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本会議 第288回本会議一般質問 毛利りん
2006年9月22日

 子どもは未来、社会の宝です。全国に誇れる「こどもたちに優しい兵庫県政」の実現を求め、質問に入ります。

アレルギー疾患の子どもたちへの支援を

■質問■ 第1は、子育てを応援する課題です。
 1点目は、アレルギー疾患で苦しむ子どもたちの問題です。
 本県が昨年9月に行った「3才児及び当該家族の実態調査」によると、アトピー性皮膚炎、喘息、食物アレルギーなどアレルギー疾患をもっている人は、県民の二人に一人となっています。アレルギーの子どもたちの子育てをする若い父母は大変です。症状に苦しむわが子を前に即効性のある治療もなく、ときには夜も眠れない状況が親を追いつめます。今回の県の調査報告書の「アレルギー疾患に関するニーズ」を見ると、「個別に専門的な相談ができる場がほしい」「保育園や学校でも相談がしたい」などが、全体の7割を占めています。
 本県では、リーフレットの発行や県民局でも「アレルギー性疾患総合相談会」を年一回程度、開催していますが、日々苦しんでいる親たちの切実な要望に応えられているものとなっていません。
 当局は、「相談については各健康福祉事務所で対応している」といわれますが、県が進める「行革」によって全県の保健所が13ヶ所の健康福祉事務所に削減され、保健師の数も減らされる中、実際には個別相談を受ける体制などないというのが実態です。多忙な保健師さんが、努力をされて相談日を決め、取り組んだところでも、相談は多岐にわたり1日4~5件も受け入れられればいい方だと言われています。まず、県として患者の家族から寄せられる深刻な悩みに応える「相談体制」をつくることを求めます。
 長年活動を続けている神戸アレルギーの会「らいちょう」の4才と1才の子どもを持つお母さんは、「二人ともアレルギーのためミルク代は通常の3倍~5倍、お米も低アレルギー米のため普通米の2倍にもなります。早朝の新聞配達と深夜のファミリーレストランでの皿洗いと子育てに影響の少ない時間帯を選んで医療費や食材費に当てようと頑張っています」と苦労話をされました。さらに医療費も健常児と比べものになりません。このような子育てをしている親に経済支援で行政が応えることが今強く求められます。
 おたずねします。県として日常的な「相談窓口」を開設できるよう、健康福祉事務所に人員配置を行うこと。そして除去食のうち主食である特に「ミルク」、「お米」を治療費としてとらえ、医師の診断書のもと助成を実施するよう、子育ての応援を求めますが、あわせてお答えください。

▼答弁▼中瀬健康生活部長:私からは、アレルギー疾患に対する取り組みおよび子どもの家庭医学書の配布についてお答え申し上げます。
 まずアレルギー疾患に対するとりくみにつきましては、アレルギー疾患に対する研究会を平成14年に設置しまして、健康福祉事務所における健康相談窓口の設置、住民を対象とした専門医によります総合相談会の開催の他、アレルギー疾患かかりつけ医の育成のための医師研修会の開催、花粉の飛散状況調査、リーフレットによります情報提供等を実施しております。ご指摘の相談窓口につきましては、昨年度アレルギー総合相談会を12回、606人参加いただいています。各健康福祉事務所におきます健康相談面接が22人、電話64件を実施しておりまして現状では特段の対応は必要とは考えていないということでございます。また、アレルゲン除去食につきましては、医療保険における取扱は検査費用、栄養指導については、保険適用されておりますが、入院治療であっても食材費は自己負担していただいております。退院後も同様な取扱が適切と考えているところでございます。

「みんなと子育て兵庫県で 子ども家庭医学読本」を作成し贈呈を

■質問■ 2点目は新生児をもった父母への支援です。赤ちゃん誕生の喜びを感じながら、日常的には子どもの病気、健康について不安を持ちながら生活している子育て世代の実情です。それは、核家族化や、小児科医、産科医などの不足、小児救急の不充分な状況からもみても当然のことではないでしょうか。大切な予防接種や定期検診のこと、急な事故やトラブルにどう対処するか、日々発達する心と体の変化や気がかりなど、東京都港区で実施されている、身近に信頼できる「こどもの家庭医学書」があれば心強いものになるでしょう。
 こどもの誕生を県民みんなの喜びとし、その若い夫婦のはじめての子育てを励ますこと、元気で育って欲しいとの願いをこめて、「(仮称)みんなと子育て兵庫県で 子ども家庭医学読本」を作成、贈呈してはどうでしょう。ぜひ実現する事を求めます。

