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本会議 第303回本会議請願反対討論 ねりき恵子
2009年12月14日

私は、日本共産党県会議員団を代表し、請願第109号、第110号、第117号、第118号、第120号ないし第122号は不採択でなく採択を、請願第4号、第5号、第15号、第83号、第84号、第98号、第99号は継続でなく採択を、請願第123号は、採択でなく不採択を求め、また請願第108号は不採択を求め、以下討論を行います。

障害者自立支援法の廃止を


請願第109号、障害者自立支援法の廃止を求める意見書提出の件についてです。
障害者が必要な福祉サービスを受益とみなし、1割負担を課す「応益負担」が、障害者とその家族を苦しめていることは、繰り返し述べてきたところです。障害が重いほど負担が重く、障害者が生きていくうえで必要な福祉サービスに利用料を取る「応益負担」自体、障害を「自己責任」とみなす誤った考えであり、認められません。
昨年5月、国連で発効された障害者権利条約は、その第1条で、「障害のあるすべての人に、すべての人権と基本的自由を完全かつ平等に保障し、それによって障害者の固有の尊厳を守り発展させることを目的」としており、自立支援法の「応益負担」は、この趣旨とは相容れないものです。
一方、政府も、障害者自立支援法廃止後の仕組みづくりを検討する考えを示したものの、来年度予算への応益負担廃止の具体化はされておらず、障害者の不安は増大しています。
応益負担を求める障害者自立支援法は早急に廃止し、国連の障害者権利条約と、生存権・基本的人権をうたった日本国憲法の精神にもとづく障害者施策こそが求められており、本請願は不採択ではなく採択すべきです。

保育基準の引き上げと予算の増額を

請願第110号、現行保育制度の堅持・拡充と保育・学童保育・子育て支援予算の大幅増額を求める意見書提出の件についてです。
急激な少子化が進むもとで、保育をはじめ子育て支援の充実を求める国民の声を受けて、国の衆参両院でも、この間4回にわたり現行保育制度の堅持・拡充と保育・学童保育・子育て支援施策の拡充と予算の大幅増額を求める請願が採択されています。
ところが、この12月8日に閣議決定の緊急経済対策の中で打ちだされた「保育制度規制改革」や、12月9日の厚生労働省・社会保障審議会少子化対策特別部会の報告では、利用者と保育所との「直接契約制度」や、株式会社などの参入を促進するための「指定事業者制」の導入などが検討されています。
これは、国民から大きな批判を受けた小泉構造改革と同様の規制緩和で、国や地方自治体の保育の責任を明記した現行保育制度を、改革という名で保育を市場原理にゆだねて、公的責任を後退するものであり国民の願いとは逆行するものです。
格差と貧困が広がる中、生まれた家庭の経済状況によって、こども達が受けている保育内容にも格差が生まれています。次代を担うこども達を、一人の人間としてすこやかに育てる環境をつくることは、国や自治体が担うべき公的責任であり、保育に関わる最低基準を引き上げ、予算の増額を求める願意は当然であり、採択を求めます。

請願第117号、地域を支える中小業者への支援を求める件についてです。
深刻な不況と金融危機が、中小業者の経営を直撃しています。2008年の中小企業の倒産件数は1万5000件を超え、仕事と売上の激減、資金繰りの悪化で、多くの中小企業が倒産と廃業の淵に立たされています。
また、経営難に陥った経営者が、家族や融資の保証人に迷惑をかけまいと、生命保険を当てにした自殺が後を絶たず、全国で3000人を超える中小業者が自殺をしているのが実態です。
全ての制度融資に3年間の返済猶予を求めるなどの融資条件の拡充に対し、金融機関の資金繰り悪化の影響が懸念されるなどの意見もありますが、昨年1年間で3大メガバンクは、中小企業むけ貸し出しを2兆6000億円も減らしており、中小企業への「貸し渋り」「貸しはがし」問題の解決こそ求められています。
雇用と所得を生みだし、地域経済と住民生活を支える中小業者を支援することを求める本請願は採択すべきです。

