようとしています。
 大規模災害から国民の生命・財産を守ることは国と自治体の当然の仕事です。
 そのためには、建物やライフラインの耐震化、地すべりや液状化などの危険箇所の対策など、住民に身近な防災対策や、今ある道路橋梁などの維持管理・老朽化対策などに力を集中する必要があります。
 今後、老朽化対策に必要な予算はいっそう増え、国土交通省の「社会資本の維持管理・更新費の将来推計」によると、いまの投資総額では、約20年後には、新規建設に充当可能な費用はまったく出なくなります。
 新規建設を行えば、その費用がかさむだけでなく、いずれ老朽化対策の予算も必要になります。将来の世代のためにも、莫大な費用を伴う高速道路などの新規建設は可能な限り抑制すべきです。
 そのほか、必要性に疑問のある与布土・金出地ダム建設や、神戸空港の整備費補助、但馬空港の赤字補てん、過大な公園整備事業などにも反対です。

教育内容への介入でなく教育条件整備こそ

 第5に、教育行政の本来のしごとである教育条件整備が不十分な一方、県民合意のない「高校教育改革」や教育内容への介入を行っていることです。
 国の方針に基づき、高校授業料無償化制度に所得制限が導入され、県立高校でも2割の生徒が授業料を払わなければならなくなりました。国際人権規約社会権規約の「中等高等教育無償化の漸進的(ぜんしんてき)実行」に逆行します。
 また、第一次安倍内閣の時に改悪された教育基本法にもとづく教育基本計画としての「教育創造プラン」の推進は、憲法が保障する教育の自主性、自立性、自由にそむくものです。
 道徳の副読本や、高校の世界史副読本の使用を教育現場に押しつけるのはやめるべきです。
 外国人学校への補助金支給に検定教科書の使用を条件にし、朝鮮学校への補助金をカットしたことも、教育内容に介入し、教育を受ける権利に差をつけるものです。
 県下各地で強い反対の声があがった16学区から5学区への高校通学区拡大の方針を進めることにも反対です。

職員給与・定数削減で県民のくらしは守れない

 第6に、行革などで県の職員の定数と給与削減を行っていることです。
 県職員の3割削減によって、社会基盤の維持管理が十分行えなくなったり、福祉的な対応が必要な仕事を民間業者に請け負わせたところ機械的で不適切な対応を行ったりするなど、県民のくらしをまもる仕事に支障が生じています。福祉の増進と災害への備えに、マンパワーの充実は欠かせません。
 また、県職員の給与は、行革による独自カットが続く中、民間給与を下回っていますが、さらに55歳以上の昇給を基本的に停止し、いっそう抑制されています。県職員の生活をこわすとともに、地域経済への悪影響をもたらすもので反対です。
 同様に、第8号議案「平成26年度兵庫県庁用自動車管理特別会計予算」についても、運転する職員の給与削減が含まれていること、第31号議案「兵庫県職員定数条例等の一部を改正する条例」、第37号議案「兵庫県学校教職員定数条例の一部を改正する条例」も、行革などで職員・教職員削減を行うものであることから、反対です。

開発失敗の「塩漬け」土地 時価明らかにし県民に説明を

 第2号議案「平成26年度兵庫県県有環境林等特別会計予算」、第4号議案「平成26年度兵庫県公共事業用地先行取得事業特別会計予算」、第20号議案「平成26年度兵庫県地域整備事業会計予算」についてです。
 先日、「なぜ兵庫県が突出?『塩漬け土地』の実態とは」と題したテレビ報道番組のコーナーが放送されました。「宝塚新都市」計画について、「1200万平方メートル、甲子園球場312個分という途方もない広さの土地を購入」、「しかし計画は全く進まず、土地は放置されていた。借金の金利だけが膨らみ、すでに1100億円が費やされている」と報じられたように、県は、見込みのない大規模開発計画が破綻し、使うあてのない膨大な塩漬け土地を抱えています。
 「第三次行革プラン」のなかで、これらの塩漬け土地は、従来からの先行取得用地と、「その他用地」、つまり企業庁の未利用地なども加えると、2962ヘクタール・2094億円、さらにすでに環境林として県が取得した分も含めると4247ヘクタール・2760億円にのぼることが示されています。
 これらの土地の利活用や民間に売れる見込みは立たず、売れたとしてもいくらで売れるのか、時価評価はまったくあきらかにされていません。
 県は、直ちに利活用等が見込めない山林は「県有環境林」として取得し当面の間適正管理を行うとして、すでに1285ヘクタールを取得し、新年度予算でも取得費用の償還のため公債費を繰り出すとともに、更なる取得を目的に積み置いていますが、当初の開発計画の破たんについての説明や時価を明らかにしないまま、失敗のツケを県民に押しつけようとするものです。全体の時価評価を行い、県民への説明責任を果たすべきです。
 なお、第20号議案「平成26年度兵庫県地域整備事業会計予算」については、会計制度の変更にもかかわらず進度調整地について時価評価を保留し明らかにされていないこととともに、阪神・播磨・淡路の3地域のみで各プロジェクトごとの収支が明らかにされていないことからも反対です。

