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本会議 第299回本会議一般質問 新町みちよ
2009年2月26日

今年県知事選挙と総選挙がおこなわれます。新自由主義的な構造改革がもたらした格差と貧困をただす政治の役割が大きく問われています。憲法をくらしに生かす政治への転換を求め、以下質問いたします。

内需拡大重視の県政運営・予算編成への抜本的転換と新行革プランの撤回を

■質問■ 政府は2008年のGDPが年率12.7%減と大幅なマイナスになったと発表しました。墜落するような落ち込みですが、この要因は、日本経済があまりにも輸出に依存しすぎていることと、国内の家計の基盤があまりにも弱くなっているからです。
経済を立て直し、景気回復させるためにも、雇用の安定や社会保障の充実、国民の懐を暖める内需拡大が不可欠です。
 ところが、「国際競争力をつけるため」と称して、大幅減税など恩恵を受けてきたトヨタ、キャノン、ソニーなど世界に名だたる大企業が真っ先に派遣切りをおこない、正社員まで解雇しようとしています。これでは消費購買力をさらに冷え込ませ悪循環に陥るだけです。
兵庫県も国と同様に、大企業応援の施策をすすめてきました。全国にも例がない、投資額の3%で上限なしの設備投資補助を出し、大企業に役立つインフラとして、高速道路をはじめ、空港やダム建設など大規模な公共事業を優先してきました。結果、大企業やゼネコンは大もうけしましたが県民はその恩恵を受けることなく、2006年度と2001年度を比較すると民間法人企業所得が164.5%に増えているのに対し、雇用者の賃金は94.8%に下がっています。
大企業優遇の姿勢は阪神淡路大震災でも現れました。震災復興事業費のおよそ八割を「創造的復興」と称して震災以前から計画していた大規模開発などにつぎこみました。関空2期工事や神戸空港の建設、新都市づくりなど、県民の苦難をよそにまさに「チャンス」とばかりに実行したのです。
このような公共事業は借金を大幅に膨らませ、ツケは県民にまわされました。
私は昨年十月の本会議で、知事が「県民の生活不安を確実に受け止め、安全安心を確保する」といわれるなら、県民のふところをあたため、暮らし応援の福祉、教育や医療の充実こそやるべきだとのべました。
新年度予算はこの立場で、編成すべきではありませんか。
新年度は、「新行革プラン」が本格実施となります。県職員の定数、給与の削減や健康福祉事務所、農業改良普及センターなどが廃止・縮小されます。また「水準を維持する」と知事が公約されていた老人医療費助成など、福祉医療が大幅改悪される一方で、新名神、大阪湾岸道路西伸部や播磨臨海地域道路など不要・不急の公共事業をすすめる姿勢は変わりません。
不況にさらされる県民のくらしは厳しく、13日付神戸新聞では、神戸市や明石市で生活保護が六割増しだと伝えています。私たちが受けた生活相談などでも、「解雇された。お金も家もない」「水道をとめられた姉妹が公園に水を汲みにきている」「20代の夫婦が赤ちゃんをかかえホームレス」など深刻です。
中小零細企業や商工業者も、単価の切り下げや銀行の貸し渋り、貸しはがしでたちゆかず、「物が売れない」「年度末が不安」と心配されています。
また、明石ではノリの色落ちに加え船舶衝突事故の補償もいっさいなく、続けられないとやめる人もでており、農業でも米価の暴落や高齢化など第一次産業は衰退の一途です。
百年に一度の破局といわれる今こそ、大企業優遇の県政運営の誤りをただし、大企業誘致補助金を見直すとともに、「新行革プラン」は撤回し、県民の福祉・教育・医療の充実、中小零細企業や農業、漁業を応援する予算へ抜本的に改めることを求めます。少なくとも、福祉医療改悪の七月実施は見合わせるべきだと考えますがいかがですか。

