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本会議 第316回臨時議会補正予算案質疑 杉本ちさと
2013年2月8日

公共事業中心でなく、デフレ不況を克服する対策を

私は日本共産党兵庫県会議員団を代表し、補正予算案に対して3点について質疑を行います。

まず、1点目は、本補正予算案がデフレ不況を脱却し、兵庫県経済の再生になるのかという点です。

先日、厚生労働省は毎月勤労統計で、2012年平均賃金は31万4236円で1990年以来最低と発表しました。32年前よりも賃金は少なくなりました。また、1997年と比べて雇用報酬は88%に減少し、一方企業収益は163%に増えています。企業の利益が増えても労働者の賃金は下がり続けています。今日のデフレ経済の最大の要因は、労働法制の規制緩和などで非正規雇用を増やし、労働者の賃金が減り続けていることにあります。デフレ不況を抜け出す鍵は、労働法制の規制緩和を見直し、消費税増税を中止するなど国民の所得を奪う政策をあらため、労働者や国民の所得を増やす対策に転換することです。
ところが、安倍自公政権の経済対策は、金融緩和、財政出動、成長戦略の3本の矢が出されましたが、金融緩和でいくらお金が市中に出されても、銀行が中小企業に融資しなければ健全な経済循環は生まれません。また、財政出動で公共事業を増やしても、高速道路の建設の再開、国際港湾の整備といった浪費型の公共事業から脱却しなければ、波及効果は限られ、財政危機を加速させるだけです。成長戦略も、規制緩和の拡大では、格差と貧困が拡大するだけです。いずれもこれまでの自民党政治ですでに破たん済みであり、来年4月から消費税増税を実施するための対策にすぎません。
このような国の予算を受けて編成された兵庫県補正予算は、総額1286億円のうち、「地域の元気臨時交付金」を含めると、約1000億円が公共事業です。浜坂道路や東播磨南北道路など地域高規格道路や石の寝屋公園整備など不要不急の公共事業が盛り込まれています。
これまでも県は1990年代に1兆円の公共事業中心の経済対策を繰り返し、また16兆円の阪神淡路大震災の復興事業をおこなってきましたが、県民の所得や地域経済への効果は限定的であり、県に大きな借金を残しました。
今回の補正予算について、県の負担はないといいますが、国の総額13兆円の補正予算のうち8兆円が借金です。国民の負担が増えることに変わりはありません。また、後で交付税で補てんされるといっても、地方自治体の職員の給料の減額を目的に、交付税削減が示されており、かつてのように今後も交付税の削減がないとは限りません。
今、必要なことは、県民生活を応援する事業で県民の所得を増やし、懐を温める対策です。不要不急の公共事業をやめて、老朽化・防災対策や、生活密着型を中心にするとともに、全国的にも県下でも、経済対策としての効果の実績がある住宅リフォーム助成制度や、安心こども基金も活用して保育所増設などの事業を、おもいきって増やす対策に切り替えるべきではないでしょうか。
地域の中小業者の仕事を増やし、雇用を増やし、こどもを保育所に安心して預けて働く人を増やすなど、経済波及効果は大きいと考えます。
今回の補正予算ではデフレ不況を克服することにつながらないと考えますが、知事の答弁を求めます。

○井戸敏三知事答弁:
まず兵庫県経済の再生についてです。このたびの補正予算は、デフレ脱却、景気喚起をめざす国の補正予算を活用して、その事業化を早急におこない、需要創出効果の発現による県内経済の活性化をはかることとしております。
今回追加する公共事業は、防災・減災対策としての地震・津波対策や、風水害対策、災害時にも機能を発揮させる老朽化対策、日常生活の安全を確保する通学路対策、地域間の交流を支える基盤整備など、県民の安全・安心の早期確保を基本として事業を選定しました。また、分離・分割発注などにより、発注ロットを小規模化したり、使用建設資材の県内産品の使用義務付けなどによりまして、執行段階での工夫を重ねることによりまして、県内中小建設業者の受注機会の確保や、地域の実需要の発現に勤めています。
国は先般、今般の経済対策の効果を加味して、来年度において、16年ぶりに名目が実質を上回る経済見通しを発表しました。この見通しどおり、デフレ脱却にむけた動きが進んでいけば、本県の名目成長率も改善し、経済・雇用へ大きく波及するものと考えています。兆しがでてきた経済再生を本格的なものに変えていくために、国の経済政策に連動して、公共投資や産業雇用政策を機動的に進めてまいります。
さらに、今回の補正予算に引き続き、来年度予算との間で切れ目のない対応をはかり、12月補正予算を加えた16ヶ月予算として、一体的な効果が挙げられるように進めてまいります。これらによりデフレ不況からの早期脱却をめざしてまいります。

下請け企業の利益や労働者賃金の確保を

次は公共事業のあり方についてです。
公共事業が地域の中小業者や労働者の仕事を増やし、所得を増やすことにつながらなければ、デフレ不況を克服することになりません。ところが、今、公共事業が低価格で入札され、下請け業者や労働者の利益がなく、仕事をしても損をするといった実態が広がっています。また、発注は地元の建設業者でも、下請け業者や労働者は遠方からという実態も広がっています。私たちは、公共事業において一定額以上の賃金の支払いを義務付ける、公契約条例の制定を求めてきました。今回実施される公共事業おいても、末端の下請け業者と労働者に一定額の利益と賃金が確保され、できるだけ地元の事業者と労働者に仕事が確保されるよう、県の指導のもとで実施することを強く求めます。
 また、公共施設の補修や耐震などに補正予算が注ぎ込まれていますが、施設の管理運営を指定管理者に委託している施設が大変多くなっています。今回の補正では、県が発注して責任をもって補修するなどの事業もありますが、指定管理者に補修などの工事を丸投げしている事業もあります。指定管理者に丸投げすれば、公共事業として取り組まれるにもかかわらず、県民には内容が見えません。
 公共事業として末端の事業者や労働者にいたるまで、賃金や利益を確保できるようにすることが、経済対策として大変重要だと指摘をしているのですが、指定管理者が実施する補修などの事業においても、透明性を確保し、事業者や労働者の所得と仕事が確保され、地域経済に効果がもたらされるものになるよう、県としての指導監督の仕組みが必要だと考えますが、知事の答弁を求めます。

