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本会議 第307回本会議請願討論 杉本ちさと
2010年12月15日

私は、日本共産党県会議員団を代表し、請願第138号ないし第141号、第143号、第148号ないし第151号は不採択でなく採択を、請願第83号、第84号、第152号は継続でなく採択を、第136号は採択でなく不採択をもとめて討論をおこないます。

高齢者の年金引き上げ、最低保障年金制度を

請願第138号「高齢者の生活実態に見合う年金の引き上げを求める意見書提出の件」についてです。
高齢者の所在不明が次々に出て大きな問題になりました。
 また、今年夏、猛暑のなかを電気代が払えないためクーラーもつけず生活する高齢者が熱中症で倒れ、病院に運ばれるケースが相次ぎ、なかには亡くなられた方もおられました。 高齢者の貧困が大きく広がっています。
平均月額が4万8000円円余りの国民年金受給者が1000万人以上、無年金者が100万人。食べていけない、生活できない高齢者は増え続けています。最低保障年金制度がない現在、生きていくために、無年金者や低年金者に「生活支援金」を支給することは、まさに憲法25条の生存権を保障するものです。
 高齢者の多くが生活に大きな不安をかかえていており、2011年度は年金の引き下げを行わず、生活実態に見合う年金の引き上げを求める本請願は当然であり、不採択でなく採択すべきです。

次に請願第141号「最低保障年金制度の制定を求める意見書提出の件」についてです。
低年金・無年金者の広がりのなか、最低保障年金制度の早期創設の必要性は共通の認識となっているところですが、願意の通り、社会保障が最も必要な人に最も重い負担となる消費税に財源を求めるべきではありません。
1997年以降の12年で民間給与が一人当たり年に約60万円も減少するなど国民所得は減り続ける一方、資本金10億円以上の大企業は、内部留保金を100兆円も増やし、大企業にはお金がだぶついて使い道に困っていると聞いていると日銀総裁が国会答弁しているほどです。
 過去最高となっている合計244兆円もの大企業の内部留保金の一部を、国民の暮らしや社会保障などに還元する改革が必要です。能力に応じた負担を求めて税収を確保すべきです。
よって、本請願は不採択でなく、採択を主張します。

後期高齢者医療制度の廃止を

請願第139号「後期高齢者医療制度廃止を求める意見書提出の件」です。
後期高齢者医療制度は、75歳以上の高齢者を別建ての医療制度に囲い込み、医療費が増えれば高齢者の保険料を引き上げ、受ける医療も制限する世界でも類のない差別医療制度です。民主党政権は公約で「後期高齢者医療制度・関連法は廃止する」と銘記しているにもかかわらず、先送りにしました。 
今年8月、厚生労働省が発表した新しい医療制度案は、高齢者の殆どを国民健康保険制度に戻しますが、75歳以上を他の世代と別勘定にして、保険料が高くなる現行の仕組みを引き継ぐ内容になっています。 
また、この案は、国民健康保険制度の運営を、市町から都道府県単位に広域化しますが、市町の一般会計からの繰り入れや独自軽減策などもなくなり、保険料がさらに値上げとなるもので、まさに社会保障制度としての国民健康保険を壊すものです。差別医療制度の後期高齢者医療制度を速やかに廃止し、国民健康保険制度への国庫負担を大幅に増やして、社会保障制度として国が責任をもつことが求められます。 
 よって、本請願は不採択でなく採択を主張します。
請願第140号「70歳から74歳の医療費窓口負担引き上げ方針の撤回を求める意見書提出の件」です。
政府は、2013年度から段階的に、70歳から74歳の医療費窓口負担割合を現行の1割から2割に引き上げる方針を示しました。自公政権が後期高齢者医療制度の導入と同時に決めたものの、国民の強い批判をあびて凍結に追い込まれていたのを解除するものです。年金は下がり、負担は増えるなかで、生活が苦しい高齢者にとって、耐え難いことです。医療費が払えないための受診抑制がさらに広がることは必至です。
 凍結解除に異論があいつぎ、近藤かつのり日本福祉大学教授は「重い負担で低所得者ほど受診抑制が強いられており、窓口負担を全年齢で引き下げるべきだ」と主張しています。また、日本医師会の三上祐二常任理事は「軽症のときにアクセスをよくして重症化させないことが医療費抑制には一番効く」と再考を求めています。
本請願は不採択でなく採択を主張します。