▼答弁▼井戸知事: まず、新行革プランと、平成21年度当初予算についておたずねがありました。
行財政構造改革の取り組みは、震災復興の過程で悪化した本県財政の改善をはかり、県民の要請に的確に対応できる持続可能な行財政構造を確立しようとするものであります。改革を着実に実行していくことにより、県民生活の安定を確保し、元気で安全な兵庫の再生が実現できるものと考えています。平成21年度の財政運営は、昨年秋以降の急激な経済・雇用情勢の悪化を背景に、きびしいものであります。それだけにまずは、経済雇用対策に万全を期すことを第一の課題としています。中小企業制度融資について20年度に引き続き過去最大の目標額5000億円を確保し、中小企業の資金繰りを支援することにしました。また、県立学校の耐震化等の前倒し実施により、事業量を確保し、工事の分離分割発注により、中小企業の受注機会も拡大しています。さらに、時限的な緊急雇用対策だけではなく、福祉・教育・農業など、人材不足分野等における継続雇用対策の面からも雇用確保をはかるほか、離職者の生活安定のための緊急特別資金を創設しました。また、法人県民税超過課税を活用して、乳幼児、子育て応援や、妊婦健康診査費助成の拡充をはかるとともに、小学校4年生から中学生までのこども医療費助成制度の創設の準備を進めるなど、新時代の兵庫づくりにむけた課題への対応をはかっています。
ご指摘の老人医療費助成は、65歳から70歳の方々を一律に弱者とするのではなく、多くの府県が、制度を廃止する中で持続可能な制度として助成対象を低所得者層に重点化するものであります。障害者や乳幼児等医療費助成は、その所得制限について自立支援医療制度を上回っている水準にありますので、これとの整合性をとろうとするもので、見直しに際しては、低所得者の範囲を拡大し、周知期間や経過措置も設けたところです。生活保護についても、適切な運用を指導しています。今後とも、行財政構造改革を着実に実行するとともに、経済・雇用や、県民生活の状況等をふまえ、機動的に施策を展開することにより、経済雇用の対策や、県民生活の一層の向上をはかってまいります。

