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本会議 第289回本会議一般質問 ねりき恵子
2006年11月30日

■質問■ わたくしは、安心して子どもを生み育てること、障害を持っていても人間らしく生活できる県政の実現を求める立場から、以下8項目について質問いたします。

産科医不足の解決を

■質問■ はじめに産科医不足についてです。
 次代を担う子どもを安心して生み、健やかに育てることのできる環境を整備することは、緊急の課題です。
 しかし、「産科が閉鎖される」「分娩の予約が取れない」など、住み慣れたまちで安心してこどもが産めない、という事態が広がっています。
 10年前には97ヶ所あった県内の産科・産婦人科の数は、今年4月には59ヵ所と4割も激減しています。そのうえ、分娩の取り扱いを中止する病院が相次ぎ、実際に出産できる病院や診療所がない空白地帯が12市町にも上るなど深刻な事態となっています。
 産科医不足は都市部でも深刻で、私の地元、宝塚市立病院でも、今年の春に2名の医師が退職。60件だった出産件数は40件に減らされました。市立伊丹病院でも、研修医が今年5月に退職し医師3名体制で、1か月の出産を20件に制限しています。市立川西病院では、昨年11月から出産を一時休止、今年5月からやっと再開しましたが、医師2名で月20件と以前の半分の体制です。さらに、西宮市立中央病院でも出産の取り扱いが中止となってしまいました。
 その中で、産科医も激務となっており、「医師3人では24時間の受け入れ体制は困難。」「夜勤からそのまま朝からの外来にでており、体ももたないし、医療ミスも心配」と、悲鳴があがっています。
 県は、産科医不足の原因は地域偏在だとして集約化・重点化をすすめ、県立尼崎病院から県立塚口病院に産科と小児科を集約し、周産期医療と小児救急体制を整備し、阪神間のセンター病院とするとしています。
 しかし、阪神間それぞれの地域の病院で出産できる件数を抜本的に増やさなければ、生む場所がない「お産難民」の問題はなんら解決できません。
 県内の産婦人科医数は、2002年からの2年間で28人も減っており、問題解決には産科医の絶対数を確保することが必要不可欠です。
 また、分娩を扱うことができる助産師の役割も重要です。正常分娩は助産師が扱う院内助産所を設ける産院もうまれており、妊娠・出産・育児を総合的にサポートできる助産師を育成し技術向上のための研修を行うことも求められています。
 生命を生み出すというもっとも人間的な出来事を、住み慣れたところで安心して迎えたいというあたりまえの願いをかなえるために、県として産科医の絶対数の確保を国に求めるとともに、地域ごとに安心してこどもを産むことができる体制を整備すること、また、助産師の技術向上のための研修と育成を行うよう求めます。

▼答弁▼ 井戸知事:日本共産党議員団のねりき恵子議員のご質問にお答えします。
 まず、産科医不足についてです。産科医におきましては、近年、女性医師の比率が急増していることや、不規則な勤務体制、さらに医療事故に関する訴訟が多いことなどから、全国的にも本県においてもその絶対数が足りなくなってきています。このため県としては医療確保緊急対策において、産科の医師確保や、地域の医療確保体制整備にとりくんでいます。国に対しては大学の医学部定数の暫定拡大を特区としても要望しています。周産期医療体制については、本年6月から周産期医療情報システムを運用し医療が必要な妊婦・新生児を総合周産期母子医療センターであります県立子ども病院や、県下9箇所の地域周産期母子医療センター等に照会、搬送できる環境を整えていますが、それとあわせまして、県下各地域では、圏域会議を設けて集約化・重点化により圏域として医療機能の確保が図れるよう検討を行っています。さらに助産師の養成については県立総合衛生学院で助産師養成を継続して行うとともに今年度より潜在助産師の再就職支援事業を実施しています。今後とも医師と連携した質の高い助産師の育成など、幅広い取り組みをすすめて努力をしてまいります。