▼答弁▼中瀬健康生活部長:こどもの家庭医学書の配布につきましては、こどもの健やかな育ちを応援するために、各市町で母子健康手帳交付時に副読本や子育て手帳等を配布しまして、母親両親学級、新生児訪問、乳幼児健康診査、育児教室等の機会ごとに、親にとって必要な医学的知識や育児に関する情報を提供しているところです。具体的には、医学的知識としましては、まず発熱時への対応、しっしんの手当、子どものかかりやすい病気の早期発見、やけど、誤飲、事故への応急措置、救急時の受診の判断、また育児情報としましては、離乳食、栄養、人見知り、反抗期などこころと体の発育発達を理解できるような内容を掲載しております。また、4カ月、1歳6カ月、3歳児の各検診時には、発達の特徴を踏まえました育児のポイントや、保護者の疑問に対応できるようなパンフレットを配布しています。さらに、児童虐待問題や、発達障害等の社会的な問題に対しましても、県民の新たな関心に応じた最新のものや、地域別の情報を盛り込んだ冊子を提供しているところでございます。県といたしましては、母子保健従事者の資質向上や、乳幼児検診の充実をはかるため、検診マニュアルの作成や研修会を通じまして、市町母子保健事業の推進を支援してまいりたいと存じます。

新婚、子育て世代の県営住宅枠の拡大を

■質問■ 3点目は、新婚世帯や子育て世代の住まいの問題です。 
 若い世代にとって住宅の問題は深刻です。収入が低いなかで高い家賃が家計を圧迫し、生活費に占める家賃の比率は40%などざらです。結婚そのものに消極的になったり、子どもを生む意欲につながりません。兵庫県が、新婚世帯、子育て世帯への県営住宅入居における優先枠を設けていることは大いに歓迎できます。しかし、今年の春の募集はたった18戸、それに対して応募はなんと372人、21倍でした。秋の募集は春募集なみの19戸で、要求の強さに応えていません。この際、募集戸数を思いきって増やすべきだと思います。ましてや「ひょうご21世紀県営住宅整備・管理計画」が今年4月に改訂、5万5000戸の管理戸数から2000戸も減らす計画では、逆立ちしています。さらに数千戸もの空室を「何百万もかけて補修しなければならないので」と放置するのではなく、すぐに補修、改修をすすめ「つかう」べきです。
 一方、若い世代といっても共働きの場合は公営住宅入居のための収入基準をオーバーしてしまい、申し込めません。結局、高い家賃の民間住宅に住むことになります。
そこで思いきって新婚世代、子育て世代に対する募集戸数を増やし、希望に応えること。そのためにも、「空室」への補修、改修を行うことを求めます。あわせて民間住宅入居への家賃補助を創設して頂きたいのですがいかがですか。

▼答弁▼井戸知事:日本共産党議員団の毛利りん議員のご質問にお答えいたします。まず、子育て世代等の住宅対策についてです。新婚世帯や子育て世帯の住宅確保は少子化対策の重要な課題と考えています。県営住宅ではこれまで若年世帯や多子世帯に対する優先枠の設定や、子育て世帯の入居収入基準の緩和のほか、今年の春の募集から新たに定期借地制度を活用した新婚子育て世帯の優先枠を設定して運用してきております。これは、神戸阪神地域等で、特に交通の利便性が高く、子育てに適したゆとりのある住宅の空き状況を踏まえて、年間概ね20戸程度としてスタートさせたものです。春の応募倍率が高かったことから、この秋には新婚子育て世帯向け19戸また若年世帯向け12戸、計31戸と予定しております。県営住宅の空き家は建て替え事業等のための空き家を除くと現在約1500戸ですけれども、うち1400戸は順次募集を行ってまいります。100戸は補修費が膨大で募集を対象としていないのでありますが、これらも精査いたしましてニーズの高いものから補修し募集に努めてまいります。
 また、民間住宅については特定優良賃貸制度を活用して、新婚子育て世帯にも家賃助成を実質的に実施しております。県としては、今後もこれらの取り組みをすすめるほか、国に対して新婚世帯の収入基準の緩和や、子育て世帯の対象の拡大等を働きかけていきますが、利便性の高い住宅は空き家戸数に制約があるので、なかなか確保するのが難しいのでありますが、対象団地や対象住戸の範囲を広げ優先枠の拡大の検討を行ってまいりまして、新婚子育て世帯の住宅確保を支援してまいります。