非正規労働者・期間工の解雇中止・正規雇用を企業に求めよ

■質問■ 次に、雇用の問題でお聞きします。
「派遣切り」が大きな社会問題になっています。年度末にむけ、正社員も含めさらに大量の解雇が行われる様相で、厚生労働省の調査でも全国で12万5千人が、製造業では40万人といわれています。県下でも三菱マテリアル、三菱重工、ナブテスコや日本トムソンなど派遣の中途解除や雇い止めなどが行われています。
二月四日の志位委員長の予算質問に対し、政府は「派遣はあくまでも臨時的、一時的な場合に限る」「正社員を派遣に置き換え」てはならない、「3年を超えると直接雇用の申し込み義務があり、「偽装請負もクーリング期間も」「派遣期間に通算する」と答弁しました。また、同一労働で三年を超えてはならないことから、2009年3月を待つまでもなく、とっくに企業には直接雇用義務が発生していることが明らかになりました。
ナブテスコや三菱重工の労働者は、解雇は派遣法違反であるとして直接雇用を求めています。県としても、県下の企業に対し「通算」で派遣期間を過ぎた企業に法を守り直接雇用の義務を果たすよう強く働きかけ、大量解雇をやめさせるべきです。
大企業には、雇用を守り、賃上げする体力は充分あります。資本金10億円以上の大企業では230兆円の内部留保を溜め込み、製造業約5200社でみても、2001年度から07年度の伸び率は135.9%、株主配当や、役員給与・賞与も大幅に増えています。
 一方で、従業員給付は94.5%に低下し、「労働力調査」によれば1999年から2007年にかけて、正社員は156万人減り、派遣・契約社員は157万人増えています。内部留保の大半は人件費削減によるものです。
麻生内閣も「内部留保はこういうときに活用を」と表明しており、内部留保を取り崩し、「雇用」も「賃上げ」もせよ、は世論になりつつあります。大企業は社会的な責任を果たすべきです。
県から雇用補助金をもらった企業は特別に責任が問われます。尼崎に進出したパナソニックプラズマディスプレイは、企業誘致の際「雇用補助金」をもらいながら派遣、請負と不安定雇用をつづけ、偽装請負が告発されると2年3ヶ月と期限を切った期間工として直接雇用しました。
しかし、今度は、今年1月末でその期限がきたと「期間工」を「雇い止め」にしました。パナソニックは国内外で1万5千人を解雇すると報道されています。
雇い止めされた人は、「遅刻、欠勤もなくまじめに働いてきた。正社員の試験すら受けさせず、一ヶ月前の解雇予告もなく、契約切れだと首を切るのは不誠実」と怒りをあらわにされています。
企業は期間工を解雇規制を免れるための手段として利用してきましたが、ヨーロッパなどでは、期限を区切った雇用についても「解雇」とみなし、理由のない有期雇用を規制しています。
パナソニックには、今後IPSも含め218億円もの莫大な税金が投入されます。知事は昨年10月議会で、私の質問に対し、パナソニックに「できるだけ正規雇用としての確保が図られますよう、要請をしていきたい」と答弁されましたが、雇用補助金を出した他の40の企業と同様に、一編の文書を出されただけです。これでは責任を果たせたとはいえません。
兵庫県は知事を本部長に緊急経済・雇用対策推進本部を昨年12月に立ち上げ、各県民局にも地域本部をつくっています。企業を直接訪問するなど、県下の実態を調査の上、中途解雇などの中止、派遣法に基づく直接雇用を企業に求め、とりわけ補助金をだした企業には責任を果たさせるべきです。また知事自らパナソニックに対し希望するすべての期間工を正社員に採用するよう求めるべきだと考えますが、いかがですか。責任あるご答弁をおねがいします。

▼答弁▼井戸知事: 世界的な金融危機に端を発して、本県経済が減速する中、急速な雇用環境の悪化に伴い、派遣労働者をはじめとする非正規労働者の雇い止めなどが、増加している状況にありますことから、県としましても、主要経済団体に対して、派遣労働者の直接雇用化や、非正規労働者の雇用維持、安定等を強く要請してきております。加えて、企業立地に伴う、雇用補助を行った企業に対しましては、企業の将来を支える基盤人材の確保、意欲と能力を十分発揮できる就業機会の確保の観点から、正社員雇用の一層の拡大に対する積極的な対応を要請してきております。引き続き、同様の要請を行ってまいります。
さらに、緊急経済雇用対策推進本部のもとで、就職・面接会の継続的な開催をおこないますとともに、福祉・介護分野等における離職者訓練の大幅な拡充を実施いたします。また、兵庫しごと情報広場における再就職支援を強化するとともに、その他、緊急雇用基金などを活用した、雇用機会の創出や離職者の生活安定に全庁的にとりくんでまいります。
また、県庁及び県民局において、県内企業を直接訪問し、景況感や生産状況等を調査していますが、このたびの県内雇用情勢の悪化を受け、ひろく県内企業を対象に、アンケート等による大規模な緊急経済雇用調査を実施し、経営状況や、雇用状況、資金繰り状況など、詳細な現況把握に努めてまいります。
 なお、パナソニックに対しましては、従前から正社員雇用の拡大を強く要請してきており、現に、希望者については、入社試験のうえ、雇用を行っていると聞いています。先日の、商工会議所会頭会議でも、この旨の報告がありました。私からも、この1月にお会いした幹部や尼崎での会合において、現地責任者へ要請をいたしました。今後も、機会をとらえて、積極的に対処かた要請してまいります。