小児救急医療体制の整備

■質問■ つぎに、小児救急医療体制の整備についてです。
 私は、昨年の一般質問で、特に宝塚市のような小児1次救急の空白地域を早期に解消するため、小児救急センターの整備を求めたところです。
 その後、検討がすすみ、今年2月に、兵庫県と伊丹市・宝塚市・川西市・猪名川町の間で、(仮称)阪神北広域小児急病センターの整備について合意がおこなわれ、子育て中の人はもちろん、多くの県民が、一日も早いオープンを望んでいます。
 この(仮称)阪神北広域小児急病センターは、3市1町の出資で財団法人を設立し運営をしていく予定であり、原則2診体制で、小児初期救急医療施設として、365日対応するとしています。
 ところが、一番心配されているのが、十分な医師の確保ができるかどうかです。
2診のうち1診については、3市の医師会の協力を得て体制をつくる予定で、1ヶ月35〜36人の医師が必要なのに対し、県の調査では、協力の意思があるとの回答を得ているのは41人です。また、もう1診は、大学病院や、県職員として採用した研修医を派遣し確保するとしています。しかし、大学病院の医師引き上げや医師の激務などの影響で、2年後のオープン時に医師数の確保ができるのか。病状が急変しやすい小児救急の経験をつんだ看護師などのスタッフが確保できるのかも大きな課題です。
 さらに、阪神北医療圏域の小児の2次救急輪番体制は、初期救急を受け入れるこのセンターが整備されても、土・日・祝日の空白は残されたままです。昨年の本会議で、県当局は「1次、2次切れ目のない小児救急医療体制の構築を目指したい」と答弁されました。その言葉のとおり、2次救急についても早急な整備が必要です。
 阪神北小児急病センターの整備にあたっては、合意書に明記されているように県が責任をもって医師の確保をおこなうとともに、看護師などのスタッフの確保を行うこと。広域的な観点から財団基金への出資や運営費補助など財政支援を行うこと。また、阪神北医療圏域の小児2次救急の空白をなくすために、県立塚口病院の協力を含め検討することを求めるものです。

▼答弁▼ 井戸知事:次に小児救急医療体制の整備です。ご指摘の阪神北広域小児急病センターについては阪神北地域の保健医療計画に基づき、初期救急体制の強化に向け関係市町共同による施設として設置することとし、小児二次救急体制の強化に向け、民間病院も参画した病院群輪番制を整備・推進していこうとするものです。県としては初期救急体制について3市1町と締結した合意書において「兵庫県は3市1町と連携を図りながら、医師の最大限かつ安定的な確保に取り組む」としており、地元市町・地元医師会とともに、開業医の執務意向調査を実施しています。二次救急体制の強化については今後圏域会議において、阪神地域における小児二次救急医療の後方支援病院としての役割を果たす県立塚口病院との連携も視野に入れながら関係者の参画のもと検討をしてまいります。今後とも3市1町と連携し、阪神北圏域の小児救急医療体制の充実に努力をしてまいります。