認定こども園で保育の質・水準の低下させるな

■質問■ 第2は、子どもたちの権利を保障する県の責任の問題です。
 1点目は認定こども園についてです。わが党はこの法案に反対の立場をとりました。
一つに、認定こども園の施設設備や職員配置、教育・保育内容などが、現行の幼稚園、保育所の国の基準を下回ることを許しているからです。二つには、直接契約制が導入され、施設ごとに保育料の自由な設定が可能になったことで、必要な子供たちが保育を受けられない事態になりかねないからです。親の経済力で左右されたり、滞納などを理由に退所という事態も起こりえます。また、こども園では、「保育に欠ける子ども」の認定に行政が関与する仕組みが保障されておらず、保育を必要としている子供たちへの公的責任が明確にされていません。「認定こども園」制度は、国と自治体が責任を持つ公的保育制度を根底から崩す突破口なりかねないのです。政府の規制改革・民間開放推進会議では、「高コストの公立保育所を増設するのは現実的ではなく、…特に民間企業の参入を促すことが急務」とのべ、さらに民営化を促進しようとしています。しかし、企業がもうけ優先で保育園を運営することは、親の願いにこたえるものではありません。神戸市で今年、株式会社経営の認可保育園「すくすく保育園」が、約五十人の園児を抱えたまま廃園した例をみてもすでに明らかとなっています。県が公的保育充実の立場にたつことこそ必要です。
 同時に、条例の制定に当たっては、少なくとも現行の教育・保育水準を後退させないこと、保育を必要とするすべての子どもに保育を保障することが求められます。
 例えば施設面では、国の指針では、職員室・調理室・園庭などは必置にはなっていませんが、食育の重要性が叫ばれている今日、乳幼児期のこどもの食生活の基礎をつくるためにも自園での調理室や調理員は絶対に必要です。
 さらには、条例制定にあたって、県はパブリックコメントを行うとしていますが、それだけで「すべて意見は網羅した」という姿勢ではなく、実際に保育に関わっている保育・幼稚園関係者や学識経験者、運動団体、保護者、行政の担当者など多くの方の意見を聞いて法律に不足するものを補完・充足させる姿勢が必要です。
 三重県では、傍聴もできる3回の検討委員会が開かれ、認定基準案が策定されています。
 そこでおたずねします。公的保育を充実させる立場を県として明らかにするとともに、条例化にあたっては、職員配置、施設などは現在の幼稚園と保育所の基準の高い方を義務づけ現行の教育・保育水準を後退させないこと、すべての「保育に欠ける子ども」の保育を保障すること。そして本県でも多くの方の意見を聞き、公開の検討委員会のようなものを設置し、時間をかけた検討を行うとともに、パブリックコメントは条例案要綱の部分でなくすべてについておこなうことを求めます。知事の前向きな答弁を期待します。

▼答弁▼井戸知事:次に、認定こども園についてです。認定こども園は、ご指摘のような公的に限らず、就学前の教育保育を一体として捉え、一貫して提供する新たな枠組みとして、保育に欠ける子も欠けない子も受け入れるとともに地域における子育てを支援する施設としてスタートしようとしております。ご指摘の職員配置基準等については、法に規定されている4つの類型、幼保連携型、幼稚園型、保育所型、地方裁量型ごとに国が定める指針を基準としていること、またご指摘の保育に欠ける子どもの保育の保障については、それぞれの類型に応じた保育所の定員が基本であることを踏まえまして条例案の検討をすすめているところです。また、ご指摘の条例案検討のすすめかたについては、庁内の少子対策本部に設置したプロジェクトチームにおいて認定基準案等を作成し、県議会をはじめ、県保育協会や県幼稚園協会等関係団体、市町にご意見を伺っております。今後条例案の策定にあたりましては関係団体等と充分に意見交換を行うとともに、パブリックコメント手続きを行いまして、幅広く県民の意見をお聞きして条例案をまとめてご審議をいただくようにしたいとこのように考えていますのでよろしくご指導いただきたいと存じます。

