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本会議 第286回本会議議案反対討論 宮田しずのり
2006年3月23日

 私は、日本共産党県会議員団を代表して、平成18年度関係140議案の内、第1号、第3号ないし第5号、第14号ないし第17号、第19号、第21号ないし第23号、第25号、第26号、第40号、第42号、第46号、第48号、第50号、第52号、第55号ないし第57号、第59号、第60号、第64号、第71号ないし第73号、第75ないし第77号、第79号ないし第82号、第84号、第86号、第87号、第93号、第95ないし第100号、第102号ないし第105号、第111号ないし第116号、第118号、第119号、第121号、第122号、第124号ないし第140号、以上77議案について反対の立場から討論いたします。

格差是正に逆行し、県民の願いとかけ離れた県予算案

ごく最近の世論調査で所得格差が「広がっている」と感じている人が87%にも達し、その格差拡大の理由では、「正社員より給与水準が低いアルバイトやパートで働く人が増えている」という回答が最も多く5割近くも占めています。
また雇用関係による格差とともに地域間格差も広がり、内閣府が去る14日発表した2003年度の県民経済計算によると、小泉政権発足の01年度を境に、都道府県間の県民所得の格差が拡大し始め、県民一人当たりの所得額では兵庫県は全国30位で、県民がいかに低い所得水準に置かれているか浮き彫りになりました。
ここに示されるように新自由主義に基づく小泉内閣の「構造改革」と称する規制緩和や社会保障制度の改悪によって大多数の国民の生活は益々厳しい状況におかれています。
  今、国でも地方でもこの所得の格差を是正し、国民のくらしを支える予算編成が強く求められます。ところが、知事提案の新年度予算案は県民の願いとは大きくかけ離れたものとなっており、これを県民のくらし第一へ転換するため、わが党は今年も予算組替え動議を提出したところであります。
  こうした立場からまず予算案に関わる9議案について一括して述べます。
その1つは、知事提案の予算案は、国の税制改悪などによる負担増が県民に大きくのしかかっている上に、さらに県民緑税など増税を押しつけていることです。
  知事提案では、個人県民税が173億円増収することになっております。しかしその内、約7割を占める115億円は、老年者控除の廃止、定率減税の半減など国の税制改悪に伴い県民が丸々負担増となるものです。そこへ全体で17億5000万円の県民緑税は大きな重荷です。
  さらに、所得税の控除廃止などの影響で、収入は増えていないのに、福祉医療の対象からはずれたり、公営住宅家賃が2倍に跳ね上がるなど、県民にとっては2重3重の負担増となります。
  第25号についても同様の趣旨で反対であります。
  その2は、福祉、医療を削減し、社会的に弱い立場にある県民に対し、冷たい予算となっています。
昨年7月井戸知事2期目スタートと同時に削減が強行された福祉医療は、新年度予算案でもそのまま削減されています。わが党県議団が老人、重度障害者、母子家庭などの各医療費公費負担助成制度の削減分の復活・拡充の組み替え提案を行ったのは今なお、多くの県民の強い声を反映してのもので有ることは言うまでもありません。
「障害者自立支援」法がいよいよ4月1日から実施され、定率1割の利用者負担など障害者福祉のあり方を大本から変えてしまう国の制度改悪に対し、先日の新聞では6都府県と11の政令指定都市などで独自の軽減策を計画していると報道されたところで有りますが、本県は全く障害者や家族の願いに応える内容になっていません。なお、第42号、第46号についても同様の趣旨で認めることはできません。
  少子化対策では、乳幼児医療費助成は所得制限のない完全無料化と対象年齢の引き上げが求められており、保育料については特に今年度、国の税制改悪に伴う父母負担増大もあることから保育料の軽減策が強く望まれていたところでありますが、これらに応えていないばかりか、従来の施策の域を殆ど出ていません。
肢体不自由児に対する医療と福祉の両面の機能を持つ「のじぎく療養センター」の総合リハビリテーションセンターへの移転計画については、県自身が設置した「あり方検討会」の意向もパブリックコメントで寄せられた県民の意見も、ましてや障害児や家族の願いも無視した、まさに参画と協働に逆行するものであります。
さらには、65歳以上の介護保険料の大幅な引き上げが予定されていますが、これに対する支援策もありません。
このように、高齢者も、障害者も、子育て世帯も小泉内閣の構造改革路線と県行革によって深刻な事態に追い込まれているということを厳しく指摘しておきたいと思います。
  その3は、教育問題です。
  まず、35人学級についてです。昨年12月県議会で知事が答弁し、新聞にも報道され、多くの県民も待ち望んでいた「小学校四年生までの実施」は、国の第八次教職員定数改善が見送られた事を理由に反故にされ、新年度は2年生までの実施にとどまっています。わが党県議団が予算組み替え提案で示したように14億円の増額で実施出来るものであります。 
「高校改革第一次実施計画」に基づく高等学校の統廃合計画や総合選抜制度の廃止に向けた動きを容認することはできません。第56号も同趣旨で認められません。
  夜間定時制高校生徒の給食はこれまで通り実施すべきであります。
  その4は、大企業は優遇、中小企業には冷たい予算となっていることです。
わが党が代表質問でも指摘したように、昨年9月、尼崎南部に松下電器プラズマディスプレイ第3工場が操業を開始する際、全従業員800人のうち、450人は地元で新規雇用するとしていましたが蓋をあけて見ると、全部、低賃金の派遣社員であった事が明らかになりました。これでは、県の補助金が不安定雇用を増やし、雇用の格差拡大を奨励することになりかねません。県はこの松下に対し、今年度だけで13億円、今後予定されている第4工場も合わせると松下一社に対し、約92億円も補助することになっています。さらに今後、東芝太子工場など数十億円の補助金対象企業の進出も予定されています。
こうした世界有数の大企業に対する県の補助金のあり方が厳しく問われ、見直しが求められます。一方、地元中小企業に対する支援は全く目新しいものは無く冷たい予算となっています。
その5は、相変わらず大型公共事業の促進予算となっていることです。
第二名神高速道路をはじめ高速道路計画やダム建設、神戸空港など空港関連に対する支出も従来から指摘しているとおりであり、第72号、第73号も同じ理由で反対するものです。