公的保育制度の拡充、福祉予算の増額を

請願第143号「国における公的福祉制度の拡充と2011年度の福祉予算の大幅増額を求める意見書提出の件」です。
民主党政権がすすめる地域主権改革には、児童福祉施設最低基準の廃止をはじめ、特別養護老人ホーム施設・運営基準や障害者サービス事業等の施設・運営基準を廃止し、地方自治体の条例委任とするなど、住民生活に極めて重要な問題が含まれています。 
福祉施設などの最低基準は「健康で文化的な最低限度の生活」を保障するために定められ、「最低基準を超えて、常に設備および運営を向上させなければならない」とされています。単なる基準ではなく、国が財政保障をおこない、国基準以上のことは自治体が独自性を発揮しておこなっていく仕組みになっているのです。このナショナルミニマムをなくすことは、住んでいる自治体によって格差を作り出すことにもなります。
 今年11月27日、日本弁護士連合会は、児童福祉施設について地方自治体に委ねるのでなく、最低限のナショナルミニマムを堅持すべきとの意見書を提出しました。 
国は責任を放棄するのでなく、福祉予算を大幅に増額して、生活弱者の生きる権利を守るべきです。   よって、本請願は不採択でなく採択を主張します。

教育予算の増額を

次に、教育に関する4件の請願についてです。
まず、請願第148号 「国の教育予算を増やし、教育費の無償化、父母負担軽減、教育条件の改善を求める件です。
どの子にもゆきとどいた教育を願って、6万7160名から請願が出されました。願意にあるように、子育て世代が低賃金状態におかれ、貧困が広がる中で、教育を受ける権利に格差が生じています。世界では当たり前の「教育無償」を日本でも実現すべきです。
また、先進国のなかでも劣悪な日本の教育条件の改善も急ぐべきです。そのために、国の教育予算の大幅増額とともに、県としての教育条件整備の努力が求められています。
30人学級はその方向は示されたものの、来年度予算では、特別枠扱いです。請願の願意が、県として国にさきがけて30人学級を小・中・高で早期に実施するとともに、当面、現在小学校4年生までの35人学級を高学年でも行うことを求めているのは当然です。
また、いま県で検討されている高校の統廃合や通学区の拡大は、高校教育を受ける権利をせばめかねず、希望するすべての子ども達に高校教育を保障すべきだという願意を受け止め、行うべきではありません。
よって、不採択でなく採択を求めます。

次に、「第149号教育費負担の公私間格差をなくし、子供たちにゆきとどいた教育を求める私学助成に関する件」及び、「第150号私立高校生が学費を心配せず学べるように、学費軽減制度の抜本的拡充など私学助成の増額・拡充を求める国への意見書提出の件」です。
県内の私立高校で学ぶ生徒は25%、3万6000人と、大きな比重を占めています。
公立高校の授業料無償化にともない、公私間格差はいっそう拡大しました。県下の私立高校の初年度納付金は、平均85万円にものぼります。
就学支援金が支給されることになりましたが、県は、独自予算の軽減補助を12億円から6億円へと半減してしまいました。その結果、授業料が無償となった世帯は多く見積もっても私立高校生のいる家庭の約18%に過ぎず、なお数十万円の重い負担が残されています。
経常費補助についても、県は、「国の交付税措置が増えているから」と独自の補助を減らし続けています。
私立高校生もお金の心配なく学べるよう、第149号で授業料軽減補助制度の拡充と経常費補助拡充、施設・設備の改善を求め、第150号で国にも意見書を出すよう求めている願意は当然です。不採択でなく採択を求めます。

次に、第151号「教育予算を増額し豊かな障害児教育の実現を求める件」です。
障害者の権利条約にある、誰もが排除されることのない社会という理念の実現のため、障害のある子どもたちの教育に十分な予算を保障し、よく配慮された教育環境を整えるべきだというのが請願の願意です。
現状は、特別支援学校は、施設整備が遅れており、子どもたちは教室や運動場や教師も不足する劣悪な教育環境の中で学んでいます。スクールバスに添乗し子どもの安全を守る介助員は、民間委託がすすめられ、学校現場と連続したバス中での療育が難しくなっています。
障害のある子供たち一人ひとりに応じた支援は社会全体の責任であり、教育条件の充実を求める願意は当然です。不採択でなく、採択を求めます。

教育に関する請願について「財政難だから」という理由で不採択にする意見がありますが、教育は国民の権利であり、公費による教育を拡充するという立場で努力するのは政治の責任です。対GDP比で3・3%と、OECD加盟の28カ国中、最下位という低さの日本の教育予算と、類似府県にくらべ低い割合に抑えられている県の教育予算を抜本的に引き上げることこそ求められています。