のじぎく療育センター問題 移転・廃止では重複患者に対応できない

■質問■ 2点目は、神戸市西区にある県立のじぎく療育センターの問題です。
 治療訓練を行いながら隣接する養護学校で教育が受けられ、重複障害児の医療・発達支援を主眼においた総合的な「療育」が可能な県下唯一のこのセンターを、廃止・移転する計画に対し、わが党議員が予算特別委員会でも撤回を求めました。その際、センターの継続を求めた「あり方検討委員会」の報告を没にして別の検討委員にすげかえたり、パブリックコメントを公表しないなど、参画と協働とは名ばかりの乱暴な県のやり方が浮き彫りになりました。その後、患者の保護者や県民の怒りの声はさらに広がり、署名の取組みは約一ヶ月で二万筆を越えています。
 9月3日には、県の計画を再考してもらおうと、シンポジウムが開催されましたが、この間、県の説明の矛盾、破綻が明らかになっています。
 第一に、患者の受け入れの問題です。のじぎく療育センターは、重複障害や重症心身障害児、虐待などによる心のケア問題など、スタッフの努力で幅広く受け入れを行ってきました。保護者の皆さんの大きな疑問は「移転先」の総合リハビリセンターで、ほんとうに今と同様にこのような子どもたちを受け入れてくれるのかということです。県は保護者に「現にのじぎく療育センターで治療やリハビリを受けている患者は総合リハの小児リハでも同様に受けられることが基本」と説明しています。ところが、ある保護者が総合リハビリセンターで聞いたところ、「新設の小児整形では整形外科の手術を受ける子どもしか受け付けない」とはっきりいわれたとのことです。今ののじぎく療育センターでは整形外科のみという子どもさんはむしろ少数です。県はのじぎくのような施設を必要としている多くの子どもたちを排除するのでしょうか。
 第二に、この子どもたちの教育の問題です。
 3日のシンポで、パネリストの木下孝司神戸大助教授は、1974年に行われた「不就学障害児の死亡事例の実態調査研究」で、就学猶予免除を受け在宅を余儀なくされていた重複の重度の障害をもつ子どもたちの死亡率が非常に高いというデータを紹介しつつ、教育を保障するとりくみを通じてどんなに障害の重い子どもも発達する可能性があることが確かめられた三十年だったと報告されました。
 ところが県は、のじぎく療育センターの移転について、新しい施設に養護学校は併設しないとし、「教育の付加については引き続き教育委員会と協議する」とだけのべています。県は障害を持つ子どもたちが教育を受ける権利を単なる付け加えだというのですか。また、県教育委員会はのじぎく養護学校に高等部設置を検討しており、その方針とも矛盾しています。
 第三に、センター廃止の理由についてです。県は「医師確保が困難」ということを最大の理由にしていますが、「なぜ総合リハビリセンターなら確保可能で、のじぎく療育センターなら不可能なのか」との保護者の疑問に、県はなんら答えていません。
 県の計画は、理由も充分説明できないまま、いまのじぎく療育センターを必要としている人々から施設をとりあげ、発達する権利を奪うなんの道理もない計画です。
そこで質問します。のじぎく療育センターの廃止計画を中止し、保護者や関係者、県民の意見をしっかり聞き、充実、発展をさせることを求めますが、知事の優しい答弁を期待します。

▼答弁▼井戸知事:のじぎく療育センターについてのお尋ねがございました。肢体不自由児入所施設として設置されたのじぎく療育センターは、腕や足、背骨など身体の機能に障害のある児童を治療するとともに、自立した生活に必要な知識技能を与えることを目的とした施設であります。しかし、少子化やポリオの激減等の疾病構造の変化、あるいは医療技術の進歩等によりまして、入院患者が減少するとともに施設の老朽化がすすみ、さらには、医師の確保が困難な状況となってきております。現在のような、大規模な施設として、維持していくことがたいへん難しくかつ非効率になっているところであります。このためのじぎく療育センターの機能を総合リハビリテーションセンターに新設する小児リハビリ病院に移転確保し、子どもからおとなまで一貫した治療とリハビリを提供できる体制を確保していくとともに、能力開発や就業訓練など肢体不自由児に対する患者サービスの一層の充実をはかることとしたわけであります。ご指摘の患者の受け入れ問題については、入院治療が必要な肢体不自由児については、小児リハ病棟でその発達過程に即した的確な治療を行いますとともに、治療においても家庭の事情等で入所や訓練が必要な児童は、あわせて新設する肢体不自由児養護施設で対応することにしております。また重症心身障害児や虐待など心のケアが必要な児童については、重症心身障害児施設等適切な施設を紹介しケアの確保をはかることにいたします。教育面については有識者の意見を踏まえて、小児リハビリ病棟にできるだけ近接して、利用する児童に見合った規模の教育施設を新たに附設することとして対応いたします。センター廃止の理由については、先ほどお答えした内容を保護者説明会を2回開催し説明してきております。いずれにしましても、のじぎく療育センターは役割を終えた。新しい展開をはかるべき時期に来ておりますので、このような対応をさせていただこうとするものであります。ご理解いただきたいと存じます。