「官から民へ」すすめる指定管理者の問題点

 次は、条例案件についてのべます。
  まず、指定管理者の指定に伴う関係議案であります。
第21号及び第75号以降の48件について反対の理由をのべます。
この案件は、社会福祉施設や文化・スポーツ施設、観光施設など県立施設の運営をこれまでの公社、事業団への管理委託方式をやめ、新たに指定管理者を定め、運営の全てを任せるというものであります、
  そもそも地方自治法改正によりこの制度が導入された背景には、「官から民へ」の規制緩和の風潮が作られる中、民間企業の公共事業への参入、新たなビジネスチャンスを広げるねらいが有ることは明らかです。
  この導入については制度そのものが持つ根本的な問題があります。
その1つは、これまでの管理委託方式では少なくとも住民福祉の増進、均等なサービスを提供するなど公的責任は重視されてきました。ところが新たな指定管理者制度では、民間の経営手法により利益追求が優先されることとなり、住民サービスの後退につながる恐れがあります。
  その2は、チェック体制の問題です。指定管理者は指定されるときには議会の議決が必要ですが、あとは施設の使用許可や一定の範囲内で料金決定できるなどの権限を持ちます。自治体は、指定管理者から年度ごとに事業報告をうけチェックすることになっていますが、議会の審査、議決対象から外され、議会のチェック機能は及びません。監査も出納関連以外の業務内容については対象外となっています。
  こうしたことから、指定管理者制度の導入によって、莫大な税金を投入して建設してきた県立施設の運営が、県民の福祉向上優先ではなく、利益第1主義になってしまう危険性をはらんでいることを改めて強く指摘したいと思います。
  わが党県議団は、これらの点を踏まえ提案された案件を1件1件検討した結果、今回指定される指定管理者は、その多くがこれまで管理委託していた公社や事業団で、運営内容も従来通りと言うものです。しかし特にその中で、利用者から料金をとっている施設で、条例で定めた基準額の0.5から1.5倍の範囲で指定管理者が知事の承認を得て定めるとなっていることから、料金の引き上げ、サービス低下に繋がることが懸念されるため、利用料金制度を採用している施設について反対するものです。
また、第128号〜第130号、即ち県営住宅の指定管理者を指定する件については、利用料金制度ではありませんが、県営住宅はそこに住む住民にとって最も大事な生活基盤であり、非常に公共性が強く、しかも低所得や高齢の入居者も多く福祉的な対応も必要です。したがって県営住宅は、本来、県が直接管理すべきものであり、これを株式会社はもとより、公社であっても指定管理者に指定すべきではなく賛成できません。