すべての人に医療を保障するセーフティネットの構築を

■質問■ 次に、すべての人に医療を保障するセーフティネットの構築についてです。
県下では、国民健康保険世帯の約2割が保険料を払えず、そのうち約1万世帯が保険証を取り上げられ、必要な医療が受けられません。
また、ホームレスや失業者など、「患者になれない病人」が増え、国民皆保険制度が崩壊の危機に直面しています。
すべての住民に必要な医療を保障するためには、まず第一に、県が国民皆保険制度を守る立場で、保険証の取り上げを行わせないことです。
 国民健康保険法の上では、病気などの場合、保険料の滞納に関係なく保険証が発行されることになっていますが、機械的な保険証取り上げがあとをたちません。
 また、今心配なのが、保険料を払えない「後期高齢者」からの保険証取り上げです。
 兵庫県では、年金収入が無いか低すぎるために保険料を天引きされない「普通徴収者」の中で保険料の滞納が、1万5千人にのぼっています。「後期高齢者」から保険証を取り上げないよう県が手をつくすべきです。
 第二に、窓口で医療費を支払えない困窮者のための対策です。
わが党は、国保法44条による一部負担減免制度の活用を求め、県も市町に徹底すると答弁されましたが、実際にはほとんど使われておりません。改めて市町に徹底すべきです。
同時に、厚生労働省も提言している無料・低額診療事業の活用をもっとはかるべきです。
 無料・低額診療事業は、お金がなくても必要な医療が受けられるよう、知事に認可された医療機関が、患者負担を減免し無料または低料金で診療できる制度です。
厚生労働省は従来、制度の活用抑制を図ってきましたが、昨年、低所得者の医療確保の上で重要であると認め、抑制方針を事実上撤回しました。
しかし、県下の実施医療機関は、現在神戸市に2か所、淡路に1か所あるのみです。実施医療機関は固定資産税等が免除されますが、減免した患者負担分は持たなくてはならず、大変です。
 そこで、国民皆保険制度を守る立場で、医療の必要な人から保険証をとりあげないよう、県として市町や後期高齢者医療「広域連合」に徹底することを求めます。また、県立病院をはじめ、県下の医療機関に無料・低額診療事業の実施を働きかけ、実施医療機関に対して、県として支援を行うことを求めますが、いかがですか。

▼答弁▼細川健康福祉部長: 災害、失業や廃業など正当な理由なく、1年以上保険料を滞納した者に対する資格証明書につきましては、市町国保や広域連合にその交付が義務づけられています。国保につきましては、短期被保険者証を活用して、滞納者との接触の機会を増やすこと、あるいは、資格証明書の画一的な交付は行わないことを基本に、滞納者の実態を把握し、分割納付や徴収猶予などきめ細やかな対応をおこなうよう、保険者であります市町に助言しております。また、後期高齢者医療制度につきましては、制度創設初年度でありますことから、広域連合は、県や市町と協議をし、この年度内に国保と同様の取扱いを基本としました交付基準を策定する予定としております。
県といたしまして、引き続き市町や広域連合に対しまして、適切な対応を助言することにより、制度の適切な運営に努めていくつもりです。
無料・低額診療事業につきましては、生活保護受給者及び、無料または診療費の10%以上の減免を受けた者ののべ数が、のべ取扱い患者数の10%以上であるというような基準があります。この実施にあたりましては、医療機関の診療機能や、その地域におけます低所得者の受診状況が異なることから、一律に働きかけをするのではなく、医療機関が自主的に諸事情を勘案して個々に判断すべきものと考えております。また、無料定額診療事業の届け出に基づきまして、県としまして、法人事業税、不動産取得税等を非課税とする優遇措置を講じております。