明石-岩屋高速船航路存続を

■質問■ 3点目は、通学のため高校生も利用する明石-岩屋高速船航路存続のための県の役割について質問します。本年4月末明石-岩屋間を高速船で結ぶ明淡高速船(株)が、「赤字」を理由に一ヶ月後に航路の運航休止を発表しました。
 高速船航路は、明石海峡大橋開通後の利用者が年間70万人に減ったとはいえ、明石と岩屋を結び通学や通勤、通院に欠かせない航路となっています。それだけに、当面の運行について、明石市、淡路市が明淡高速(株)にそれぞれ補助金を出すことでひとまず、運行休止は回避されることとなり、利用者をホッとさせたところです。しかし今後どうするのかは、現在、兵庫県の設置した「航路のあり方検討会」において検討が続いています。 
 この間、明石市と淡路市が実施したアンケートによると、平日の乗降客は通勤・通学の利用が圧倒的で、早くて便利な高速船航路の存続を求める声は利用者の95%にもなっています。アンケート結果は改めて生活に不可欠な航路であることを示しています。航路存続についてはいずれにおいても異論のないところです。
2003年には国土交通委員会において、「本州四国連絡道路の完成によって、一般旅客定期航路事業の経営に重大な影響が懸念されていることに鑑み、関係する地方公共団体の協力を得て必要に応じ適切な措置を講ずるよう努める」とする付帯決議が全会一致でなされています。
 そこで県として、明石―岩屋高速船航路について付帯決議の趣旨も踏まえ、広域性も考慮する立場で、財政的支援も含め積極的に存続への支援を行うよう求めますがいかがですか。

▼答弁▼原口県土整備部長:明石岩屋高速船航路の存続への支援についてでございます。明石岩屋間を結んでおります明淡高速船は年間70万人に利用されておりまして、通勤通学など地域の貴重な交通手段となっております。近年の原油価格の高騰などにより、平成19年1月以降は、経営努力を重ねても、公的支援なしで航路を継続することはきわめて厳しい状況と聞いております。このようなことから、県といたしましては、現在、明石、淡路両市などと航路のあり方検討会におきまして、航路存続に向けた協議をすすめているところでございますが、高速バスやまた明石淡路フェリーなど在外交通手段が確保されておりますことから、今検討しております港湾施設使用料の減免を越えるような財政支援は困難であると考えております。また付帯決議は、明石海峡大橋開通後、平成15年7月からさらなる通行料金引き下げに関するものでございますが、このときに、高速バス料金の引き下げが行われなかったこと、さらに国も料金引き下げによります影響が認めにくいとしておりまして、このようなことから今回の明淡高速船の場合はこれに該当しないものと考えております。このように、大変厳しい状況ではございますが、今後とも県といたしましては、県民の足を守り利便性を確保する観点から、明石・淡路両市など関係機関とも充分な連携を図りながら、この航路のあり方検討会で協議を重ねまして、航路が維持できますよう努めたいと考えております。