精神障害者への医療費支援を

■質問■ つぎに、障害者施策の充実についてです。
 そのひとつは、精神障害者への医療費支援についてです。
 障害者自立支援法の施行により、障害者とその家族はもちろん施設や事業者の負担が重く、矛盾がふきだしています。精神通院医療については、これまで自己負担は5%でしたが、宝塚市をはじめ県下いくつかの市町では、この5%の自己負担分への助成をしており、多くの精神障害の方が自己負担はありませんでした。ところが、今回の自立支援医療で、原則1割の応益負担となってしまいました。精神障害の方は、長期にわたり継続的な通院の必要があるのに、負担が重く、「お金がかかるから、医者にはいけない」という人が少なからずおり、病状が悪化し悪循環となることが危惧されます。
 さらに、入院は、支援の対象となっておらず、長期入院や入退院を繰り返すことの多い精神障害者にとって重い負担となっています。負担の重さから、体調の変化に気づきながら、入院を遅らせたり、退院を急いだりしがちだということです。入院費への支援も緊急の課題です。
 また、精神障害者保健福祉手帳1級を持っている人は、やっと県の福祉医療助成制度の対象とされたところですが、一方で県は、福祉医療制度の改悪を行い、自己負担を導入してしまいました。ある家族の方は、「精神障害者も県の福祉医療の対象となったのはうれしいが、障害者にとっては1コインがとっても貴重で重い負担だ」と訴えられました。特に、宝塚市では独自に精神疾患についても福祉医療の対象で2級まで拡大しており、県の制度についても同様にしてほしいという要望があるところです。
 精神障害者が安心して医療を受け、地域で暮らしていくためにも、入院も含め精神医療への支援策を県としておこなうこと。また、福祉医療費助成制度の自己負担をなくし、身体、知的、精神の医療助成を平等にするためにも、精神疾患による医療も福祉医療費助成の対象とし、精神障害2級へ拡大するよう知事の暖かい答弁をもとめます。
 もう一点は、心身障害者扶養共済制度の改善についてです。
 この制度は、障害のある人を扶養している保護者が、掛け金を納めることにより、万が一保護者が死亡または重度障害になったとき、残された障害者の生涯にわたって一口2万円が毎月支給されるものです。
 ところが、障害者自立支援法の実施で、この2万円の年金が収入認定され、問題となっています。
 ある施設に入所している障害者の方から、「親が残してくれた2万円が役に立っていたのに、今年4月から利用者負担の計算の際、この2万円が収入とされてしまい、生活費として手元に残らず大変困っている」と相談がありました。これでは、せめて障害があるわが子の生活の足しにと親が積み立ててきた制度の趣旨に反するではありませんか。生活保護費受給の際は、心身障害者扶養共済年金を収入とはみなさず、生活保護費に上乗せして支給されています。今回の自立支援法実施においても同様の取り扱いとするよう、国に求めるとともに、県独自でも改善をすべきと考えますが、あわせてお答えください。
 私から障害者施策について2点お答え申し上げます。
 まず、精神障害者への医療費支援についてでございますが、精神通院医療につきましては、更生・育成医療との負担の不均衡を解消し、障害者の負担の公平をはかるため本年4月自立支援医療として原則1割が導入されましたが、低所得者につきましては負担上限の月額が2500円に設定されるなど負担軽減のきめこまかな対応がなされていることから県としての支援の必要性は少ないものと認識しております。ご指摘の、精神入院医療につきましては、国において精神疾患の措置入院に対する医療費公費負担制度が設けられており、本来疾病として国において対応されるべきものと考えております。
 また、精神医療を福祉医療制度の対象とすることにつきましては、県の福祉医療制度が一般医療を対象としていることから困難と考えております。
 さらに、中度の精神障害者である2級を対象とすることにつきましては、県の福祉医療が重度障害者、具体的には身体障害者の場合身体障害者手帳1・2級のかたがた、知的障害者の場合は療育手帳A判定のかたがた、精神障害者の場合は精神障害者保健福祉手帳1級の重度障害者の方々を対象としたものであることから困難と考えております。

▼答弁▼ 中瀬健康生活部長:次に、心身障害者扶養共済制度についてでございますが、この共済制度に基づき支給される年金につきましては、障害者自立支援法に基づく月額負担上減額の所得区分認定の際には収入と見なされていないところでございます。一方、低所得の入所施設利用者等に対する個別減免の取り扱いにつきましてはご指摘のように、公的年金に相当するものとして収入認定されております。その考え方は個別減免制度がまず、負担上減額を設定した後に、負担能力の少ないものを対象にさらに負担の軽減をはかる制度であることから家賃補助等、特定目的に当てるために支給されるもの以外はすべて収入として認定されるものであります。一方生活保護法にあっては、自立助長のために活用することが許されるべき金銭であるとの判断から収入認定から除外されているものであり国は趣旨が異なるとしております。県としてはこの取り扱いについては、国の制度運用上の問題でありまして、県独自の改善は困難でありますけれど、国に対して、障害者の自立助長の観点から収入認定から除外するよう、近畿府県と共同して改善要望を行っているところでございます。