日米FTAに反対

次に、請願第118号「EPA・FTA推進路線の見直しを求め、日米FTAの推進に反対する意見書提出」の件です。
世界的に食糧危機が深まりつつある中で、それぞれの国が主要食料の増産を図り、食料自給率を高めて、事態を打開することが求められています。
しかし、日本の食料自給率はわずか40%で、先進国の中でも異常な低さです。
農業を再生し、食料を増産するためには、国内の農業経営を安定させ持続できる条件を保障する制度を整備・充実することが最も重要です。これまでの輸入自由化の路線を根本的に見直さなければなりません。
農業をめぐる自然的・社会的条件には国ごとに違いがあり、生産条件の格差から生まれる不利を是正するため、関税や輸入規制など必要な国境措置がとられています。こうした国境措置はどの国でも維持・強化することは当然です。
ところが、民主党政府は、戸別補償とセットで日米FTA交渉の促進をマニフェストで打ち出しており、交渉により関税が撤廃されれば「壊滅的打撃を受ける」と農家から大きな批判と心配の声があがっています。
本請願の願意は、輸入自由化推進路線を改めて、日本の農業をたてなおし、食料自給率を向上させることを求めたものであり、採択すべきです。

次に、請願第120号「教育格差をなくし、子供たちに行き届いた教育を求める私学助成に関する件」、第121号「教育格差をなくし、子供たちに行き届いた教育を求める件」および第122号「教育条件を整備し、豊かな障害児教育の実現を求める件」についてまとめてのべます。
総選挙では、貧困と格差の広がりのなか、子どもたちの教育を受ける権利がおびやかされている現状を大きく変えたいとの国民の願いが示されました。総選挙後も、この願いは引き続き大きく、3つの請願の署名者数は合計で28万人にものぼっています。
世界一高い日本の教育費が大きな問題になっていますが、国際的に見ると、日本では教育機関への公的支出が最低レベルであり、OECD「図表で見る教育」2009年版においても、GDPにしめる割合が28か国中27位となっています。
雇用状況が悪化し家計が苦しい中で、2008年度の就学援助の対象の小中学校児童数は前年より1万5000人増の143万6000人と、過去最多となっています。高校でも、授業料が払えず退学を余儀なくされる生徒や、貸付しかない奨学金を借りざるをえず、卒業した途端に借金をかかえる生徒がいます。私学では、初年度納入金が88万と公立の7倍を超えていますが、高校授業料の無償化は実現していません。生まれた家庭の経済的事情により、教育を受ける権利が奪われてはなりません。いまこそ、抜本的な教育費負担軽減に踏み出すときです。
また、国と地方自治体の財政削減により、教育条件が劣悪になっていることも見過ごすことはできません。
兵庫県では、教育費が予算にしめる割合が類似府県で最低です。
全国で34府県が中学校でも少人数学級を実施しているなかで、兵庫県は小学校4年生までと遅れています。
また、困難をかかえながら学ぶこどもたちの砦である定時制高校の募集停止がされるなど、県行革による財政削減がこどもたちの教育条件までそこなっています。
さらに、県行革は、障害をもつ子どもたちも犠牲にしています。
通学のスクールバス介助員を民間委託しているために、知的障害をもつこどもたちのパニック・発作などに対し学校と連携した的確な対応がむずかしくなる事態が起こっています。
県行革による教育予算の削減は中止し、予算を抜本的に増やすべきです。
3つの請願の願意は、教育費の負担を減らすとともに教育条件を整備することにより、格差をなくしどの子にも行き届いた教育を求める当然のものであり、採択を求めます。

つぎに、請願第123号「教員免許更新制に関する意見書提出の件」です。
「教員免許更新制」は、「教員の質の向上」を名目にして、教員免許に10年間の有効期限を設定し、更新するためには、更新講習を計30時間受講する必要があるというものです。教育基本法の改悪につづき、中央教育審議会でさえ「導入には無理がある」としてきた免許更新制を、時の安倍首相が強引に法律を通して具体化させました。
そのねらいは教員の身分を不安定にして、更新を梃子に、政府の言いなりの「物言わぬ教師」作りを進めることです。こうした統制の強化は、教育現場の萎縮をもたらすだけで、現在の教育の課題解決にはつながりません。信頼される教育現場づくりのためには、教師が専門家として尊重され、自由にものが言え、お互いに高めあえる状況こそ必要です。
しかも、現在の教員免許更新制は、大量の「講習」が義務付けられるにもかかわらず、講習の開設義務がどこにもなく、講習中の代替要員もないなど制度的にも破綻しており、政府が廃止方針を決めたことは当然です。
よって、本請願は採択ではなく、不採択を求めます。