こどもが遊べる山田川へ、環境再生を

■質問■ 第3は、いま子どもたちを巡る悲惨な事件が相次ぐとき、子どもが楽しく遊び、学ぶ環境をつくる問題です。
 先日、私の家に手紙が届けられました。「私は、毎朝、川沿いを散歩しています。山田川の自然が素晴らしいことに気がつきました。コイ、ボラ、フナと海と川の魚が同居、シラサギもえさをとりにきています。今年はカルガモも二組が子育てして旅立ちました」との文面です。私の地元垂水区には三本の都市河川・県管理の二級河川が流れています。各々の川に歴史があり、1960年代から始まった北部開発によってその流れは一変しました。山田川も生活排水などで水質汚濁はすすみ、川から子どもたちを、住民を遠ざけてしまいました。ところが、文面にあるように下流は河川改修がすすめられるなか、数年前までは「山田川には入ってはいけない」と学校から禁止令が出ていたのが今や、毎日のように網を持った子どもたちが川に戻ってきました。河床には大きな自然石が敷き詰められ景観にも、生態系にもやさしくなっています。魚の隠れ家となった石の隙間に網を潜らせる姿は、その昔、私が子どもの頃、小学校の理科の授業で「川の生き物」を山田川で学習した姿とだぶります。ただ、手紙の続きにはこう綴られています。「海から逆流する下流では、水の出口がふさがり、よどんでしまっています。何とかして下さい」と河口閉塞の改修を訴えられました。この問題は、つい先日も連合老人会の県政懇談会や、これまでも自治会や住民の方々からも要望されています。河口閉塞の原因は、「明石海峡の潮流による漂砂、即ち河口に土砂を持ち込もうとする海側の沿岸流や波浪による土砂の移動が強いこと」といいますが、それだけでなく北部開発や埋め立てなどが原因ではないでしょうか。自然破壊のなかった時代は流れはスムーズでした。また、河口閉塞は回遊魚および汽水・海水魚を減少させる原因にもなると言われます。現に山田川と同規模の都市河川である灘区の都賀川でみれば、魚類の確認種類数は、山田川13種、都賀川27種と大きな差がみられます。
 上流の問題ではどうかというと、県は治水における河川改修は終了したといいますが、それは30年以上も前コンクリートで固められたままで、環境対策は遅れています。山田川には、環境省レッドデータブックで絶滅危惧U類、県版レッドデータブックで要注目種に選定されているメダカやドジョウが生息していることが、県の統計で明らかです。これらの「川の生き物」を絶滅させないためにも流域全体を環境を守り親水性を持たせる河川にするべきだと思います。
 山田川の河口閉塞を国とも連携し解決すること。さらには上流の河川改修をすすめることで「こどもたちや住民に憩える川」として頂きたいと思いますがいかがですか。

▼答弁▼原口県土整備部長:山田川の河口閉塞および河川改修についてでございます。県では、ひょうご人と自然の川づくり基本理念に基づきまして、治水を基本としながら、生態系や親水性、水文化に配慮した河川整備に取り組んできたところでございます。山田川につきましては、県管理の全区間で、概ね50年確率の治水安全度を確保しております。平成11年からは、JRの上流約1キロメートルの区間におきまして、河床低下がいたしておりますので、それに伴います護岸の補強とあわせまして、ご指摘のような自然石を用いた河床整備を実施をしてきておりまして、地域住民の方から貴重な親水スペースとして評価を得、活用をいただいております。現在、この区間につづきまして、第2神明道路上流区間におきましても、親水性や生態系に配慮しました河床整備を実施しております。残る区間につきましても順次整備していく予定としております。
 河口閉塞の問題ですが、昭和22年の航空写真におきましても、河口部に砂の州が生じておりまして閉塞が見られております。このようなことから考えますと、河口の閉塞は明石海峡の潮流による漂砂が原因で、ご指摘のような上流域の開発や埋め立ての影響によるものではないと考えております。いずれにしましても、この河口部は地形的に土砂が堆積しやすい条件でございます。そういった状況でございますが、長期の間、魚類の遡上ができないほどの状況でもございませんので、現段階では堆積土砂の掘削など、適正な維持管理を行っていくことで対応していきたいというふうに考えております。