○井戸敏三答弁:
公共事業のあり方、下請け企業、労働者の賃金保障についてのおたずねもありました。県が実施する公共事業においては、労働者の賃金水準や労働条件を適正に確保するため、労働基準法や最低賃金法などの労働関係法令を遵守するよう入札者に配布する入札のしおりや、契約時の仕様書に明記しています。
また、適正な最低制限価格を設定することによりまして、ダンピングの防止にも努めています。加えて、建設業における下請取引等の適正化をはかりますため、下請け取引の建設業法令順守ガイドラインを関係団体に周知しています。また、毎年、国と共同して、下請取引等実態調査を踏まえた指導も行っています。
指定管理者が実施する工事につきましては、指定管理者の公募に関するガイドラインや指定管理の基本協定におきまして、指定管理者に労働関係法令を遵守するよう、義務付けていますし、所管部局におきましては、協定に基づく定期的な事業報告で、施工状況の報告を求めていますとともに、工事完了後に行う現地調査のなかで適正実施を確認しております。公共事業に従事する労働者の労働条件は、法令遵守が当然のことです。さらなる措置が必要かどうかは、すでに公契約条例を制定している地方自治体の運用状況や、国の動向、他の地方公共団体における検討状況などの情報を集めまして、慎重に研究してまいります。今後も、地域への経済雇用への波及効果も見据え、可能な限り、県内中小企業の受注につながるよう配慮しながら、事業推進に努めてまいりますのでよろしくおねがいします。

金融円滑化法終了後の対策強化を

次は、中小企業への融資対策についてです。
県の中小企業制度融資の貸付実績は、件数でみると平成22年度は21,674件、平成23年度は15、472件、平成24年度は12月末現在で9403件と年々大幅に減少しています。
融資額も同様に減少しています。「借りても返せる見通しがない」といって借りる人が少なくなっているのです。まさにデフレ不況の実態を示しています。中小企業は地域経済のけん引力であり、雇用の7割を占めています。地域の中小企業への支援を強化することがデフレ不況から抜け出すことにつながります。
今回の補正予算には、金融円滑化法の3月末終了を見据えて「経営力強化保証」を活用した貸付制度がつくられています。厳しい経営に苦しんでいる中小企業にとって、金融円滑化貸付制度は、返済条件の変更などによって、返済額を減らし、営業を維持することができました。これが終了し、元の条件に戻すということになると多くの中小業者が倒産、廃業に追い込まれます。経営力強化貸付制度が、金融円滑化制度の役割を継続するものにならなければなりません。事業計画を策定することや、認定経営革新等支援機関による支援を受けることなどの条件が示されていますが、中小零細事業者に過大な負担となり、融資が受けられず、倒産・廃業といったことにならないよう、相談窓口をつくるなど特別な体制をつくり、一人ももれないように、金融機関や保証協会に丁寧に支援するよう指導を強化することを求めます。
また、多くの中小零細業者は、複数の融資を1本化することで、返済金額を減額して何とか経営を維持するといった金融対策を活用しています。しかし、県の制度融資と市や町などの制度融資の両方を借りている場合、融資を1本化することができません。借りている業者からみれば、違いはなく、保証協会も同じです。制度融資を利用しやすくすることは、多くの中小零細業者を救済し、ひいては地域経済の活性化につながります。京都府などではすでに実施されています。県と市や町の制度融資を1本化できる仕組みを是非つくるべきと考えますが、どうですか。合わせてお答えください。

○佐藤産業労働部長答弁:
金融円滑化法終了に伴う対策と県の制度融資の改善についてのおたずねです。
経営力強化保証は、中小企業者と金融機関に加えまして、税理士などの認定経営革新等支援機関が事業計画策定を支援することとされておりまして、策定にかかる中小企業者の負担感を軽減しますとともに、中小企業再生の実効性を確かなものにする意図がございます。
この制度及びこの制度を活用してこのたび創設します経営力強化貸付の相談に関してですが、県では、私どもの地域金融室並びに各県民局の商工労政課に設置している金融対策特別相談窓口で対応してまいります。また、兵庫県信用保証協会におきましても、本所及び6支所に設置している相談窓口においてきめ細かな対応を図ってまいります。
また、金融機関に対しましても、丁寧な対応をするように要請をしてまいります。
県と市町の制度融資についてですが、おのおのの自治体が地域の企業の状況等をふまえて制度設計を行い創設したものでございます。こうしたことから制度も相違する点が多々ございまして、一本化については課題が多いと認識しております。なお、借り換え貸付については、金融機関の一般保証付きの融資と県制度融資を併用している方の利便性を考慮しまして、平成18年度から一定の条件の下で両者をあわせた制度利用を認めているところでございますので、こうしたしくみも活用が図られるように努めてまいりたいと考えております。

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