「非核兵庫宣言」を

つぎに、請願第98号、「非核日本宣言」を求める意見書提出及び県として「非核兵庫宣言」を行うことを求める件、請願第99号核密約の全容公表、破棄、非核三原則の厳守を求める意見書提出の件についてです。
広島・長崎に原爆投下されて64年、核兵器廃絶へ向けて世界が大きく変わろうとしています。
NATOをはじめ世界各地域の軍事同盟が縮小・解体する一方、TAC東南アジア友好条約やアジェンダ非同盟諸国連合が力を発揮する中で、「核の傘」のもとにある国は、国連加盟国192か国中ごく一部となっています。今年9月には、国連安全保障理事会で、「核兵器のない世界」をめざすとする決議は全会一致で採択されました。
また、アメリカの艦船が、核を搭載したまま日本に寄港することは事前協議の対象としないという「日米核密約」があったことが、アメリカ政府の公文書や元外務次官の証言から明らかにされました。その全容を公表するのは、日本政府の責任であり当然のことです。
来年5月には、NPT核不拡散条約再検討会議が開かれるなど、国際的にも平和への流れが大きくなっています。
原爆認定訴訟で勝ちつづけている被爆者の方々の、「ノーモアヒロシマ・ノーモアナガサキ」の心からの叫びを受け止め、唯一の被爆国として世界に平和を発信していくためにも、非核三原則を厳守し、「非核日本宣言」を行うこと、兵庫県としても県管理の港に「非核神戸方式」を導入し、「非核兵庫宣言」を行うべきであり、本請願は継続でなく直ちに採択を求めるものです。

つぎに、請願第4号次期定数改善計画の策定・実施、義務教育国庫負担制度の堅持を求める意見書提出の件、及び請願第5号義務教育国庫負担制度を堅持するとともに充実・発展をすることを求める意見書提出の件についてです。
義務教育国庫負担制度は、全国全ての地域で必要な教職員を確保し、義務教育の機会均等と教育水準の維持向上を図ることを目的としています。しかし、国は国庫負担を縮小し、さらに、「三位一体改革」で国庫負担率を二分の一から三分の一に削減しました。また、第八次教職員定数改善計画が策定されず、教員やこども達など教育現場に深刻な影響を与えています。教職員を増やし少人数学級を実現して欲しいという国民の声にこたえるべきです。よって、本請願は継続でなく採択を求めます。

つぎに、請願第15号、政務調査費の領収書の公開範囲拡大を求める件についてです。
政務調査費の使途を1円から県民に明らかにすることは、税金である以上当然です。これまでも述べてきた通り、いつまでも継続にせず直ちに採択をすべきです。

次に、請願第83号、請願第84号裁判員制度の適切な実施に向けた諸条件の整備と取調べの可視化を求める意見書提出の件についてです。
本年5月から裁判員制度が始まり、裁判員として参加しやすい環境の整備や裁判員のこころのケアなど様々な条件の整備が求められています。また、再審が始まった足利事件でも取り調べによる自白の強要が争点となっているなど、冤罪(えんざい)を生まないために、取調べの全てを可視化することは不可欠であり、本請願は継続でなく採択を求めます。

最後に、請願第108号、「選択的夫婦別姓を認める民法の一部改正」に反対を求める意見書提出の件についてです。
現行民法は、婚姻にあたり夫婦同姓が強制され、女性の社会進出が進む中、婚姻による姓の変更が女性にとって不利益を与えており、結婚しても旧姓を名乗れるようにしてほしいという願いは切実です。
政府の世論調査でも、別姓に賛成(42%)が反対(30%)を上回り、「別姓では家族の絆が弱まる」と言う意見についても、「家族の一体感には影響がない」とする人が半数を超えるなど、当時の自民党政府は、国民の理解を示す「きわめて重要な変化」として受け止め、1996年には法制審議会が、選択的夫婦別姓制度を含む民法改正の答申を出しました。また、国会では、日本共産党などの野党共同の議員立法が繰り返し提出されたものの、いまだに法改正は実現していません。
近年、改姓によって受ける不利益や不都合を避けるために、婚姻後も旧姓を「通称」として使用する人も増えていますが、運転免許証、パスポート、印鑑登録などは戸籍名しか使用できず使い分けに伴う混乱や不利益は解消されません。
こうした矛盾を解決するためには、夫婦が希望によって同姓、別姓を選択できるよう民法を改正することが求められます。
諸外国をみても、夫婦別姓を選択できる国が大多数であり、夫婦同姓を強制している国は、法務省によれば日本・インド・タイの三カ国であり、極めて少数となっています。
憲法で保障された「個人の尊厳と両性の平等」の精神を生かし、選択的夫婦別姓を認める民法改正を実現することが早急に求められており、本請願は委員長報告のとおり不採択を求めます。

以上、議員各位のご賛同をお願いして、私の討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。

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