次は第22号、 地域安全まちづくり条例制定の件であります。
本条例案は、多発する犯罪を防止するため、地域社会を構成する県民1人ひとり、地縁団体、ボランティア団体、その他団体、及び事業者が連携し、活動に取り組むことを条例で定めるものです。
もちろん、わが党議員団も安心安全な地域社会を実現するため、住民や団体の果たす役割は極めて重要と考えます。
しかし、それは県民や団体等の自主的、自発的意志を文字通り尊重することが前提でなければなりません。ところが、本条例案は、一応「自発性の尊重」をうたいながらも、それぞれの役割、具体的な活動内容では半ば義務を課す内容となっています。
地縁団体、とりわけ町内会や自治会等の活動は今でもその8〜9割は行政の下請的な活動に追われています。
そこへさらに条例で網をかぶせ、上から活動を組織するやり方は相応しくないと考えます。
また、有事法制に基づく国民保護法、国民保護計画と一体で運用される事も懸念され認められません。

第23号 使用料手数料条例の改正案のうち、地下40m以上の大深度地下使用申請手続き料を引き下げる件についてですが、大規模事業を一層、促進することにつながるものであり、認めることはできません。

 第40号 兵庫県老人休養ホームの設置及び管理に関する条例改正案についてです。
  県立栃のみ温泉荘と立雲荘を施設の老朽化、利用者の減少を理由に廃止することがもり込まれています。しかし、特に栃の実温泉荘は高齢者や障害者、低所得者の方々などが安い値段で温泉が楽しめる県下でも数少ない公営施設として喜ばれ、地元の住民も様々な催し等にも利用されており、廃止ではなく、改修を行ってでも存続すべきであります。

 第52号 都市計画法施行条例の一部改正案は、
  市街化調整区域において、開発行為を促進するための規制緩和であり反対です。

第55号 兵庫県営住宅の設置及び管理に関する条例改正案であります。
県営住宅への入居資格のうち、単身高齢者の入居可能な年齢を現在の50歳以上から60歳以上に引き上げることには反対であります。また、県営住宅への定期使用許可制度を導入し、20年を超えない範囲内で期限を限って入居を許可することが出来るようにするとしていますが、年齢や世帯、所得状況などを無視した追い出しにつながる恐れがあり賛成できません。

 第57号 兵庫県学校教職員定数条例の一部改正案についてです。
生徒数の減少により中学校74人、高等学校184人、それぞれ教職員定数を削減しようとするものです。今、小学校だけでなく中学、高校でも少人数学級の必要性が強調され、早期実現が急がれます。こうした生徒減少期を活用して少人数学級への一歩を踏み出すべきであり、中学、高校の教職員削減は認められません。
 
第59号 警察署の名称、位置及び管轄区域に関する条例改正の件であります。
これは現在の52警察署を48警察署に再編・統合し、管轄区域の変更を行おうとするものです。これに対し関係する地域から現体制の存続要望が出されています。尼崎市からは尼崎中央署と西署を統合し、西署を分庁舎にすることについて、先の交番所の廃止に続くもので、重要犯罪が増加する都市部ではむしろ充実・強化すべきだと指摘しています。また、多くの観光客が県内外から訪れる合併前の出石町、但東町、香住町を管轄する出石署と香住署を廃止し、警部派出所とすることにも不安の声が寄せられています。このように存続を求める住民に対する説明不足と合意が得られていない段階での実施には反対であります。

 第64号 兵庫県病院事業の設置等条例改正案の内、県立柏原病院の結核医療を廃止し、ベッドを50床減らすことについては患者数が減少しているとはいえ、結核医療はなお必要であり、病床の削減には賛成できません。

 最後に事件決議案件のうち、第71号 独立行政法人環境再生保全機構に対する出捐(しゅつえん)の件であります。
 これは、有害化学物質、PCB廃棄物の処理施設の建設と処理費用を捻出するため、国と全国47都道府県が「PCB廃棄物処理基金」を造成するのに新年度8700万円を出捐(しゅつえん)しようとするものです。
  もちろんわが党も、現在全国で保管あるいは放置されている約5万トンからのPCB廃棄物の早期処理は必要と考えており、2001年6月制定された国の「PCB特別措置法」には賛成した所です。
  しかし、本来の処理は、PCBの製造業者、使用機器の製造業者、また、使用業者の責任で行うべきであります。
  更に、PCB廃棄物の保管の実態は、依然不明のままです。処理技術の面でも日本ではまだ実績が無く、実施途中でトラブルを起こす可能性が高いということも国会の参考人質疑で明らかになっています。
  以上のような様々な問題を解決しないまま、建設費用や施設が稼働したあとのリスクも国民の負担、税金でまかない、汚染者、排出者が免れるというやり方は認められません。
  その他第50号、兵庫楽農生活センターの設置及び管理条例制定の件、第60号、兵庫県警察本部の組織に関する条例の改正案については、従来から述べている理由で反対であります。以上で私の討論をおわります。

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