イオン伊丹西店の出店問題

■質問■ 次に、大型量販店・イオン伊丹西店の出店問題についてです。
 わが党が、先の9月議会で出店見直しを求めた際、県は、条例に基づき、県の意見を設置者に通知し、手続きを完了しなければ建築の着手を認めないと答弁されました。
 しかし、イオン側は、多くの問題点が指摘されているにもかかわらず、あくまで出店の方向だといわれています。
 まず、交通渋滞の問題です。予定地が面している県道尼崎宝塚線の12時間交通量は現在1万5千台をこえており、ここに1万台もの車が出入りすれば、交通渋滞は想像を絶するものとなることは明らかです。抜け道として、並行して走る生活道路の交通量が一気に増加し市民生活をおびやかすことも心配されています。しかし住民に対しては、方面別交通量など、どこからどれだけの車がくると見込まれている計画なのか、いっさい明らかにされていません。
 また、阪神間の商業者は、イオンが計画通り出店すれば大打撃を受けます。
 商業統計によると、阪神北地域の小売事業所数は、99年から2004年のわずか5年間で5135から4607へと528、10%も減っている一方、売り場面積は54万平米から65万平米へと10万平米、20%近くも増えています。大型店舗が増えているのです。
 宝塚市では、宝塚ファミリーランドの閉園など観光機能の低下に加えて大規模小売店舗の出店等により、地元商業が厳しい状況に追い込まれています。
 なかでも、逆瀬川は、再開発ビルの一つ「アピアT」で売り場面積の6割を占めていた中核店舗が撤退。残った商店はさらに約3割も売り上げが減ったとも言われています。
 ここへ新たにわずか2kmのところに売り場面積4万4200平米のイオンが出店すれば地元の業者や自治体などの血のにじむような努力も「水の泡」となってしまいます。
 さらに、出店予定地の三菱電線工業伊丹製作所の跡地から基準の840倍の砒素などが検出され周辺住民に水質汚染などの不安も広がっています。
 県は健康被害の恐れはないといいますが、徹底した調査を行い土壌入れ替えはもちろん、河川や地下水への汚染防止対策に万全を期すことが求められます。
 そこで、県として地元商業や地域経済の振興、住環境を守る立場から、改めてイオン株式会社に出店見直しを求めるとともに、出店計画に伴う交通量増加の詳細な見込みを住民に明らかにさせることを求めますが、明確な答弁をお願いいたします。

▼答弁▼ 井戸知事:今回のイオンの出店計画は極めて大規模で、周辺の都市機能への影響が大きいこと、当該地域が9月末に策定した広域土地利用プログラムでは、大規模店舗等の立地を抑制するゾーンとなっていること等をふまえまして、大規模集客施設条令にもとづき地元伊丹市や隣接する尼崎市・宝塚市等に意見を聞くとともに、大規模小売店舗等立地審議会に諮ったうえで、10月3日付でイオンに対し知事の意見を通知しました。意見の骨子としては、一つは来退店予測交通量の再検討をお願いしています。第二に県道尼崎宝塚線の小浜交差点からこやの里交差点までを含む広域的な道路交通対策をお願いしています。第三に駅及び商店街を結ぶルートバスの運行についての考えかたを、第四に屋上や壁面の緑化と、グラスパーキング導入による環境対策をはかることなど、都市機能との調和に関して16項目の検討を求めています。今後イオンから対策書の提出があり次第、公開の審議会で慎重に審議を行います。また、条令手続き終了後大店立地法に基づく住民説明会を通じて、地元住民へ情報提供また意見の反映が適切になされていくものと考えています。なお条令では計画が充分定まっていないケースもあるため、住民への説明までは義務付けていないのが条令のしくみです。また、土壌汚染については汚染除去対策を適切に行うよう、三菱電線工業を指導しておりまして、周辺水質については環境基準以下であることを確認しているところです。いずれにしても、意見に対するイオンの対策書の提出があって、慎重に検討してまいります。