学校図書館の図書の充実と専任司書の配置を

■質問■ 最後は学校図書館に関わる問題についてです。
 PISAの学習到達度調査で、日本の子どもの「学力低下」が強調されがちですが、注目すべきは、世界一になったフィンランドの「学力」と日本の「学力」の質の差です。特に「読解リテラシー」でフィンランドが1位になったのに対し、日本はこの分野で特に下がり、記述式の問題で無回答が多いことが特徴になっています。PISAの調査は、暗記学力でなく、自分で問いを出し、考え、表現する力や他の知識とのつながりを学力として評価していますが、その調査で日本は悪い点数が出たのです。現実の社会や自らの将来と学ぶこととが結びついているフィンランドと、現実と学校の勉強とが切り離され、学校にいる間は覚えていても出たとたん忘れてしまう「剥がれ落ちる学力」中心の日本の違いが見えます。
 フィンランドの高学力の背景・要因として、格差のない社会づくりが基盤にあること、競争・序列を排し、すべての子に平等な教育を保障してきたことなどとともに、私が注目したのは、読書環境が整備され、読書量が世界一ということです。
 日本でも子どもの読書活動の重要性が強調され始めましたが、読書環境はたいへん貧弱です。公立図書館の数がサミット8か国中最低というなかで、学校図書館の果たす役割は大きいものがありますが、1人あたりの図書購入費は、小学校1,331円、中学校1,819円で、兵庫県はさらに下回り、小学校で1,169円、中学校1,642円にすぎません。県立高校にいたっては、図書購入費は光熱水費・備品修繕費などさまざまな費用を含む「学校施設維持管理費」のなかに含まれ、そのうち図書購入にあてられているのは、04年度決算でみると約1%しかありません。現場では、1校あたりの予算が雑誌類も含めて10万円しかない高校もざらだとのことです。新規購入ができず、「ここは古いから参考にしないように」と注釈つきで本を見せているという笑えない話も聞きました。学校任せになっているために、私学との格差のみならず、県立学校間にも格差が生まれています。
 また、「司書教諭」はほとんどの学校で配置されたものの、専任の図書館職員いわゆる司書の配置は進んでいません。配置されている公立学校は、小・中で1割にもみたず、高校でも半数しかなく全国的にも遅れています。しかも多くが兼任です。県立高校では、多くの場合、配置されているのは、「実習教員」の方々ですが、24クラス以下では1人しか配置されないため、図書のほかに理科や家庭科の実習も受け持っており、せっかく資格があっても生かすことができない実態です。専任でないと、昼休みと放課後開けられるのはよいほうで、それすらかなわず、まるで「倉庫」になっている学校もあると聞きました。子どもの「知りたい」「読みたい」「調べたい」に常時こたえるために、学校図書館に専任の司書、専任の職員は欠かせません。常時あけておくためばかりでなく、絶え間なく発行される図書を子どもの発達を考慮して選定、整理、体系化する「組織化」のしごと、「こんな本が読みたい」という子どもの興味にこたえる仕事は、専任・専門の職員でなければ果たせません。また、そうしてこそ司書教諭と連携し、図書館を生かした授業を行うこともできます。
 県立学校の学校図書の予算措置を充実させ、図書購入費として各学校が確保できるようにすること、また、各校に専任の学校図書司書を配置すること。さらに、小中学校の図書購入費の実情を県として調査し、市町教委と連携して充実を図ることを求めます。

 教え子たちと別れ政治を志した私の信条は「一票をもたないこどもたちの願いを行政に届けること」です。これからもそのために頑張る決意を申し上げ質問を終わります。

▼答弁▼吉本教育長:学校図書の充実についてのご質問にお答えします。県立学校の図書費につきましては予算執行における学校長の裁量を拡大し、権限の強化をはかる目的で、従来図書購入費など費目単位に経費区分を行っていたものを、学校維持運営費として一括交付することとしたものであります。学校図書の購入も含めて、具体的な執行を学校長の裁量にゆだねているところであり、今後ともその執行枠の確保に努めてまいりたいと考えております。また学校図書館の適切な運営をはかりますため、図書館司書のあり方につきましては、平成9年度に学校図書館法が改正され、司書教諭を配置した上でその運営をはかることとされたところであります。本県におきましては同法が定めました配置期限であります平成15年度の司書教諭の配置を終えたところであり、現在司書教諭を中心として、生徒の図書委員会活動も活用しながら、学校全体として図書館教育の充実に取り組んでいるところであります。小中学校の図書購入費につきましては、市町の責任で対応すべきものではありますが、文部科学省の調査によりますと、一人当たりの図書購入費は、ご指摘の通り全国平均を下回っておりますが、1校あたりでみますと小学校は全国42万円、本県45万2000円、中学校は、全国60万6000円、本県68万4000円で、全国平均を上回っているところであります。また本県では、兵庫こどもの読書活動推進計画を策定しその環境整備に努めているところであります。小中学校の学校図書館の充実のために、地域や家庭で眠っております蔵書を寄贈する本ぞうネットを平成17年度から運用し5万冊にのぼる本の寄贈をいただいております。今後とも市町教育委員会と連携して学校図書の充実をはかり子どもの読書活動の推進に努めてまいります。