介護保険の抜本的改善を

■質問■ 次は、介護保険制度についてです。
介護労働者の過酷な労働実態が深刻です。夜勤をしても収入は20万円程度、パートがほとんどで、ヘルパーは10万円にも満たない人が多く、この3年間の離職率は44%にものぼり、深刻な人手不足を引き起こしています。
政府は、介護報酬の3%引き上げを、「介護従事者の処遇改善」対策として位置付けています。
しかし、私の地元、明石市のあるデイサービス施設の試算では、一ヶ月でわずか21,578円の増額で、時給に換算すると1円20銭のプラスにしかなりません。
介護報酬3%アップといっても、在宅分1.7%と、施設分1.3%の合計であり、加算の条件によって都市部では逆に引き下げになることも問題です。もともと過去2回の改定で、4.7%も引き下げられており、せめて5%アップが、現場の切実な要求です。
 厳しい介護認定も問題です。
 要介護1だった一人暮らしの87歳の女性は、デイサービスを週3回、ヘルパーも戸締りや、ごみ出し、食事の準備などきめ細かい支援が受けられたのに、3年前の制度改正で要支援2になりデイサービスも減らされ、ヘルパーも週2回画一的になり、不安から生活意欲が低下し、入退院を繰り返すようになりました。担当のケアマネージャーは、「生活実態に合った介護認定をして欲しい」とうったえています。
ところが、今回の改定では、現在、認定審査会がおこなっている判断もコンピューターで行われ、調査項目も大幅削減されようとしています。これでは、「介護とりあげ」だと、現場では怒りの声があがっています。
 介護保険料・利用料の引き下げも切実な要求です。
保険料が高い最大の原因は、国が介護保険実施前五〇%だった国庫負担を二五%に引き下げたためです。
そして、国の負担を抑えるためにサービスの利用抑制をはかってきた結果、使えなかった保険料が介護保険準備基金にため込まれ、全国の自治体で08年度末には3800億円にものぼると見込まれています。
この基金を取り崩して、介護保険料の値下げを検討する市町が出ています。また、県の介護保険財政安定化基金も125億円あります。そのため、市町からの拠出金を大幅に引き下げるとともに、今後3年間は徴収しないとしていますが、県として、この基金を保険料の引き下げなどに利用できるよう、国に働きかけることが必要と考えます。
介護保険の見直しにあたって、介護報酬の見直しを当面5%に引き上げるとともに国庫負担率を計画的に引き上げること。機械的な介護認定制度を実態に合った介護認定制度とするよう国に求めること。財政安定化基金を取り崩せし出来るよう国に働きかけるとともに保険料・利用料を引き下げる県独自の助成を実施するよう求めますがいかがですか。

▼答弁▼細川健康福祉部長: 介護報酬改定、国庫負担率、要介護認定の在り方につきましてはいずれも介護保険制度の根幹にかかわる問題であります。今回の介護報酬改定等は、国の審議会等におけます十分議論をふまえて行われるものでありまして、県としましてこれらの円滑な実施にむけて全力を尽くしてまいりたいと考えております。なお、介護認定につきましては、コンピュータによる一次判定のみで決まるものではなく21年4月からこのたびの改定では2次判定において、認定調査票に記載された特記事項や主治医意見書の内容をより重視することとなりますので、より適切な認定が行われるものと考えています。財政安定化基金につきましては、会計監査院の指摘をうけ、厚生労働省におきまして、制度の見直しを検討中と聞いております。また、県におきましても、保険料上昇を抑えるため、安定化基金への新たな拠出を求めないこととするほか、各市町の準備基金をとりくずすように指導しております。この結果、第4期は、第3期にくらべ介護給付費が約19%増となるのに対しまして、保険料は約0.6%増、具体的には4306円から4330円にとどまる見込みになっております。保険料引き下げのための県独自の助成につきましては、新たな高額医療・高額介護合算制度の施行等、低所得者に配慮した各種のしくみがすでに整備されておりますので、その必要はないと考えています。県としましては、給付と負担の均衡をたもち、持続可能な制度運営が不可欠と考えており、今後とも国に対し必要な提案を行ってまいりたいと考えております。