第二次新行革プランで、こども医療費助成の対象者削減やめよ

次に、請願第152号、「県第2次新行革プラン(第一次案)」による「子供の医療費助成制度の削減」の見直しを求める件」です。
第2次新行革プラン第一次案は、乳幼児等・子ども医療費助成事業について、所得判定単位をこれまでの同一世帯内の最上位所得者から世帯合算へと、「自立支援医療」にあわせてかえるものです。全国的には、所得制限なしの府県が3割、児童手当法準拠が約6割であり、兵庫のように「自立支援医療」を理由に所得制限を強化する例はほとんど見当たりません。
こどもの医療費助成は、通院は小3まで、入院は中3まで対象が拡大し、市町の上乗せにより西宮市や小野市、福崎町などで中3まで無料化が実現するなど喜ばれてきました。
請願は、それが今回の案により5万5000人も対象外になることを「子育て世代の女性たちに不安を与えている」と、子育て応援の観点に逆行することを指摘しています。「安心して子どもを産み育てられる兵庫県」をもとめて、医療費助成削減を見直すことを求めた願意は当然です。
行革特別委員会で審議中であることから、本請願を「継続」としていますが、結論を出してからでは願意を生かすことにはなりません。よって継続でなく今議会での採択を求めます。

次に、請願第83号、第84号、「裁判員制度の適切な実施にむけた諸条件の整備と取調べの可視化を求める意見書提出の件」についてです。
これまで繰り返しのべてきたとおり、裁判員制度の実施にあたって、裁判員になった市民の休暇や心のケアなど負担軽減をはかり参加しやすい環境をととのえること、冤罪を生まないよう取調べの可視化をおこなうことを求めた本請願の願意は当然です。
全会派が紹介議員になっている本請願の継続審議は、2年間・11議会にわたっており、これ以上いたずらに審議をひきのばす理由はないと考えます。よって、継続でなく採択を求めます。

永住外国人の地方参政権の実現を

最後に、請願第136号、「永住外国人への地方参政権付与の法制化に慎重な対応を求める意見書提出の件」についてです。
 永住外国人への地方参政権の付与は、以下3点の理由により行われるべきものだと考えます。
第一に、その地方にかかわる問題はその地域に居住する住民の意思によって決められるべきであるという憲法の「地方自治の本旨」からみれば、地方自治と切り離せない生活を送っている永住外国人に地方参政権を付与することは当然であること。
第二に、基本的人権の柱として、OECD加盟国30か国中26カ国がなんらかの形で外国人の地方参政権を認めているなど世界の趨勢になっていること。
第三に、「特別永住者」は、戦前の日本の植民地支配によって強制的に「日本人」に組み入れられ、戦後一方的に日本国籍を喪失させられたという歴史的な経過があるということです。
本請願は、憲法第15条一項、公務員の選定などは「国民固有の権利である」という規定や、第93条二項地方自治体の首長や地方議員などは「その地方公共団体の住民が直接これを選挙する」という規定、また、「平成7年2月28日の最高裁判決」をもって、外国人への参政権付与に憲法上問題があるかのようにのべていますが、そうではありません。
たとえば、憲法上の納税の義務について定めた条項では「国民」には外国人もふくまれています。また、「固有の権利」とは、「国民にしか与えてはならない権利」ではなく、「国民から奪ってはならない」「他人に譲り渡してはならない権利」と解釈されています。ですから憲法のこれらの規定が「外国人に参政権を認めてはならない」ことを定めたものだということはできません。
本請願が引用している「平成7年2月28日の最高裁判決」は、第93条など憲法の地方自治の規定に触れ、永住外国人について「法律をもって地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与する措置を講ずることは憲法上禁止されているものではないと解するのが相当」とも述べてきます。したがって、本請願の指摘とは異なり、むしろ「憲法上問題はない」ということをのべています。
本請願は、地方自治体が国家の存立にかかわる事柄に深く関与しているから、「永住外国人に地方参政権を付与すれば国政にも大きな混乱を招きかねない」と述べています。
地方自治体が国政上の問題について発言することは、「地方自治の本旨」からいって当然のことです。しかし一方で、地方自治体は、「法令に違反しない限りにおいて…条例を制定できる」という地方自治法第14条の定めにあるように、憲法や法令に違反するかたちで独自の判断はできないことになっています。したがって、「国政上にも大きな混乱をまねく」から付与できないとの主張も妥当ではありません。
本議会は、95年に、国に対し、定住外国人に地方参政権を付与する新たな立法措置を講じるよう強く要望する意見書を全会一致で可決し提出しています。以来15年がたっており、永住外国人への地方参政権付与の法制化は、むしろ早期実現にむけた前向きの議論こそ必要です。法制化に「慎重な対応」を求めている願意には賛同できず、不採択を求めます。
 以上、議員各位のご賛同をお願いし、私の討論を終わります。


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