再質問

■質問■ 2点再質問します。教育長と知事のお二人ですが、基本的にお考えになっているその考え方を改めていただきたい。
 その1点は、図書の問題です。今言われましたけれども、まず、兵庫こどもの読書活動推進計画、教育委員会が決められてそれに基づいて推進しているこうおっしゃいました。この中の意義、すばらしいことが書かれています。「子どもにとって読書は豊かな情操を育むとともに人間形成の上で大きな役割を担っている、人生をより深く生きる力を身につけいく上で欠くことのできない。この意義に沿って実践をする」。これが教育委員会の役割なんです。ところが図書費は現実に本を買うお金と光熱費といっしょなんです。ガラスの割れたその修繕費といっしょなんです。それでこの計画が推進できますか。そういう意味で私は考え方を変えていただいて図書そのものの財政を明らかにすべきです。それと同時に司書の問題ですが、ご承知でしょうか、鳥取県では2002年から専任の司書を全部の県立高校におかれたとたんにどんなことが起きているか。2年間で貸し出しの冊数が2倍になっているんです。それだけ子どもたちが学校図書館を愛しているということです。そこへいくんです。どうぞそういった意味でも先ほどの答弁では納得できません。再答弁よろしくお願いします。
 それと、知事に対して、私はこれは基本的に今のじぎく療育センターを利用されておられる方、聞いて悲しく思ってられると思います。役割は終えた。こんな言い方ありますか。療育センターの療育とはどういう意味をもっているでしょう。むしろ今ののじぎく療育センターは全国的に見ても進んだかたちでいま利用されているんです。それこそ子ども病院で、重い重い障害で生まれてその生きたいというその思いをもっているけれども、やむを得ず障害を持った。今の障害ご承知でしょうか。少子化したとはいえ、重複で重度になっているというお子さんが多いんです。入院が減少しているとの理由も言われました。けれども今は廃止する縮小するということを前提で、残念ながらのじぎく療育センターが受け入れていない。この実態を調べてください。そういう意味で、今私たちは、ほんとうにこののじぎく療育センター、むしろ多くの重複障害児持っている、それぞれの重症心身障害児あるいは虐待を受けて心も体も5歳であるのに3歳ぐらいしか体しかないそういうお子さんもいらっしゃる。こころのケアをこれを精神科の方にやったらいい。こういう問題じゃないんです。総合的に発達するそういう意味では療育の意味をもつセンター考え直していただきたいと思います。再度求めます。

▼答弁▼井戸知事:肢体不自由児施設としてののじぎく療育センターの機能や果たしてきた役割は、今の時点で再評価すると今のままの経営を続けていくことはいかがであろうか。それよりもリハビリテーションセンターに小児の分野を充実してそして総合リハの機能全体としてカバーしていく方が望ましいのではないか。そのように考えて、計画を進めようとしているものでありますので、その点はご理解いただきたいと思います。今ご指摘になりました重複障害が多くなっている、あるいはこころのケアで悩んでいる子どもたちがおられる。それに対してどのような対応をするのか。これはのじぎく療育センターで言っている肢体不自由児施設の対象として考えていったらいいのか。あるいは、重症心身障害児等の施設で対応していったらいいのか。これは別途十分検討する必要があると私も認識いたします。のじぎく療育センターの肢体不自由児施設でそれを受け持つのが適当だという考えは、私の方から直していただいたらいいのではないかとこのように思います。

▼答弁▼吉本教育長:1点目の図書購入費のことでございますが、われわれといたしましては、高等学校の生徒達の全体の活力を与えるためには、校長の裁量権を拡大をいたしまして、校長が学校のために児童生徒のために裁量の範囲を広げて、事業を展開していくことが高校にとって望ましい方向であると考えておりますのでこの点ご了解をいただきたいと思います。
 それから図書館につきましては、学校全体として図書館司書を中心として学校全体が教員、生徒を含めて図書活動に取り組んでいただくこのような方向で今学校図書館活動を進めております。ご了解をいただきたいと思います。

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