 第5号議案「平成26年度兵庫県営住宅事業特別会計予算」は、低所得者向けの住宅が大幅に不足している中、新規建設がなく、行革により建て替え戸数も抑制されています。さらに、UR借り上げ復興公営住宅の入居者に転居を迫っていることからも反対です。

 第11号議案「平成26年度兵庫県母子寡婦福祉資金特別会計予算」は、福祉的な貸付金の償還金の回収を民間委託していることに反対です。

 第16号議案「平成26年度兵庫県病院事業会計予算」ですが、関係者の強い反対を押し切り、地震・津波災害により災害拠点病院としての機能が果たせないことが心配される、人工島ポートアイランドへの移転を推し進める予算が含まれています。
 また、県立病院の職員定数や給与を、行革等により削減していることからも反対です。

 第17号議案「平成26年度兵庫県水道用水供給事業会計予算」は、二部料金制等により高い県水を市町に押しつけていることから、第18号議案「平成26年度兵庫県工業用水道事業会計予算」は新日鉄などへ工業用水を不当に安く売っていることから反対です。

問題のある条例改定に反対

 次に、条例等関係議案についてです。

 第22号議案「法令の規定により条例に委任された基準等に関する条例等の一部を改正する条例」は、高度管理医療機器・管理医療機器の販売・賃貸業の届出や報告の徴収義務を神戸市や中核市に移譲するものですが、専門知識が必要で十分な体制が必要な事務であり、市に移譲するのでなく県が責任を持つべきことから反対です。

 第24号議案「使用料及び手数料徴収条例等の一部を改正する条例」は、消費税増税にともない、県の施設やサービスの使用料・手数料を値上げするものです。消費税法第60条第6項により、地方公共団体の一般会計に係る業務として行う事業については、結果的に納税が免除されているにもかかわらず、県民に転嫁し負担増を押しつけることは認められません。

 第27号議案「兵庫県税条例の一部を改正する条例」には、農地中間管理機構による土地取得の税の免除が含まれていますが、同機構は、農業委員会の関与もないまま営利企業など大規模農業生産法人への農地集中を促進し、もうからない耕作放棄地の荒廃につながる懸念の大きいもので、税の免除によりこうした政策に誘導することには賛成できません。

 第30号議案「知事の権限に属する事務に係る事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例」は、ばい煙発生施設、特定粉じん発生施設又はダイオキシン類発生施設が設置されている特定工場に関する届出事務・立入検査などの事務の明石市への移譲が含まれていますが、県が責任をもっておこなうべき事務であることから反対です。

 第41号議案「関西広域連合規約の変更」は、「農林水産物の競争力強化」などの事務を追加し、次期の広域計画に反映しようとするものですが、関西広域連合の事務を広げ拡大することには賛成できません。

 第44号議案「兵庫県道路公社が播但連絡有料道路と播但連絡有料道路(2期)を一の道路として徴収している料金を変更することについての同意」、 第45号議案「兵庫県道路公社が遠阪トンネル有料道路の料金を変更することについての同意」、 第46号議案「兵庫県道路公社が西宮北有料道路の料金を変更することについての同意」は、いずれも、消費税税率引き上げによる料金値上げであり、県民負担増となることから反対です。

 第23号議案、「兵庫県立山の学校の設置及び管理に関する条例」、第34号議案、「兵庫県立こどもの館の設置及び管理に関する条例の一部を改正する等の条例」、第49号議案ないし第55号議案「公の施設の指定管理者の指定」についてまとめてのべます。
 県立山の学校や子どもの館は、青少年の育成に関わる施設、こころのケアセンターは、県民の健康を守る施設であり、いずれも県が運営に直接責任をもつべきことから指定管理にすることに反対します。
 また、その他の施設は、利用料金制をともなう指定管理で、議会のチェックなく一定の範囲で値上げが可能なことから反対です。

 以上で私の討論を終わります。

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