武庫川ダムについて

■質問■ 次に、武庫川ダムについて質問します。
 第一に、武庫川治水計画の根本問題についてです。
 県は、これまで武庫川の下流の流下能力がないから、ダムが必要と主張してきました。ところが、流域委員会の審議の最終盤になって、重大な事実が明らかになりました。2004年の23号台風の洪水から計算したら、県の主張よりも、700立米/秒分も多く流下能力があることがわかりました。この流下能力なら、ダムはいりません。
 さらに、明らかになったのは、県の算定が700立米/秒分も低いのは、実態を無視した算定をしているからだということです。県の粗度係数の算定は、―粗度係数というのはわかりやすくいうと水と川底との摩擦係数のようなものですが―、川底の表面で判断しています。本来は、洪水時には流され、えぐられてしまうため、川底表面から30センチ下の砂の状況で判断することが必要なのに、川底表面で判断しています。700立米/秒のギャップはここにあるのではありませんか。この根本的検討を行うべきです。
 第2に、県は、流域委員会の提言を積極的に県民に知らせる取り組みを行おうとしていません。県の見解も含めた説明会を行おうとしていますが、結局、提言が県民に広がれば、武庫川ダムの建設が行なえなくなることを恐れているのではありませんか。提言の説明を流域委員会が行うなど、その内容の周知に、本気で取り組むべきです。
 第3に、この間、大規模公共事業の談合疑惑で、全国的に知事や県のトップが逮捕される事態が進行していることに関してです。
 最近県が発注したダムの平均落札率は、96.3%で、異常に高い落札率です。
 ここに、「ダム情報一覧表」と書かれたリストがあります。宝塚にも支店がある大阪砕石工業所が作り、複数のゼネコンが全国のダム工事の本命を確認するために使っていたものですが、武庫川ダムと与布土ダムの受注予定ゼネコン名も載っています。リストが作成された98年4月以降に入札されたダム68件の内、本命が落札したのが45件、的中率は約7割です。
 また、ある大手ゼネコンが作成したダム営業マニュアルでは、「手伝った成果品が十分に蓄積されているか」と言うチェック項目があるなど、ゼネコンが、談合の際、ダム工事の受注権を主張する根拠に利用するのが、コンサルが行うダムの設計や土質調査などへの協力と言われています。武庫川ダムの場合、30年近く前から同じコンサルが延々と武庫川ダムの調査設計検討業務を受注しています。これらの業務にゼネコンが関わっていないか、談合が行われていないか調査をすべきです。
 以上、県が武庫川ダムに固執することに関わる疑問点・問題点を示しましたが、知事の明確な答弁を求めるものです。

▼答弁▼ 井戸知事:次に、武庫川ダムについてです。平成16年10月洪水では、現在県が評価している流下能力を超える流量が流れたという実績はあったわけでありますが、洪水時には、河床変動が生じている可能性もありますので、必ずしも同一条件でいつも水が流れるという保証はありません。武庫川流域委員会においても、河川工学の専門委員から県が行った調査結果に基づく粗度係数算定方法による流下能力の評価が妥当だする意見をいただき了承されているところです。住民説明会は武庫川流域委員会から提出された提言の内容、その実現に向けた課題や、今後の進め方等を河川管理者の責任において説明し、あわせて流域住民から意見をお聞きすることを目的として実施いたします。提言の説明方法等については提言内容を詳細に説明するとともに、これに対する県の見解も明確に区別して説明することで流域委員会の了解も得ています。武庫川ダムの調査設計業務については適正に透明性をもって競争入札により委託しているところです。受託したコンサルタントには守秘義務が作られていますし、この河川コンサルタント業務とゼネコンの業務とがかかわることはないと考えますし、受注権の主張ができるということこそまさしく談合を前提にしているのではないかと考えられますので、発注段階で談合を排除し、公正を期することになりますから、受注権をいくら主張されても意味がないのではないかとわたくしはそのように考えています。いずれにせよ武庫川総合治水につきましては、委員会の中間報告をうけ、河川管理者として河川審議会での検討や植生等の環境調査を追加して行っておりまして、これらをふまえて、基本方針、基本計画案を取りまとめることとしておりますので、ご理解をいただきたいと思います。以上私からの答弁といたします。

宝塚北部の環境を破壊する第二名神高速道路

■質問■ 次に、第2名神高速道路についてお聞きします。
 近畿自動車道名古屋神戸線、いわゆる第2名神は、すでに用地買収に入っています。このうち、兵庫県域21キロの通過地域では、都市計画決定の際の環境影響評価でも、多数の貴重な動植物の生息、例えば、鳥類のうちの猛禽類では、レッドデータブックで危急種とされているオオタカ、ミサゴ、希少種とされているハチクマ、ハイタカなどの生息が指摘されています。しかし、充分な検討がされたのでしょうか。
 例えばオオタカについて見ると、環境庁の「猛禽類保護の進め方」では、「つがいの生態及び生息地の地形等の環境」の調査結果をもとに営巣中心域、高利用域の範囲を求め、それぞれの区域ごとの保護方策が必要」と明記されています。営巣場所の調査は3月から4月が最適とされ、行動圏調査には、繁殖期、非繁殖期それぞれ月1回から数回の継続調査の必要性が指摘されていますが、これらの調査はまったくありません。
 このように、オオタカ一つをとってみても、きわめて不十分な調査による環境影響評価でルート決定を強行しました。しかも、保全策も検討もせず、重要な環境保全地域を通過する高速道路建設を進めることは許されません。
 また、宝塚付近では、トンネル工事による大量の土砂を玉瀬第3地域に捨て、造成工事を行なうとしていることや、サービスエリアを利用したインター設置の計画が進められようとしていますが、この計画や工事による環境影響について地元住民にはなんら明らかにされていません。さらに、凍結されている北部開発計画が進められるのではないか危惧されるところです。
 阪神間に残された豊かな自然環境を保全するためにも、これらの計画の詳細を明らかにするとともに、建設事業をいったんストップし、調査を詳細に行い、貴重種の保護についての検討を十分におこなうべきと考えますが、お答えください。
 