障害者「自立支援」法の廃止と県の障害者施策の充実を

■質問■ 次に、障害者「自立支援」法の見直しと県の障害者施策についてです。  
障害者の就労が進まないまま、不況が弱い立場の障害者を直撃しています。ある就労支援施設では、トヨタの自動車部品の検品の受注が4分の1に落ち込んだり、就労受け入れ先の中小企業が次々倒産するなど、深刻な状況です。
この中で、障害者の生活破壊だけが進んでいます。ことに、福祉サービスを「応益負担」とするひどさに、県内の障害者が訴訟を起こしました。
原告のひとり、脳に障害をもつ春菜さんのお母さんは、「私はこの50年間、家で食事をして・・お金を払ったことはありませんが、春菜は・・お金を払わされるのです。・・障害を持って生まれたことは春菜に責任があるというのでしょうか。ひとりの人として普通に生活したいと願うことはぜいたくな事なのでしょうか」と、訴えておられます。
批判の高まりを受けて、国は何度か「軽減措置」をつくり、この程与党が「応益負担」を見直すと報じられました。ところが、その中身は「現行の負担水準の継続や更なる改善」に過ぎず、それを「能力に応じた負担」といいかえているにすぎません。
障害を持つ人が生きていくために必要な支援に、費用負担を求めること自体が誤りであり、原則無料にもどすべきです。
さらに、県が、障害者の生活破壊に追い打ちをかけていることは問題です。在宅介護手当の削減に続き、この七月から医療費助成が削減されます。3400人の障害者が、1回900円の窓口負担を求められ、2年後にはまったく助成を受けられなくなってしまいます。また、3万3200人が負担増になります。なんとひどいやり方でしょうか。
京都府や和歌山県では自己負担はありません。また、兵庫県ではかかる調剤薬局での自己負担も、大阪府や滋賀県ではありません。
さらに、サービス利用の負担軽減も、国が拡大したのを機に県は独自補助をほとんどやめてしまいました。
例えば、1200万円あれば在宅・通所サービスを利用している低所得者の負担をゼロにできます。県の姿勢が問われます。
そこで、国に対し、障害者「自立支援」法を廃止し、新たな法制度をつくるよう求めるとともに、重度心身障害者児医療費助成の削減は中止すること、また、自立支援法による負担軽減のため、当面少なくとも「低所得者1、2」の利用料をゼロとし、他の所得区分の利用者の負担軽減も行うよう求めますが、いかがですか。

▼答弁▼細川健康福祉部長: 障害者自立支援法と、障害者施策についてお答えいたします。障害者自立支援法は、サービス利用の拡大、三障害の制度格差の解消、就労支援策の充実など、障害者の福祉向上に大きく寄与をしていると考えています。利用者負担は、国・県・市町の費用負担を義務化し、障害福祉サービスが安定的に提供される観点からも、また、利用者がサービスを選択して自分の生活を自分で決めるという障害者の自立を確保する観点からも必要なことであると考えています。そのうえで、低所得者の方には十分な配慮がなされています。県の単独制度として低所得者に配慮し、国に先駆けまして平成19年4月から通所授産施設あるいは医療型障害児施設、ガイドヘルパー―移動支援ですが、これらの利用者の負担軽減、あるいはグループホーム等、利用者の家賃助成の県独自負担軽減策を講じてきたところであります。このうち、通所授産施設の利用者負担軽減につきましては国が平成20年7月から県と同様の対策を講じておりまして、これ以外の県単独負担軽減策は継続して実施しております。
なお、障害者医療費助成につきましては、自立支援医療制度の所得制限より上回っているのでこれと整合をはかることを基本として、見なおしたものであり、その際に低所得者の範囲を拡大するとともに、周知期間や経過措置を設けるなど現行制度からの移行についても配慮いたしました。

「こどもの貧困」を打開しこどもの発達保障を


■質問■ 非正規労働の増加のなかで、子育て家庭の生活困窮が進み、こどもの発達に大きく影響を与える事態が深刻になっています。こどもの発達保障は、親だけでなく、社会や国、自治体が責任を負うべきだとの立場から2点質問します。

1.少人数学級の実現を

1点目は、少人数学級の拡充についてです。
明石のある小学校では、近年、親がダブル、トリプルワークに追われ、夜もこどもだけですごす家庭が急増しています。朝食を食べず、教師がおにぎりを与えることがたびたびあり、夏休み明けには体重が減っている子が見受けられます。収入の低い母子家庭も多く、また、正月明けの新学期には、親から、リストラにあったという相談が相次ぎ、こうした事態は今後ますます増えるのではないかと心配されていました。
貧困子育て家庭の増加は、各種のデータにも表れています。
先の小学校では、就学援助率が40%ちかくに上っていますが、私の地元の明石市全体でも、19.7%と10年前の2倍以上です。生活保護のうち小中学生のこどもを対象に支給される教育扶助の割合も、県下で95年の7.61パーミルから、10年間で17.53パーミルへと倍以上に増えています。
 東京板橋区が行った調査では、生活保護を受ける世帯の中学生の不登校発生率が、受けていない中学生の4.8倍にのぼり、貧困家庭のこどもが学習面でも不利をこうむっています。
教育の機会均等の観点から、困難なこどもにも目を行き届かせ、学習面だけでなく、生活面も含めこどもの発達を支えるためには、少人数学級が不可欠です。現実には、小4までしか少人数学級が実施されていません。4年生のクラスは20数人なのに、高学年は40人で、けんかもたえないなど、教室は異様な風景になっているといいます。こどもに夢を、といいますが、高学年になると「どうせうちは貧乏。将来は知れている」などとこどもが気付き始める多感な時期です。
県は、小学校5、6年生で、「兵庫型教科担任制」をすすめるといっていますが、現場が求めているのは少人数学級の拡大です。
中学とのギャップをなくすというなら、中学校でも少人数学級を進めることこそ急がれるのではありませんか。
家庭の状況にかかわらずどの子にも平等に豊かな教育を受ける権利を保障するため、「兵庫型教科担任制」の推進ではなく、少人数学級を、小学校高学年、中学校に導入することを求めます。

▼答弁▼吉本教育長: 少人数学級の拡充についてお答えいたします。
来年度、小学校5、6年生で実践研究に取り組むこととしている教科担任制と少人数学習集団の編成を組み合わせた「兵庫型教科担任制」につきましては、高学年で重要となります学力面は、教科担任制、少人数学習集団と少人数学級とでは同様の効果があること、小学校から中学校へ進学する段階で不登校が急増する要因のひとつに、学級担任制と教科担任制という、学びの形態の差が挙げられており、中学校への円滑な接続効果が期待できること、これらを考慮して導入したものであります。今後、指定校での実践研究のとりくみについて、有識者等による検討委員会を設け、その成果や課題について検証をおこないながら、より効果を高める制度として定着をめざしてまいります。
なお、少人数学級を中学校まで導入することにつきましては、相当数の教員の増員が必要となり、国の定数改善がなされていない状況下で、県単独の措置として実施することは困難であり、義務教育の根幹であります、教育の機会均等とその水準の確保及び無償性を保障する責務を有している国において、必要な措置を講じるべきものと考えております。