▼答弁▼ 原口県土整備部長:私からは第二名神につきましてお答え申し上げます。
 第二名神高速道路の都市計画決定手続きにおきます環境影響評価につきましては、県や国等の環境影響評価実施要綱でありますとか技術指針等にもとづきまして実施したものでございまして、公害の防止及び自然環境の保全の見地からおおむね妥当との審査意見をえております。事業の実施に際しては貴重種について現地調査を実施し、生育、生息環境の保全に努めること、などの意見が付されております。この審査意見に基づきまして事業主体である西日本高速道路株式会社は、平成13年度から学識経験者等で構成いたします第二名神高速道路兵庫県域自然環境保全検討会を設置しまして、オオタカなど猛禽類の営巣地確認など動植物の現地調査や、保全を図る対象種の選定などを進められております。西日本高速道路株式会社では、今後、保全対象種の個体数調査でありますとか生息環境など詳細な調査を実施のうえ、保全対策を策定するとともに、残土処分地を含みます工事中の環境管理計画等を取りまとめた上で、地元関係者への説明競技を行い工事に着手する予定となっております。県といたしましては、この第二名神高速道路、中国自動車道の慢性的な渋滞の解消あるいは災害時における代替ルートを確保するための重要な道路でございまして、株式会社に協力をして整備促進に取り組みたいと考えております。なお、サービスエリアを活用しましたスマートインターチェンジにつきましては、国や西日本高速道路株式会社に設置を要望しておりますが、まだ計画として決定されておりません。今後、計画が決定されますと、必要な環境対策などの調査が実施をされまして、地元説明がされるものと考えております。

県立高校のエレベーター設置

■質問■ つぎに、県立学校の施設改善、とくに、エレベーター設置について質問します。
 私は、以前にも、当時車椅子の生徒が在籍していた宝塚東高校への早急なエレベーター設置と、すべての県立高校のエレベーター設置の計画を作るよう求めました。その後、県教育委員会は、1学区に1校はエレベーターを設置していく計画を進められ、現在、エレベーターのある県立高校は16校です。しかし、県内で車いすなどを使用している生徒は32人で、23校の県立高校に通っていますが、そのうちエレベーターがあるのは6校のみという実態で、けっして、障害を持っている生徒が安心して学ぶ環境が整っているとはいえません。
私の知っている障害を持ったある生徒は、来年受験ですが、「自分の力で自立した高校生活が送りたい」と希望に胸をふくらませながらも、自宅からも近く友達も多い宝塚東高校には未だにエレベーターがないため、間近に迫った進路決定に大変不安な思いですごしています。障害を持った生徒は、みな同じ不安な思いではないでしょうか。
 県教育委員会の方針である開かれた学校づくりで、地域の多くの人々が利用できる施設とするためにもエレベーターの設置は必要不可欠です。
 どんな障害を持っていても、どの高校を選んでも、安心して学べる環境を整備することは、最低限の教育条件の整備です。すべての県立高校へのエレベーター設置計画を作り、具体化するとともに、宝塚東高校のように障害を持つ生徒が在籍または入学見込みの県立高校には、特別予算も組みただちにエレベーター設置をするよう、強く求めます。教育長の暖かい答弁をおねがいします。