2.県立清水が丘学園など情緒障害児短期治療施設の拡充を

■質問■ 2点目、最後に、県立清水が丘学園についてです。
貧困が広がる中で児童虐待や発達障害、不登校が増え、いじめによる自殺も増大しています。全国の児童虐待相談件数も1995年の2,722件から2006年には37,323件に13.7倍にも増えています。県下でも同様で、子どもたちを保護し、治療する受け皿の拡充が急務です。
県立清水が丘学園は情緒障害児短期治療施設として、児童福祉法44条に基づき県下唯一の施設として昭和50年5月に明石市魚住町に設立されました。入所と通所の施設で、対象は「家庭や地域、学校での対人関係により社会対応が困難な児童」です。もともとおおむね12歳未満で小学生が対象だったものを中学生まで拡大されました。定員は入所が35名、通所は15名の合計50名です。
貧困が拡大される状況のなかで、保護者自身が経済的に困窮し、精神や発達の障害をもっており、そういう状況下で被虐待児や発達障害児が増えています。1995年と2008年を比べると、経済的に困っている保護者は5%から45%へと増加しています。入所児童のうち虐待をうけたこどもが74%、発達障害のこどもは26%です。
この施設は、虐待を受けたこどもたちのなかでも大変困難な子どもたちが入所してきます。施設は中学生までしか入所できません。したがって3月には中学生が退所していきますが、5月にはすぐ定員いっぱいになります。入れない子どもは、四国、鳥取や大阪など他府県に送られますが、他府県もそれぞれ大変で受け入れる余裕があるわけではありません。お隣の大阪府では合計5カ所あり、定員も244人です。兵庫県でも入所で1カ所50人定員で神戸、阪神間での増設も含め3カ所は必要ではないでしょうか。また中学校卒業で退所しなくてはならないため、他の養護施設等へ移動するこどももあり、高校生までの年齢拡大が求められます。
施設は狭く老朽化もすすんでいます。分教室がある教育棟の教室も職員室も大変窮屈です。また中学校の教員配置が不十分で、専科の教師も不足しています。
学園では、入所の保護者も一緒に家族療法事業を実施するなかで、心理士の配置等もいかして外来の相談にも応じ地域にも活動がひろがっています。

そこで、清水が丘学園では定員を増やし、高校生も入所できるように拡大し、老朽化した施設をたてかえること。また県下に施設を増設することを求めますが、いかがですか。

▼答弁▼井戸知事: 県立清水が丘学園は、設置後30年を経過する中で、近年定員を上回る入所希望があること、当初、不登校児童が主であったのでありますが、最近は、非虐待児童や、発達障害児児童の割合が増えており、適切な対応をはかる必要があること、そして、施設の老朽化、狭隘化により、入所児童のニーズに十分対応できていないことなどの課題をもっております。このため、より高度な治療的専門的ケアの実施体制を構築するため、外部有識者による検討委員会を設置し、入所定員の拡大や、対象児童の高校生までの年齢引き上げ、教員配置の拡充、施設環境の向上など、今後の在り方について検討しております。その検討結果を踏まえて対応していくこととしております。また、県内の施設の増設に向けて、民間にも働きかけを行い、現在、社会福祉法人が施設整備の具体化に向けた検討を行っています。このような取り組みを通じて、今後とも、ケアが必要な児童を支援してまいります。


■再質問■ 雇用の一点で質問させていただきます。知事が答弁いただきましたパナソニックの関係ですが、パナソニックという会社は、わが党の志位和夫委員長の予算委員会の質問でもあきらかになりましたように、パナソニック若狭で偽装請負を指導されて直接雇用をもとめられたときに、これまでの賃金の半分以下のアルバイトだったら雇ってやる、こういう態度の企業です。いま、1万5千人の解雇といわれておりますけれども、補助金の要綱でも求められている通り、県下の工場での影響をはっきりさせるべきだと思います。パナソニックに対して、直接本社に知事自ら出向かれて、雇用をしっかりと守るよう、正社員への雇用を守るように、要請をいただきたいと思います。ついでの要請ではなく、ぜひ足を運んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

▼答弁▼井戸知事: 私がもうしあげたこの1月にお会いした会社幹部や尼崎での会合において現地責任者へ要請したのはついでの要請であるとは思っておりません。しかしながら、いま、現下の厳しい状況のなかでありますので、雇用を守るために私として活動が行うことにより効果があるとすればそのようなことも十分検討させていただきたいと考えております。あわせまして、尼崎への立地の整備の促進、そして姫路でのIPSの整備の促進、これも確実に実施していただくことを要請することにより、雇用の場の拡大にも進めさせていただきたい、このように考えております。

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