▼答弁▼ 吉本教育長:県立高等学校へのエレベーターの設置につきましては、通学区単位で未設置状況の解消を図ることを当面の目標として、校舎を新築・改築する際の設置も活用しつつ、平成15年度から平成19年度までの5カ年計画で取り組んでいるところでございます。この結果、エレベーターの設置校数は今年度末におきまして21校となります。当面の目標である通学区単位で見ますと2学区が未設置の状況でございまして、平成19年度中の目標達成に向けその推進を図っているところでございます。新たな設置計画につきましては、未設置通学区を解消した後に検討してまいりたいと考えております。なお、現に車いすを使用する生徒が在籍するエレベーター未設置校につきましては、生徒等が希望いたしますすべての高等学校に車いす用階段昇降機を配備いたしますとともに、生徒職員の介助等によって対応しておりますのでご理解をいただきたいと思います。

阪神間の総合選抜制度の堅持を

■質問■ 最後に、高校教育「改革」について質問します。
 県教委は、2009年度からの高校改革「第二次実施計画」を、検討委員会でまとめるとしていますが、密室審議で傍聴もみとめず、県民が意見をいう機会は中間報告に対するパブリックコメントだけで、たった5回の審議で結論をだすというひどさです。
 しかも、検討委員会委員長の梶田叡一・兵庫教育大学学長は、芦屋市の小学校で開かれた教育フォーラムで、「勉強には向く子と向かない子がある。向かん子に大きな期待をしてはダメ」「フリーターはダメだと言うが食っていければいい」とのべるなど、子どもたちのあいだに格差をつくることを当然とし、差別される子どもの心の痛みにまったく目を向けない発言をしています。これは、多様化・特色化の名で進められている「高校改革」の中身が、学校間や子どもたちの間に弱肉強食の格差社会を持ち込むものだということにほかなりません。
 行きつく姿を示しているのが東京の教育です。全都一区の学校選択制で学校間格差が激しくなり、中高一貫校や重点校は豪華設備の一方、「ランクが低い」とされる学校ではプールもないなど、差がつけられ、学力テストの結果で公立学校の予算配分に差をつけるバウチャー制度のさきどりが進行しています。
 兵庫県では、宝塚をはじめ阪神間や明石で総合選抜制度入試が実施され、学校間の格差を少なくしてきました。また、県下16学区が基本的に維持され、地域の子どもが地域の高校にいけるしくみが守られてきました。
 ところが、県教委は、総選を廃止して複数志願制を強引に導入し、学力で子どもをふりわけ序列をつくろうとしています。さらに、「検討委員会」では「全県で学区を7つにする」など、学区拡大の動きがありますが、格差・競争がますます強まることは明らかです。
 いま西宮市では市民に非公開の「検討委員会」で「複数志願制がのぞましい」との結論がだされるなど、県教委の意をうけた動きがありますが、市教委の説明会ではどこでも父母や市民から複数志願制に対する強い疑問の声が出され、「総選を生かして」という根強い運動があります。「第二次実施計画」についても、検討委員会を公開し住民の参加保障をもとめる請願が市民団体から提出されています。
 そこで、「県立高等学校長期構想検討委員会」を白紙にもどし、住民の参加と合意で高校改革の検証と今後の検討を行うとともに、阪神間の総合選抜制度を堅持することを求め、私の質問を終わります。
 
▼答弁▼ 吉本教育長:次に、県立高等学校改革についてであります。本年度設置いたしました「県立高等学校長期構想検討委員会」では、第一次実施計画の評価検証をおこないますとともに、第二次実施計画の方向性について検討していただくことにしております。この委員会は、学識経験者をはじめ、県議会、経済界、労働界、マスコミ、行政、小中高の校長や教員PTA等、多方面の代表者を委員としておりまして、幅広い視点から議論をいただくこととしております。さらに、議論の内容につきましては、県教育委員会ホームページに掲載いたしますとともに、報告書を取りまとめる前にはパブリックコメントを実施し、広く県民のご意見をいただくこととしております。これらの取り組みを通じまして、はばひろい意見集約ができるものと考えております。総合選抜の学区への新しい選抜制度の導入につきましては、学区内の個性化・多様化の進捗状況を踏まえつつ、地域の意見を参考にしながら進めることといたしまして、明石学区と尼崎学区につきましては、平成20年度から導入の準備をすすめているところであります。今後とも市町からの要請がありますればそれらをふまえつつ適切に対応してまいります。

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